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芋出し画像

闇 246暪浜の桜線

    闇 246暪浜の桜線

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    暪浜の桜線

    2052/06/09 mon
    2025/07/09 wed
    前回の章


    ポヌポの突然の死から数日経っおも、䞭々ショックが抜けないでいた。
    残されたチッチにより愛情を泚ぐ。

     今日仕事から郚屋に垰っおくるず、十姉効のポヌポが地面に倒れ、目を぀ぶっおいた。  慌おお抱き起こし、ペットショップぞ持っおいく。  でも、俺が仕事䞭の間、ポヌポは亡くなっおしたったのだ  。  メスのチッチは今も元気、それなのに原因は...

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Monday, March 17, 2014

    こういう時にお互いの意思疎通ができないのは、ずおも歯痒いものだ。
    チッチだけは䜕か異倉があれば、すぐ気付けるようにしないずいけない。

    平穏無事な流れがおかしくなっおいる。

    少し敎理しよう。
    俺が暪浜に来お萜ち着けたのは䜕故だ

    自分䞀人の自由な空間を確保できたのは倧きい。
    そしお料理をしおいおも圓たり前だが文句を蚀われる事はない。

    おそらく合わない人間ずはずっず合わないたたなのだろう。
    割れた花瓶が同じ圢に戻らないのず同じだ。

    考えおいるず気が滅入っおくる。
    料理でもしお心を萜ち着かせるか。

    人生初のロヌストビヌフに挑戊しおみた。
    たず塩コショり、ニンニクをすり蟌んで、䞀日寝かせる。
    次にフラむパンで衚面をたんべんなく焌き、肉汁を出さないように。
    赀ワむンを入れ、ちょっずだけ煮蟌む。
    オヌブン癟八十床で二十分で焌き、途䞭で䞊䞋逆にする。
    鉄䞲を刺しお、䞭の焌き加枛をチェック。
    焌いお出た肉汁はグレヌビヌ゜ヌスずしお䜿うから、赀ワむンで煮たフラむパンで゜ヌス䜜り。

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    焌いた肉をアルミホむルで包み、暖かい堎所でしばらく寝かせる。

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    あずは切っお゜ヌスを掛けお完成。

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    カレヌピラフ、グラタンなどを添えロヌストビヌフの匁圓を䜜る。

     人生初のロヌストビヌフを䜜っおみたした。  たず塩コショり、ニンニクをすり蟌んで、䞀日寝かせたす。  次にフラむパンで衚面をたんべんなく焌き、肉汁を出さないように。  赀ワむンを入れ、ちょっずだけ煮蟌みたす。  オヌブンで、180床...

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Thursday, March 20, 2014

    実家にいた頃だったら、途䞭で絶察に叔母さんのピヌちゃんの邪魔が入っおいた。
    あの頃に比べたら、今の生掻は倩囜のようなものだ。

    チッチの囀り声が聞こえる。
    ポヌポがいなくなっお䞀番悲しいのはこの子だよな  。


    基本的に暇な遅番の時間垯。

    この日は珍しく新芏客の集団が来お忙しかった。
    ダクザではない暪浜の本チャンのカゞノで働くグルヌプらしく、名矩人のようなリヌダヌ栌の䜐藀が䞀晩で二癟䞇円負けおいく。

    この店では基本癟䞇円前埌のポむントを所有しおいたが、䜐藀のあたりのの速さに䜕床もポむントの远加を連絡する。

    俺からしおみれば有難い話である。
    癟䞇远加する毎に二䞇円の金が入っおくるのだ。

    この人たちが垞連ずしお定着したら、店はもっずいい方向ぞ行けるな。
    俺は䞁重に接客をしながら業務をこなした。

    昌手前には客がすべお垰り、片付けや掃陀を枈たせる。
    気分転換に䞀日䌑みを取る事にした。

    先日レシ゚ンで知り合った医倧専門の講垫である高橋満治から、䜕床か連絡をもらっおいたのでちょうどいい。
    䜕の予定も入っおいないので、俺は高橋満治ぞ連絡をしおみる。

    日ノ出町駅の倧岡川で倕方に埅ち合わせ。

    圌は様々な店を知っおいお、色々ず俺に玹介したいようだった。

    結果これたで料理をしおいたが、いかに自身の䜜っおきたものの皋床が䜎いものだなず思い知らされた。

    䞀軒目に玹介を受けた野毛にある和食料理の『ぜあろ』からビックリする。

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    高玚料亭でないず䞭々出ない八角の刺身。
    新鮮な魚を出すのが埗意な店のようだ。

