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闇 471新宿川越博倚暪浜すぺいん颚線

闇 471新宿川越博倚暪浜すぺいん颚線

2026/02/03 tue
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二千十九幎九月二十二日、日曜日先勝。

仕事明け、山ゎネスが「最近冷たいすよヌ」ず埌ろから声を掛けおくる。
お土産を二぀もあげおいるのに䜕が冷たいんだか。

さっさず西歊新宿駅ぞ向かうず、ただし぀こく飲みに誘っおきた。
たあ九州から垰っおきお䞀床も付き合っおいない。
䌑みなので仕方なく䞀軒だけず前眮きをしお、䞀軒め酒堎ぞ入る。

酒や䞲カツを泚文し也杯。

2019/09/22 歌舞䌎町䞀軒め酒堎 䞲カツ

「ここの次どこ行きたすか」

たた人の金を圓おにしお懲りずに誘っおくる山䞋。
九州での疲れがただ残っおいたのかもしれない。
普段なら笑っお流せるずころが劙にむラむラしおくる。
コむツ、俺の䞀぀䞋なんだぞ
こんな粟神で倧䞈倫なのか

冷静になっお考えおみるず、毎床毎床䜕故俺がい぀も奢らなくおはならないのかに気付き、山䞋を怒鳎り぀けた。

「おたえさ 、いい幎こいお、圓たり前に驕っおもらう気でいるんじゃねえよ 四十䞃歳だろ」
「いや、違うんですよ」

「違くない これはおたえの人生の今埌を思っお怒っおいるんだ」
「二十代 、たあよくお䞉十代たでだよな。山䞋のような甘い感芚で生きおいけるのは」

「いや、別に甘い蚳じゃ  」
「じゃあ、ここの料金はおたえがたたには払え。そのあず二軒目もおたえの奢りで行くぞ」

「そんな金無いすよ」
「䜕でだ 絊料の違いはあるにせよ、俺ずおたえ、そこたで十䞇の違いもないぞ 俺が金出すのはよくお、自分は駄目なのか おたえが圓たり前のようにい぀も蚀っおいる事だろ」

「  」

暗い衚情になり無蚀になる山ゎネス。
少し蚀い過ぎたか
いや、この銬鹿にはこのぐらい蚀わないず分からない。

それでもラッキヌハりスの業務に圱響があるのは避けたいので、テヌブルの䞊にある䌝祚を取っおレゞぞ向かう。
䌚蚈をしながら俺も盞倉わらず甘ちゃんだなず反省しながら店を出た。

本圓にあの銬鹿は困った奎だ。
たあさっきので少しは懲りおくれるずいいが  。

いやいや、銬鹿は死ななきゃ治らない。
銬鹿は死んでも治らないずも蚀うじゃないか。
党然蚀い過ぎではないだろう。
しかも俺が結局奢っおいるし。

本川越駅に到着するず、あい぀はたるで野良猫みたいなものだず結論付ける。
ん、そういえば埌玉りそな銀行の駐車堎にいた野良猫ニャヌニャヌたちっお、どこ行っおしたったんだろうな。
いないずは思うが寄っおみるか。

「  」

やはりいないよな。
そのたた歩きクレアモヌルぞ入る。
突き圓たり右手にある湯旅ビル。
その右手に猫の看板が芖界に映った。

保護猫カフェ
俺は近付き看板を眺める。

ひょっずしたらあの野良猫たち、ここにいるんじゃないのか
階段を䞊ろうずしお倖ぞ戻る。

2019/09/22 ねこか぀ 看板

ここで保護されおいるなら、チャオチュヌルでもお土産に持っおいくか。
䞀旊コンビニ゚ンスストアたで行き、逌を賌入。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 看板

再び戻り、店内料金などを確認した。
䞉十分だず六癟円、䞀時間で千円。
どっちにするか
たあ䞭にいる猫を党郚芋るのに䞉十分も掛からないよな。

二階たで䞊がり、ドアを開けお䞉階ぞ向かうのか。
昔はこの階に喫茶店『旅』があったんだけどな。
䞭々レトロな店で俺は奜きだったけど、䜕で閉店しおしたったんだろうな。

䞉階ぞ行き受付で料金を支払う。
ドアを開けるずニャヌニャヌたちが固たっおいるいる。

あの子たちはここにいるのかな

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 店内

俺は䌌たような柄の猫を探す。
あの子たちもきっず俺を芚えおいるはずだ。

この䞭にいたら、怒っおから䞀匹に䞀本ず぀チャオチュヌルをあげよう。
雑皮だから色合いで芋぀けるしかない。

ん、この子は
䌌おいるけど違う。
それでも俺の足元ぞすり寄っお来たのでチャオチュヌルをあげた。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 店内

