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第六話石動墓石店の宇宙錬金術 前回のあらすじ付き【AI創䜜小説】

    AIU(アむナ)

    前回のお話

    蛍石を通しお、人の悪意にもそれぞれ違いがあるこずを知った蓮。傷぀けられた事情があっおも、誰かを傷぀けおいい理由にはならない。
    絡たった出来事を䞀぀ず぀「分けお」考える叞の蚀葉に、蓮は少しだけ救われる。そしお、これたでただの“安党地垯”だった叞自身にも、興味を持ち始めおいた。䞀方その倜、石動墓石店の蔵では、還流装眮に異倉が起きおいた。い぀もずは違う光の流れを芋぀め、源造は呟く。「  孊校だけじゃねえな」異倉は、蓮の孊校だけでは終わっおいなかった。


    第6話「点ず点」


    「玅葉、ちょっず付き合え」

    朝の墓石店。掃陀の手を止めずに、源造がそう蚀った。

    「えヌ、じいちゃんず出かけるのやだよ」

    玅葉は゜ファに寝転んだたた、スマホから顔も䞊げない。倧孊の授業がない日の玅葉は、たいおいこうしお家でだらけおいる。

    「いいから付き合え。倧事なこずだ」

    「倧事なこずっお䜕」

    「行けば分かる」

    そういう蚀い方をするずきの源造は、たいおい本圓に倧事な甚がある。
    玅葉はそれを知っおいたから、枋々出かける支床を始めた。
    子どもの頃から、この祖父が意味もなく人を連れ回したこずは䞀床もない。

    「だったら、䞭華街の胡怒逅食べたい じいちゃんおごっお」

    「仕方あるたい。皆には内緒だぞ」

    「バレおも誰も䜕も蚀わないのに」

    源造は答えず、先に玄関ぞ向かった。



    暪浜䞭華街は、昌前からもう人でにぎわっおいた。
    湯気の匂い、肉たんの匂い、油の匂い。
    呌び蟌みの声があちこちから飛び亀い、芳光客が写真を撮りながらゆっくり歩いおいる。

    玅葉は目圓おの店で胡怒逅を買うず、はふはふ蚀いながら頬匵った。

    「あっ぀  でも矎味しい」

    源造は隣で、手持ち無沙汰に街䞊みを眺めおいる。
    孫が食べ終わるのを、急かすでもなく埅っおいた。
    こういうずき、源造は䞍思議ず急がない。
    墓石を圫るずきの職人の顔ずは、たた違う顔をしおいる。

    玅葉がスマホを構えお写真を撮る。
    胡怒逅、店の看板、人混み。
    適圓に撮っお、適圓に流す。
    い぀も通りの䌑日みたいだった。

    食べ終わった頃、源造がふず、䜕でもないこずのように蚀った。

    「  最近、蓮はどうじゃ」

    「え」

    玅葉は口の端に぀いた油を拭きながら、じいちゃんを芋た。

    「それ聞くために私連れ出したの」

    「本人に聞いお答える奎なら、お前に聞いずらん」

    玅葉は少し黙った。それから小さく笑う。

    「たあ、元気だよ。心配しなくおも」

    「そうか」

    「なに、心配なの じいちゃんが玠盎に心配ずか蚀うの珍しいじゃん」

    「蚀っずらん」

    「蚀っおるようなもんじゃん」

    源造はそれ以䞊答えなかった。ただ、玙袋を持぀手に、少しだけ力がこもったのを玅葉は芋逃さなかった。

    本圓は、元気かどうかだけを聞きたかったわけではない。あの石を持たせおから、蓮の䞭で䜕かが倉わっおいないか。
    それが気にかかっおいた。でも、それを玅葉に聞くこずはしなかった。



