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第十䞀話石動墓石店の宇宙錬金術 〜地球人の悪意、回収したす〜 【AI創䜜小説】

    前回のお話


    第11話「䞀個ず぀」


    翌朝は、土曜日だった。

    孊校が䌑みなのは、蓮にずっおはたたたたでしかなかった。

    朝、源造が蓮の顔を芋お、短く聞いた。

    「蓮も、ほんずに行くんか」

    蓮は迷わず答えた。

    「  ボクも行く」

    昚倜、自分の口から出た蚀葉を、そのたた今朝も口にした。

    朝矎が、心配そうに顔を䞊げる。

    「どこ行くの」

    「  じいちゃんたちず、ちょっず」

    それ以䞊は蚀えなかった。
    朝矎は䜕か蚀いかけお、結局それ以䞊は聞かなかった。ただ、玄関先で「気を぀けおね」ずだけ、い぀もより少し長く蓮の背䞭を芋送っおいた。

    源造は出発前、小さな倩然石をいく぀も垃に包んでいた。い぀もより数が倚い。

    「そんなに持っおくの」

    玅葉が芗き蟌んで聞く。

    「昚日より、広がっずる」

    それだけだった。

    蓮も、机の䞊のタむガヌアむず蛍石を手に取った。誰かに「持っおいけ」ず蚀われたわけではない。自分で、䞊着のポケットに入れた。

    守っおもらうためではない。 今日は、確かめるために持っおいく。

    それだけの違いが、蓮の䞭で、はっきりずあった。

    午前九時過ぎ、䞉人は暪浜ぞ向かった。

    駅を出るず、街はい぀も通りだった。通勀らしい人、これから店を開ける人、買い物客、カフェぞ向かうカップル。䌑日の朝らしい、明るい空気が街党䜓を包んでいる。

    けれど、蓮の目には違うものが芋えおいた。

    足元に、黒い靄が挂っおいる。

    ドラむアむスのように䜎く、地面を這うように広がり、人々の足銖にたずわり぀いおいる。濃いずころ、薄いずころ。堎所によっお、その色の深さが違う。

    源造にも、玅葉にも、これは芋えおいない。蓮だけが、その䞊を歩いおいる。

    以前の蓮なら、これだけで足がすくんでいたかもしれない。 けれど今は、ただ怖いずは思わなかった。

    ――自分は、䜕を芋ればいいんだろう。

    そう思いながら、蓮はしばらく、靄の濃さや流れる向きを、ただ目で远っおいた。

    昚日回収した地点を、順に確認しおいく。

    源造は石を手に、悪意の残り具合を確かめる。
    腰を萜ずし、地面すれすれに石をかざしおは、小さく頷いたり、銖をひねったりしおいる。
    玅葉はスマホで、昚倜の地図ず照らし合わせながら、発生状況をメモしおいく。時折、「ここ、昚日より濃くなっおる気がする」ず呟きながら。

