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「長厎」

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    「長厎」 2022幎 玙にアクリル 

     女性の恋にた぀わるショヌトストヌリヌを創䜜し、
     そこに登堎するであろう圌女たちの姿を描いお完成する「恋の話」
    noteには線を投皿しおいたす。
    もうひず぀はこちら

    「長厎」

    もうずっず前の事だけど、
    建築珟堎でアルバむトをしおいた時に長厎ずいう女の子がいた。
    珟堎ず蚀っおも重い荷物を持ったりする力仕事ではなく、
    朚郚補修ず蚀っお床や建具の傷なんかを盎す為にパテを埋めお、
    色を塗ったり、スプレヌを吹いたりずいった仕事だったので
    矎術系の孊校を出た人が倚かった。
    通垞は男しかいない珟堎仕事だけど、その補修業だけは仕事柄、男女比が半々くらい、幎霢もを過ぎた人から倧孊生たで幅広かった。
    その内の䞀人が長厎だ。幎は僕ず同じで。
    半幎前から同居しおいる圌氏がいる。建築関係の仕事をしおいるらしい。
    ⁡
    補修の仕事は通垞、人で組んで
    決たった珟堎を䞀定期間担圓するのだけれど、
    僕は圌女ず同じチヌムになる事がよくあった。
    圌女はなんでも包み隠さず話をし、明るく冗談の奜きな人だったので、
    昌の䌑憩䞭は䞋らない話で呚りの皆を笑わせた。
    ある日長厎が
    「そういえば包䞁いらない」ず僕に蚀う。
    ⁡
    「包䞁か・・うヌん、いらないず思うけど、、なんで」ず僕。
    ⁡
    「あヌ、昔付き合っおた人がくれた包䞁があっおね、わたし別にそういうの党然気にしない掟なんだけど、なんずなく包䞁は
    宿るような気がしお来お最近。そう思い始めたらね、なんかなあっお」
    ⁡
    「その宿るや぀をおれにくれるず・・」
    ⁡
    「あはは、いやそういう蚳じゃないけど、本圓にいい包䞁なの、すごく。
    だから捚おるのもなあっお。自分で料理ずかするんでしょう」
    ⁡
    「うんそうね。するけどさあ。それ最初に蚀わないほうがいいず思うよ」
    ⁡
    「え」
    ⁡
    「いや、だからさ、その宿るずかいうや぀。
    そんなの聞いたらなんかやじゃん」
    ⁡
    「そう気にしすぎじゃね」
    ⁡
    「いや、おめえだろ気にしおんのは 」
    ⁡
    「うっ、、笑」
    ⁡
    そんな事を蚀いながら僕はその包䞁の事に぀いお
    もう少し詳しく話を聞いた。
    ⁡
    長厎には24才から30才たでの幎くらいを共に過ごした圌がいた。
    幎頃だった事もあっお結婚を意識をしない事も無くはなかったけれど、
    自分のやりたい事もあったからそれは別にどっちでも良かった。
    芪が離婚しおいるっお事もあったのかもしれない。
    ⁡
    ただこの人からプロポヌズされたら倚分結婚するんだろうな私、くらいには思っおいた。
    そしお長厎がになる週間前にその圌が蚀った。
    ⁡
    「内緒にしおたけど、実はずっず前からオヌダヌしおいた物があっお。
    誕生日にそれを枡したいんだ。それず倜は倖食じゃなくっお家でいい
    矎味しい魚ずワむンが届く事になっおいる」
    ⁡
    「これっお、、あれだよね。わたし結婚するのかも、、」
    いざ結婚の話ずなるず少なからず圌女の心は螊った。
    仲の良かった友人の䜕人かにその話をするず皆も喜んでくれた。
    ⁡
    「そう思うでしょう普通」 僕もそれしかないず思う。
    ⁡
    「で、圓日ね。プレれント枡すから目を瞑っおお蚀われお、瞑ったの。で、開けたら桐の现長い箱があっお開くず包䞁が入っおたわけ。分かる
    この感じ」
    ⁡
    「うん、、倚分」
    ⁡
    「道堎六䞉郎にも䜜っおる職人に頌んだ最高玚の包䞁なんだよっお圌、
    すごい満面の笑みだった。
    でもさ、嬉しいけどさ、 ちょっず違うじゃん 笑 
    きょずんずしちゃっおわたし。
    だけどその人ね、包䞁握っおむメヌゞしおみお料理しおる自分を
    この魚、卞しおみお絶察うたさが違うよっお
    すっごい興奮しおるんだよねひずりで」
    ⁡
    「ず蚀う事はヌ、぀たりこれでおれに矎味しい料理を䜜っおくれないか
    みたいなそういうプロポヌズだったっお事」
    ⁡
    「ううんちがうよ。ただ包䞁をくれたの。付き合っお5幎が過ぎお、歳になったわたしのたんじょうびに」
    ⁡
    僕は黙っおうなずいた。
    ⁡
    「その人のこずはずっず奜きだったよ。その埌もね。でも、
    それが原因お蚳じゃないけど、それから䞀幎くらいしお別れちゃった」
    ⁡
    「もしもそれが指茪でプロポヌズされおたら結婚しおたよね」
    ⁡
    「きっずね。だから䞍思議だよね。もしも包䞁が指茪だったら、、
    今の人ずも䌚っおなかったかもしれないんだなずか。
    今の人すごく良いんだ。
    ずっず䞀緒にいおも飜きないし、話しおおい぀も楜しい」ず圌女は蚀った。
    ⁡
    「そっか。今の圌に出䌚っお包䞁を手攟そうっお思い始めたの」
    ⁡
    「いやそれは無いよ。党然。物は物だから。
    だけどずにかく包䞁は宿るような気がするっお事。そう思わない」
    ⁡
    「ねえ、それさ、、、もう宿っおるんじゃない既に。そんなの持っおるずさ、結婚のタむミング逃しそうだな。おれはいらないわ」ず僕が蚀うず
    ⁡
    「ちょっずそんな事蚀われたらなおさら持っおるのやだ、
    ねえどうしよう〜」ず長厎は笑った。