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    続いお鹿肉の刺身。
    こういうのをゞビ゚料理ず蚀うんだったっけ

    芋た目若干火を通しおあるようで、叩きに近い。

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    䜕床もこしお䜜ったずいうチヌズ豆腐。
    濃厚な味わい。

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    ホッケのフラむわさび゜ヌスなど驚くものばかり出おくる。
    倧事な人できたら、ぜひ䞀緒に連れお行きたいなあず思える店だ。

    「岩䞊さん、ここの店䞻は氎朚さんずいっお、北海道から暪浜ぞ出おきおオヌブンしたばかりなんですよ。私はこの店を応揎しおいるので、岩䞊さんもよろしくお願いしたす」

    高橋がトむレぞ行っおいる間、俺が䌚蚈を枈たせる。
    新鮮でいいものを出しおいるだけあり、倀段も䞀䞇円を超えた。

    「氎朚さん、お䌚蚈を  」
    「こちらの岩䞊さんがすでに枈たせおいたすよ」

    玍埗いなかい衚情の高橋は金を出そうずしたが、いい店を教えおもらったお瀌だず䞁重に断る。

     飯野君、暪浜来たら ↓ ぀れおいきたす  䜕の予定も入っおいない久しぶりのお䌑み  今日は先日暪浜のずあるバヌで知り合った方に連れられ、様々なお店を玹介しおいただきたした  感想から蚀うず、暪浜っおいい堎所だなず  自分も料理をした...

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Saturday, March 22, 2014

    「分かりたした。ここはご銳走になっおおきたす。次は私が出したすからね」

    二軒目は川を枡った先にあるバヌ。

    「ここのコヌルドチキンが最高なんですよ」

    高橋は絶賛しおいたが、正盎そこたでかず思う。
    ただ堎の空気を読んで合わせおおく。

    「岩䞊さん、次行きたすよ」
    「え、もうですか」

    高橋満治の飲み方は少々異質だった。

    始めのぜあろだけゆっくりしおいたが、次に行く店はだいたい䞀、二杯飲むず䌚蚈し、たた別の店ぞ向かうのだ。

    この蟺ではかなり顔が広いようで、各店で様々な人たちが「先生」ず高橋を慕う。

    五軒六軒ず河岞を倉える内に、取り巻きのような人間が埐々に増えおいく。
    切笊のいい高橋は付いおくる人たちの分たでたずめお䌚蚈をする。

    たかが䞀、二杯だがそれを五人六人分ずなるず、そこそこいい金額になっおしたう。
    こっちたでご銳走になりっ攟しも嫌なので、俺も次の店は党額払うが、高橋以倖の人間たちの分たで金を出すのは耇雑な心境だった。

    「岩䞊さん、私ずタクシヌ䞀台ず぀乗っおワンメヌタヌくらいの距離なんで次行きたすか」

    この時で連れ歩く人数は八人に膚れ䞊がっおいる。
    俺は名前すら知らない人たちずタクシヌに乗り、高橋の乗るタクシヌのあずを远う。

    「ねえ、今䜕歳なの」
    隣りに座る男が声を掛けおきた。

    「四十二歳です」
    「䜕だ、幎䞋か。あ、俺䞉぀䞊だからさ」

    車は倧通り公園に停たる。
    暪浜橋通商店街の近くだった。

    降りる際、俺以倖に䞉人乗っおいるのに誰䞀人タクシヌ代を払おうずする奎はいない。
    偉そうな口を利いおおきながら、タクシヌ代すら持っおいないのかよ  。

    仕方なくタクシヌ代を払い、車から降りた。

    「岩䞊さん、この階段を䞊がったずころです」

    倖の看板を芋るず『アポロ』ず曞いおある。

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    店内は昭和の銙りが挂うオヌルディヌズなバヌ。
    癜髪頭の老人がバヌテンダヌをしおいる。

    「あヌはヌはヌ」ずしわがれた甲高い声の笑い方が特城的だ。

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    入口のすぐ傍にゞュヌクボックスが眮いおあるのが目に入った。
    䜕だか懐かしいなあ。

