
レンジ事件
海外ホストファミリーの話。
ある日、帰りが遅くなり、娘は一人で食卓についた。
チキンカレーだった。
食べようとした瞬間、マザーが何かを言った。
強い口調だった。
「microwave」
という単語だけが分かった。
その場で、涙が出た。
そばで、次男が驚いた顔をしていた。
翻訳機を使った。
日本では、温めなければならないということはないこと。
英語が早くて聞き取れないこと。
マザーは、それを見て頷いた。
次男が、カレーを温めた。
あとは、そっとしておいてくれた。
部屋に戻ると、シスターがやってきた。
ハグをして、しばらく一緒にいた。
三男もやってきた。
翌朝、いつも通りの食卓が始まった。
何も言わないまま、もとに戻っていた。
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この作品は「日常の薄皮をなでる」シリーズの一篇です。
他の作品もよろしければ。
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それでも、残るものがある。
「I like it!」