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🌕️もりゆい🌕️〜盛夫さんの遺言。ムーンロードに願いを込めて〜


    【「クルーズで地球一周した母と、自走する息子」裏側の物語】

    今年、私はnote創作大賞2026に
    『クルーズで地球一周した母と、自走する息子』を応募しました。

    家を手放し、介護を終え、クルーズで地球を一周した母。
    そして、自分の足で走り続ける息子。

    その物語の奥には、もうひとつの小さな約束があります。

    「面白い物語を書いてね」

    それは、若い頃から私を見てくれていた
    盛夫さんが最後に残してくれた言葉でした。

    この作品は、今年の応募作の“裏側”にある物語です。
    私がなぜ書くのか。
    その始まりにいた人のことを、もう一度書き直してみます。
    2025年の創作大賞に応募した作品でもあります。


    はじまりは、伊豆の海だった

    40年前。
    伊豆の海でのデート。

    釣りをしていたはずなのに、
    盛夫さんが釣り上げたのは魚ではなく、片方のスリッパ。

    「なんだよ〜」と笑いながら、
    その情けなさに、私は声を出して笑った。

    その帰り道。
    ペットボトルに手紙を入れて、海へ流した。

    ──また、お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても、ここに来ようね。

    そんな約束を、何の疑いもなく信じていた。


    約束は、途中で途切れた

    盛夫さんは、51歳で旅立った。

    あまりにも早すぎて、
    約束の続きを話す時間もなかった。

    その後の私は、
    結婚し、子どもを育て、介護をして、
    気がつけば、人生の後半に立っていた。

    家も手放し、団地での一人暮らし。

    気づけば、
    「誰かのために生きること」ばかりで、
    自分の人生の続きを、後回しにしていた。


    再び、伊豆へ

    そんな私が伊豆へ戻ったのは、
    「おてつたび」がきっかけだった。

    偶然のようでいて、
    どこかで呼ばれていたような気もする。

    満月の夜。
    北川温泉のムーンロードへ向かった。

    海に伸びる、月の光の道。

    その光を見た瞬間、
    胸の奥にしまっていた記憶が、静かに浮かび上がってきた。


    ムーンロードの向こう側

    あの夜、確かに感じた。

    あの頃の約束が、
    まだどこかで続いているということを。

    光の道の向こうから、
    あの人が歩いてくるような気がした。

    あの時と同じように、少し不器用で、
    どこか笑ってしまうような存在で。

    そして、思い出した。

    あの言葉を。


    「面白い物語を書いてね」

    それは、遺言というにはあまりにも軽やかで、
    けれど、私の人生を静かに動かすには十分すぎる言葉だった。

    失ったあとに残るものは、
    悲しみだけではなかった。

    書くこと。
    残すこと。
    伝えること。

    それが、私に残された“続き”だった。


    あの言葉がなければ

    あの言葉がなければ、
    私は書いていなかったと思う。

    世界一周も、
    noteも、
    こうして物語を残そうとすることも。

    すべては、あの一言から始まっていた。


    そして、今へ

    今年、私は
    『クルーズで地球一周した母と、自走する息子』を書いた。

    それは、人生の後半でやっと見つけた
    「自分の足で進む」という物語だった。

    でも、その一歩の奥には、
    ずっと昔に交わした約束と、
    ひとつの言葉があった。

    「面白い物語を書いてね」

    私は今、その続きを書いている。


    🌙あとがき

    遠くへ行ったからこそ、
    足元にあったものに気づくことがある。

    ムーンロードは、
    過去へ戻る道ではなく、
    未来へ進むための光だった。


    🔗関連作品

    👉『クルーズで地球一周した母と、自走する息子』
    (本作の“表側の物語”)


    英語版はこちら

    🌚MORIYUI🌚A Wish on the Moon Road

     
     
    中村眞理子 ピースボートクルーズ121号世界一周帰国 66歳.介護施設厨房の朝パートと入浴介助のダブルワーク 65歳まり婆ワークスnote活動 64歳おてつたび 63歳で介護福祉士 62歳で調理師免許取得 東京お米サロン援農チーム FM立川イズム 📷️ナバホ族の青年が撮影

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