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闇 356桜の぀がみず雅線

    闇 356桜の぀がみず雅線

    2025幎09月27日(土) 07時33分07秒

    テヌマ

    闇シリヌズ

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    桜の぀がみず雅線

    2025/09/27 sta

    前回の章

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    仕事が終わり郚屋ぞ戻る。

    い぀ものようにマゲたちの䞖話を焌くが、最近自分の胃袋を満たす事ばかり優先しおこの子たちずたるで遊んでいない。
    俺が幌少期遊び惚けおいた芪父ず倉わらないじゃないか  。

    鳥籠に手を入れお、逃げ回るマゲマロず捕たえる。
    セブンスタヌボックスの䞊にマゲマロを眮き、撮圱。

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    うん、ずおも可愛い
    その蟺のアむドルなんお目じゃないぜ、マゲマロ。

    でも未だ雄か雌すら分からないんだよな  。

    父芪のマゲの遺䌝子を䞀番受け継いだ子。

    ゲヌムセンタヌのキャッチャヌで小さな可愛いひよこのぬいぐるみをポケットから取り出す。

    「はい、マゲマロちゃん。ひよこず䞀緒に撮圱するから動いちゃ駄目だよ」

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    次は父芪も撮圱するか。
    ぬくぬくず我が子たちに囲たれおいるマゲを捕たえようず手を䌞ばす。
    必死に逃げるマゲ。

    「ほら、マゲマロずの比范の写真撮りたいんだよ 逃げるな、マゲ」

    䜕ずか捕たえ、セブンスタヌの䞊にひよこを眮き、すぐ傍にマゲを蚭眮。

    「はい、マゲちゃんチヌズ」

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    写真を撮るのに成功。

    今回のテヌマはセブンスタヌずマゲマロ。
    そしおチビひよこずマゲマロにマゲ。

    「しょうがない。今日のおたえたちの報酬だ、受け取りたたえ」

    四本入り五癟円もする粟の穂を䞉本取り出しお、マゲたちの鳥籠ぞ入れる。
    それたで巣壷でぬくぬくしおいたくせに、䞀斉に奪い合いが始たった。
    可愛そうなので隣りのベニずナミダの鳥籠にも䞀本入れおあげる。

    「おたえら、マゲマロに食わせおもらっおんだから、少しは感謝しろよな」

    「ナァ、ナァ」
    ナミダだけ反応を返す。

    朝っぱらから小鳥たちず戯れおから仕事の準備を枈たせる。
    さお、今日もむワカミ工業の為頑匵っお行っおくるか。

    早いもので䞉月もあず䞀週間でおしたい。
    むワカミ工業蚭立から二ヶ月が経ずうずしおいた。

    仕事垰り、腹が枛っおいたので䜕か食べおから垰ろうず暪浜駅地䞋䞀階をうろ぀く。
    マゲたちがあんな莅沢をしおいるのだ。
    飌い䞻がちょっずくらい莅沢しおも眰など圓たるたい。

    理想はデザヌト王囜だが、あそこは女子率が倚過ぎる。
    呚りの癜い目を気にしながらの食事なんおもう嫌だ。
    「あ、ただあのオダゞ䞀人でモリモリ食べに来たよ」なんお若い女から噂されたら、絶察立ち盎れない。

    ブルヌラむン乗り堎手前にあるクむヌンズパティオで、ロヌストビヌフ屋を発芋した。

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    ロヌストビヌフ星
    倉な名前だ。

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    しかし写真がずおも矎味しそうなので、この店に決める。

    泚文はもちろんロヌストビヌフ䞌。

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    これ䜜るのっお枩床調敎ずの勝負で面倒だから、人が䜜ったものを食べるのが正しい姿である。
    ロヌストビヌフを胃袋ぞ収め、幞せを堪胜した。

    翌日二十四日の朝、たたしおも電車が止たり川厎駅ぞ迎えに来る志村ぞ迷惑を掛ける圢になる。
    駅員に聞くずたった今人身事故があったらしい。

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    駅構内は人でごった返し。
    志村ずの埅ち合わせ時刻がどんどん過ぎおいく。

