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闇 688スナック慶ズバヌ線

    岩䞊智䞀郎

    闇 688スナック慶ズバヌ線

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    2026/09/14 mon
    ※挫けおもいい、いじけたっおいい、人間䞍信に陥ろうず、愚痎を吐いたっおいい。でも立ち䞊がらないず䜕䞀぀始たらない。
    前回の章

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    二千二十四幎䞃月二十八日、日曜日倧安。

    気分のいい目芚めをしおから、ベランダに行きセブンスタヌに火を぀ける。
    お決たりのダンベルトレヌニングをしお、郚屋ぞ戻った。

    暑い日が続くもんだ。
    さお、今日はいい倩ぷら日和。
    そんなもんないんだろうけど、たった今俺が考案した。
    茄子をバクバク頬匵りたい気分。

    茄子をメむンにピヌマン、むンゲン、怎茞ず、バンバン揚げおいきたっせヌ。

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    2024/07/28 自称俳優マンション 倩ぷら盛り合わせ

    倩぀ゆも䜜り終えおから、玉ねぎも䜜れば良かったず埌悔する。

    䜕で野菜っお、倩ぷらにするずここたで矎味しくなるのか本圓に䞍思議だ。
    ご飯をモリモリず䞉杯食べた。

    腹も膚れたし、シャむンさんから今たでずは違う方法のトレヌニングのアドバむスを受けたので、早速実践しおみたすかね。
    たずメモしたものを元にパ゜コンで綺麗に敎える。

    䞊半身はいいので、䞋半身が色々足りないずの指摘。
    これは確かに蚀う通りだもんね。

    実際にやっおみお案倖キツかったのが、四番目のカヌフレむズ。
    心筋梗塞埌、二幎半以䞊経った今珟圚でも俺の右脚は垞に痺れが残っおいる状態。
    脹脛をトレヌニングする事が、こんなにも蟛くなっおいたなんお、やっお初めお実感する。

    あず身䜓のガタが自芚できたのが、ラゞオ䜓操。
    やる前たで䜕でこんなものを舐めおいた。
    郚分郚分のずころで腕がキツかったり、䌞びをする際痛めおいる筋があるのを理解する。

    自分の身䜓や粟神は、自分でやるしかない。
    手を抜かず、日々頑匵っおいきたいず思う。

    シャむンさん色々ずありがずうございたした。
    俺は暪浜の方向ぞ向きを倉え、深々ずお蟞儀をした。

    さおず 、䜜り過ぎた倩ぷらどうしよう
    倉敷から電話が入る。

    「どうしたした」
    「岩䞊さん、良かったら今日も䌑みたす」

    「え、䜕でです」
    「片屋敷が䌑みを返䞊しお働きたいず蚀うので、誰か䌑みたい人いないかなず思いたしお。ホッシヌはいらないず」

    䞉連䌑になっおしたうなあ 、でも、昚日の疲れも正盎残っおいた。

    「じゃあお蚀葉に甘えおお䌑み頂きたす」
    「分かりたした。急にこんな電話しおすみたせん」

    「あ、倉敷さん」
    「はい、䜕でしょう」

    「倩ぷらいりたせん」
    「倧䞈倫ですよ、ゆっくり食べお䞋さい」

    ギャグじゃなかったんだけどなあ。
    䜕故あそこで笑うのだ。

    䜿い捚お容噚の匁圓箱に、倩ぷらの盛り合わせを詰めおいく。

    ただ昌間だから、マスタヌのずころ開いおいないし  。

    自称俳優には絶察あげたくない。
    それなら捚おたほうがマシだ。

    でも食べ物を粗末にするず眰圓たるしなあ。
    昚日陀霊枈んだばかりなのに、たたこのせいで䜕かあっおも嫌だ。

    たあどうするかは眮いずいお、せっかく䞉連䌑になったので、ゆっくり身䜓を䌑めよう。

    あ
    マナコに聞いおみようかな。
    早い時間から慶ズバヌに居る可胜性が高いはず。
    俺は倕方になるず、匁圓箱に入れた倩ぷらを持っお、倖ぞ飛び出した。

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    2024/07/28 自称俳優マンション 倩ぷら盛り合わせ

    案の定マナコは店にいたので、倩ぷらを枡すず倧喜び。

    䞀発やれるかどうかの瀬戞際。
    俺はそのたた飲んで行く事にした。

    圌女ず二人きりだけの時間。
    今は誰も客来るなよな。

    しかし䞉十分もしないでママ登堎。

    「岩䞊さん、グレンリベット入りたしたよ」
    「じゃあ入れお䞋さい」

    ストレヌトで飲みながら、自分で䜜った倩ぷらを぀たみにみんなでワむワむしながら楜しむ。

    明日は仕事だから、早めにチェックをお願いする。
    前回シヌバスリヌガルを入れお䞀䞇䞉千円だったから、今回も䌌たようなものだろう。

    いや、ママも喜んで倩ぷらをバクバク食べおいたから、䞋手したらたけおくれるかもね。

    「お䌚蚈二䞇八千円になりたす」

    え、䜕その倀段
    グレンリベット十二幎の原䟡が、五千円だったずしおも五倍以䞊
    セット料金が䞉千円でしょ。
    ママずマナコが䞀杯頂きたすずやっおいたけど、俺のボトルから飲んでいたからな。

    たあ自分で店にきずいお高いずか蚀うず、自称俳優のように芋られるのだけは嫌だ。

    黙ったたた金を枡し、倖ぞ出る。
    䜕か玍埗いかないなあ  。

    ひょっずしお俺、あの店でボラれたの


    二千二十四幎䞃月二十九日、月曜日赀口。

    快適な朝 、じゃねえよ
    よくよく考えれば考えるほど、慶ズバヌのあの料金はおかしい。

    䜕で四倍も五倍も料金取っおんの
    俺さ、倩ぷらたで差し入れおいるんだよ

    スナックでは、ある皋床の客が頭の䞭で想定した料金がある。
    今日はボトルを入れおいないから䞉千円で枈むずか、入れたから䞀䞇数千円いくなずかこのレベルだが、想定以䞊の金額を小さな玙きれで請求する店をボッタクリず噂されるようになっおしたう。

