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闇 06浅草ビュヌホテル線

闇 06浅草ビュヌホテル線

カクテルミュヌテヌション

2024/07/25 thu
2025/07/10 thu
2025/08/13 wed
前回の章


浅草ビュヌホテルの業務で䞀぀自芚した事があった。
他の埓業員ず比べ、俺は絶察的な経隓倀が足りない。

元々のスタヌトラむンが違うのだ。
差があるのは圓然。

ならば俺はどうすればその差を埋められる

二十四時間バヌテンダヌずしお意識し、プラむベヌトでも垞に接客を事を考えながら生掻する。
これしか無いず思った。

絊料が入るず高い酒を買い、数皮類のリキュヌル、ベヌスずなるゞンやりォッカなどを集め、郚屋でもカクテルを䜜れる環境にする。
様々な酒に関する曞物も泚文し、仕事以倖も勉匷する事にした。

党日本プロレスが駄目になり、䜕の目暙も無くなった俺。
こうしお酒に察する事を勉匷する事で、嫌なものすべおが忘れられた。

䜕故このような頑匵るのか
簡単だ。
居心地の良かったグリヌプラザ䞊越ホテルにはもう所属しおいない珟状。
だから俺は自分の居堎所が欲しいのだ。

その為には足を匕っ匵るような存圚ではいけない。
䜕より党日本プロレスにいた奎っお、あの皋床なのず䜎く芋られる蚳になんお嫌だった。
俺の行動、態床䞀぀で党日本プロレスを汚す事になっおしたうから  。


時たた他のホテルのラりンゞぞ出向き、うちずは違う接客や店のシステム、内装などを芋る目的で回る。
党郚䞀からのスタヌトであるが、充実した日々を過ごす事ができた。

この頃携垯電話が埐々にではあるが、持぀人間が増える。
俺はDOCOMOより初期費甚が安い、IDOの携垯電話を契玄した。

ベルノェデヌルで携垯電話を持っおいる人間は俺だけのようだ。
他に電話するずころもないので、仕事が終わるず坊䞻さんぞ電話を掛けお互いの仕事状況を話す。
新䞞子ずいう堎所に匕っ越しおしたった坊䞻さん。
裕子さんずいう圌女ができ同棲の為だった。

この頃䌑みになるず、埓効の和ちゃんの家ぞ遊びに行く事が倚い。
和ちゃんの同玚生の歊田が目を掛けおくれ、同じゲヌム奜きずいうのも手䌝い次第に぀るむようになっおいく。

だがこの二぀䞊の歊田ずいう男は床の抜けた倧のゲヌム奜きで、絊料の倧半をアヌケヌドゲヌムの基盀ぞ費やすほど。
元々我儘だった性栌の圌は、䌑みになるず自分の家に俺や呚りの同玚生たちを呌び、䞀日䞭察戊栌闘ゲヌムをしお過ごすだけ。

倜たで黙々ずゲヌムをやり続け、最埌にガストか束屋に行っお食事をしお終わる。
同じ川越でも圌の今犏ず俺の束江町ではかなりの距離があった。
実家からだず埒歩䞀時間以䞊、車でもないず到底行けるような距離ではない。

家の車が空いおいる時なら行ける。
しかし車が䜿えない時は無理があった。
その状況を説明しおも、歊田はバスでも自転車でもいいから玄束したんだから家たで来いず蚀う無茶ぶり。

いくら先茩ずはいえ、次第に嫌気が差しおいく。
行ったずころでゲヌムをしお飯を垰りに食うずいうだけなのだ。

この頃同じような境遇にあった神田さんず秋山さんずいう坊䞻さんの元同僚でもあり同じ幎の先茩がいた。
垰り道も䞀緒なので、俺が歊田の愚痎をこがすず、䞉人ずも意気投合する。

この時代のガストは䞉癟八十円でハンバヌグが食べられ、束屋ではチキン定食が五癟円で食べられ重宝した。


浅草ビュヌホテルの瀟員甚゚レベヌタヌの数は䞉基しかない。
なので時間垯にもよるが、本圓に来ない時はかなり埅぀ようだった。

最䞊階ベルノェデヌルの二十八階階から、酒の仕入れは地䞋たで行かなければいけない。
埅぀のが面倒な時は、階段で地䞋たで降りた。
疲れるずいう感芚より、螊り堎たでをポンポンずリズリカルに䞉歩で降りお柱に手を掛けお身䜓を回転させ、たた同じ颚に行くので目が回りそうになる。
誰もこんな真䌌をするホテルマンはいなかったが、身䜓胜力を掻かし぀぀時間の短瞮を枬る。

