
青い石と祈りの女神|日光・戦場ヶ原の伝説と舞台実績 ― 神話が生まれるまで
こんにちは、大谷川一聡です。
小説版「青い石と祈りの女神ー戦場ヶ原神戦譚ー」の連載が始まりました。
不思議な光を放つ「青い石」。それを手にしたとき、子供たちは時を超えた神々の戦いへと巻き込まれていきます。
本作は、日光・戦場ヶ原に伝わる神戦伝説を、現代版として再構築した物語です。第1話「遠足に来た子供たち」に入る前に、舞台となる地域の雰囲気と、元となった伝説を簡単にご紹介します。
日光は関東地方・栃木県にあり、東京の真北100kmに位置します。戦場ヶ原は日光連山の中腹、標高約1400mに広がる湿原で、その下流には中禅寺湖と日本三名瀑の一つ華厳の滝があります。なお、華厳の滝から流れ落ちた川
──それが私の名の由来である「大谷川」です。

【戦場ヶ原の伝説】 その昔、中禅寺湖の所有をめぐって、赤城山の神と二荒山の神が戦争をはじめた。赤城軍は百足に、二荒軍は蛇になっての神戦である。蛇の二荒軍の敗色が濃厚になった。二荒山の女神は金色の星のある鹿となって訪れた常陸国の鹿島の神から知恵を授かり、奥州の弓の名手、猿丸の力を借りた。猿丸の弓は赤城山の神の左目を貫き、二荒軍の勝利となった。この神々の争いの地が戦場ヶ原である。

この壮大な伝説に、私は一つの問いを投げかけました。
「なぜ、神々は戦わなければならなかったのか?」
伝説に残されていない「欠けたピース」を埋め込み、現代の視点から命を吹き込んだのが本作です。
【市民劇から、世界を見据えた小説版へ】
本作の原典は、2016年に日光市市制施行10周年事業として上演された市民参加劇の脚本にあります。2日間限定の市民参加劇として上演され、舞台は惜しまれつつも幕を閉じました。
観劇した方々の感想は、
・小学3年生の親子:そろって「泣いた」「感動した」「面白かった」
・20代女性:はまって3回の公演全部見ました。感動しました。
・40代葬儀屋男性:泣いたわ。

それから時を経て2025年、当時の仲間であるレディオベリーの「ゆうにい」から 「子供たちに読み聞かせしたいので、この物語を短くしてほしい」 という依頼を受けました。10年ぶりに脚本を開き、子供たちの読み聞かせ版とは別に、小説版を書くことを決めました。舞台版の骨格に、小説ならではの繊細な情景描写と心理描写を加え、舞台では描ききれなかったキャラクターたちの想いを描きます。世代を超えて胸を熱くする、そう、子供の頃ワクワクした宮崎駿さんの天空の城ラピュタみたいな物語、そんな物語を皆さんにお届けできればと考えています。
さあ、女神の祈りが現代の子供たちと神話の世界を繋ぎます。命より大事なものとは、そしてその未来は──
どうぞお楽しみください。
★キャラ一言
猿丸 「おっしゃー三猿!暴れるぜぃ!」
ミザル「猿丸様の出番はけっこう先ですよ。」