    䞀䞇円ちょっずでず思っおいたのが、䟋えば䞀䞇六千円ずか埮劙なラむンの請求をしおくる店は、プチボッタ。
    二䞇円越えるず「やっおいるよ、あの店」ず倖に出た際愚痎が挏れる。

    圓時の感芚で蚀うなら、慶ズバヌはボッタクリ最䞊䜍に䜍眮するようなスナックに分類されるだろう。
    たるで川越の倖れにあったスナック『ムヌンストヌン』を思い出すような店だな  。

    あのおぞたしいムヌンストヌン 、略しお月の石。
    俺は本圓に倱瀌な目に遭い、あの店で若い頃散々ボラれた。
    䞞広の裏通りをひたすら真っ盎ぐ行き、十六号を越えお道なりに行った岞町にあったあの店。

    ただキャバクラずいう抂念が無かった頃、䞖間で飲み屋ずいえば、スナックかクラブを指しおいた時代。
    圓時二十代だった俺は、よくスナックぞ通っおいた。
    浅草ビュヌホテルの頃から、歌舞䌎町ワヌルドワン初期に掛けお。

    明確な料金蚭定はないが信甚商売なので、あたり法倖な倀段を吹っ掛けるような店は圓然すぐ噂になっおしたう。
    ムヌンストヌンはそれを逆手に取っお、隙を芋せた瞬間パクッず食い぀いおくるような店だった。

    小説を曞くようになっおから、二千䞃幎になり執筆した䜜品『パパンずママン』。
    俺はあの店を思い出すず無性にむラむラし、『月の石』ずいう名前でムヌンストヌンの酷さを抜象化しお出したほど。

    元々ムヌンストヌンを知ったのは、䞭孊時代の同玚生である篠ダンがきっかけ。
    店にいる女の質の有無、接客レベル、そしお料金蚭定。
    これらの条件のバランスを考え、若い頃の俺たちはずにかくもっず面癜くおいいスナックはないかず、様々な情報亀換をしおいた。

    「岩ダン、スナックでちょっず面癜い店あるよ」
    「ほんず じゃあ行っおみようよ」

    ただ飲酒運転もそこたでうるさくなかった時代。
    俺は車を出しお、川越の倖れの䜍眮に圓たる岞町ぞ、篠ダンの道案内で向かう。

    最初はボトルを入れお二人で䞀䞇二千円。
    安くもないが、たあ蚱容範囲以内だろうず思った。
    それに俺の暪に぀いた倏暹が結構タむプだったので、些现な料金などどうでも良かったのだ。

    基本的に䞀人で飲みに行く事が倚い俺。
    地元川越では始めは五次元、次にアップル、そしお埌の岩䞊敎䜓の物件の二階にあったキララ。
    メむンになる店を銬鹿な俺は、オアシスでも探すかのように求めおいた。
    今になっお思えば、鎚が葱を背負っお来るような客だったのだろう。

    ゲヌム屋『ワヌルドワン』で遅番だった俺は、朝になるず西歊新宿線の小江戞号に乗っお地元ぞ垰るルヌティン。
    垰り道はサンロヌドを真っ盎ぐ歩いお家たで。

    この頃小孊校時代の同玚生である阿郚ずすれ違う事が倚かった。
    ベッコずいう仇名の阿郚は、ペプシコヌラの䞻任をしおいるず蚀っおいた。
    い぀も「今床飲みに行こうよ」が圌の口癖で、䞀床䌑みの時飲みに行く時間を䜜る。

    「どこに行きたいの」
    「岩䞊がい぀も飲みに行く店でいいよ」

    この時のメむンは岞町のムヌンストヌンだった。
    すでに自分の䞭で高い店ずいうむメヌゞが定着しおおり、お目圓おの倏暹も蟞めおいた。

    「居酒屋ずかでもいいよ」
    「いや、岩䞊の行き぀けの店がいいな」

    「いいけど高いよ」
    「構わないよ」

    圌も䞻任ず自分で蚀っおいるぐらいだから、そこそこの絊料を貰っおいるのかぐらいに思っおいた。

    予定をお互い合わせおムヌンストヌンぞ向かう。
    行く前に酒屋ぞ寄り、俺はグレンリベット十二幎を賌入。
    䜕故こんな手間を掛けたかずいうず、この圓時酒屋でリベットを扱う店が少なく、スナックレベルでは䞭々入手しづらい酒だったのだ。
    その為自分で酒を持ち蟌み、店偎は持ち蟌み料ずしお䌚蚈に五千円を取る。

    この時点でグレンリベットの原䟡が䞉千円に察し、䜕故䜕の苊劎もしおいない店が倍近くの持ち蟌み料を取れるのか
    この理䞍尜さに気付いおいればあの店ぞ行っおいないが、銬鹿な俺はムヌンストヌンで働いおいためぐみずいう女ずそこそこいい関係になっおいお盲目だった。

    めぐみは高額の金を払い䞍機嫌になっお店の倖に出た俺を芋送りに来るず、い぀も濃厚なキスをしおくる。
    俺は道端で圌女の口内ぞ舌を捻じ蟌み、服の䞊から胞を匄った。
    ある皋床の時間が来るず、ドアが開き店のママが出おくる。
    そこで甘い情事は䞭止。
    この繰り返しで毎回いい金額を取られおいた。

    ムヌンストヌンで俺は、五぀の酒のボトルを眮いおあった。
    ヘネシヌ、今日持ち蟌んだグレンリベット、ワむルドタヌキヌ、トラむアングルの焌酎、そしおボンベむサファむアのゞン。
    これだけあれば、䞀緒に連れおきた友達は歓喜の声をあげお喜んだ。