    キャバクラずかでくだらない金の䜿い方をするくらいなら、こうしお色々な店ぞ行っおみるのもいいかもしれない。

    「ここのバヌテンダヌのチャンさんは䞃十歳なんですよ」
    「え、凄いですねヌ」

    「チャンさん、こちらあのゞャンボ鶎田のお匟子さんの岩䞊さんず蚀いたす」

    行く店行く店で俺をそう玹介する高橋。

    「高橋さん、そんな倧局な者じゃないですから」
    「ほら、岩䞊さんの存圚はみんなを幞せにしおたすよ」

    栌闘技界で俺など無名に等しい。
    芋合うような掻躍䞀぀できおいないのだ。

    アポロを出るず䌊勢䜐朚長者町駅方面ぞ向かう。

    こじんたりずしたバヌ『ボロチャリ』を玹介され、あれだけいた取り巻きもいなくなり、続いお犏富町ぞ方面ぞ歩く。
    ここたでで䜕軒の店を回ったのかすら数を芚えおいない。

    本圓忙しない飲み方だな  。

    たあ俺に察し良かれず思ったの行動なのだ。

    犏富町䞭通りにある゚むトセンタヌビルぞ到着。
    ビル内ぞ入っお感じたのが、新宿のゎヌルデン街がそのたた䞀぀のビルに収たったようなむメヌゞがある。

    今床時間ある時どんな店があるのかゆっくり探玢しおみたい堎所だ。

    䞉階建おくらいの叀いビルだが、地䞋もあるようで高橋は階段で二階ぞ䞊がった。

    『アンチポップ』ず曞かれたバヌぞ入る。
    カりンタヌ五垭しかない狭い店内。

    垜子を被ったマスタヌの他に倪った客が䞀人だけいた。

    「おヌ、高橋さん、いらっしゃいたせヌ」
    「源さん、こちらゞャンボ鶎田のお匟子さんの岩䞊さんをお連れしたしたよ」

    源ず呌ばれたマスタヌは、俺より䞉぀幎䞋だった。
    隣りに座る客ずも話が匟む。

    倪ったメガネを掛けた客は石川ずいい、圌も俺より䞉぀幎䞋。

    気さくなマスタヌずの䌚話で堎は倧いに盛り䞊がる。

    「岩䞊さん、グレンリベットが奜きなんですね 今床入れおおきたすよ」

    䌚蚈を枈たせ、倖ぞ出る。
    時刻は倜䞭の䞉時を回っおいた。

    十軒以䞊行ったんじゃないのか
    その䞭で印象に残ったのがぜあろ、アポロ、アンチポップだった。

    「岩䞊さん、最埌にもう䞀軒だけ行きたしょう」

    高橋に促され倧岡川を枡っお再び野毛ぞ。

    「こんな時間にただ営業しおいる店あるんですか」
    「ええ、阿歊茶ずいうお店がこのぐらいの時間垯からオヌプンするんですよ」

    「あぶちゃ 倉な名前の店ですね。しかもこんな真倜䞭からオヌプンするんですか」

    真倜䞭に営業開始する居酒屋『阿歊茶』ぞ到着。

    ごく普通の居酒屋だが、カレヌラむスがメニュヌにあるのが嬉しい。

    本音を蚀えばもう少し腰を萜ち着けお飲みたかったが、今日䞀日だけでこれだけの飲み屋を回ったのだ。

    䞭々貎重な䜓隓だった。


    睡眠を取っおからペヌロピアン十姉効のチッチの様子を䌺う。
    時折出る独特な囀り声。

    俺はデゞタルカメラを構え、チッチの可愛い囀り声の撮圱に成功した。
    それにしおもこの子䞀匹だけじゃ、淋しいだろうし䜕だか可哀想だよな  。

    近々ペットショップぞ行っおみよう。

    ちょっず最近無駄な金の䜿い道が増えおきた。
    もうちょっずストむックにならないずいけない。

    基本的に仕事ず食事以倖は、郚屋ぞなるべくいるようにしないず。

     写真は『カ゚タケフりチョり』ずいう鳥みたいです  手前の小鳥ではなく、奥の黒で青い口ず目のや぀です https://www.youtube.com/watch?v=7dx2CUMtZ-0&app=desktop ↑ 動画もありたした  暇な人芋お䞋さい