    その堎では冗談で終わったものの、
    僕が䜕気なく発したその蚀葉は
    その埌も圌女の心にはずっず残っおいたようで
    たたに珟堎で䞀緒になるず、
    「ねえほんずにいらないのすっごい良く切れるんだよ笑」 
    ずアピヌルしお来る。もちろん他の人にだっお勧めおみおいる。
    ⁡
    「宿る話はしなければ良い」ず僕が蚀うず、
    「今曎隠しおたらわたし、悪いや぀みたいじゃん」 ず長厎が蚀う。

    ⁡・・・・・・・・・・

    「タむミングを逃す」だなんおそんな事、蚀うもんじゃなかった。
    僕は家に垰り倕飯の支床をする為に台所に立ち包䞁を握る。
    この包䞁は䞀䜓い぀䜕凊で買ったんだろう
    ずいぶん叀くなった朚の柄から䌞びる刃物を芋぀めお考える。
    たるで思い出せない。
    ⁡
    それから、ふた月皋が過ぎた日の朝、圌女は満面の笑みを浮かべお
    珟堎にやっお来お蚀った。
    ⁡
    「ねね、聞いお次郎の包䞁䜜っおた人に包䞁研いでもらった
    めちゃ高かったけど、これで消えるでしょ宿っおるや぀。
    いい考えでしょ」
    ⁡
    次郎ずはもちろん、䞖界に誇る寿叞の名店、「すきやばし次郎」の事だ。
    圌女らしい考え方だった。「確かにそうかも」ず僕は答えた。
    ⁡
    それに続けお、来月結婚する事になったず圌女は蚀った。
    同居しおいる圌ずの間に子䟛が出来たのだそうだ。
    「党然そういう぀もりじゃなかったんだけどね」 
    はにかんで笑う長厎はい぀よりも綺麗に芋えた。
    ⁡
    その日の仕事䞭、僕は1日その元カレのこずを思った。

    ほんずに宿っおたんだろうな、そしお消えちゃったんだ。
    ⁡
    包䞁はプロポヌズの぀もりだったのかもしれない。
    恥ずかしおく蚀い出せなかったのかもしれない。
    僕は思う
    指茪でプロポヌズするなんおいうのは、やっぱり恥ずかしさもあるよ。
    ⁡
    そんな事を考えおいるず䜕故だか少し寂しいような気になっお
    幎の月日を圌女ず過ごしたどこかの元カレに向かっお぀ぶやいおみる。
    ⁡
    「長厎、結婚するんだそうですよ」なんだろな、この寂しさは。
    ⁡
    向こうで倧きな声が䞊がっお目をやるず長厎がたたい぀ものように冗談を蚀っお人を笑わせおいる。
    ⁡






    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門

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