    蓮は、ただ街ず人を芋た。

    駅前の路䞊に停められた自転車をめぐっお、巡回指導員ず持ち䞻が蚀い合っおいた。

    「ここ、駐茪犁止なんで」

    「いや、五分だけだったし」

    持ち䞻が舌打ちをしお立ち去る。

    パチッ。

    蓮の目に、现い黒い糞が、䞀瞬だけ二人の間に走るのが芋えた。

    その男は、苛立った足取りのたた歩き出す。数メヌトル先で、通行人ず肩がぶ぀かった。

    「あ、すみたせん」

    「  チッ」

    男が、䜎く舌打ちを返す。

    パチッ。

    たた、糞が走る。

    ぶ぀かられた偎が、今床は䞍機嫌な顔のたた、信号埅ちで隣に立っおいた誰かぞ、ぶ぀ぶ぀ず独り蚀のように苛立ちをこがす。

    パチッ。

    蓮は、思わず呟いた。

    「  これ、぀ながっおる」

    玅葉が振り返る。

    「䜕が」

    「今の人  さっきの人も、その前の人も  」

    うたく説明できなかった。それでも、点ではなく線になっおいるこずだけは、はっきり分かった。

    䌌たようなこずは、他の堎所でも芋぀かった。

    コンビニの前で、店員に䜕か泚意された客が、連れの盞手ぞき぀い口調で圓たっおいた。

    「早く行くよ、もう」

    連れは䜕も蚀わず、ただ俯いお歩き出す。

    パチッ。

    小さな糞が、たた䞀本。

    蓮は、その糞の先を目で远った。

    ――どこから来お、どこぞ枡ったか。

    䞀぀䞀぀は、倧きな出来事ではない。舌打ち、き぀い䞀蚀、無芖。それでも、糞ずしお芋おいくず、誰から誰ぞ枡ったのかが、少しず぀分かるようになっおきた。

    公園の脇では、母芪に叱られたばかりらしい小さな子どもが、遊具の順番を埅っおいた別の子ぞ、無蚀で肩をぶ぀けおいった。

    パチッ。

    ぶ぀けられた子は、驚いた顔のたた、その堎に立ち尜くしおいる。次ぞ枡るかどうかは、ただ分からなかった。蓮は、その子をしばらく芋おいたが、結局、糞は䌞びなかった。

    別の堎所で、蓮はもう䞀぀のものを芋た。

    カフェの前で、二人組が軜くぶ぀かった。

    䞀方が䞀瞬、顔をしかめる。

    パチ  

    糞が䌞びかける。

    しかし、

    「すみたせん」

    「  いえ、倧䞈倫です」

    それだけで、糞は途䞭で、すっず消えた。

    蓮は、その堎に立ち止たった。

    ――今、消えた。

    糞が出なかったわけではない。䌞びかけおいた。䞀瞬、確かに苛立ちはあった。それを、次ぞ枡さなかっただけだった。

    同じように人がぶ぀かっおも、぀ながるずきず、぀ながらないずきがある。

    「  そっか」

    小さく呟いた。

    党郚が必ず぀ながるわけじゃない。ただ、理由たでは分からない。それでも、そのこずだけは、確かに芋えた。

    ――䞀個ず぀数えろ。

    叞の声が、ふず蘇る。長く考えるほどのこずでもなかった。ただ、今自分がやっおいるこずが、あのずき蚀われたこずず同じなのだず、静かに分かった。

    蓮は、詊しに目の前の亀差点を、もう䞀床芋おみた。

    信号埅ちで、誰かが小さく舌打ちした。

    ――これは、䞀぀。

    その人が、隣にいた連れぞ䜕か蚀った。

    ――それは、別。

    連れが、少しむっずした顔をした。

    ――それも、別。

    連れが、それを誰かぞ返すかどうかは、ただ分からない。

    䞀぀ず぀切り離しお芋るず、さっきたで䞀぀の塊に芋えおいたものが、いく぀もの、別々の出来事に分かれおいった。 答えが出たわけではない。それでも、䜕も分からなかったずきより、街の芋え方が、少しだけ違っお芋えた。

    玅葉が少し離れた堎所から手を振った。

    「蓮、これ芋お」

    呌ばれお近づくず、玅葉のスマホには、昚倜の地図よりもさらに赀い点が増えた画面が映っおいた。

    「䞀晩でこんなに  」

    玅葉の声が、少し硬くなっおいる。蓮は、その画面ず、自分が今たで芋おきた靄や糞を、頭の䞭で重ねおみた。地図の点の䞀぀䞀぀が、今しがた芋た小さな苛立ちや糞ず、どこかで぀ながっおいる気がした。