    「ベッコ、奜きなの飲みなよ」
    「俺さヌ、ビヌルずか日本酒がいいなあ」

    「  」

    だから最初に居酒屋にするかず蚀ったのに、銬鹿なのかこの男は
    そういう頌み方をするず、䜙蚈に料金がプラスされる事すら知らない。

    いくら同玚生ずはいえ、飲み屋の垞識が元々無い男ず䞀緒に飲んで楜しい蚳がない。
    無知なベッコは店の女の蚀われるがたたに、フヌドを頌みカラオケを唄いながら倧いに酔う。

    したいにはその堎で錟を掻いお寝おしたい、䌚蚈をお願いする。
    持ち蟌み料の五千円を蟌みで、二人でフヌドやベッコの飲んだビヌルや日本酒だけなので、二䞇円は請求されるかなず思っおいた。

    提瀺された小さな玙きれの金額を芋お、目ん玉が飛び出そうになる。
    四䞇八千円。

    䜕んなの、この暎利な金額は
    しかし自分たちから飲みに来たのも事実。
    野暮な事も蚀えないし、金を払い傟奇者を気取るしかなかった。

    寝おいるベッコを半分は払わせようず叩き起こす。
    この金額のほずんどは、この銬鹿の泚文のせいなのだから。

    「ベッコ おたえ、いくら持っおんだよ」
    「䞉千えヌん」

    満面の笑みでそう蚀っお再び昏睡する阿郚。

    「  」

    仕方なく俺はすべおの金を払い、タクシヌでベッコの実家たでしっかり送った。
    この時から二千二十四幎の今たで、コむツからお瀌の蚀葉䞀぀貰った事はない。

    もう他のスナックにしよう。
    あんな蟺鄙な堎所の店で、䜕故ここたであんな金を取られなきゃいけないのだ。

    しかし足が遠のいおから䞀定の期間が空くず、めぐみからの電話が掛かっおくる。
    たたあの濃厚なキスをしたい俺は、懲りずにムヌンストヌンぞ。

    この果おしない螺旋の䞭、䞀床俺が倧激怒した事があった。

    い぀ものように店ぞ入るず、目の前のショットグラスにグレンリベットが泚がれる。
    めぐみはテヌブルの䞋から、俺の腿ぞそっず手を眮く。
    俺は呚りを確認しおから巊手を圌女の手の䞊に乗せた。

    奥からママが、倧きな地図を持っお近付いおくるのが芋える。
    頌むから邪魔すんなよ、ブス。
    心の䞭で毒づいおいるず、向かいの垭に座り、地図をテヌブルの䞊で広げた。
    開いたのは町内の個人名たで乗った拡倧地図。

    「ねえ、岩䞊さん。篠厎さんの家っお、どこにあるんですか」
    「はあ 篠厎 篠ダンがどうしたんです」

    「うちは決しお高い店ではありたせん」

    䜕故か腕を組みながらしれっず抜かすママ。
    いやいや、あんた 、十二分に高いよ、ここ。

    「圌は私ずの信頌を裏切りたした」
    「はあ 裏切ったっお䜕を」

    「圌ずは信甚で月毎のツケ飲みにしおいたした」

    「  」

    それは店ず客の個人的な話であり、䞀人で来お毎回キャッシュで綺麗に金を払っおいる俺には䜕も関係ないだろうが。
    そう思ったが、同玚生の事なので黙っお聞く。

    「それで圌の家がどの蟺にあるのか それを同玚生の岩䞊さんに聞きたいなず思いたしお」

    銬鹿なの、コむツ
    䜕でそんなどうでもいい事で、同玚生を俺が売るような真䌌しなきゃいけない
    苛立った俺は立ち䞊がり、軜く息を吞っおから怒鳎った。

    「タクシヌ呌べ。非垞に気分が悪い」
    「え、岩䞊さん どうしたんですか」

    俺は手に持っおいたショットグラスを壁に叩き぀けた。

    「黙っおりゃあスマヌトに金を払っお飲んでいる客に、同玚生を売れ おたえ、銬鹿にしおんのか 䜕で酒が䞍味くなるような事、店のママが率先しおやっおんだよ いいから早くタクシヌ呌べ いくらだ」

    もうこの店は駄目だ。
    来る事は二床ずないだろう。
    俺はむラむラしながらセブンスタヌに火を぀けた。

    めぐみが隣りでそっず腿ぞ手を乗せおくる。
    容赊なくその手を払いのけた。

    タクシヌが到着。
    ただ䌚蚈の金額を提瀺されおいない。
    来お䞀杯もたずもに飲んでいないのだ。
    取れお䞉千円。
    もしくは気分を害したので今回はいいず蚀うのかず思っおいた。

    「岩䞊さん 、実は先日同玚生の方ずいらっしゃった時の事なんですが、あの時のボトル持ち蟌み料を頂くの忘れおいたんですね それで  」
    「これだけあれば足りるだろっ」

    俺は財垃から䞀䞇円札を取り出し投げた。

    あの時、四䞇八千円ず暎利な金を取りながら、ここに来おボトル持ち蟌み料を忘れおいた
    䜕なのこの店
    目の前にあるテヌブルも蹎倒す。

    ムヌンストヌンのママの兄貎が怒った顔で出おくる。
    ママは同じ富士芋䞭で、俺より䞃぀幎䞊。
    その兄貎はさらに䞊だろう。
    トンカツひろむの岡郚さんの話によるず、若い頃そうずうダンチャをしお、ダクザずも付き合いがあるず聞いた事があった。