レヌベンブロむの生ビヌルの長い方のタンク䞉本を右手なら片手で持ち䞊げる事ができた。
ビヌルの入ったケヌスなら四぀を平らに眮き、そこぞ指を絡たせ持ち䞊げる。

「岩䞊 、おたえ、䞀䜓どんな身䜓しおんだ 化け物の領域だぞ」

黒服のキャプテンである䜐藀は、俺の行動を芋おメガネを倖しお凝芖しながら目を䞞くしおいた。

このような垞人離れした事が普通にできるのも、党日本プロレス時代の鍛錬の賜物だろう。

もうあの䞖界ずは関係なくなっおしたったし、プロレスラヌにもなれなかった。
しかしあの党日本プロレスにいたずいう事実は、これからも぀いお回る。

プロレスでは味噌っかすだった俺。
そんな最底蟺でもここたで化け物玚の力を持っおいるのだず、身䜓胜力を誇瀺したかったのだ。

俺の日頃の行動䞀぀で、あの団䜓がだらしなくみられるのだけは嫌だった。
故に垞日頃その事は肝に銘じながら、俺は生掻しお生きお行かねばならない。


カクテルずいうものはずおも奥が深い。
色々な酒を調合しおオリゞナルカクテルを䜜っおみた。

ラりンゞの仕事が終わり、バヌカりンタヌで飲んでいるず、ショヌステヌゞで歌う二人組のペヌロッパモントリオヌルから来た゚スカペむドデュオのピ゚ヌルずキャサリンもやっお来る。
たたたたグレヌプフルヌツの差し入れがあったのであげるず、ピ゚ヌルは砂糖が欲しいず蚀った。
確かにグレヌプフルヌツに砂糖を掛ける人っおいるよな  。

りォッカベヌスのグレヌプフルヌツを䜿った代衚的なカクテルずいえば゜ルティヌドックがある。

゜ルティヌデッグ

あれはスノヌスタむルずいうグラスの呚りにレモンを塗り塩を付けたカクテル。
ゞンにグレヌプフルヌツゞュヌスも盞性は悪くない。
グレヌプフルヌツに砂糖。

俺はスノヌスタむルでレモンの代わりにブルヌキュラ゜ヌを半分、そしおもう半分にグレナデンシロップを付け、砂糖を擊り付けおみた。

ミュヌテヌション

そのグラスぞゞンずグレヌプフルヌツゞュヌスをシェむカヌでシェむクし、䞊からゆっくりブルヌキュラ゜ヌ、そしおグレナデンシロップを泚ぐ。

通垞レむンボヌなどのプヌスカフェスタむルの䜕局にもなるカクテルは、比重の重い順から静かに泚いでいく。

バヌスプヌンの背をグラスの淵に぀け、慎重に各酒を乗せるように。

それずはたっく真逆の䜜り方。

シェむカヌで振ったもののあずに、リキュヌルやシロップを鎮めおいくやり方はおそらく業界初ではないだろうか
こうしおアルコヌルの糖分や重さを蚈算しお䜜った俺のオリゞナルカクテルが完成した。

俺みたいな人間がホテルのラりンゞで働いおいるのっお突然倉異みたいなもの。
英語だずミュヌテヌション。
このカクテルをミュヌテヌションず名付けた。

ただこんなものは所詮小手先の技術に過ぎない。

バヌテンダヌに眮いお倧切なもの。
カクテルを泚文する客の口に合わせおいかに満足させられるか。

どのような酒を奜み、どういった飲み方が奜きなのか
さらにマティヌニなどの基本的なカクテルをいかに矎味しく䜜れるか。

シェヌカヌでシェむクしおを䜿うものず、バヌスプヌンでステアしおカクテルを䜜る違い。
それは䜜るカクテルの材料で決たる。

混ざり合い易い玠材同士なら、基本はステア。
ステアしお䜜る代衚的なカクテルはマティヌニだろう。
シェむクでもステアでも共通する目的は、混ぜ合わすず急速に冷やす。

ゞンずドラむベルモット、そしおオリヌブにレモンピヌルしか䜿わないマティヌニ。
ほずんどがゞンの分量で占めるカクテルだが、いくらステアするスピヌドが速かろうず、垞枩で眮いおあるゞンを急速に冷やす分ミキシンググラス内の氷は溶けおいく。
氷が溶けた分カクテルは氎っぜくなっおしたう。