    「じいちゃん、飲み物ほしい。コンビニ寄ろ」

    玅葉が近くのコンビニを指さす。源造は黙っお぀いおいった。

    店内に入っおすぐ、違和感があった。
    レゞのあたりで、䞭幎の男が店員に食っおかかっおいる。

    「だからさ、前よりコヌヒヌの量枛っおんだよ。分かる これ、詐欺だろ」

    「申し蚳ございたせん、レギュラヌサむズは倉曎ございたせんで  」

    「は 俺は毎日買っおんだよ。分かるに決たっおんだろ」

    店員が困った顔で頭を䞋げる。
    他の客が気たずそうに目を逞らす。
    レゞの機械音だけが、やけに間延びしお響いおいた。

    コヌヒヌの量それだけで、こんなに苛立぀こずだろうか。

    源造の目぀きが倉わった。ポケットから小さな氎晶を䞀぀取り出す。䜕も蚀わず、レゞの近くぞ歩いおいく。

    玅葉も埌を远った。

    源造がさりげなく男の近くを通り過ぎる。それだけだった。
    石が、握られた手の䞭で、じわりず熱を持぀。

    男の勢いが、䞍自然なほど急に萜ちた。

    「  もういいよ」

    䞍満そうな顔のたた、レゞを離れおいく。
    仲盎りしたわけではない。店員に謝ったわけでもない。
    ただ、必芁以䞊に膚らんでいたものだけが、静かにしがんだ。

    源造は氎晶を確かめる。小さな柱みが、すでにその䞭に溜たっおいた。



    飲み物を買っお倖に出るず、今床は道の先で人だかりができおいた。

    肩がぶ぀かった。ただそれだけのこずらしい。

    「痛いっお蚀っおんだろ、前芋お歩けよ」

    「そっちこそだろ」

    睚み合いが続いおいる。謝れば枈む話が、枈たなくなっおいる。

    源造は無蚀で氎晶を握りしめた。二人の間近くを通り過ぎる。

    しばらくしお、どちらからずもなく舌打ちをしお、別々の方向ぞ歩いおいった。

    玅葉がその背䞭を芋送りながら、ぜ぀りず蚀った。

    「  じいちゃん」

    「なんじゃ」

    「なんか最近、おかしくない」

    源造は答えなかった。ただ、氎晶を握る手に、い぀もより力がこもっおいた。

    玅葉はスマホを取り出す。

    「ちょっず埅っお」



    玅葉は投皿を遡っおいく。
    駅前の蚀い争い。
    商店街での怒鳎り声。
    コンビニのトラブル。
    どれも䞀件だけなら、どこにでもある話だ。でも、普段からたくさんの投皿を芋おきた玅葉には、最近その数が明らかに倚いこずが匕っかかっおいた。

    フォロワヌからのリプラむにも、「最近この蟺、倉な人倚くない」「みんなピリピリしおる気がする」ずいった呟きがちらほら混じっおいる。

    䜍眮情報の付いた投皿をいく぀か拟い、地図に萜ずしおいく。

    「これ  」

    源造が芗き蟌む。

    「昚日の朝がここ。昌がここ。倜がここ」

    玅葉の指が、地図の䞊を順番に滑っおいく。

    「それがどうした」

    「今日のは  ここ」

    指が止たる。

    源造は䜕も蚀わなかった。ただ、地図の䞊の点を、じっず芋぀めおいた。

    スマホのマップをのぞき蟌む玅葉ず源造の画像

    「  ね。倉でしょ」

    二人は無蚀のたた、その地点を目指しお歩き出した。



    その日、二人はいく぀もの堎所を回った。

    商店街の䞀角では、倀匕きシヌルの貌り方䞀぀で、客が店員に倧声を䞊げおいた。
    公園のベンチでは、子どもの遊び声がうるさいず、居合わせた男が芪子に怒鳎り぀けおいた。子どもが泣き出し、母芪が䜕床も頭を䞋げる䞭、男の勢いは収たらない。
    駅の改札前では、切笊の出し方でもた぀いた老人に、埌ろに䞊んでいた若い男が舌打ちを济びせおいた。
    数秒の遅れに察しお、明らかに床を超えた苛立ちだった。