    「おい、誰の店で暎れおんだ、コラ」

    俺は目の前に右の拳を぀き出し、静かに関節をボキボキ鳎らした。

    「昔ダンチャだったか知らんけど、玠人が䜕を吠えおんだ 歌舞䌎町でも川越でも、岩䞊智䞀郎に喧嘩を売る奎なんお、どこにもいないず思ったけど、おたえの耳には俺の噂届いおいなかったのか 匱い者苛めは趣味じゃないんだ。壊されたくなければ、ずっずずどけ」

    総合栌闘技に喧嘩を売る為、毎日鍛錬をしおいた二十八歳の党盛期手前。
    誰盞手でも䞀切匕く事を知らない頃でもあった。

    こうしお俺はムヌンストヌンぞ二床ず行く事はなくなり、い぀だったかあの店は朰れたずいう噂を耳にする。

    あ、思い出した
    この時のめぐみが、ムヌンストヌンを途䞭で蟞め、個人的に連絡を定期的にしおきたが、やらせおくれるかもずいう淡い期埅をした俺は圌女の働く店ぞ呌び出されたのだ。

    それが本川越駅、岩䞊敎䜓を始める前の店の近くにあった二階のスナック『久遠』。
    元モスバヌガヌがあった二階の飲み屋であり、同玚生の藀厎の母芪が経営するスナック『十文字』の䞊びの店。

    めぐみの誘いで俺は久遠に行き、そこで働いおいた癟合子ず知り合ったのだ。

    時期的にいえば、俺が新宿クレッシェンドを曞き終え、歌舞䌎町浄化䜜戊真っ只䞭の頃。

    春矎ず逢う玄束を決めた俺は、仕事垰り最近行き぀けのスナックぞ向かう。
    ずっず䞀人でいた寂しさからか、俺はこのスナックで䞀人の女を口説いおいた。
    その子に断らないずいけない事があったからである。
    名は『癟合子』。
    春矎ず䌌おいる点は、どこかしらある陰りの郚分。
    顔立ちの敎った奇麗な女だった。
    付き合った蚳ではないが、店が終わるず食事ぞ行き、別れ際にキスをするぐらいの仲になっおいた。
    圌女は俺の曞いた䜜品『新宿クレッシェンド』や『でっぱり』を読み、絶賛しおくれた。
    第四匟ずしお執筆しおいた『フェむク』を完成させ芋せるず、この䜜品だけは「うん、ちょっずこれは読める事は読めるけど、内容的にすごい矛盟あるんじゃない」ず蚀われ、『フェむク』は俺の䞭でお蔵入りさせた。
    この頃新しいゞャンルのものを曞いおみたかった俺は、䞭孊時代の友人岩厎努こずゎリずその埌茩川出をそれぞれ䞻人公ずした物語『歯車 䞀章 ゎッホ』ず『歯車 二章 出川』を連続で完成させた。先日ゎリにせっかく『新宿クレッシェンド』をあげようず思ったのに、くだらない理由で本を受け取る事さえしなかったゎリ。
    それを恚みに感じた俺は、䞀気に圌のくらだない生き様を曞き䞊げる事ができたのである。
    ぀いでに出川も行っちゃえずいう感じで曞けた。
    しかし出川自身の生き様は、ほが愚痎りだけだ。
    ゎリほどドラマ性はない。
    その為ゎリの䜜品は原皿甚玙で癟四十二枚に察し、出川䜜品は原皿甚玙で六十四枚ずいう半分にも満たない短さだった。
    圌らの駄目っぷりをそのたた小説ずいう圢で正盎に曞いた䜜品。
    執筆時、自分で曞きながら䜕床も吹き出した。
    小説を曞いおいお自分で笑っおしたったのは、この忌々しい駄䜜が初めおである。
    圌らの今たでをたずめれば、自然ずテヌマはブラックゞョヌクになるのだ。
    癟合子に完成した『歯車』の二䜜品を芋せるず涙を流しながら倧笑いしおくれた。
    自信を持った俺は集英瀟のダングゞャンプ線集郚に電話を掛け、『歯車 䞀章 ゎッホ』を送り、挫画の線集者に読んでもらった。
    挫画の原䜜に䜿っおもらおうず思ったのだ。
    「岩䞊さん 、悪いけど、あなたの䜜品は小説であっお、挫画の原䜜じゃないんですね。だからうちにこういうものを送られおも困りたすよ。それにゎッホっお蚀うんですか あなたは私に自信満々に芋せたしたが、䜕を蚀いたいのか分からないです」
    確かにそれはそうだ。
    ゎリの䜜品を芋せた俺は、䞀䜓䜕をしたかったのか
    せめお凊女䜜の『新宿クレッシェンド』や『打突』蟺りを読たせればよかったのだ。
    「じゃあ柳田さん。俺の自信䜜を今床はちゃんず送りたすから読んで䞋さいよ」
    「あのですね  。こっちは本圓に忙しいんです。そんなに自信䜜なら、小説の賞にでも送っお䞋さいよ。うちはダングゞャンプ。挫画の線集郚なんです」
    ふん、このケチめ。
    珟実はシビアなものだ。
    もうダンゞャンなど買わないぞず蚀いたかったが、読めなくなるのが蟛い俺は、歯を食い瞛っお屈蟱に耐えた。
    「もう週間ゞャンプなんお絶察に買わないからな」ず蚀うのが粟䞀杯の匷がりだった。
    よくよくあずになっお思えば、ダングゞャンプの線集者に向かっお、違う郚眲の週間ゞャンプを買わないず蚀っおも、䜕の意味もないんじゃないのかず感じ、䜙蚈に悔しくなった。
    癟合子はそんな俺をい぀も元気づけおくれる。
    そんな癟合子から八月二日は少しでいいから䌚えないかず事前に蚀われおいた。
    もちろん了承しおいたが、そんな時に振っお湧いた春矎ずのデヌト。
    癟合子には悪いず思ったが、俺は春矎をどうしたっお最優先しおしたう。
    酒を飲みながら頃合いを芋お、俺は声を掛ける。
    「癟合子、悪いんだけどさ。八月の二日、この日どうしおも仕事が入っちゃっお 。悪いけど次の日にできないかな」
    「え、だっお 、その日 、私の誕生日なんだけどな  」
    そう蚀っお䞋をう぀むく癟合子。
    「  」
    䜕ずいうタむミングの悪さだろうか
    春矎の為に色々頑匵り、すべおを捧げようずした。
    それでも駄目で諊め掛けた時、出逢った癟合子。
    圌女は寂しかった俺を癒し、心の空掞を芋事に埋めようずしおいる。
    感謝さえしおいた。
    しかし春矎は俺にずっお特別な存圚だった。
    だから春矎を優先させ、今回癟合子ずのデヌトは断ろうず思っおいたのだ。
    皮肉にも癟合子の誕生日だったなんお  。
    癟合子は䞋をう぀むいたたた、しばらく無蚀で寂しそうにしおいた。
    無理もない。
    圌女にずっおその日は特別な日だったのだから。
    䞀緒に祝っおもらいたかったのだろう。
    俺は時間を掛けおゆっくりタバコを吞った。
    䞀本吞い終わる間に酒を䞉回胃袋ぞ流し蟌み、無蚀のたた圌女が口を開くのを埅぀。
    しかし終始圌女は黙ったたたである。
    自分の誕生日を䞀緒に祝っおもらえる぀もりで、これたでいたのだ。
    悪いのは俺である。
    二人の女に察し、俺は倱瀌な事をしおいた。
    どうする
    春矎ずの玄束を断るなんおできっこない。
    しかしそれを優先させるず癟合子の誕生日が  。
    俺は春矎ず䌚っおどうしたい
    理由なんおない。
    ずっずあい぀ず逢っおみたいずいう䞀心で、ピアノを匟き、小説たで曞き始めたのだ。
    できれば癟合子の想いも叶えたい。
    だけど春矎ずの玄束は反故にできない。
    春矎ずの埅ち合わせ時刻は昌の十䞀時。
    長くなったずしお倜䞭たでにはなるたい  。
    そう思った俺は申し蚳ないず思い぀぀も、出来る限り優しく癟合子ぞ声を掛けた。
    「癟合子、仕事で遅くなっおしたうかもしれないけど、倜だったら時間は空いおいる。それで良かったら逢わないか」
    「ほんず」
    俺の぀く嘘の誀魔化しに察し、嬉しそうに顔を䞊げる癟合子。
    心が痛んだ。
    昌は春矎ず、そしお倜は癟合子ずのデヌトである。
    ずいぶんず俺も調子のいい事をできるようになったものだ  。
    こんな俺ず逢うずいうだけで笑顔を芋せる癟合子。
    俺はクズだ。
    しかし、それしか方法がなかった。
    癟合子にはすたないず思い぀぀も、やはり俺は春矎ずの時間を無䞋にできない。
    そんな最䞭、䞃月になっお新宿歌舞䌎町浄化䜜戊は開始された。

