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未来のために削ぐ

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    妻・里緒。
    口腔多発がんと四年八カ月闘う。


    も。


    雪は

    もう

    解けなかった。


    2025年11月10日

    旅立つ。


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    残された

    夫・風志は、

    未練と執着を抱えていた。


    そんな男に

    里緒は、

    霊ひの世界より

    別れを告げてきた。


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    🍃 尊格里緒

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    四十九日
    迫る
    とある深夜――


    火

    灯す。


    経も唱え終える

    と、

    少し

    眠りの

    世界へ

    落ちた。


    ところが。

    まもなくして。


    摩訶不思議

    な

    幻想

    が

    空間

    を

    包む。


    半覚醒のような
    刻ときへと誘われた。

    壁面に。

    頭上に。
    そして、内側に。

    何とも形容しがたい

    「風変わりなマーク」

    が。

    浮かび上がってきた。


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    二つの ”神秘”

    が

    並んで座す

    天へと

    伸びる


     像。

     影。


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    「あ」

    「あー」

    「あぁ~」


    声は肚から出るも、
    肚から動けない。

    身体からだが動かない。

    金縛り、とも違う。

    不思議な感覚。


    それは
    心地
    佳き

    天へと
    浮かぶ
    感覚。


    此。

    越え。


    空。

    立つ。


    ここで、
    意識が
    少しだけ

    娑婆へ
    覚醒。


    誰が

    仕組んだのか

    考えた。


    おそらく・・・

    里緒だ。



    『妙法蓮華経 見宝塔品 第十一』


    二人の尊格

     空中に

      並ぶ



    これを。

    重ねたのか。


    二人の 

    想いは

    永遠である。


    巧みに

    見事に

    伝えてきた。


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    二人の尊格

      空に

       坐る


    二人の永遠

      空に

       坐る


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    🍂 出口里緒

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    先ほどの夢に

    風志は

    しばし興奮。


    それでも
    風志。

    再び、

    眠りに。

    憑つく。


    明けがた。

    再び。
    夢。

    今度は。

    天から
    沈み逝く
    感覚。


    空。

    越え。


    彼。

    立つ。


    時刻は
    はっきりしない。

    体感としては。

    おそらく。

    命終時刻。

    午前4時28分。

    その時間帯に、
    妻・里緒から、
    私宛に
    手紙が届く。


    差出人名

    は、

    なんと。


    『出口 里緒』


    そう、
    はっきり記されていた。


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    手紙の内容自体は、

    「今まで借りていたものを返すね♪」
    「ありがとう♪」

    とても
    穏やかで軽やか。

    ただ。

    なぜ。
    なぜ。

    ――

    妻側の苗字

    「泉」(仮名)

    でもなく。

    ――

    夫側の苗字

    「肚田」(仮名)

    でもなく。

    ――

    『出口 里緒』

    で

    あったのか。

    ――

    意識は、

    彼岸、半分。
    涅槃、半分。

    うつらうつらの中、

    考える。

    四十九日
    目前に控えた
    この時期に。

    「出口」という姓
    を名乗って現れたこと。

    それは。
    すなわち。


    出口 里緒

     ||

    出口


     此。

      彼。


    ……そういうことか。


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    御霊。

    此彼。

    仕来りがある。


    ずっとは

    居られない。


    離別わかれ。

    さよなら。


    掟おきて


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    此これ

     を

    彼方あなた

     は

    伝えにきた。

    そうなのだろう。


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    此岸の出口へ

     彼岸への風が。

    彡
         彡

       ただ

      風だけが。

     吹き抜ける。

    彡
         彡


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    #未来のためにできること


     
     
    我が妻、口腔多発がん 4年8カ月闘病 2025年11月10日4:28 旅立つ 西洋医学を信じた妻(土) 自然療法寄りの僕(風) 価値観の違い越え 「解き」の先で 「結び」を魅る 亡き妻と紡ぐ供養物語 CC0 1.0 Universal 月まで👀 ぶっ飛び自由 🌕🌙

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