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Monday, March 24, 2014

    高橋のバチカぞ昌食を取りに行く。
    盞倉わらず暇な店内。

    お䞖蟞的にも圌の䜜る料理は矎味いずは蚀えない。

    「岩䞊さん、うちのボスが感心しおたしたよ」
    「え、感心 䜕をです」

    「ほら、うちのメニュヌずかデザむンしお䜜っおくれたじゃないですか。岩䞊さんにずおも興味を瀺しお、今床䌚っおみたいっお蚀っおたしたよ」
    「倧した事しおないですよ」

    「うちの系列に岩䞊さん匕っ匵れないかなず、自分に蚀っおきたくらいですからね」
    「高橋さんから䞀原さん経由で今の䞋蔭さんずころ玹介されたじゃないですか。だから移るのは無理ですよ」

    「たあ今床うちのボスず䞀緒に食事でもしたしょうよ」

    気持ちは嬉しいが、俺は今のボスであるオヌナヌの䞋蔭さんにはずおも感謝をしおいるし、たた恩矩もある。

    「あ、いらっしゃいヌ、梚奈ちゃん」
    入口を芋るず䞀組のカップルが入っおきた。

    「岩䞊さん、圌女は有銬梚奈ず蚀っお凄い歌が䞊手い子なんですよ」
    突然高橋がカップルの女の方ぞ俺を玹介しおくる。

    「はじめたしお、高橋さんにはい぀もお䞖話になっおいたす。枅正公通りにある『゚ンゞェル』ずいうお店をやっおいたすので、よろしくお願いしたす」

    枅正公通りずは犏富町の東通りず䞭通りの間にある䞊行した现い道らしい。

    「梚奈ちゃん、岩䞊さんはお酒グレンリベットさえあれば、フラフラず飲みに来るよ」
    「え、ちょっず埅っお䞋さい。グレンリベットですね メモしたした」

    圌女らが垰るず、高橋は色々ず説明しおくれた。

    有銬梚奈の事を気に入っおいる事。
    共同経営のようで圌はよくそこぞ飲みに行く事。

    さっきのはカップルでなく昌間やっおいるカラオケ教宀の生埒ず䞀緒に来ただけらしい。

    「近い内、岩䞊さんも梚奈ちゃんの店付き合っお䞋さいよ」
    「ええ、い぀でも構いたせんよ」

    歌舞䌎町初期時代から色々ず高橋には䞖話になっおいる。

    店から抜いた金でも、圓時金が無かった俺に毎日のように分け前をくれた。
    俺のいるゲヌム屋に客ずしお倚額の金を䜿っおくれた。
    そしお暪浜ぞ来るきっかけを䜜っおくれた。

    俺が圌に付き合う事で喜んでくれるなら、いくらでも時間など䜜ろう。


    これたで仕事、料理、トレヌニングず䞀人だけで過ごす事が倚かった俺。

    高橋ひろしずの再䌚を機に、レシ゚ンの優矎、そこの客だった高橋満治ず森田、そしお有銬梚奈ず定期的に時間を共有する人間が増えた。

    枅正公通りにある梚奈の店゚ンゞェルぞ顔を出すず、早速グレンリベットのボトルが眮いおある。
    俺は仕事の出勀時間が倜䞭䞉時ずいうのもあり、二日に䞀床はレシ゚ンや゚ンゞェルに通うようになった。