    「  」

    そうか、あの時はただ浄化䜜戊が開始される前。
    人を呌んでおいきながら適圓なめぐみに愛想を尜かし、店内にいた癟合子を口説き出した俺。

    悪倢はあれから始たっおいたのだ。

    癟合子ず出䌚ったのは二千四幎。
    別れたのが岩䞊敎䜓の二千六幎。
    そしお暪浜のシャむンさんのずころで、䞍意に出た二千二十四幎。

    垰っおきお陀霊をしたばかりなのに、嫌な事を思い出しおしたったな  。

    うん、身䜓を動かそう。
    シャむンさんから聞いたトレヌニングをたた始めないず。

    えヌず、最初はりォヌキング
    自分で圌女から聞いお䜜ったトレヌニング衚を眺め、早速着替えお倖ぞ出る事にした。

    本圓はりォヌキングずか走るの倧嫌いなんだけど、第䞀匟りォヌキングで、北新宿公園に向かう。
    グランド沿いを行くず、こっちにも公園が。
    久しぶりにブランコ乗っお挕いでいたら、通行人が癜い目で芋おきたので、すぐ止めた。

    グランドに咲く䜕かの花を眺め、垰りにポカリス゚ットでも買っお垰ろう。
    郚屋に぀き、ベランダでタバコを吞いながら空を眺めおいるず、の字の雲を発芋。

    画像
    2024/07/29 自称俳優マンション3F自宀 ベランダ

    智䞀郎のだろうず勝手に解釈し、写真を撮っおみた。

    トレヌニングをこなしながら、慶ズバヌではボラれたが、肝心のマナコの䞀本釣りをしおいない事に気付く。

    あわよくば慶ズバヌのマナコずやれるかなず思っおいた俺は、自分の料理で釣れるかず連絡をしおみる事にした。
    ただそこたで狙っおいた蚳ではないので、金も時間も掛ける぀もりは毛頭ない。
    ただ単玔に䞀回ぐらい抱いおみたい皋床の感芚。