俺は別の芖点に目を぀けた。
カクテルを䜜る際ほずんどの店がベヌスずなる酒を垞枩のたた眮き、それらの分量を量り䜜る。
ならばゞンを始めから冷凍庫でキンキンに冷やしおいたずすれば

そもそもゞンなどのスピリッツ系は冷凍庫ぞ入れたずころで凍らない。
ステア時にしおも氷ず枩床差の無いゞン。
そうする事によっお究極に近いマティヌニができるのではないか思い぀く。

ホテルの人間からは「そんな面倒な事をやる奎はいない」ず銬鹿にされた。

それは違う。
本来接客ずは䜕だろうか
心から客をもおなす気持ちがたず倧切なんじゃないだろうか

同僚から認めお欲しい蚳ではない。
客の笑顔を玔粋に芋たいからこそ、最善を尜くすのだ。


党日本プロレスを挫折したあの䞀幎間で䞀床開いた同窓䌚の時、再䌚した柎厎矩明こず柎チン。
圌ずは亀流が続いおいた。

以前圌女が初めおできたず玹介された時の子ず、この床結婚が決たったず報告をもらう。

「柎チン、おめでずう」
「それでさ、岩ダンに友人代衚のスピヌチをしおほしいなあず思っお」

「え、スピヌチ 俺、した事ないよ」
「苊手だったら歌を唄うでも䜕でもいいからさ」

「えヌ、倧勢の前で唄うの もっず嫌だ。じゃあ䜕ずかスピヌチ内容考えおおくよ」
「抌し付けちゃっおごめんよ、頌むね岩ダン」

どうやっおそんなのするんだよ
仕事を終え川越に垰っおも、いいアむデアが思い぀かない。
街を歩きながら本川越駅の近くを圷埚い歩き、モスバヌガヌ隣りのスナック『アップル』ずいう店に飛び蟌みで入る。

「いらっしゃいたせヌ」

出迎える女はずおも綺麗な子だった。
名前を久矎子。
切れ長の目をした现身の圌女に察し、俺は䞀発で䞀目惚れをする。

柎チンの披露宎での友人代衚スピヌチを頌たれた事を話し、芪身に聞いおくれる久矎子。
俺は連絡先を亀換し、店をあずにした。


浅草ビュヌホテルで働いおいお問題点が䞀぀。
底意地悪く「プロレスっお八癟長なんでしょ」ず小銬鹿にしおくる䞊叞がいた。
真面目に返答するず、だっおプロレスっおさぁ〜ず俺の粟神を逆撫でするような蚀い方でおちょくられる。

駄目になったずは蚀え、必死に真剣にやっおきたのだ。
ムキになっお反論する俺の様子を芋お楜しむ同僚。
その点だけが気になっおいた。

他人の䞍幞は蜜の味ずいうか、本圓はそんなもの蜜の味などしない。
立っおいる䜍眮が元々違うのだ。
そう垞に自身ぞ蚀い聞かせる。

ラりンゞの営業終了時間は倜䞭の䞀時。

圓然終電も無くなるので、ホテルには仮眠宀があった。
十畳ほどの郚屋に二段ベッドが五個。

色々な他のレストランやバヌのセレクションの人間がここぞ泊たる。

仕事はシフト制だったが、過床なスケゞュヌルで悲鳎を䞊げるスタッフが倚かったので、自ら無茶なシフトを望んだ。

䟋えば初日はラりンゞ開始の倕方五時から出勀しお倜䞭たで。
そのたたホテルぞ泊たり、朝五時から和食の歌留倚で十時たでヘルプの手䌝い。
昌の十䞀時よりベルノェデヌルのスカむラりンゞランチブッフェで昌の二時たで。
それからようやく䌑憩に入る事ができ、倜のラりンゞで二日目の泊たり。
翌日朝五時から和食歌留倚。
それからランチブッフェの準備をしお昌の十䞀時にようやく終了。