次第に集たっおくる猫。
芋たから来おいるのか、匂いからかは分からない。

いきなり店内人気ナンバヌワンになっおしたった俺。
苊しゅうない、もっず近付きたたえ。

「䜕やっおんですか」
「え」

メガネを掛けた女性店員が鬌の圢盞で背埌に立っおいた。

「店内に勝手に逌を持ち蟌たれちゃ困りたす」
「いや 、知らなかったものでしお 。ごめんなさい。あ そういえば埌玉りそな銀行の駐車堎に野良猫が五匹か六匹ぐらいいたんですが、ここで保護されおいたりしたすか」

「うヌん、それは分からないですねヌ。それよりも逌を出しお䞋さい。没収したすから」
「えヌ」

「えヌじゃありたせん 早くチャオチュヌルあげるの止めお䞋さい」

「  」

この女、きっず俺が人気出たからダキモチを焌いおいるのだろう。
䜕お了芋の狭い女だ。
きっず嫁の貰い手など無さそうだ。
こうでも無理くり頭の䞭で理屈付けしないずむラむラしおくる。

俺は封を開けたチャオチュヌルをわざず時間掛けお手枡し぀぀、残りをポケットぞしたう。
買ったばかりのものをそう簡単に党郚没収されお堪るかよ。
俺が垰ったら、それで自分が人気者になろうずいう魂胆が芋え芋えだ。

「これだけですか」
「そんなの圓たり前じゃないですか。䜕で奜き奜んでチャオチュヌル䜕本も持ち歩かなきゃいけないんですか」

俺が笑いながら蚀うず、返事もせずにメガネブスは去っおいく。
䜕お性栌の悪い女だろうか。
ふん、あんなク゜アマに俺のチャオチュヌルを党郚奪われるなんお冗談じゃない。

向こうは店偎の人間。
蚀っおいる事は正論かもしれないが、口調が荒いんだよ、客に向かっお  。

たあ取られたものは仕方ない。
たるで魔界村の勇者アヌサヌが䞀床攻撃を喰らっお取れた鎧のようなダメヌゞだ。

いや、どちらかずいうず剣を倱ったようなものか。
お陰でさっきたで俺にすり寄っおきた猫たちは所定の䜍眮ぞ戻り、呑気に眠っおいる。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 店内

毛䞊みの䌌た猫に近付くず、チャオチュヌルを持っおいないおたえには甚などないずいった感じの目぀きをむけられた。
こんな生意気な猫には、絶察にチャオチュヌルなどやる気は毛頭も無い。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 店内

それにしおも本圓に猫たちは矀れお䞀緒にいるのが奜きな生き物だ。
途䞭に募金箱を発芋。

『野良猫の䞍劊・去勢手術のご協力お願い臎したす』

あのメガネブスが曞いたのか
汚い文字だ。

募金するのは癪に障るが、それでもこの子たちの為に五癟円玉を入れおおくか。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 募金

䞉階から芋える窓の倖。
向かいの建物の看板に思わず足を止める。

『博倚劇堎』
䞀週間前に行ったばかりの堎所なので、窓から眺めおみた。
博倚䞲焌きにおでん、も぀鍋に鉄鍋逃子。

䜕か逃子が食べたくなっおきたなあ  。

2019/09/22 博倚劇堎 店頭看板

䞀匹だけ人懐っこい䞉毛猫がすり寄り指を出すず甘噛みしおくる。

2019/09/22 保護猫カフェねこか぀ 店内

䜕お可愛いんだ。
よし、この子にはチャオチュヌルをプレれントしちゃおう。
ポケットにあるものから䞀本だけ取り出す。

「あヌ たたあげおんですね 䜕でただ持っおんですか」
「あ  」

「あじゃありたせん 早くそれをこっちに枡しお䞋さい」

「はい  、あれ」

䞭々チャオチュヌルを離そうずしない猫。
俺は頭を撫でようずするず手を匕っ掛かれ、血が滲む。

䜕お酷いずころなんだ、セニョリヌタ。
客なのに店員に二床も怒られ、猫には匕っ掛かれ  。

枋々開封したばかりのチャオチュヌルを枡す。

「ただお客さん持っおいるんでしょ 党郚出しお䞋さい」

この女䜕お酷い恐喝をするのだ
俺、金払っおここにいる客であり、善意で猫ぞあげただけ。
しかも募金だっおさっき五癟円した良客だ。
そう考えるず少しは気が楜に 、なる蚳ねえだろ。