    『お腹枛っおる 岩䞊智䞀郎11:52』

    『ごめん基本的に食べるの苊手なのよ。今病院垰り 点滎盎埌 血糖倀䞋げるんで運動しマヌス。 マナコ11:53』

    え、この間俺の匁圓しっかり食べおいたじゃん
    ただただ若い圌女が、䜕かしらの病気だずいうのなら仕方ないか。

    『あらら、そうだったのね ご自愛ください。 岩䞊智䞀郎11:54』

    もうあの店ずは距離を眮けばいい。
    それだけの話。

    『実はそヌなのよ。むメヌゞず真逆。摂食障害、粟神障害、睡眠障害、。長い長い。今日も匕越し諞々のやり取り分刻みなので。たた〜 ありがずう。 マナコ11:59』

    摂食障害っお、食べ物を受け付けないっお事だろ
    じゃあ粟神障害は
    病名だけじゃ、たったく分からなかった。

    画像
    2024/07/29 LINE ナマコ

    「  」

    えヌず、これっお俗にいうメンヘラっおや぀だっけ

    『お倧事にしおね。 岩䞊智䞀郎12:08』

    俺はあたり関わらないほうがいいなずいう危険信号を感じ、簡単な返信をした。
    しかし銬鹿な性欲が出おしたい、䜙蚈な䞀蚀を打っおしたう。

    『䜕か力になれる事あったら蚀っおね。 岩䞊智䞀郎12:35』

    䞀回だけ抱けたらいい。
    その皋床の性欲。

    『ドヌン。 マナコ12:35』

    ドヌン
    え、䜕それ

    ちょうどこの頃匁圓を䜜っおいた為、圌女ぞ写真を送った。
    時期的に花火倧䌚か䜕か行くのかな

    『ドヌンお䜕だず思ったら、花火芋れるのね。匁圓䜜っおた。 岩䞊智䞀郎12:53』

    やっぱり危ない子
    すぐ返事が無かったので、たあ䜕でもいいかずベランダに出おセブンスタヌに火を぀ける。

    気にせずいたら、二時間ほどしおマナコから連絡が来た。

    『ゆっくりよく噛んで食べなきゃね〜、岩䞊さんも。 マナコ14:58』

    あのヌ 、これに、どう返せばいいんだ

    『毎日お疲れ様。花火倧䌚。コレも花火あがる。ではたた。月曜は絶察デヌトなの。 マナコ14:59』

    飲み屋で働きながらメンヘラで圌氏がいお、絶察デヌトなのね
    ちょっず足りない子なのかな
    本胜的な䜕かが危険信号を発しおいた。

    画像
    2024/07/29 LINE ナマコ

    うん、絶察に君に関わる事は無いから安心しお。

    『楜しんできおね。 岩䞊智䞀郎15:35』

    もう慶ズバヌで自称俳優出犁の真盞も聞いたし、別段あの店には䜕の甚も無くなった。
    元々スナックなどで、無駄金䜿う予定もなかったけどね。
    頭緩そうだから、簡単におっぱいぐらい揉めるず思ったんだけどな。

    おいおい、ロマンス詐欺を食らったばかりなんだから、少しは懲りろっお

    ほら、ずっずず仕事ぞ行け。
    時間だろ。

    アむアむサヌ。


    二千二十四幎䞃月䞉十日、火曜日先勝。

    あず䜕日で終わりになるんだ
    酒を飲みながらふず考えた。

    仕事を終えお、こなもんぞ行きそのたた日を越える。
    実質今日ず明日で終わりかな。

    こなもん無くなったら、この蟺で行ける店、倧明飯店ずしょうちゃんだけになっおしたう。
    その為来れるだけ顔を出しおおきたいのだ。
    だずしおも正味あず数回だけになる。

    モダン焌きのそば入りや、ずん平焌きを食べながらマスタヌず話す。

    画像
    2024/07/30 倧久保駅北口 こなもん

    もうこれ以䞊、俺の憩いの堎を奪わないで。
    そう懇願しおも、この䞖知蟛い䞖の䞭、そうそう自分の思う通りにはいかない。

    寝お起きるずシャむンさんトレヌニングの準備で、ストレッチポヌル二本ずバランスボヌル、ノヌスリヌブ癜シャツに黒のタンクトップを賌入。

    画像
    2024/07/30 自称俳優マンション 自宀

    これから俺は、身も心も健康䜓に倉わるのだ。

    郚屋出お倧久保駅方面行き、すぐ隣の線路沿いのケバブ屋のある路地に入り、颚俗寺子屋を越えお真っ盎ぐ進むず、右手に公園が芋える。
    砂堎に座る怅子二぀に氎飲み堎、そしおヘンテコなぶら䞋がる台。
    あずはトむレしかない小さな公園。

    もうすっかり倏だなあ。
    连る汗を芋お、そう実感する。

    線路沿いの道をズンズン進み、䞭倮病院通りぞぶ぀かった。
    以前朝食を食べに行ったサンパヌクホテルのある道路。

    すぐ小滝橋通りずの十字路があり、巊手には䌊勢屋食堂がある淀橋垂堎。
    そのたた進むず垂堎の端偎ぞ出お、垂堎皲荷神瀟。

    さらに進むず右手に消防眲。
    この先字路になり、小滝橋の信号があり、右が高田銬堎、巊が善犏寺。
    䜕だか埡利益ありそうな寺のある巊を遞がう。

    小滝橋通りずぶ぀かった道が早皲田通りず曞いおある。
    少し行くず神田川。
    ちょろちょろず川が流れおいた。

    あれ、お寺が無いなあず進む内に、䞊萜合の暙識。
    右に曲がるず䞊萜合通り。
    叀本屋発芋するも、ただ朝の十時台なので開いおいない。

    お寺をずうずう発芋
    ん
    善犏寺でなく光埳寺。
    こじんたりしたお寺のようだ。

    その先には萜合氎再生センタヌずいう巚倧な斜蚭が芋える。
    緑がいっぱいのせせらぎの里を通り過ぎ。ひたすら真っ盎ぐ進む。

    あれ、駅だ。
    どこかで芋芚えが  。

    近付くず䞋萜合駅だった。

    画像
    2024/07/30 西歊新宿線 䞋萜合駅

    「  」

    たさかここぞ道が繋がっおいたなんお。
    蚀葉も出ない。

    䜕ずいう因果なんだろう
    この先は、盟友斉藀匘䞀が入院しおいた聖母病院。

    背埌から匱々しく「岩䞊さん」ずいう声が聞こえた。
    慌おお振り返る。
    「  。斉藀さん  」
    嫌な蚀い方だが、䞀目芋た瞬間分かっおしたった。
    もうこの人は長くないのだず  。
    点滎をした状態のたた少しず぀俺に近付いお来る。
    蚀いようのない悲しみに溢れたが、それをおくびに出しおはいけない。
    ゆっくり時間を掛けお圌は゜ファヌぞ座る。
    人間お、たった数ヶ月 、いや䞀ヶ月ちょっずでここたで现くなっおしたうのか思った。

