
「バイアス」の基準|~人は金額ではなく「基準」で支出する~
はじめに
この連載では、異なる「12の切り口」から、資金繰りで迷ったときに立ち返る「判断の軸」をお伝えしています。
第5回目のテーマは、「バイアス」の基準です。
前回は、「レート(お金の価値基準)」についてお伝えしました。
まだお読みでない方は、こちらからお読みください。
Route7 「レート」の基準|資金繰りが苦しいなら、まず1桁下げなさい
今回の理解が、より深まると思います。
人は誰しも、「自分の金銭感覚」というものを持っています。
目の前の「値段」が、高いのか安いのか。
いわゆる「財布のひも」の基準です。
今回は、その続編です。
実は、人のお金の使い方は、「金銭感覚」だけで決まるわけではありません。
もう一つ、お金の流れを大きく左右するものがあります。
それが「バイアス」です。
結論からお伝えすると、
・ 前回の「レート」が、お金を使う「基準そのもの」
・ 今回の「バイアス」は、「基準を書き換える力」
です。
人は金額ではなく「基準」で支出している
人は、自分では「金額」を見て判断していると思っています。
しかし実際には、
・ 今日は旅行だから
・ 年に一度だから
・ みんな買っているから
・ 頑張ったご褒美だから
そんな「特別だから」という感情が、普段の判断基準を書き換えています。
J-SCAでは、このような心の偏りを「バイアス」と呼んでいます。
J-SCA流 「バイアス」の定義
「バイアス」とは、判断基準が環境によって書き換えられる現象
つまり、お金を使わせているのは「金額」ではありません。
その場の空気や感情が作り出した「基準」なのです。
何が「支出の基準」を狂わせるのか
ここまで読んで、「確かに旅行では財布のひもが緩む」と思われた方も多いでしょう。
しかし、本当に怖いのは旅行ではありません。
資金繰りを悪化させる人ほど、自分では気付かないうちに、この「バイアスの影響」を何度も受けています。
例えば、
・ 旅行
・ お祭り
・ 臨時収入
・ ブランド品
・ ギャンブル
一見すると、これらは「まったく別の出来事」のように見えます。
ですが、「資金繰り」という視点で見ると、ここに「ある共通点」が浮かび上がってきます。
その「共通点」を知らない限り、この先何度でも「財布のひも」は緩みます。
さて、その「共通点」とは何だか分かりますか?
ここから先は、
・ なぜ人は「使ってはいけないお金」まで使ってしまうのか
・ なぜ「今回は特別」が危険なのか
・ どうすれば自分の支出基準を書き換えられるのか
についてお伝えします。