「やだね」
「お客さん」

俺は今反抗期の子䟛だ。
今はそれでいい。
だっお客だもん。

「もう垰るよ」
「じゃあすぐ退出しお䞋さい」

ただ十五分ぐらいしかいないだろ。
そんな匷制退去させるなら、半分の䞉癟円返しやがれ。
靎を履き、すぐドアの前たで来るず、ただメガネは睚んでいる。
接客態床がなっおいない女だな  。

「早く出お䞋さい」
「うっせヌな、このメガネブス」

それだけ蚀うず俺はダッシュで駆け降りた。
頭を叩かれたら排萜にならない。

倖たで出お远手がいないのを確認するず、俺はフェむスブックぞ野良猫カフェの写真を぀けお投皿する。
さすがに色々な人が芋おいるからな  。

䌑みなので猫カフェ来たしたよ。
チャオチュヌルすぐ芋぀かった。

これだけの短い文字だけにした。
おたえ、本圓に䜜家かよずか思われそうだな  。

そしたらふん、こう芋えお凊女䜜でいきなり文孊賞を取っお本になった䜜家だよ」ず、蚀い返す準備だけはしおおこう。


このたた垰るには気分が悪過ぎる。
俺は先ほど気になった博倚劇堎の看板を眺めた。

い぀の間にこんな店できたんだろ
最近だよな

2019/09/22 博倚劇堎 看板

いや、俺が九州ぞ行ったばかりだから、気になっただけかもしれない。
鉄鍋逃子二癟九十円。
看板に出おいる子も可愛いし、ちょっず寄っおいくか。

䞊の看板にデカデカ出おいたメニュヌをそのたた頌もう。
たずは酒を泚文。
そのあずでも぀鍋、逃子、䞲焌き、おでんは倧根ずちくわぶを頌んだ。

2019/09/22 博倚劇堎 も぀鍋

も぀鍋はやはりキャベツ。
博倚の鍋ずはこれが基本スタむルなのか。
癜菜も可ずかにすればいいのに。

2019/09/22 博倚劇堎 鉄鍋逃子

鉄鍋逃子は出おきた時感動を芚えた。
九州で食べた逃子よりも、こっちのほうが矎味そうだ。
柚子胡怒たでオプションで぀いおくるのがポむント高い。
実際に食べおみるず、想像通り矎味しかった。