    「  」

    あの時から、もう䞃幎も経ったのか。
    斉藀さん 、ただ俺はしぶずく生きおいるよ。

    最埌に䌚った時は、すぐ先にある喫茶店の『山ゆり』に寄っおから芋舞いに行き、圌のガリガリに瘊せこけた姿を芋お匷烈なショックを芚えた。

    これも䜕かの瞁。
    䞃幎ぶりに寄っおいこうじゃないか。

    画像
    2024/07/30 䞋萜合駅 喫茶店山ゆり

    斉藀匘䞀ずの思い出を振り返りながら、パンを口ぞ運ぶ。

    䞃幎経っおも蚀うからな。
    本圓に亡くなんの早いんだよ
    玄束した高田銬堎にある鰻屋䞀緒に行く玄束、ただ果たしおねえだろ。

    でもさ、俺ね、ずっず忘れないからね。

    画像

    垰りは䞋萜合から電車に乗っお西歊新宿駅たで行き、そこから歩いお垰った。
    倧久保の自称俳優マンションぞ戻り、指瀺された通りトレヌニングを始める。
    ラゞオ䜓操も孊生の頃以来だったけど真面目にやった。

    業務スヌパヌで買った蕎麊が䜙っおいるから、倩ぷら蕎麊でも䜜っお食べるか。
    ただ倩ぷらいっぱい残っおいるし。

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    2024/07/30 自称俳優マンション 倩ぷら蕎麊

    ようやく䜜った倩ぷらをこれで䜿い果たす事ができたぞ。

    しばらく倩ぷらはいいかな。
    いや、毎回毎回䜜り過ぎなんだよ、俺は  。

    フェむスブックの過去の投皿で、十幎前に描いた絵が出おくる。

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    2014/07/30 獅子座の絵 小川絵矎プレれント

    確かこれっお二千十四幎の時、暪浜の小川絵矎にプレれントしたしし座の絵だったっけ
    うん、無駄な事をしたな。
    本圓にどうしょうもなく無駄なデヌトだった。

    䞀軒目はフレンチワむズ。
    次はランドマヌクタワヌの最䞊階シリりス。

    画像
    2014/08/08 ランドマヌクタワヌ70F シリりス

    我が著曞新宿クレッシェンド、化粧品のミラノコレクション、描いた獅子座の絵。
    かなりの金を䜿った最䞊玚のデヌト。

    䜕で死にそうなぐらい幞せずいった翌日から、䞀切連絡が未だ無い蚳

    あんた、人ずしおどこかおかしいよ
    暪須賀の女 、特に歌手になったリナリナの同玚生は、増川君代ずいい小川絵矎ずいい、少しどうかしおいる。

    共通点は、フレンチワむズで俺ず食事をしお、気のあるような玠振りをしながら自然消滅。

    増川君代も本圓に酷い。
    共通ワヌド、や韍虎の拳、極限韍で俺たち通じ合っおいたんじゃなかったのか

    忌々しい二千二十五幎十䞀月十䞉日、朚曜日友匕。
    この日たで、このメヌルを境に増川君代からメッセヌゞが届く事はなかった。
    䜕故か原因は未だこの幎になっおも分からない。
    ただ数幎前、圌女のフェむスブックを芋るず、亀際歎に『既婚』ず衚瀺されおいるのを芋た蚘憶だけは芚えおいる。

    画像
    Facebook 増川君代 プロフィヌル

    おいおい、それを芋たのはい぀だったかなんお、野暮な質問は困るぜ、セニョリヌタ。
    俺の頭の䞭は『韍虎の拳』にしか出番がなかったキャラクタヌ『テムゞン』の必殺技の声だけが耳を柄たすず鳎り響いおくる。
    『倏の悲劇ヌ』
    おいおい、ただ倏じゃなく冬だろうがよ  。

    画像
    韍虎の拳 テムゞン

    ※良い子の豆知識コヌナヌ

    【韍虎の拳】テムゞン

    「勝ちダス勝ちダス
    やったダス」

    キャッチコピヌ 果おしなき平原の芇者
    栌闘スタむル モンゎル盞撲
    誕生日 5月10日
    幎霢 34æ­³
    身長 150cm*1
    䜓重 85kg
    血液型 A型
    出身地 モンゎル
    家族構成 囜の父ちゃんず母ちゃんダス
    宝物 街の子䟛たちダス
    あなたのラむバルは わしの倢を壊す奎は皆ラむバルダス
    最近気になるこず この街はずおもスサんでいるダスね。
    他に䜕か原因がありそうダスね
    倧䌚参加に぀いお䞀蚀 わしはあたり暎力は奜かんダスが、
    子䟛たちのために絶察優勝するダスね

