
信長✖光秀【ダブルエンジン】全80話(第15話)~『子育てママも是非』
第15話 朝倉義景 × 織田信長
名門はなぜ決断できないのか
越前の国は、戦国の中でも珍しいほど
落ち着いた土地でした。
その中心にいたのが、
朝倉義景です。
名門の当主。
代々続く家。
豊かな国。
一見すると、理想的な大名でした。
義景は戦よりも文化を好みました。
京の公家や文化人とも交流し、
穏やかな統治を行っていたと言われています。
戦国の中では、
異質な存在でした。
しかし、その穏やかさは、
ある弱さでもありました。
信長が越前へ兵を向けたとき、
義景には選択がありました。
すぐに出て戦うか、
守りを固めるか。
しかし義景は動きませんでした。
判断を保留し、
状況を見ようとしたのです。
その間に、
事態は動きます。
浅井長政が、
朝倉側につきました。
戦は一気に拡大します。
信長は一度撤退しますが、
すぐに体制を立て直します。
そして姉川で、
浅井朝倉連合軍とぶつかります。
戦は激しく続きました。
しかし結果は、
信長側の勝利でした。
兵の数だけではありません。
動きの速さ、
判断の早さ、
そして意思の強さ。
それらが差となりました。
義景は決して無能ではありません。
ただ、
決断が遅かった。
それだけでした。
しかし戦国では、
その差がすべてになります。
名門は守るものが多い。
家、
伝統、
誇り。
それらがあるほど、
人は慎重になります。
そして慎重さは、
やがて遅れになります。
光秀はこの戦を、
静かに見ていました。
名門とは何か。
それは強さではない。
長く続いた結果、
形が整っている状態です。
だが形は、
変化に弱い。
守るものが増えるほど、
決断は遅くなる。
一方で信長は違いました。
あの男は、
守るものが少ない。
だからこそ、
すぐに決める。
すぐに動く。
それが強さになっていました。
だが私は、
このとき初めて思います。
もし信長が、
守るものを増やしたとき、
同じように動けるのだろうか。
天下を取るということは、
守るものを増やすということです。
国、
人、
秩序。
それらを背負ったとき、
あの男は、今と同じように、
決断できるのか。
歴史を観測していると、
一つの傾向があります。
変化の中で強い者は、
安定の中で弱くなる。
義景は、
弱かったのではありません。
ただ、
時代と合わなかった。
しかし、
信長もまた、
いつか同じ場所に立つはずです。
そのとき、
この男はどうなるのか。
私はまだ、
答えを持っていませんでした。
光秀の今日のつぶやき
決断とは、
正しさではない。
速さである。
次回予告
織田信長 × 比叡山
革命はなぜ宗教を壊すのか
💚ここまでです。
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