たたこの店通っちゃおうかな。

2019/09/22 博倚劇堎 鳥皮䞲

博倚鳥皮䞲。
元々皮は奜きだからな。
たあこれは及第点。

「すみたせヌん、お酒のお代わりずトマトスラむスも䞋さい」

2019/09/22 博倚劇堎 おでん倧根ずちくわぶ

倧根ずちくわぶのおでん。
俺はこの二぀しかおでんでは食べる具材がなかった。

このちくわぶっお確か倧阪だず無いんだったっけ

䞭々満足できた。
料金も安いしいい店を発芋したものだ。

せっかくの䌑みだし、飯野君でも誘っお倜は食事でも行くか。
圌に連絡をするず、倜ならちょうど予定が空いおいるようなので䌚う玄束をする。

「飯野君どこか行きたいお店っおある」
「そうですね 、前に行ったすぺいん亭なんおどうでしょう」

「ラヌメン䞉番のいる店ね。いいよ、じゃあそこで䜕時頃珟地集合にする」
「䞃時くらいでも倧䞈倫」

「もちろん。俺も仕事明けで寝おないし、時間的にもちょうどいいよ。じゃあ䞃時にすぺいん亭で」

俺は圌ずの䌚話を終え、家に垰るずすぐ眠る事にした。

久しぶりに倢を芋る。
暪浜時代のものだった。

仲矎を出るず、ただおじさんはパンク修理をしおいる様子だ。
俺は少し道を歩いお時間を朰す。
あのおじさん倫婊人がいいもんなあ。
暑い䞭やっおもらっおいるからゞュヌスの差し入れでもするか。
駅方向ぞ向かい、スヌパヌでアむスやドリンクを賌入する。
オガワ屋サむクルぞ戻るず、修理もちょうど終わっおいた。
「おじさん、ありがずうございたす。良かったら、これどうぞ」
「え、䜕よ」
「暑いから差し入れですよ」
「䜕だよヌ、お兄さん悪いねえヌ。この間もうちで自転車買っおくれたしさヌ」
「いえいえ、ほんのお気持ちですから」
おじさんはアむスの入った袋を持っお奥ぞ行くず、奥さんを連れお戻っおくる。
「お兄さん、い぀も䜕かありがずうね」
「そんな倧した事しおないですよ。あ、ただパンク修理のお金払っおなかったですよね。おいくらですか」
「今日はいいよ」
「そんな蚳いかないですっお」
おじさんは奥さんの方を振り向き声を掛けた。
「おい、おたえ。アレ持っお来いよ。冷えおるだろ」
「あ、はいはい。アレね」

2016/08/03 オガワ屋サむクルで頂いたオロナミンC

䜕故かオロナミンのケヌスごず持っおきた奥さん。
「お兄さん、い぀もありがずう。良かったらこれ飲んで」
「え、ちょっず埅っお䞋さいよ 。おかしくないですか 俺はパンク修理に来たのに、修理代はいらないわ、オロナミンを枡しおくるわ  」
「いいんだよ。嫌じゃなかったら貰っおちょうだい」
䜕だかこの人たち枩かいなあ  。
俺は誠意を受け取り深々ず頭を䞋げた。
「本圓にありがずうございたした」
䜏めば郜っおいうけど、本圓だよな。
暪浜ぞ戻っお来お矢田郚やむワカミ工業の厩壊で嫌な目に遭ったけど、こういう人たちもいる。

「  」

二床目の暪浜吉野町駅の゚リア。
忌々しい蚘憶の䞭でも、唯䞀無二に俺を癒しおくれた自転車屋さん。

い぀だったっけ
確か去幎の暮か。
オガワ屋サむクルず麊草ぞ顔を出したのは  。

途䞭でタクシヌを拟い、吉野町駅方面ぞ。
曲がる道を近くで教え、オガワ屋サむクルの前たで来た。

2018/12/22 吉野町駅 オガワ屋サむクル

あれ
シャッタヌが閉たったたた。
「運転手さん、ちょっずだけ埅っおおもらっおいいですか」
「ええ、どうぞ」
オガワ屋サむクルのシャッタヌには閉店したずいう手曞きの貌り玙が貌っおあった。
もう蟞めちゃったのか  。
お土産ぐらい枡しおおきたいな。
俺は店の看板に電話番号が曞いたたたのを芋お、電話を掛けた。
最初に岩䞊ず名乗っおも、自転車屋の奥さんは分からない。
そこで䞉幎ぐらい前に新宿から来お、この近くに䜏んでいる小説家だず説明するず「ああ、オロナミンのお兄さん」ず思い出しおくれる。
事情を聞くず、オダゞさんは腰を痛め寝たきり状態が続いた為、店を蟞め珟圚は䞭村町で逊生しおいるらしい。
たあ連絡が取れただけでもよしずするか。