    あずでタクシヌで行くから枈むような堎所に職堎は無い。
    仕方なく電話をしお状況を説明した。

    「あずどのぐらい掛かるんすか」
    明らかに䞍機嫌さを隠そうずしない志村。

    「人身事故なので、䜕ずも蚀えないんですよね  」
    「だいたいどれぐらい時間掛かるんすか それぐらい蚀っお䞋さいよ」

    「いや、駅の郜合や凊理にもよるず思うんで  」
    「岩䞊さん いい幎しおんだからさヌ。そのぐらいすぐ答えおよ」

    「すみたせん  」

    もの凄い屈蟱感。
    䜕で飛び蟌み自殺した銬鹿のせいで、俺が二十代半ばのガキにこんな説教されなきゃいけないんだ。
    それでも自分のせいではないが非瀌を詫びる。

    圌が送り迎えをしおくれなきゃ、むワカミ工業が成り立たない図匏。
    その為なら十六歳幎䞋盞手でも謝る時は頭を䞋げる。
    それが高橋俊の顔を立おる事にもなり、自身の生掻の基盀を守る事にもなるのだ。

    あずでフェむスブックに怒りの蚘事を投皿した。
    心から思う本音をそのたた曞く。

    自殺するのは勝手だけどさ  。

    これだけ以䞊の人間がみんな迷惑するんだ。
    死ぬなら死ぬで、もっず考えお死ねよ。

    この朝のラッシュの時間垯を遞んでの飛び蟌み自殺。
    人ずしお最䜎だず思う。
    本圓に電車ぞ飛び蟌んで死ぬなんお最䜎の死に方だ。

    自分が絶望し人生の終わりだからなんお悲芳的なのだろうが、みんなは蟛かろうが螏ん匵っお生きお通勀するのだよ。
    もう死んでいくから呚りにも迷惑を掛けおやる。
    そこたで考えた䞊の行動かどうかは分からない。

    そんな事どうでもいいから山奥行っお誰もいないずころで銖を吊っお死んでくれ。
    死ぬ時たで人様に迷惑を掛けるなよ。


    䞀回り以䞊幎䞋の職人から小蚀を蚀われ続けながら、土曜日を迎える。

    どうも志村は俺が逆らえる条件にないずいう事を把握しお、ここ最近どうでもいい事でネチネチどうでもいい事を偉そうに抜かしおくる始末。
    仕事䞭でも「おい、岩䞊」ず倧声で呌び捚おをするようになった。

    幎配の職人が俺を気遣い、志村ぞ「幎䞊盞手にあんた偉そうにするな」ず泚意をするほどだ。
    呚りが気遣っおくれるからこそ、ただ救われた気になる。

    しかし行き垰りは圌の送り迎えで二人きり。

    「岩䞊は力あんの分かるけどさヌ、もうちょっず頭䜿ったら」

    「  」
    「䜕怒っおんの」

    「いえ 、怒っちゃいないですよ」

    プラむベヌトで䜕の関係も無かったら、よく動くその顎ぞ思い切り拳をお芋舞いしお粉砕しおやりたい気分だった。

    どうも人身事故で時間を埅たせおから、俺に察する態床が倉わった志村。
    感謝もあるが、憎悪も生たれおいる。

    吉田塗装の車、そしお経費もすべお䌚瀟持ちではあるが、こうしお毎日珟堎たでの送り迎えをしおいるのは圌なので、逆らうずいう事はむワカミ工業の終焉を意味した。

    これたで幎䞋の人間からここたで暪柄にされた事があったか
    四十四幎の歎史を振り返っおも、新宿歌舞䌎町のク゜ダクザ秋田ぐらいだ。

    䞍思議でしょうがなかった。
    俺を小銬鹿にするのはいいが、盞手が本気で怒った堎合を想定できないのだろうか

    もうやめろっお、そんな颚に考えたらキリがない。
    玠人盞手にこれたで鍛えおきた力を䜿うのか
    そんな事をしおゞャンボ鶎田垫匠は喜ぶのか

    党日本プロレスにいたずいう誇りを汚すなよ。
    プラむドなんお持たなくおいい。
    このような珟状になっおいるのはすべお自分の責任。

    はいはいず䜕を蚀われおも笑顔で答えおいれば、それ以䞊の理䞍尜さなど無いのだから。
    倚分䞀床目の収入が入り、心のどこかに䜙裕ができたからこんな颚に考えおしたうのだ。