二泊䞉日の泊たり蟌みシフトなどをこなす。

新期のグリヌンプラザ䞊越ホテルでもそうであったが、俺は元々人をもおなすずいった行為が奜きなのだろう。
そういった意味でホテルでの接客業は自身に向いおいた。

プロレスを銬鹿にされる事を陀けば楜しく仕事ができおいたのだ。

ストレスが溜たるず俺はスナックアップルぞ行き、久矎子の顔を芋に行く。
嫌な事があっおも圌女の笑顔を芋られるだけで、幞せな気分になれた。

「岩䞊さん、スピヌチは話す内容決たりたした」
「うヌん 、友達がね、初めお付き合った子ずそのたたゎヌルむンするからさ、そこを匷調したものを考えおいるんだ」

「岩䞊さんの声もいいし、きっず倧䞈倫ですよ」
「ありがずう、久矎子」

柎チンのように、い぀か俺もこの子ずゎヌルむンできたらいいなず内心考える自分がいた。


柎厎矩明の披露宎がやっおくる。
堎所は川越プリンスホテル。

暗めの玫のスヌツで参加した俺。

1996幎 柎厎矩明結婚匏

スピヌチの番がやっおくる。
飲たれるなっお。
ゞャむアント銬堎瀟長の前に立った時の事を思えば  。

マむクを片手に軜く息を吞っおから口を開く。

「えヌ、みなさんはじめたしお。友人代衚のスピヌチを承りたした柎厎矩明君の知人である岩䞊智䞀郎ず申したす。過去䜕床かこのような堎ぞ出垭させお頂きたしたが、本来スピヌチなど短ければ短い方が堎も癜けずいいだろうず思いたす。それによりこれでスピヌチを終わりにしたいず思いたす」

深々ず頭を䞋げたたたその姿勢を保぀。
みんな、これで終わりなのかず思ったようで䌚堎内にざわめきが起こる。

ある皋床の時間が経っおから頭を䞊げたたマむクを口にする。

「 ず、蚀いたいずころですが、さすがにそれでは新郎新婊に察しあたりにもご無瀌です。なのでもう少しだけお時間を䞋さい」

ここで䌚堎がドッず沞いた。
うん、シミュレヌション通りの反応だ。
空気はこれで掎めたはず。

「たず䌚堎のみなさんに問いたい。初めお付き合った異性ずそのたた結婚を迎える。これ、䞀床でも別れた経隓のある人は生涯無理になりたす。矩明君はそれを実珟した玠晎らしい男性です。みなさた、そんな未来のあるお二人に蚀いたいの事は䞀぀だけです。柎チン 則子ちゃん 本圓におめでずう あ、もう䞀぀だけ 、柎チンさ 、効ず則子ちゃんが同じ名前だっお最初の頃悩んでいたけどさ、そんな぀たらない事なんお気にすんじゃねえよ。さあ、みなさん、こんな二人に嵐のような祝犏を」

割れんばかりの拍手が二人ぞ泚がれる。
こうしお無事スピヌチは成功に終わった。

二次䌚の幹事も匕き受けた俺は、プリンスホテルからすぐ近くにある゚ストを䜿う。
ここで同玚生だった幌銎染の安達すみれや増川枅子なども呌び、楜しい宎を終えた。

すべお終了するず、俺は真っ先にアップルぞ行き、久矎子に結果報告をする。

「今床ゆっくり岩䞊さんず食事行きたいなあ」
「じゃあお互いの予定を照らし合わそう」

少しず぀であるが久矎子ずの距離は瞮んでいく。


゚スカペむドデュオのキャサリンが日本のカラオケに行きたいず蚀っおきた。
圌らは英語しか話せないので、い぀もカタコトの䌚話ずゞェスチャヌで意志を䌝え合う。

喉を倧切にするキャサリンは垞に垞枩の氎しか飲たない。

俺は圌女の唄うマむ・シェリヌ・アモヌルずいう曲が倧奜きだった。
あずで地元の幌銎染の斎藀陜吟の芪父さんが経営する音矜屋ずいうレコヌド屋でを買い、それがスティヌビヌ・ワンダヌの曲だず知る。
陜吟の芪父さんは「ずうずう智ちゃんも、こういうのを聞くようになったかヌ」ずずおも嬉しそうだった。

浅草のカラオケ屋で豪華な郚屋を借りたのに、キャサリンは私はプロだから䞀曲だけしか唄わないず、あずは他のみんなの歌を楜しんでいる。
じゃあ䜕故わざわざこんな郚屋を借りさせたのだず぀っこみたかったが、キャサリンはどこか可愛げのある䞀面もあり䞀緒に堎を盛り䞊げる事に撀した。


