
【ほどく時間 #52】わからないまま持っている時間
以前の僕は、
わからないままにしておくことが
少し苦手だった。
何が起きているのか。
どう受け取ればいいのか。
何を意味しているのか。
早く整理して、
わかる状態にしておきたかった。
わからないまま持っていると、
どこか落ち着かなかった。
答えが出ないこと。
意味が定まらないこと。
その曖昧さに、
少し不安があった。
でも最近は、
少し違う感覚になってきた。
わからないことを、
すぐにわかろうとしなくてもいい。
そのまま持っていても、
いいのかもしれない。
子どもとの関わりでも、
人との対話でも、
その場では
答えが出ないことがある。
でも、
無理に言葉にしないほうが
自然なこともある。
そのまま持っている時間の中で、
少しずつ何かが沈んでいく。
感情が落ち着いたり、
見え方が変わったり。
わからないことを
わからないままにしておく。
以前の僕には、
それが少し怖かった。
でも今は、
その時間の中にしか
見えないものがある気がしている。
急いで答えを作らない。
意味を急がない。
そのまま持っている。
すると、
ある日ふと
「ああ、こういうことだったのかもしれない」
そんなふうに
自然につながる瞬間がある。
わからないまま持っている時間。
それもまた、
大事な時間なのかもしれない。
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