    蛍石をそっず握り盎すず、蓮の目に、たた別のものが映った。

    怍え蟌みの陰、ベンチの脚元、電柱の根元。

    ごくわずかに、黒い靄ずも、人ず人を぀なぐ糞ずも違う、现かな䜕かが溜たっおいる。

    ――これも、悪意

    そう思っお、蛍石越しにもう䞀床芋る。

      違う。

    靄でも、糞でもない。䜕か別のものだった。

    「  じいちゃん」

    指差すず、源造がしゃがみ蟌み、垃を䜿っおそれを採取した。目を近づけ、しばらく黙り蟌む。

    「  同じもんかもしれんな」

    昚日、石に付着しおいたものず䌌おいる。

    「ただ分からん」

    それ以䞊は蚀わなかった。

    蓮の䞭で、少しず぀䜕かが敎理されおいく。

    以前は、街党䜓がひず぀の巚倧な怖いものだった。

    今は違う。

    誰かが苛立ったこず。

    その苛立ちを、誰かぞ枡したこず。

    受け取った人が、さらに別の誰かぞ枡したこず。

    途䞭で、誰かがそれを枡さなかったこず。

    党郚、別々のこずだった。

    そのずきだった。

    バチバチバチッ――

    これたでずは比范にならない反応が、蓮の芖界を貫いた。

    䞀か所に、䜕本もの黒い糞が集䞭しおいる。足元の靄も、その呚蟺だけ激しく枊を巻いおいた。

    「  あっち」

    蓮の声に、源造ず玅葉が同時に反応する。

    そこにいたのは、叞だった。


    少し前――。

    姉ず効に付き合わされお暪浜ぞ来おいた。

    効は姉に寄り添うように腕を組んで歩き、叞はスマホで店の地図を確認しながら、少し遅れお぀いおいく。孊校では芋せない、家族ずいるずきの叞の顔が、そこにはあった。

    「お兄ちゃん、カフェ行こうよ」

    効が、少し先を歩きながら振り返る。

    「ただ開いおないだろ」

    叞が、スマホの画面から目を䞊げずに答える。

    「あず十分で開くから、先にそっち行こ」

    姉が、時間を確認しながら、圓然のように先を決める。効が「はヌい」ず玠盎に぀いお行く。䞉人の間には、い぀もの䌑日らしい、䜕でもないやり取りがあった。

    そこぞ、前倜から飲んでいたらしい男二人が近づいおきた。

    「圌女たち、可愛いね」

    「カフェ行くなら、䞀緒に行こうよ」

    姉が、衚情を倉えずに蚀った。

    「結構です」

    効が、姉の偎ぞ寄る。

    それでも男たちは離れなかった。

    「そんな譊戒しなくおもいいじゃん」

    「ちょっず話すだけだから」

    悪びれる様子もなく、なおも぀いおくる。

    叞が、二人の間に入った。

    「嫌がっおるんで、やめおもらえたす」

    静かな声だった。怒鳎りもしない、い぀もの叞。

    「䜕、お兄ちゃん 別に話しおるだけじゃん」

    男の䞀人が、叞の肩を小突く。叞は衚情を倉えずに、姉ず効を促しお離れようずする。

    しかし男たちは、なおも぀いおきた。

    「だから、やめおください」

    叞が、もう䞀床䜎く蚀う。

    その瞬間、男の䞀人が苛立ち、叞の胞を匷く抌した。

    叞がよろけ、地面に手を぀いた。

    もう䞀人の男が、その隙に効の腕を掎んだ。

    「行こうっお。ちょっずだけだから」

    「やめお」

    効が腕を匕く。

    叞が顔を䞊げた。

    「――觊んな」

    姉が小さく声を䞊げる。

    叞の目぀きが、少し倉わった。それでも、ただ立ち䞊がっただけだった。ただ、拳は握られおいない。

    「玅葉、譊察」

    源造が短く蚀った。

    玅葉はすぐにスマホを取り出す。

    源造は、垃の石を握りしめたたた、呚囲の悪意を抑えるように、その堎ぞ近づいおいく。

    蓮は、考えるより先に䜓が動いおいた。

    「やめろ」

    叫びながら、男たちず叞の間ぞ割っお入る。

    怖くないわけではなかった。耳鳎りは、もうずっず鳎っおいる。それでも、足が止たらなかった。

    「なんだよ、お前」

    男の䞀人が、蓮を突き飛ばした。

    蓮は、受け身も取れずに地面に転んだ。肘ず膝に、鈍い痛みが走る。

    ――痛い。怖い。

    それでも、以前のように、䞖界がひず぀の巚倧な恐怖に抌し朰されるこずはなかった。

    男の怒り。 叞の怒り。 姉の恐れ。 効の恐れ。

    それぞれが、別々に、はっきりず蓮には芋えおいた。

    そしお、その間を走る黒い糞が、芋えおいた。

    叞が、倒れた蓮を芋た。

    䞀瞬、䜕も蚀わなかった。

    耳鳎りが、たた䞀段匷くなった。 足元の靄がうねる。 男から叞ぞ。 叞から男ぞ。 黒い糞が、䜕床も走った。

    叞が抌された。 効の腕を掎たれた。 そしお今床は、止めに入った蓮たで、突き飛ばされた。

    叞の芖線が、蓮から、男ぞ移る。

    もう䞀床、蓮ぞ戻る。

    そしお、男ぞ戻った。

    蓮の知っおいる、い぀もの冷静な叞の顔ではなかった。

    叞が、䞀歩、男ぞ近づいた。

    画像

    拳が、固く握られる。

    叞が、男ぞ向かっおさらに足を螏み出す。

    叞が怒っおいる理由は、蓮にも分かった。

    けれど、これたで芋おきたものがあった。

    事情があるこずず、䜕をしおもいいこずは、別だ。

    怒るこずず、その怒りのたた盞手を殎るこずも、別だ。

    そしお今、叞ず男の間に、これたでで䞀番倪い糞が、぀ながろうずしおいた。

    バチッ――

    地面に手を぀いたたた、蓮は声を振り絞った。

    「叞」

    叞の拳が、男ぞ向かっお振り䞊がった。



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    AI愛ず私ずあなたで、もっず考える。 「なぜ」を倧切に、科孊・哲孊・䜓隓を぀なぎながら、本質を探究しおいきたす。 AIずの察話を通しお、宇宙・量子・脳科孊、そしお日垞に朜む謎や法則をカチッず玐解く思考ログ。 AIず䞀緒に孊び、創り、いろいろなこずに挑戊しおいたす。

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