セブンスタヌに火を぀け、ゆっくり煙を吐き出す。

もう䞀床ぐらいちゃんず䌚っおお瀌を蚀いたかったなあ  。

おそらく生涯あの倫婊ず䌚う事はもうないだろう。
もうちょっず早くに暪浜ぞ顔を出しおおけばよかったよ。

さお、そろそろ飯野君ずの時間だ。
酒も飲むだろうし、車でなくオガワ屋サむクルで買った自転車新宿トモ䞉号に乗っお、すぺいん亭たで行っおみるか。


ティッシュで自転車のサドルを拭く。
俺がこっちぞ垰っおきたのが二千十六幎の十䞀月だから、䞉幎近くもこれに乗っおいなかったのか。

腰を悪くしおしたったオガワ屋サむクルのオダゞさん 、本圓にごめんよ。
でもさ、歌舞䌎町にほずんど行っおいるから掻躍する堎面が本圓に無かったんだよ。

久しぶりの新宿トモ䞉号はタむダの空気が抜けお運転しづらかった。
この蟺で自転車屋っおどこだっけ
あ、岩䞊敎䜓の道の先に自転車屋『しも』があったよな。

自転車に空気を入れおもらい、金は芁らないず蚀うのでお瀌に䜕かドヌナツでも差し入れしようかず、本川越駅ぞ向かう途䞭、突然の倧雚。
え、䜕この土砂降りは  。

酷い話だ。
たった数分、しかも十数メヌトルの距離でここたでビチョ濡れになるか
俺は駅ビルのペペでタオルを賌入し、ずぶ濡れの頭を拭く。

2019/09/22 西歊新宿線本川越駅 俺

皮肉な事に数分で雚は止んでしたう。
ちょっずさ 、俺が䞀䜓䜕をした蚳
山䞋に驕り、猫に匕っ掛かれ、最埌は土砂降り

酷い䌑みだ。
もう時間が迫るから家に垰っお着替える暇もない。
しょうがなく俺は月吉陞橋ぞ向かっお自転車を挕いだ。

橋の手前たで来お気付く。
自転車屋のしもに、ドヌナツ買うの忘れた  。

いやいや、さすがに遅刻はできないでしょ。
ごめんね、い぀の日か空気を入れおくれたお瀌はするからね。

劙に車通りが激しい月吉陞橋。

「  」

迂回しお橋の䞋から行くか。
こうなるずすぺいん亭たで時間ギリギリになるのでスピヌドを䞊げる。

「おい、ふざけんな、チクショり」

思わず出る怒声。
あずちょっずで着くずころで、たたしおも倧雚が降っおきた。
せっかく拭いたのにすべお台無しだ。

ずぶ濡れ状態ですぺいん亭に到着。

2019/09/22 すぺいん亭 店頭

飯野君は俺の姿を芋お目を䞞くしおいた。

2019/09/22 すぺいん亭 倧きなフラむパン

入口の暪に眮いおある倧きなフラむパン。
これは以前すぺいん亭がパ゚リア䞖界倧䌚で䞀䜍になった時に䜿ったものだず、この店で働く加藀匓枝が話しおいたのを思い出す。

「すみたせん、岩ダンがそんな濡れるなら、僕が車で向かいに行けばよかったですね」
「いやいや、飯野君、倚分今日はそういう日だったんだよ。気にしないで」

2019/09/22 すぺいん亭 入口

圌を促しお䞭ぞ入る。
すぐ加藀が気が付き笑顔で駆け寄っおきた。

「あら、飯野に岩䞊じゃない。ちょっず岩䞊はそのたた入っお来ないでよね」
「この野郎 おたえ、同玚生に向かっおなんお蚀い草だ」

さっきタオルを買っおおいお本圓に良かった。
あらかた拭き終わるず、俺は䞭ぞ入る。

2019/09/22 すぺいん亭 店内

入口すぐ傍にあるカりンタヌ垭を通り過ぎお先ぞ進む。

2019/09/22 すぺいん亭 店内

店内は独特の排萜た造りで、い぀芋おも感心しおしたう。
スペむンの家や店は党郚このような现かいレンガを砕いおから貌ったような家造りなのだろうか

2019/09/22 すぺいん亭 二階垭

ただでさえ広いのに、この店は二階垭たであった。
怅子やテヌブル、照明など䞀぀䞀぀が凝っおいる。

タオルを頭に被せたたた垭ぞ座った。

2019/09/22 すぺいん亭 ずぶ濡れの俺

「いらっしゃい、岩䞊はちゃんず拭いたの」
「うっせヌ ずっずずラヌメンず逃子持っおこい」

「スペむン料理にそんなのある蚳ないでしょ」

圌女の実家は芪父さんが経営する『ラヌメン䞉番』ずいう店だったので、俺は顔を芋る床そのネタで匄っおいる。

2019/09/22 すぺいん亭 メニュヌ

メニュヌを眺めながら飯野君ぞ声を掛ける。

「飯野君䜕食べたい」
「僕はやっぱりあのポテトのオムレツですね」

「このトルティヌダっおいうスペむンオムレツだね。俺も倧奜き」

2019/09/22 すぺいん亭 スペむンオムレツ トルティヌダ

「はい、トルティヌダね。あずは」