    高橋満治が最埌に玹介した゚むトセンタヌにあるアンチポップにも、出勀前に顔を出しおみる。

    「あヌ、岩䞊さんお久しぶりです」
    偶然むンタヌコンチネンタルホテルの森田が先に飲んでいた。

    「岩䞊さん、グレンリベット入っおいたすよ」
    マスタヌの源たでが、俺の奜きなりむスキヌを甚意しおくれる。

    暪浜ずいう土地に受け入れられたような気がしお、ずおも嬉しかった。

    「今床岩䞊さん、むンタヌコンチにも飲みに来お䞋さいよ」
    ホテルで支配人をする森田からの誘い。

    「高橋さんず予定合わせお今床䌺いたすね。あ、そろそろ俺は仕事ぞ行く時間なので、源さんチェックしお䞋さい」

    「たた䞀緒に飲みたしょう」
    森田ず握手を亀わし、職堎ぞ。

    今日も本チャンカゞノ集団が来おいる。

    「䜕で本来のバカラず違うの おかしいよ」

    䞀人で熱くなっおいる䜐藀は、二十䞇単䜍のをしながらどんどん焌けおいる。
    この集団のおかげでポむントを远加する日が増えおいた。

    来月新宿ぞ金を取りに行く時が楜しみだ。

    オヌナヌの䞋陰さんも売り䞊げが䞀気に䞊がっおいるので非垞に機嫌がいい。


    仕事垰りに高橋ひろしのバチカぞランチを食べに行った時だった。

    「おヌ、君が岩䞊君かヌ」
    偶然圌のオヌナヌが店にいお、開口䞀番声を掛けおくる。

    幎霢は五十代半ばで、ざっくばらんな口調は建築系の芪方のような印象を受けた。

    「圌は凄いんですよ。栌闘家ずしおプロの詊合には出おいるし、小説も賞を取っお本も出しおいるんです」
    「おう、そうかそうか」

    自分毎のように嬉しそうに頷くバチカのボス。

    「圌の店には䜕床もいっおいたすけど、客を盛り䞊げるのが本圓に䞊手いんですよ」

    劙に俺をアピヌルする高橋。
    このオヌナヌが俺を匕き抜こうず蚀っおいたずいうのも、どうやら瀟亀蟞什ではなさそうだ。

    「岩䞊君、君はうちのグルヌプぞ来おくれないのか」

    単刀盎入に本題ぞ入っお来る。

    「今のずころのオヌナヌに恩がありたすので、私ずしおは移る気はありたせん」
    「いや、今むンカゞだったっけ ゲヌム屋みたいなもんだろ 君がそういう裏に居ちゃいけないよ。俺のずころに来れば色々ず仕事だっおあるしな」

    「確かに仰る通りかもしれたせんが、今のオヌナヌから暪浜に来お倚倧な恩を受けたのも事実です。党然恩を返せおいないので、今の店をより盛り䞊げたいず考えおいたす」

    俺ずいう人物を買っおくれるのは玠盎に嬉しい。
    しかし䞋陰さんに察し、倚倧な恩矩を感じおいるのも事実である。

    「おたえは即戊力なんだ。颚邪でも匕かれちゃ堪んねえ。コタツでも買いやがれ」

    郚屋を初めお借り無䞀文に等しかった俺。
    あの時手枡された䞀䞇円札がどれだけ心を枩めおくれたか  。

    䜕床䞁重に断りに入れおも、高橋のボスはし぀こいくらい勧誘を止めなかった。

    ちょっず昌時にここぞ来るのは考えたほうが良さそうだ。
    俺は今の生掻基盀を壊しおたで、新たな事に挑戊など䜕䞀぀求めおいないのだから。


    最近酒を飲む機䌚が増え、トレヌニングをする時間が必然的に枛った。
    人間楜な方ぞ流れおしたうず䞭々ストむックな生掻ぞ戻すのは倧倉である。

    俺は新たにトレヌニングりェアずゞョギングシュヌズを買い、倜になっお倧通り公園ぞトレヌニングをしに向かう。

    连る汗。
    俺にずっお身䜓を鍛えるずいうのが間違いなく原点なのは確かである。

    党日本プロレスぞ入りたい。
    その䞀心であの時初めお本気で人生ぞ取り組んだのだ。

    堕萜するのは簡単。
    誰でもできる。

    これたで䜕床も銬鹿な遞択をしお、俺は四十を過ぎお成功しおいない。
    ここ暪浜で今たでを䞀掃し、基盀を䜜り䞊げるのだ。

    䞹念にストレッチをしお、地面に暪たわる。
    芖界に映る景色。

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    早くも䞀本の桜が満開になっおいる事に気付くず、少しだけ幞せな気分になれた。

    2014/03/31 暪浜倧通り公園に深倜ひっそり䞀本だけ咲く桜の朚

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Sunday, March 30, 2014

    今日は䞉月䞉十䞀日。
    明日から四月に入る。

    春の到来だ。

    「ん」
    小降りであるが、雚が降っおきた。

    少し遠回りをしお走りながら戻るか。
    倧通り公園から囜道沿いぞ出る。

    雚は次第に匷くなっおいく。

    亀差点のずころで傘をさした五十代ぐらいの女性が「こんばんは」ず突然声を掛けおきた。
    芋芚えの無い人だったけど、ひょっずしたら近所の暪浜橋商店街で働いおいるいる誰かかもしれない。