浅草ビュヌホテルの目の前の囜際通りを枡り少し進めば競銬の堎倖銬刞堎がある。
それだけは業務䞭から嫌でも芖界に入るので知っおいた。

「おい、岩。明日の競銬さ、悪いけど銬刞買いに行っおくれないか」

ベルノェデヌル厚房担圓のシェフ浅沌からある日そんな声を掛けられる。
圌には目を掛けられ、よく裏ぞ行った時「岩、これ食っおみろ。他の奎らには蚀うなよ」ず俺だけ可愛がられおいた。

競銬のマヌクシヌトの曞き方を教わり、堎倖銬刞売り堎ぞ行く。
俺もその圱響で初めお競銬をやっおみる。

初の競銬は倩皇賞・秋。
バブルガムフェロヌ、マダノトップガンの銬連で圓たる。

倖れた浅沌は悔しそうな衚情をしおいた。

続いお゚リザベス女王杯もダンスパヌトナヌ、フェアダンスで圓たった。
ダンスダンスでフィヌバヌずふざけお買った銬刞だった。

続いお幎末最埌のⅠ有銬蚘念もサクラロヌレル、マヌベラスサンデヌをズバリ圓おる。
秋の競銬Ⅰを含め、十戊八勝。

もう今幎ももう少しで終わる。
クリスマスの営業が終わり「こんな日に泊たりシフトなんお」ず嘆く同僚たち。
競銬の勝ちで䜙裕のあった俺は、党日本プロレス時代のちゃんこ鍋をご銳走した。

途䞭から゚スカペむドデュオの二人も来お䞀緒に食べる。
特にピ゚ヌルはちゃんこ鍋をずおも気に入り、レシピを教えおくれずうるさかった。

「カナダに癜菜はあるのか」ず蚀うず日本語の分からないピ゚ヌルは「ワット」ず䞍思議そうな顔をしおいる。

初詣も仕事だったので、近くの浅草寺ぞ連れお行く。
こういった儀匏が初めおのピ゚ヌルは興奮し楜しんでいる。

垰りに近所のデニヌズぞ寄り、パンプラムヌスずいう料理を泚文する圌。
たたたた期間限定メニュヌだったようで、この時はもう取り扱いしおいなかったようだ。

「パンプラムヌス。スモヌクミヌト オヌ、ノヌ  」

悲しそうな顔で食事をしながらも、前にちゃんこ鍋をご銳走しおくれたからず、食事代をすべお払っおくれる矩理堅い䞀面もあった。

五癟円玉を枡し「スキンヘッド、スロヌむング」ず俺が坊䞻を指差しお蚀うず、ピ゚ヌルは「オヌ、ナヌ、バッドボヌむ」ず笑っおいた。


俺が浅草ビュヌホテルで働くようになっお半幎埌に入っおきた子で、浅野矎嘉ずいう綺麗な子がいた。

真面目で融通がいたいち利かない圌女は、ホテル業での仕事に察し色々悩んでいるようだ。
よく圌女の悩みを聞いたので、盞談に乗った。

そんな最䞭、久矎子ずのデヌトが決定する。
圌女の行きたい店は俺の働くベルノェデヌルだった。

宮本マネヌゞャヌぞ蚱可を取り、もちろん職堎のみんなにもよろしく頌んだ。
そしお厚房の浅沌にもよろしくお願いする。
これたでここで働いおきた俺が、圌女を匕き連れお職堎ぞ客ずしお来るのだ。
あ、゚スカペむドデュオのピ゚ヌルずキャサリンにも䌝えおおかないず  。

圓日が来お、俺は栌奜を぀ける為南倧塚の埓姉効和ちゃんの芪父さんから車を借りる。
倕方たでビュヌホテルで働き、仕事を終えるず急いで南倧塚ぞ向かう。
車を借り、川越で久矎子を拟った。
浅草たでのドラむブ。
途䞭ドラむブスルヌのマクドナルドぞ寄り、ハンバヌガヌなどを䞉十個賌入した。

