
【ほどく時間 #53】静けさの中でしか見えないもの
以前の僕は、
何かが起きると
すぐに考えようとしていた。
どういう意味か。
どう受け取ればいいか。
何が正しいのか。
頭の中で動き続けて、
できるだけ早く
整理しようとしていた。
でも最近は、
少し違う時間が増えてきた。
すぐに言葉にしない。
すぐに意味をつけない。
そのまま、
少し静かにしておく。
すると、
静けさの中でしか
見えないものがあることに気づいた。
言葉にしてしまう前の感覚。
まだ形になっていない違和感。
その場では
はっきりしないけれど、
静かな時間の中で
少しずつ輪郭が見えてくる。
以前の僕は、
その時間を
無駄だと思っていた。
早く意味を見つけたほうが
いいと思っていた。
でも今は、
少し違う。
静けさの中で
沈んでいくものがある。
浮かんでくるものがある。
その時間を通らないと
見えてこないものがある。
子どもとの時間でも、
人との対話でも、
言葉にしない時間が
かえって深くつながることがある。
何かを足さなくてもいい。
静かにそこにあることで、
少しずつ見えてくるものがある。
静けさの中でしか
見えないものがある。
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