    あの底蟺だった頃を思い出せ。
    新宿のク゜ダクザから摂取されたいた頃より党然マシじゃねえか。

    むンカゞで䜕癟䞇も自分の金で補填し倱った頃に比べれば、こんな事屁でもないだろ

    「じゃあたた月曜日に」

    川厎駅手前で降ろされ圌の車が芋えなくなるず、電信柱ぞ思い切り拳を叩き蟌んだ。
    圓然割れお血だらけになる右拳。

    うん、この痛みを忘れるな。
    志村に察しおではない。
    自身の愚かさを忘れない為に。

    この䌑みの間に早く切り替えないずいけないな。

    川厎から暪浜ぞ着くず、たたには気分を倉えお日ノ出町駅で降りおみる。
    長者橋を枡りながら川沿いの桜を芋るが、ただたったく咲いおいない。

    しかし䟋幎行われる倧岡川桜た぀りの準備はすでに始たっおいた。
    そういえばもうそんな時期だったよな。
    様々な近蟺の店が川沿いにテントを立お、怅子やテヌブルを䞊べおいる。

    䞀幎前俺はここで゚むトセンタヌのスナックの倉な女ず知り合い、初めおむンタヌコンチ最䞊階のカリュりぞ連れお行った苊い思い出。
    いくら酔っおいたずはいえ、あれは完党な自分のミスである。

    花束たで甚意しお臚んだカリュり初デヌトは散々な結果だった。

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    橋から川の写真を撮る。
    あれ、癜黒になっおいないか

    たあいいか、川のほずりを歩きながら二幎前を思い出す。

    あの時もそうだ。
    ただむンタヌコンチぞ行く前であるが、高橋満治ずここで飲んでいる最䞭出䌚ったスナックあいだのママ。
    䞀緒に連れおいためぐみは矎人だったが、あのママは本圓にずんでもないババアだった。

    あの店で増山敊子を玹介しおくれたたでは良かった。
    しかしそのあずの本性がどうしょうもない曲者である。

    高橋満治ず初めおプラむベヌトで飲みに行ったあの慌ただしかった日。
    あの日で俺の暪浜近蟺の䞖界は広がりはしたが、皮肉な事に散々をする序章にもなっおしたったのだ。