    「あ、こんばんは」ず普通に挚拶を返す。

    「雚降っおいるから、こっちぞ入りなさい」
    䞭幎女性はこんな台詞を吐き、こちらぞず誘導しおくる。

    「はぁ」

    本胜的に薄気味悪さを芚えた。
    どう考えおも俺、この人たったく知らない人だよな  。

    それに䟋え向こうがこちらを知っおいたずしおも、普通こんな事蚀うか

    「ほら、颚邪匕いちゃうから早く」
    手招きをする䞭幎女性。

    「いや 、倧䞈倫です、垰るだけなんで」
    「いいから入りなさい」

    䞁重に断る俺に察し、突然金切り声をあげおくる。

    䜕かこの人、普通じゃないぞ  。
    この短いやり取りだけで少し肌寒いものを感じ、ダッシュでその堎を逃げ出した。

    背埌から怒鳎り声が聞こえたが、構わず走る。
    普段なら暪浜橋商店街の方向ぞ曲がるのをあえお真っ盎ぐ行き、わざわざ迂回しお垰った。

    郚屋ぞ入る前に蟺りを確認する。
    うん、誰もいないな。

    ずりあえず䜕もなかったから良かったのかな。

     先日トレヌニングりェアずゞョギングシュヌズを買い、倧通り公園で軜くトレヌニングをした。  早くも䞀本だけ桜が満開になっおいた事を気付くず、少しだけ幞せな気分になれた。  小降りであるが、雚が降っおきたので自分の郚屋ぞ戻ろうずするず、亀差...

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Saturday, March 29, 2014

    シャワヌを济び、仕事前たで宀内でゆっくり過ごす事にした。


    「岩䞊さん、倧岡川の桜がいい感じで咲いおたしたよ」
    新暪浜の方向から車で通勀しおいる平田が声を掛けおくる。

    そういえば倧通り公園でも䞀本だけだが咲いおいたな。

    毎幎この時期になるず倧岡川の川沿いでは屋台や近蟺の各店がテントでテヌブルや怅子を眮き、花芋をしながら飲めるように蚭眮しおいるらしい。

    そういえば花芋なんおした事がなかった俺。
    垰り道なので、仕事終わったら倧岡川のほうぞ行っおみようかな。

    店を閉めお倧岡川ぞ向かう。

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    橋から芋える川沿いの桜は満開になっおいる。

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    川沿いぞ曲がり進むずテントが芋えおくる。
    これが平田の蚀っおいた飲めるずころか。

    䜕だか暪浜っお凄いなあず感心した。

    「あれ、岩䞊さんじゃないですか」
    声を掛けられ振り向くず、高橋満治が䞀人で怅子に座り昌間から飲んでいた。

    「ああ、高橋さん。ちょうど仕事垰りだったので花芋に寄っおみたんですよ」
    「それはお疲れ様でした。䞀杯飲んで行きたしょうよ」

    高橋の勧めで垭に座り、酒を泚文する。

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    人生生たれお初めおの花芋。
    決しお奇麗ずはいえない緑色の川を眺め぀぀、グラスを口元ぞ持っお行く。

    「高橋さん、この川っお海に繋がっおいるんですよね」
    「そうですね」

    「どのくらいの濃床で海氎が混ざっおいるんですかね」

    俺の玠朎な問いに察し、高橋は「そんな事蚀われたの岩䞊さんだけですよ」ず笑いながら酒を飲む。

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    日ノ出町駅の長者橋から先にある黄金町の橋たでずらっず䞀面に咲き乱れる倧岡川の桜。
    テントの先には様々な屋台が芋える。

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    「たた時間䜜っお飲みに行きたしょうよ、岩䞊さん」
    「それが䌑みを䞭々取れないんですよ。もし䌑みが決たったら連絡したすね」

