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専門機関に相談したあと、今できること

    発達が気になると言われたとき、
    多くの保護者は専門機関への相談を考えます。

    保健所、児童発達支援センター、児童精神科や
    小児科など、相談先はいくつかあります。

    そこで多くの保護者が気にするのは、
    「発達障害なのかどうか」ということです。

    発達障害という言葉は広く知られるように
    なりました。
    発達が気になると言われたとき、

    ・障害があるのだろうか
    ・もしそうなら、早く対応したい

    そう思うのは自然なことです。

    我が子のために必要なことがあるなら、
    きちんと向き合いたい。
    その覚悟を持って相談に行く保護者も多くいます。


    「様子をみましょう」と言われるとき

    しかし、相談に行ったとき、
    「様子をみましょう」と言われることがあります。

    あるいは「発達障害の傾向がある」「自閉スペクトラム症の疑い」などとは告げられても、はっきりとそうであるとは断言されないこともあります。

    保護者としては、明確な答えをもらえなかった
    ように感じ、モヤモヤした気持ちになるかも
    しれません。

    ・発達障害なのか
    ・そうではないのか

    はっきり教えてほしい。
    そう思うのは当然のことです。

    では、なぜ「様子をみましょう」と
    言われるのでしょうか。


    発達障害は、一度の診察だけで決まるものではありません

    まず、発達障害かどうかを診断できるのは
    医師だけです。
    ※医学的には「神経発達症」と呼ばれるカテゴリーですが、本記事では一般的に分かりやすい
    「発達障害」という言葉を用います。

    心理士や保健師、園の先生は診断を行うことは
    できません。

    では、医師が診察すればすぐに診断がつくのか
    というと、必ずしもそうとは限りません。

    発達障害は、血液検査や画像検査のように、
    ある特定の方法で明確に判断できるものでは
    ありません。

    子どもの行動の様子、
    保護者からの聞き取り、
    知能検査などの結果を総合的に見て、
    判断されます。

    また、発達障害は「スペクトラム(連続体)」と
    いう考え方に基づいています。

    例えば、多動という特徴があったとき、
    それが「活発な子ども」として見られる範囲
    なのか、
    発達障害の特性として支援が必要な状態なのか、
    明確な境界線があるわけではありません。

    さらに、子どもは成長の変化が大きい存在です。

    数か月、あるいは一年で、大きく変化することも珍しくありません。

    こうした理由から、
    一度の診察だけで結論を出すのが難しい場合が
    多いのです。

    そのため、「様子をみましょう」という判断になることがあるのです。


    「様子を見る」とは、「何もしない」という意味ではありません

    ここで大切なのは、
    「様子を見る」というのは、
    何もしないという意味ではないということです。

    子どもの変化を見守りながら、
    必要な支援を行っていくという意味です。

    今できることは、たくさんあります。

    その一つが、療育です。


    療育は、子どもの成長を支える場所です

    療育という言葉は、あまり馴染みがないかも
    しれません。

    簡単に言えば、
    その子に合わせて、わかりやすく丁寧に
    教えていく支援の場です。

    子どもの理解の仕方や特性に合わせて
    関わることで、
    生活しやすくなる力を育てていきます。

    少し乱暴な言い方かもしれませんが、
    習い事の延長のようなものと捉えることも
    できます。

    その子にとって分かりやすい方法で関わって
    もらう経験は、多くの場合、子どものプラスに
    なります。


    早く始めることには、大きな意味があります

    もし将来、発達障害という診断がついた場合、
    早い段階から療育を受けていた経験は大きな
    助けになります。

    一方で、診断がつかなかったとしても、
    療育で得た経験が無駄になることはありません。

    子どもにとって、

    ・理解しやすい関わりを受ける経験
    ・成功体験
    ・新しい学び

    は、確実に力になります。

    そして、療育は必要に応じて利用し、
    必要がなくなれば終了することもできます。


    「様子を見る」期間は、支援を始めるための時間です

    「様子をみましょう」と言われたとき、
    それは何もできない期間ではありません。

    子どものことをより深く理解し、
    必要な支援を始めていくための時間です。

    結論を急ぐことよりも、
    子どもにとってプラスになる環境を整えていく
    ことが大切です。

    その積み重ねが、
    子どものこれからの成長を支えていきます。


    次は療育について書いています。
    ぜひ続けてお読みください。

     
     
    ASD・ADHDの子どもたちの支援に約20年。 公認心理師・臨床心理士。 現場で培ってきた経験をもとに、 未就学〜学齢期の保護者に役立つ情報を届けます。 家庭ですぐに実践できる関わり方をわかりやすく発信しています。 ときどき現場の本音も書きます。

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