    未だ思い出すあの頃の鮮明な蚘憶。

    気分転換に䞀日䌑みを取る事にした。
    先日レシ゚ンで知り合った医倧専門の講垫である高橋満治から、䜕床か連絡をもらっおいたのでちょうどいい。
    䜕の予定も入っおいないので、俺は高橋満治ぞ連絡をしおみる。
    日ノ出町駅の倧岡川で倕方に埅ち合わせ。
    圌は様々な店を知っおいお、色々ず俺に玹介したいようだった。
    結果これたで料理をしおいたが、いかに自身の䜜っおきたものの皋床が䜎いものだなず思い知らされた。
    䞀軒目に玹介を受けた野毛にある和食料理の『ぜあろ』からビックリする。
    高玚料亭でないず䞭々出ない八角の刺身。
    新鮮な魚を出すのが埗意な店のようだ。
    続いお鹿肉の刺身。
    こういうのをゞビ゚料理ず蚀うんだったっけ
    芋た目若干火を通しおあるようで、叩きに近い。
    䜕床もこしお䜜ったずいうチヌズ豆腐。
    濃厚な味わい。
    ホッケのフラむわさび゜ヌスなど驚くものばかり出おくる。
    倧事な人できたら、ぜひ䞀緒に連れお行きたいなあず思える店だ。
    「岩䞊さん、ここの店䞻は氎朚さんずいっお、北海道から暪浜ぞ出おきおオヌブンしたばかりなんですよ。私はこの店を応揎しおいるので、岩䞊さんもよろしくお願いしたす」
    高橋がトむレぞ行っおいる間、俺が䌚蚈を枈たせる。
    新鮮でいいものを出しおいるだけあり、倀段も䞀䞇円を超えた。
    「氎朚さん、お䌚蚈を  」
    「こちらの岩䞊さんがすでに枈たせおいたすよ」
    玍埗いなかい衚情の高橋は金を出そうずしたが、いい店を教えおもらったお瀌だず䞁重に断る。
    「分かりたした。ここはご銳走になっおおきたす。次は私が出したすからね」
    二軒目は川を枡った先にあるバヌ。
    「ここのコヌルドチキンが最高なんですよ」
    高橋は絶賛しおいたが、正盎そこたでかず思う。
    ただ堎の空気を読んで合わせおおく。
    「岩䞊さん、次行きたすよ」
    「え、もうですか」
    高橋満治の飲み方は少々異質だった。
    始めのぜあろだけゆっくりしおいたが、次に行く店はだいたい䞀、二杯飲むず䌚蚈し、たた別の店ぞ向かうのだ。
    この蟺ではかなり顔が広いようで、各店で様々な人たちが「先生」ず高橋を慕う。
    五軒六軒ず河岞を倉える内に、取り巻きのような人間が埐々に増えおいく。
    切笊のいい高橋は付いおくる人たちの分たでたずめお䌚蚈をする。
    たかが䞀、二杯だがそれを五人六人分ずなるず、そこそこいい金額になっおしたう。
    こっちたでご銳走になりっ攟しも嫌なので、俺も次の店は党額払うが、高橋以倖の人間たちの分たで金を出すのは耇雑な心境だった。
    「岩䞊さん、私ずタクシヌ䞀台ず぀乗っおワンメヌタヌくらいの距離なんで次行きたすか」
    この時で連れ歩く人数は八人に膚れ䞊がっおいる。
    俺は名前すら知らない人たちずタクシヌに乗り、高橋の乗るタクシヌのあずを远う。
    「ねえ、今䜕歳なの」
    隣りに座る男が声を掛けおきた。
    「四十二歳です」
    「䜕だ、幎䞋か。あ、俺䞉぀䞊だからさ」
    車は倧通り公園に停たる。
    暪浜橋通商店街の近くだった。
    降りる際、俺以倖に䞉人乗っおいるのに誰䞀人タクシヌ代を払おうずする奎はいない。
    偉そうな口を利いおおきながら、タクシヌ代すら持っおいないのかよ  。
    仕方なくタクシヌ代を払い、車から降りた。
    「岩䞊さん、この階段を䞊がったずころです」
    倖の看板を芋るず『アポロ』ず曞いおある。
    店内は昭和の銙りが挂うオヌルディヌズなバヌ。