「うヌん 、䜕かお勧めないの チャヌシュヌ麵以倖で」
「だからそんなもの無いっおば じゃあさ、マドリヌド颚コシヌドずか、ポゞョ・アサヌドなんおどうかな」

「テメヌ、日本人なんだから日本語䜿えよ、この野郎」
「もう、盞倉わらず乱暎なんだから 。マドリヌド颚コシヌドは豆ず肉ず野菜をスヌプで煮蟌んだスペむンの家庭料理」

「じゃあそれず、あずは」

2019/09/22 すぺいん亭 マドリヌド颚コシヌド

「ポゞョ・アサヌドは、スペむン颚ロヌストチキンの事」
「じゃあ、それも。あずは䜕かないの」

2019/09/22 すぺいん亭 スペむン颚ロヌストチキン ポゞョ・アサヌド

「二人共パ゚リアは食べるんでしょ じゃあさ、私から䞀品サヌビスするよ」

2019/09/22 すぺいん亭 パ゚リア

「䜕だ 特䞊の牛肉を䜿ったもんか」
「銬鹿ね、そんなものサヌビスする蚳ないでしょ たああずのお楜しみね」

加藀匓枝が去るず、俺ず飯野君はアペリティフにシェリヌ酒のティオペペで也杯。
爜やかな青リンゎやアヌモンドの銙り。
普段䞭々飲たない食前酒である。

そのあずは赀ワむンを泚文し、料理を取り分けた。

「はヌい、お埅たせヌ。アルメハス・ア・ラ・マリネヌラ。これは私からねヌ」

2019/09/22 すぺいん亭 アサリの癜ワむン蒞し アルメハス・ア・ラ・マリネヌラ

「加藀 おたえ、これただのアサリの酒蒞しじゃねえかよ」
「嫌ね、スペむン颚アサリの癜ワむン蒞しだよ」

「俺が魚類嫌いの知っおおこの野郎」
「あら、飯野に持っおきたんだもん、良かったら食べおねヌ」

「どうも、頂きたす  」
「このク゜女 ずっずずラヌメンず逃子持っおこい」

「もうそのネタいいから」

どこ吹く颚の劂く加藀匓枝は錻歌を唄いながら去っおいく。
女も四十八歳になったら、あのようなゎヌレムのような耐久力が぀いおしたうのだろう。

たあ散々な䌑日だが、ここのスペむン颚オムレツの矎味さには救われた気分になった。

い぀か絶察に、このポテトオムレツを俺も䜜れるようにパクおやる。


二千十九幎九月二十䞉日、月曜日友匕、秋分の日、秋分。

昚日はすぺいん亭でちょっず金を䜿い過ぎおしたったな。
反省の意味も蟌めお郚屋で倧人しく過ごす。

携垯電話でむンタヌネットを眺めおいるず、ファミコン時代のク゜ゲヌ蚘事を発芋。

『ク゜ゲヌ暪綱 舛添芁䞀の朝たでファミコン』

「䜕だ、こりゃ」

2019/09/23 ク゜ゲヌ暪綱 舛添芁䞀の朝たでファミコン

確かこの男っお、憎き石原郜知事のあず埌任でやっお、すぐ倱脚した政治家じゃなかったっけ

え、䜕この人タレントだったの
朝ナマっお䜕
二千十六幎を代衚する著名人
俺、党然知らないぞ

たあある皋床顔が売れおないず、郜知事になんおなれる蚳ないよな。
いかに俺が無知だったか 、いやいや、それは違うだろ。
考えおも芋ろ。
あの頃俺は、地獄めぐりの真っ最䞭だったのだから。

矢田郚のむンカゞ時代
それずもむワカミ工業時代
若頭䞉田のむンカゞ『ハッピヌ』時代
戞田の旭総建工業時代

二千十六幎になっおから川越ぞ戻る十䞀月たでこれが党郚数珠繋ぎで襲っおきたから、舛添なんお知る蚳ねえじゃねえか。

もう九月も末に入るから、あれから䞉幎近く経぀のかよ  。

たったくこのク゜ゲヌ蚘事からの連想で、暪浜地獄めぐりたで思い出すんだから、俺のトラりマも盞圓なもんだ。

「おい、智䞀郎」

芪父が隣りの郚屋から俺を呌ぶ。
面倒だが立ち䞊がり、郚屋を出た。

「䜕よ」
「倩接䞌食べたいな」

「  」

このク゜芪父め  。

若い頃は散々岩䞊家の金で遊び呚り、俺ら䞉兄匟が生たれおも遊び呚り、お袋が出おいくず加藀皐月ず内緒で籍を入れお、その挙句四千䞇円の金を持っおいかれた分際で、ただ長男の俺にタカる぀もりか  。

「あず逃子も食べたいな」

人が節玄しようず郚屋で静かにしおいたのに。

「  。分かったよ。炒飯は」
「そんな食えねえよ」

「  」

本圓にふざけた男である。
たあこの男の効よりはただマシか。

䜕せ匟だった貎圊ず、内緒で逊子瞁組をするぐらいなのだから。

ただ川越にいる以䞊、必芁以䞊に敵を䜜っおも意味がない。
仕方なく倖ぞ出掛けた。

倩接䞌の持ち垰りなんおどこでやっおんだよ、たったく  。

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