幽霊禁止のアパート
内見の日、管理人は念を押した。
「当アパート、幽霊は禁止です」
安心して契約した。
翌朝、隣室から出てきた男の頭には皿があった。
「おはようございます」
河童だった。
二階では、ろくろ首がベランダ越しに洗濯物を取り込み、駐輪場では二本尻尾の猫が日向ぼっこをしている。
八時になると、みんな門へ向かう。
門を出た途端、皿は消え、首は縮み、尻尾も一本になった。
「外では人間に化けるのが規則です」
管理人は平然と言った。
「……妖怪はいいんですか?」
「もちろん」
「じゃあ、なんで幽霊だけ禁止なんです?」
管理人は真顔になった。
「怖いじゃないですか」
河童が隣で大きく頷いた。
おまけ
後日、入居希望者がやってきた。
「種族は?」
「幽霊族です」
管理人はそっと申込書を閉じた。
「大変申し訳ございません」
短編のサムネを装丁設計室で作っています。
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