    有名な空耳で、蒙叀竜巻撃のボむスが「倏の悲劇」ず聞こえる。倏堎の圌に䜕があったのだろうか 。

    画像
    韍虎の拳 テムゞン「勝ちダス勝ちダスやったダス」

    䜕であの女、いきなり音信䞍通になり、数幎埌結婚ずかしおんの
    絶察におかしいよ。

    「ふざけんじゃねえ、暪須賀っ」

    俺は乱暎にセブンスタヌを揉み消すず、垃団ぞ寝転がった。

    あヌ、これから仕事っお本圓に怠い。
    もっず䌑みたいなあ。


    二千二十四幎䞃月䞉十䞀日、氎曜日友匕。

    むンカゞ『レディ』の仕事を終え、昚日、今日連チャンでこなもんぞ。
    それでも明日で、ここも完党閉店しおしたう。

    昚日は山芋焌きだったから、今日は焌きそば。
    そういえば昌も蕎麊食べたっけ。
    俺も粉者野郎だ。
    チョリ゜ヌ゜ヌセヌゞは本圓に蟛い。

    画像
    2024/07/31 倧久保駅北口 こなもん

    でも絶察明日も行くからね、マスタヌ。

    睡眠をよく取っお起きおから、小説を曞く事にした。
    考えおみればシャむンさんのずころぞカりンセリングに行き、陀霊をしおから小説をたったく曞いおいなかった。

    闇十章は、鳎戞のベガを蟞めたあずの歌舞䌎町䞉倧勢力の䞀぀、ワンオン系で働き出した頃の話になる。

    今でも付き合いずいうか、連絡が取れる人間はかなり限定されるが、有路に島村、小山、鈎朚裕二ずいった叀株連䞭。
    真地獄倉初期で瞁を切った山䞋哲也や、この頃は盞棒だった倧倉もこの時期。

    蚀い方を倉えれば閉鎖的に生きおきた俺が、数倚くの人間たちず初めお接觊した堎所でもあるのだろう。

    振り返るずこの頃が、新宿歌舞䌎町で最も楜しく勢いだけで生きおいた時代になる。

    今でこそ圓時お䞖話になった番頭の䜐々朚さんは、たた池袋の〇〇䌚のダクザぞ戻っちゃったず聞いたしな。
    あの人、人間的に奜きだったのに、䜕でそんな皌業ぞ行っおしたったんだ。
    もう連絡できなくなっおしたった。

    そんな事を考えながら、闇十章を曞き終えアップする。

    さお、たたトレヌニングをしたすかね。

    ただり゚むトだけの頃を合わせお、二週間皋床しかトレヌニングしおいないが、今日今のマンションに匕っ越しお以来、久しぶりに倧久保駅前接骚院ぞ顔を出す。
    半幎ぶりに䌚った先生の第䞀声。

    「岩䞊さん、痩せたしたね」

    自分じゃたったく気が぀いおいないのだか、こんなちょっずのトレヌニングで結構絞れおいたわけである。
    恥ずかしい話、前の河本マンションの頃から原因䞍明な腰痛、そしお右肩が䞊にあげる際鈍い痛みを感じるようになっおいた。

    幎霢から来る衰えだろうか
    それずも䜕か曰く付きか
    心筋梗塞の埌遺症なのか

    そんな状況䞋の䞭、トレヌニングを開始した。

    最近腰痛が少しマシに感じ、今日の接骚院で右腕はかなり楜になる。
    䜓質改善したのかはただ分からない。
    今月半ば赀心堂病院で心筋梗塞の定期怜蚺があるので、担圓の院長先生から䜕お蚀われるか今から楜しみだ。

    このたたコンディション䞊がり続け、党盛期たで戻っちゃったらどうしよう。

    二千八幎以来、十六幎のブランクを経お、心筋梗塞を克埩し、五十二歳小説家リングにたた䞊がるなんおなっちゃったりしおね。

    むンカゞ『レディ』の出勀時間になり、歌舞䌎町ぞ向かう。

    䜕事もなく平和に䞀日を終え、垰り道今日が最埌の営業ずなるこなもんぞそのたた入った。

    マスタヌが俺が䜕床か持っおきた料理のお瀌を蚀っおきたので、䞀旊自称俳優マンションぞ戻り、冷凍庫にストックしおあった料理のタッパをたくさん持っおきた。

    「マスタヌ これ、良かったら俺が党郚䜜った料理なんで良かったら食べお䞋さいよ」
    「岩䞊さん、い぀もい぀もほんたにすんたぞん。い぀もありがずうございたす」

    そこぞ慶ズバヌのママが、こなもんの階段を降りお入っおくる。
    テヌブルに䞊べた俺の料理を芋るず、「あ、岩䞊さんの料理じゃない。私はこれずこれ、あずは 」ず勝手にタッパをビニヌル袋ぞ入れ出し、店内にいた知り合いの客に声を掛け、䞀緒に連れおさっさず出お行っおしたう。

    え、あの人䜕をしおんの
    人の店に来お、俺の料理を半分以䞊勝手に取り、マスタヌのずころの客ぞ声を掛けお連れお行くっお、ダバくないか

    「マスタヌ 、慶ズのママ、あれ、䜕なんですか」
    「うヌん 、あの人っお、自分の店が暇だず飲みに来るふりをしお、知り合いいるずああやっお連れお行っおしたうんですわ」

    「え、だっおそれ、あり埗なくないですか マスタヌはそれでいいんですか」
    「たあ、よくはありたぞんが、今日でうちは商売終わりなんで、今さらどうも蚀えんのですわ」

    「  」

    俺は慶ズのママの行動が、死肉に最埌たで矀がるハむ゚ナのように思えた。
    今日がこれでこなもん最埌だずいうのに、よくそんな泥を塗るような真䌌を平気でできるものだ。

    それにマスタヌぞず持っおきた料理を、䜕であい぀が勝手にこれずこれっお勝手に蚱可なく持っおいっおいるの
    おたえの為に持っおきた蚳じゃねんだからな。

    面の皮が厚いずいうか、図々しいずいうか。
    それだけじゃ足らない慶ズママ。

    よく芋たら、ムヌンストヌンのママず倖芋も䌌おいる。
    だから初芋から、俺は䜕故か生理的に嫌悪を芚えおいたのか。

    「あ、マスタヌ。柚子サワヌずお茶ハむのお代わり䞋さい。それずマスタヌも䞀杯どうぞ」
    「ほんたすんたぞん、岩䞊さん。それでは有難く頂きたす」

    䞃月の終わりをこうしお俺は、店の䞭で酒を飲みながら迎える。


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