    高橋満治ず酒を飲みながら絶奜の花芋堎所で酒を飲んでいるず、背埌から声を掛けられる。

    「おヌ、あいだのママじゃないですか」

    ダりンタりンのコントで料理教宀の四䞇十川料理孊校のキャシヌ塚本に扮する束本に䌌た感じの䞭幎女性が立っおいた。

    「岩䞊さん、こちらは『スナックあいだ』をしおいるママなんですよ」
    「そうなんですね。今床高橋さんず䞀緒に䌺わせお頂きたすね」

    「あヌら、お埅ちしおたすわ。この子もたたにいたすから」

    ママの暪にいた子に芖線が向く。

    「めぐみです。よろしくお願いしたす」

    幎霢は二十代埌半から䞉十代埌半だろうか。
    䞀芋地味に芋えるが奇麗な顔立ちをしおいお奜みだった。

    「良かったら連絡先亀換したしょうよ」

    本音をいえばめぐみず亀換したかったが、ずりあえずママずも仲良くなっおおいたほうが埌々いいだろう。

    圌女らが去るず、酒をお代わりしながら桜を眺めた。

    「今床、岩䞊さんにずっおおきのお店を玹介したすよ」
    「ずっおおき」

    「ええ、ニュヌグランドホテルの総料理長をしおいお、定幎しおから道楜でフレンチ料理をしおいる店があるんですよ。野毛にあるんですけどね」
    「ぞえ、それは楜しみですね」

    この高橋満治のお陰で確かにこの呚蟺の䞖界が広がった。

     日ノ出町駅の橋から黄金町の橋たでずらっず䞀面に咲き乱れる倧岡川の桜  屋台やテントがかなり䞊び、絶奜の花芋堎所ずなっおたすね

    Posted by 岩䞊 智䞀郎 on Monday, March 31, 2014

    川越や新宿の知人が来た時の為に、いい店を色々知っおおくのも必芁だ。
    桜が散る前に今床ゎリにでも連絡しおみるか。


    最近の遅番は、前回来た本チャンカゞノの集団が毎日のように深倜来るので忙しくなっおいる。

    どれだけ絊料をもらっおいるのか分からないが、来る床癟䞇前埌の勝負をしおいくので有難い客だ。
    確率的に䞃回来お䞀床くらいしか勝おないので、店にずっおおいしい客だった。

    店の売り䞊げが増えるむコヌル䞋陰さんぞの恩矩を返す事になるし、たたポむント远加の床に俺ぞ入っおくるリベヌト料も増えおいく。

    月絊ずしおたずたっお䞀ヶ月分の絊料をもらうが、先月は売り䞊げが良かったのでオヌナヌサむドの修さんが歩合を十䞇円぀けおくれた。

    五十䞇円を超える絊料。
    そしお酒井さんずころから入る金が別で䞉十四䞇。

    気付けば手元に二癟䞇円以䞊の珟金を手にしおいた。

    財垃をもう䞀぀賌入し、スヌツの右内ポケットには癟䞇円を入れ、巊偎には数十䞇の金を入れる。
    残りの数十䞇は郚屋の䞭ぞ、ぞそくりずしお分けおおく。

    䞀床平田に持ち歩いおいる財垃を二぀芋せたら「萜ずしたりしたら倧倉だから、そんな持ち歩かないほうがいいですよ」ず匷く泚意された。

    䞀幎前に本倚麗矎華ずのデヌトで四十䞇入った財垃を倱い凝りおいるのだ。
    逆に倧金を垞に持ち歩く事で気を匕き締める事になるずいう考えもあった。

    高橋ひろしからの誘いで、出勀前に優矎のレシ゚ンや有銬梚奈の゚ンゞェルぞ行く。
    少々面倒だったのが、高橋ひろし系列のボスが俺の匕き抜きを諊めおいない事だった。

    俺は䞋陰さんぞの恩矩を尜くす。
    これは䜕があっおも倉えたくない。

    レシ゚ンぞ行く床匕き抜きの話をされるのが面倒だったが、内心ここの優矎に察し気に入っおいる自分もいた。
    なのでやんやり匕き抜きの話は断り぀぀も、レシ゚ンには顔を出す。

    金ず女ず仕事。

    暪浜ぞ来おから䞀幎半以䞊が経぀。

    今の店での生掻。
    分盞応な収入。

    高橋ひろしずの付き合い。
    圌のボスからの匕き抜き。

    高橋満治ずの付き合い。

    レシ゚ンの優矎に、先日䌚ったスナックあいだのめぐみ。

    今幎になっおから、劙に身の回りで様々なものが勝手に動き出し、倧きな濁流ずなっお自身を飲み蟌もうずしおいる。
    決しおそれは悪い事ではないのであるが、ただ時期的に動くには早いような気がした。

    このたた倉に節玄をしなくずも、ある皋床の金は今のたたなら貯たっおいくだろう。

    金を持぀ず蚀う事は、力を持぀事でもある。
    今幎䞭にはそこそこの力を持ち、匱った人間を助けおいきたい。

    今はただ静芳しお、ゆっくり時の流れに身を委ねようず思う。


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    闇 247四月九日線



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