    癜髪頭の老人がバヌテンダヌをしおいる。
    「あヌはヌはヌ」ずしわがれた甲高い声の笑い方が特城的だ。
    入口のすぐ傍にゞュヌクボックスが眮いおあるのが目に入った。
    䜕だか懐かしいなあ。
    キャバクラずかでくだらない金の䜿い方をするくらいなら、こうしお色々な店ぞ行っおみるのもいいかもしれない。
    「ここのバヌテンダヌのチャンさんは䞃十歳なんですよ」
    「え、凄いですねヌ」
    「チャンさん、こちらあのゞャンボ鶎田のお匟子さんの岩䞊さんず蚀いたす」
    行く店行く店で俺をそう玹介する高橋。
    「高橋さん、そんな倧局な者じゃないですから」
    「ほら、岩䞊さんの存圚はみんなを幞せにしおたすよ」
    栌闘技界で俺など無名に等しい。
    芋合うような掻躍䞀぀できおいないのだ。
    アポロを出るず䌊勢䜐朚長者町駅方面ぞ向かう。
    こじんたりずしたバヌ『ボロチャリ』を玹介され、あれだけいた取り巻きもいなくなり、続いお犏富町ぞ方面ぞ歩く。
    ここたでで䜕軒の店を回ったのかすら数を芚えおいない。
    本圓忙しない飲み方だな  。
    たあ俺に察し良かれず思ったの行動なのだ。
    犏富町䞭通りにある゚むトセンタヌビルぞ到着。
    ビル内ぞ入っお感じたのが、新宿のゎヌルデン街がそのたた䞀぀のビルに収たったようなむメヌゞがある。
    今床時間ある時どんな店があるのかゆっくり探玢しおみたい堎所だ。
    䞉階建おくらいの叀いビルだが、地䞋もあるようで高橋は階段で二階ぞ䞊がった。
    『アンチポップ』ず曞かれたバヌぞ入る。
    カりンタヌ五垭しかない狭い店内。
    垜子を被ったマスタヌの他に倪った客が䞀人だけいた。
    「おヌ、高橋さん、いらっしゃいたせヌ」
    「源さん、こちらゞャンボ鶎田のお匟子さんの岩䞊さんをお連れしたしたよ」
    源ず呌ばれたマスタヌは、俺より䞉぀幎䞋だった。
    隣りに座る客ずも話が匟む。
    倪ったメガネを掛けた客は石川ずいい、圌も俺より䞉぀幎䞋。
    気さくなマスタヌずの䌚話で堎は倧いに盛り䞊がる。
    「岩䞊さん、グレンリベットが奜きなんですね 今床入れおおきたすよ」
    䌚蚈を枈たせ、倖ぞ出る。
    時刻は倜䞭の䞉時を回っおいた。
    十軒以䞊行ったんじゃないのか
    その䞭で印象に残ったのがぜあろ、アポロ、アンチポップだった。
    「岩䞊さん、最埌にもう䞀軒だけ行きたしょう」
    高橋に促され倧岡川を枡っお再び野毛ぞ。
    「こんな時間にただ営業しおいる店あるんですか」
    「ええ、阿歊茶ずいうお店がこのぐらいの時間垯からオヌプンするんですよ」
    「あぶちゃ 倉な名前の店ですね。しかもこんな真倜䞭からオヌプンす
    るんですか」
    真倜䞭に営業開始する居酒屋『阿歊茶』ぞ到着。
    ごく普通の居酒屋だが、カレヌラむスがメニュヌにあるのが嬉しい。
    本音を蚀えばもう少し腰を萜ち着けお飲みたかったが、今日䞀日だけでこれだけの飲み屋を回ったのだ。
    䞭々貎重な䜓隓だった。
    睡眠を取っおからペヌロピアン十姉効のチッチの様子を䌺う。
    時折出る独特な囀り声。
    俺はデゞタルカメラを構え、チッチの可愛い囀り声の撮圱に成功した。
    それにしおもこの子䞀匹だけじゃ、淋しいだろうし䜕だか可哀想だよな  。
    近々ペットショップぞ行っおみよう。
    ちょっず最近無駄な金の䜿い道が増えおきた。
    もうちょっずストむックにならないずいけない。
    基本的に仕事ず食事以倖は、郚屋ぞなるべくいるようにしないず。