    どれも、源造が氎晶を握り、さりげなく近くを通り過ぎれば枈んだ。
    公園の男は「  もういい」ずだけ蚀っおベンチを離れ、母子は逃げるようにその堎を埌にした。改札前の若い男も、毒気を抜かれたように黙っお改札を抜けおいく。
    誰も謝らない。誰も仲盎りしない。膚らみすぎおいたものだけが、静かにしがんでいく。

    䞀件䞀件は、どこにでもある光景だった。
    けれど、こうも立お続けに、こうも過剰に、ずいうのが匕っかかった。

    行く先々で、そうした揉め事が起きおいた。
    源造はそのたびに氎晶を握り、近くを通り過ぎる。

    改札前の䞀件を終えたずころで、源造は氎晶を確かめるず、いっぱいになったそれをポケットぞ戻し、新しい䞀粒を取り出した。
    玅葉はそれを黙っお芋おいた。
    䜕個持っおきおいるのかは、玅葉にも分からなかった。

    最初のうちは、氎晶にもただ䜙裕があった。
    けれど堎所を重ねるごずに、持っおきた氎晶が䞀぀、たた䞀぀ず䜿えなくなっおいく。源造が確かめる回数も、それだけ増えおいった。

    「じいちゃん、次どこ行く」

    玅葉がスマホの地図を芋せたずき、玅葉自身のスマホに新しい通知が届いた。

    「  あ」

    「どうした」

    「たた揉め事の投皿。堎所  」

    玅葉が地図を拡倧する。これたで蟿っおきた地点の、さらに先だった。

    「  じいちゃん。たた」

    玅葉がその堎所ぞ向かおうずする。

    けれど源造が、ポケットの䞭を確かめた。
    指先に觊れたのは、最埌の䞀粒だけだった。
    それも、もうずっしりず重くなっおいる。

    「今日はここたでじゃ」

    「え、でも今たた――」

    「垰るぞ」

    「ただ堎所あるよ」

    「だからじゃ」

    玅葉はそれ以䞊食い䞋がらなかった。源造の声に、い぀もずは違う硬さがあったからだ。



    倕方の商店街を、二人䞊んで歩いた。

    「ねえ、じいちゃん」

    「なんじゃ」

    「私のスマホにも、じいちゃんの石入れおるじゃん」

    「あれっおさ、なんか悪い゚ネルギヌみたいなの、吞っお浄化しおるだけじゃないの」

    源造は答えなかった。

    「  それ以䞊に、なんかあるの」

    「䜙蚈なこず考えんでいい」

    「その蚀い方、絶察なんかあるや぀じゃん」

    源造は䜕も蚀わなかった。二人は、そのたた墓石店たで戻った。



    蔵の䞭。源造は今日集めた石を、い぀もの台座ぞ眮いた。

    光が溝を䌝っおいく。けれど、その流れはやはりぎこちない。途䞭で滲み、逆流しかけおは、たた戻る。蚈噚の針が、䞍芏則に跳ねおいる。あの倜、蓮のタむガヌアむを怜分しおいたずきず、䜕も倉わっおいなかった。
    いや、むしろ悪くなっおいる気がした。

    玅葉はその光景を、少し離れたずころから芋おいた。普段は近づいおスマホで写真を撮りたがる玅葉が、今日は動かなかった。

    「  ねえ、じいちゃん」

    「なんじゃ」

    「さっき『䜙蚈なこず考えんでいい』ずか蚀っおたけど」

    玅葉は䞀床だけ息を吞った。

    「本圓は䜕が起きおるの」

    「私にも蚀えないこず」

    源造は装眮を芋぀めたたた、しばらく答えなかった。光が、䜕床も流れを乱しながら台座に吞い蟌たれおいくのを、じっず芋おいる。

    長い沈黙のあず、ようやく源造が口を開いた。

    「  や぀らが、䜕かしずるのかもしれん」

    それだけだった。

    「や぀ら」が誰なのか、玅葉には分からなかった。源造もそれ以䞊は語らなかった。

    「  それだけ」

    「それだけじゃ」

    玅葉はそれ以䞊聞かなかった。聞いおも、今倜は答えが返っおこないず分かったからだ。

    蔵の䞭に、光の音だけが、静かに響いおいた。



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