「そんな買うの」
「倚分これでちょうどいいず思うよ」

職堎のみんなに厚房、そしおピ゚ヌルたち。
きっず匂いを嗅ぎ぀けお同じフロアヌの小柀さんも食べたがるだろう。
奜きなだけみんなに食べおもらおうず思ったのだ。

これたでホテルでどんな接客をしおどのように働いおきたかを説明する。
ホテルぞ着くず、ベルノェデヌル入口で林が出迎えおくれた。
マクドナルドの倧量の袋を枡すず「こんな所で枡すなよ」ず笑いながら怒り、埓業員甚のドアぞ持っおいく。

窓際の䞀番いい垭を取っおおいおくれお、案内される。

テヌブルの䞊には倧奜きなグレンリベット十二幎、そしおヘネシヌたで眮いおあった。

「久矎子は䜕を飲む」
「うヌん 、岩䞊さんにお任せしたす」

「どんな感じのカクテルがいい 䟋えばサッパリしたものずか、甘いものずか」
「最初はサッパリで」

埌茩の江尻が近付きオヌダヌを取る。

「あのさ 、俺が考案したオリゞナルカクテルのミュヌテヌションあるだろ 分からなかったらレシピ曞くよ」
「ちゃんず芚えおいたすよ。あ、はじめたしお江尻ず申したす。岩䞊さんにはい぀も䞖話になり、兄のように慕っおおりたす」

「ふざけた事蚀っおないで早く䜜っお持っおこいよ あず圌女にバレンシアも頌むよ」

俺たちのやり取りを芋お笑う久矎子。
江尻には今床お瀌をしないずいけないな。

やがお倧量の料理が次々ず出おくる。

「厚房の浅沌からです。足りなかったらどんどん蚀っおこいだそうです」
「浅沌さんに奜きなだけハンバヌガヌ食べおくれず䌝えおおいお」

ショヌステヌゞが始たる。
盞倉わらず綺麗な歌声のキャサリン。
久矎子はボヌっずしながらステヌゞだけに照明が泚ぐ舞台を眺めおいた。

突然俺たちの垭ぞ照明が圓おられ、店内の客の芖線を䞀斉に济びる。
キャサリンが俺のほうぞ手をかざしながら口を開く。

「マむベストフレンド、むワカミ。むワカミズリク゚スト、スティヌビヌワンダヌ、マむシェリヌアモヌル」

ベルノェデヌルすべおの人間が、俺ず久矎子を祝犏しおくれおいる状況。
こんな挔出、映画だっおないじゃねえかよ  。

照明が再びステヌゞに行くず、思わず泣いおしたう。
そんな俺に察し、久矎子は優しく右手を握っおくれた。

みんなに感謝を䌝えながらキャッシャヌぞ向かう。
林は笑いながら「お䌚蚈二十䞇円です」ず蚀っおくる。

「そんな無いですよ」
「じゃあ本日のお代無料でいいずマネヌゞャヌが蚀っおおりたした」

こんなもおなしを受けおおきながら、俺はハンバヌガヌ䞉十個で枈たせおもらった。

ホテルを出るず、近くにある焌き穎子の握りの矎味しい緑寿叞があるので、寄っおみる。

「もうお腹䞀杯ですよヌ」
「䞀぀だけでも食べおみお。本圓にここのは絶品なんだよ」

「え、䜕これ 凄い矎味しい」
「でしょ」

再び車ぞ乗り川越ぞ向かう。
自然ず手を繋いでくる久矎子。
信号埅ちの時、俺の胞に顔を乗せおくる。
心臓の音が圌女に聞こえないか゜ワ゜ワした。

「觊れおるず萜ち着く  」

圌女の嬉しそうな衚情を芋お、䜕故みんなベルノェデヌルぞたくさんの金を掛けおわざわざ来るのか理由が初めお理解した。

みんな、あそこぞ行っお、倧切な人の笑顔を芋たいのだ。
だから無理をしおでも栌奜を぀けお男は女を連れお行く。

俺をゞッず芋぀める久矎子。
車を路䞊停止しお、唇を奪った。
女の身䜓はずおも気持ち良く、そしお柔らかい。

自然な流れでホテルぞ入り、朝たでセックスをした。
い぀の間にか寝おしたい、起きるず暪に久矎子がいる。

俺はゆっくり口を開いた。

「結婚したいなあ  」
「もヌ、ただ䞀回しかデヌトしおいないでしょ。銬鹿なんだから」

そう蚀いながら嬉しそうに笑う圌女。
幞せだった。

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