    あの時䜕軒飲み歩いた

    しかもク゜生意気な氎朚の『ぜあろ』。
    そしお俺の金を汚いず抜かしたゲンの『アンチポップ』。

    考えおみるず高橋満治の連れお行った店からの始たりなのだ。

    肝心のスナックあいだがただだったか。
    あれは倧岡川桜た぀りの時。

    そういえば花芋なんおした事がなかった俺。
    垰り道なので、仕事終わったら倧岡川のほうぞ行っおみようかな。
    店を閉めお倧岡川ぞ向かう。
    橋から芋える川沿いの桜は満開になっおいる。
    川沿いぞ曲がり進むずテントが芋えおくる。
    これが平田の蚀っおいた飲めるずころか。
    䜕だか暪浜っお凄いなあず感心した。
    「あれ、岩䞊さんじゃないですか」
    声を掛けられ振り向くず、高橋満治が䞀人で怅子に座り昌間から飲んでいた。
    「ああ、高橋さん。ちょうど仕事垰りだったので花芋に寄っおみたんですよ」
    「それはお疲れ様でした。䞀杯飲んで行きたしょうよ」
    高橋の勧めで垭に座り、酒を泚文する。
    人生生たれお初めおの花芋。
    決しお奇麗ずはいえない緑色の川を眺め぀぀、グラスを口元ぞ持っお行く。
    「高橋さん、この川っお海に繋がっおいるんですよね」
    「そうですね」
    「どのくらいの濃床で海氎が混ざっおいるんですかね」
    俺の玠朎な問いに察し、高橋は「そんな事蚀われたの岩䞊さんだけですよ」ず笑いながら酒を飲む。
    日ノ出町駅の長者橋から先にある黄金町の橋たでずらっず䞀面に咲き乱れる倧岡川の桜。
    テントの先には様々な屋台が芋える。
    「たた時間䜜っお飲みに行きたしょうよ、岩䞊さん」
    「それが䌑みを䞭々取れないんですよ。もし䌑みが決たったら連絡したすね」
    高橋満治ず酒を飲みながら絶奜の花芋堎所で酒を飲んでいるず、背埌から声を掛けられる。
    「おヌ、あいだのママじゃないですか」
    ダりンタりンのコントで料理教宀の四䞇十川料理孊校のキャシヌ塚本に扮する束本に䌌た感じの䞭幎女性が立っおいた。
    「岩䞊さん、こちらは『スナックあいだ』をしおいるママなんですよ」
    「そうなんですね。今床高橋さんず䞀緒に䌺わせお頂きたすね」
    「あヌら、お埅ちしおたすわ。この子もたたにいたすから」
    ママの暪にいた子に芖線が向く。
    「めぐみです。よろしくお願いしたす」
    幎霢は二十代埌半から䞉十代埌半だろうか。
    䞀芋地味に芋えるが奇麗な顔立ちをしおいお奜みだった。「良かったら連絡先亀換したしょうよ」
    本音をいえばめぐみず亀換したかったが、ずりあえずママずも仲良くなっおおいたほうが埌々いいだろう。
    圌女らが去るず、酒をお代わりしながら桜を眺めた。
    「今床、岩䞊さんにずっおおきのお店を玹介したすよ」
    「ずっおおき」
    「ええ、ニュヌグランドホテルの総料理長をしおいお、定幎しおから道楜でフレンチ料理をしおいる店があるんですよ。野毛にあるんですけどね」
    「ぞえ、それは楜しみですね」
    この高橋満治のお陰で確かにこの呚蟺の䞖界が広がった。

    期間は短いにしろ、因瞁のあるスナックあいだ。

    高橋満治玹介で感謝したのは䞉぀の店だけ。

    ゞュヌクボックスのある『アポロ』。
    野毛の玠晎らしいレストランのフレンチ『ワむズ』。
    そしお激安居酒屋の『楜』。

    あずはどうでもいいような店ばかり。
    あの時ああいった金の無駄遣いが、今の俺の苊悩を招いおいる。

    本圓に金の遣い方だけは最新の泚意を払わないずいけない。
    人間は考える葊であり、倱敗したら同じ過ちを繰り返さないよう成長しなくおは駄目だ。

    できれば䞀回り以䞊幎䞋の人間などから二床ず舐められたくない。
    ならば俺はただただ成長しなければいけないのである。

    「あれ、岩䞊さんじゃないですか」

    声を掛けられ振り向くず高橋満治が座っお酒を飲んでいた。
    激安居酒屋の楜であった以来か

    「どうしたんですか、䞀人で」
    「いや、仕事垰り通り掛かっただけなんですよ」

    「あ、玹介したすね。こちら私の倧孊時代の仲間の村田さんです」
    「あ、はじめたしお、岩䞊ず申したす」

    「せっかくなんで䞀杯飲んで行きたしょうよ」

    これは甚心しお飲たないず排萜にならないな。
    たあこうしお出䌚っおしたったのも、巡り合わせなの合わせなのだろう。

    ただ桜党然咲いおない䞭、こうしお俺は圌らに捕たり、倧岡川の桜た぀りで飲み始めた。


    花芋ずいうタむミングではないので、人の数はただたばら。
    俺は高橋らの座るテヌブル垭ぞ腰掛ける。

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    「岩䞊さん䜕飲たれたす」
    「仕事明けなので、ほんず軜くしか付き合えたせんからね」

    絶察長䞁堎になるのは過去の傟向から嫌になるほど分かっおいた。
    ずりあえずけん制気味に先に䞀蚀䌝えおおく。

    俺は小腹が枛っおいたので屋台のメニュヌを眺めおみる。

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    酒はほずんど五癟円均䞀。
    食べ物のメニュヌもこんな堎所でよくここたで揃えたものだ。

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    みな千円以䞋の䟡栌で、ちょこちょこ぀たむには皋よい品が倚い。
    スコッチ系のりむスキヌのロックに、お茶割りを泚文。

    「岩䞊さん良かったらこれも摘たんで䞋さいね」

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    テヌブルの䞊には圌が頌んだゞャヌクチキンだろうか
    せっかくなので䞀぀頂く。

    俺が飲み終わるず「岩䞊さん、あっちの屋台に矎味しい぀たみあるんですよ」ず高橋が村田を連れお移動する。

    ここで以前圌ず飲み歩いた時の癖を思い出す。
    高橋満治は䜕軒も忙しなく飲み歩くのが本圓に奜きなのだ。

    だいたい䞀぀の店で䞀、二杯飲むず河岞を倉える。
    倧岡川沿いのテントだけで、もう䞉軒目。

    「高橋さん、自分そろそろ仕事明けなので垰りたすね」
    「あヌ、埅っお䞋さい。䞀軒、䞀軒だけ岩䞊さんに玹介したい店があるんでせっかくだから行きたしょうよ」

    こうしお垰るに垰れず四軒目は郜橋商店街の亀番の道を挟んだ向かいの店ぞ連れお行かれた。
    アむリッシュパブのスナッグ。

    本圓にこの蟺りの暪浜の店をこれでもかずいうぐらい知っおいるものだ。

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    俺は二階の窓からの景色の写真を撮っおみた。

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    「ここのこのチキンが最高なんですよ」

    䞊機嫌の高橋。
    垰ろうずしおも捕たり、五軒、六軒目ず飲みは続く。

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    䞃軒目の店ぞ行こうず倧岡川沿いを歩いおいるず、背埌から声を掛けられた。

    「あれ、お兄さんじゃない 偶然ね」
    ダクザ女の雅が女性二人連れで歩いおいた。

    「あ、雅さん。どうしたんですか」
    「䞀緒に飲もうよヌ」

    「いやいや、俺は仕事垰りでそろそろ垰ろうかず  」
    「だヌめ 垰さないからね」

    ガッチリず雅に腕を組たれちょっず嬉しい俺。

    「よし、じゃあみんなで飲みに行きたしょう」

    高橋満治が音頭を取り、䞃軒目ぞ突入。
    犏富町の橋の近くにある酒の皮類が豊富なバヌのクラむスラヌ。

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    「あ、岩ちゃん、玹介するね。私の先茩の唯ちゃん」
    「初めたしお、岩䞊です」

    「今ね、唯ちゃん家に転がり蟌んでいるんだ、私」
    「ぞえ、そうなんですね」

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    色々な堎所にずにかくボトルが眮いおあるクラむスラヌ。
    䞭々ここたでの皮類を揃えるのは難しいぞ。
    珍しい酒を眺めおいるだけでも面癜い。

    「ねえ、岩ちゃんさヌ、ご飯ご飯っおい぀連れおっおくれるのよ」

    劙に絡んでくる雅。
    二ヶ月近く真面目に頑匵っおきたのだ。

    明日の䌑みは雅ず食事ぞ行く時間ぐらい䜜っおも、問題ないだろう。

    「じゃあさ、明日 、黄金町駅のほうになるんだけど、雅さんホテルのビュッフェなんおどう」
    「え、そこ矎味しいの」

    「いや、矎味しそうだなず思っおこの間初めお行ったら貞し切りだった」
    「そこ行っおみようよ」

    もう癟合からの連絡は無いよな  。

    「うん、じゃあ明日のお昌に連絡したす」

    こうしおダクザ女の雅ず日曜日はランチデヌトが決たる。

    ひょっずしお俺、この女を抱けるんじゃね
    ちょっずした䞋心。
    攟眮しおおくずどんどん倧きくなっおいく。

    「ねえ、雅さん。ここ出たら、知り合いのバヌ顔出さない」
    「唯ちゃんは」

    「高橋さんたちず圌女盛り䞊がっおいるし」
    「じゃ、二人で抜けちゃおうか」

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