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闇 505自己犠牲呪文メガンテ線

闇 505自己犠牲呪文メガンテ線

2026/03/23 mon
前回の章


二千二十幎十月䞉十日、金曜日仏滅。

倧久保ラッキヌホステル自宀内にお、ネオゞオミニのリアルバりト逓狌䌝説クリア。

2020/10/30 NEOGIOmini リアルバりト逓狌䌝説

「  」

たったく俺は無職のくせに、䞀䜓䜕をやっおんだかな  。

働かざる者食うべからずず蚀うが、人間だから腹だっお枛る。
やる気が無い蚳ではないが、正盎䜕から手を付けおいいのか分からないのが珟状だった。

䜐藀充が早いずころ䟋の儲け話を蚀っおくれればいいのに、あれだけ長時間話しお、競銬ずか自分はずかどうでもいい無駄な内容ばかりだもんな。
こっちは無収入なんだよず䜕床蚀い掛けた事か  。

錐から連絡が入る。
たた䞀緒に食事ぞ行きたいず曞いおあった。

「  」

圌女も、こんな四十九歳男の䜕がいいのか。
たあ異性関係も、仕事もなるようにしかならない。
今最優先すべき事案は、この腹ペコの胃袋を満たす事。
喫茶店『ラ・ムヌ』におカレヌラむスを食べる。

倕方たで郚屋でゎロゎロ過ごし、池袋のちかずのやり取り。
充から電話があり今日は来ないのか聞いおくるが、あそこたで行くのが面倒で適圓な嘘を぀いお断る。

深谷さんから提瀺されたゲヌム屋を開く件。
玠盎にあの話を受ければよかったのか
でもそれだず酒井さんを裏切る事になっおしたう。
銙川や橋本はいい。
恩矩ある人ぞ唟を吐く蚳にもいかない。

もっず誰も犠牲にならない普通の仕事の話を持っおきおくれればいいのにな。
さすがにそれは甘え過ぎた芁求か。
䜕にせよ䜕かしら仕事を芋぀けなければいけない俺。

倜になるず、倧久保駅南口のむタリアン『赀レンガ』におディナヌ。

2020/10/30 倧久保 むタリアン赀レンガ

マスタヌにお勧めを聞くず、むタリアンであるが肉も盞圓拘っおいるず蚀うので泚文しおみる。

2020/10/30 倧久保 むタリアン赀レンガ

勧めるだけあっお肉が本圓に矎味しい。
本圓に質のいいものを仕入れおいるのが分かる。

2020/10/30 倧久保 むタリアン赀レンガ

焌きたおのピザを食べながら䞖間話をしお、赀レンガをあずにした。

そのたた小滝橋通りに出おラッキヌホステルぞ向かう。
途䞭ラヌメン屋があったので、入っおみる。

刞売機で食刞を買うシステムのようだ。
ニンニク、脂倚めか、味は濃い目か聞かれたので、初めおだから分からないず答えるず、カりンタヌ垭に貌っおある玙きれを指さす。

初めおっお蚀っおいるんだから、口でちゃんず説明しろよな  。

「普通でいいですよ」

返事もせず厚房で䜜り出すラヌメン職人を芋お、味の出来に関わらずこの店はもう来る事がないだろうず思う。

2020/10/30 倧久保 ラヌメン倧

出されたラヌメンも䞍味くはない。
ただ先ほどの察応で、もうこの店はいいやずなっおいる。
銬鹿な奎だな 、接客態床䞀぀で客が倱うような事をするなんお。

金を萜ずしおくれる客に察し、䜕故そこたでぞんざいに振る舞えるのか意味が分からなかった。
きっず頭が悪いんだろう。


二千二十幎十月䞉十䞀日、土曜日倧安。

買い眮きのセブンスタヌボックスが切れた。
毎床買いに行くのも面倒だな。

埅およ 、確か櫻井さんに頌んだセブンスタヌが倧量に川越の実家に眮きっ攟しのたただったっけ。
ただ五十個以䞊はあるはず。
埀埩電車賃千円ちょっず掛かっおも、取りに垰る䟡倀はあるよな

そんな蚳で西歊新宿駅たで歩き、䞀瞬だけ川越ぞ行く事にした。
電車に乗っおいる䞭、䜐藀充からし぀こくが届く。
今地元ぞ戻っおいる最䞭だず説明するず、い぀新宿ぞ戻っおくるのかし぀こい。
今埌の身の振り方もあるので、倕方には新宿ぞ戻る事を䌝えそのたた圌の事務所ぞ行く玄束をした。

家に垰りタバコをバックぞ入れるず、すぐ倖ぞ出る。
ただ時間があるので、パラッツォぞ入りパチンコを始めた。
もちろん台はシンフォギア。
俺も懲りずに奜きだな。

シンフォギア、デュランタル二回目でやっず圓たる。
川越ぞタバコを取りに来た甲斐があった。

䞊機嫌で新宿ぞ戻り、䞀旊ラッキヌホステルぞタバコを眮きに垰る。
これから充事務所か  。

儲け話だけ聞いおサッず垰りたいものだ。

西歊新宿駅から小滝橋通りは、職安通りを真っ盎ぐ行けばぶ぀かる。
北口の倧ガヌドを朜り十五分皋床。
それでも川越から戻ったばかりなので、䜕気に億劫な距離だ。

携垯電話が鳎る。
元郚䞋でもあり埌茩の山䞋哲也から。
店を蟞めた俺に、今さら䜕の甚だろう

「䜕よ、どうした」
「岩䞊さん、橋本の奎 、あい぀本圓にふざけおたすよ」

「橋本がふざけおいるのは、別に今に始たった事じゃないだろ」
「あい぀抜いおたすよ。岩䞊さんいなくなっおから抜きが酷くなりたした。昚日だっお䞀日で十䞇以䞊金を抜いおいるんですよ。あり埗ないですよ」

「  」

ラッキヌハりスで未だ働く山ゎネスは、理䞍尜な店内の様子の愚痎を捲し立おお話しおいる。
俺がいなくなれば、そうなる事などずっくに想定したはずなのに、本圓にコむツは銬鹿だ。
蟞めおからいくら吠えたずころであずの祭り。

「橋本の奎、どうしたす」
「どうしたすも䜕も、俺はもうあの店を蟞めた人間だ。䜕もやりようないだろ」

「でも、このたたじゃ  」
「おい じゃあ䜕故おたえは俺がいる時に、䜕も動かなかったんだ 俺が蟞めるず決断したのは、おたえが動く気配すらなかったからだろうが 人が蟞めおから、埌になっお分かっおいた事をギャヌギャヌ抜かすな。それに俺にそんな事いくら蚀ったっお、䜕も倉わらねえよ。おたえが、銙川なり橋本なりに自分の口から蚀わない限り」

「だっお  」
「おい 、い぀たでおたえはセヌフティヌな立ち䜍眮から、ただ隒いでいる぀もりなんだ いい加枛にしろよ」

ク゜の圹にも立たなかった山䞋ずの電話を匷匕に切る。
正盎な心境では、ラッキヌハりスでの蟞めるたでの䞀件はたるで玍埗しおいない。
金を出すから店をやれず蚀っおくれる客たでいるのだ。
ほずんどの客を匕き抜き、新たな店をやり、銙川たちを路頭ぞ迷わせられたら、さぞかし気分は晎れる事だろう。
だが、それず匕き換えに捕たったたたの酒井さんに察しおも、匓を匕く事になる。

怚恚ず矩䟠心。
俺の䞭で矩のほうが匷いだけの話。

「救われたな、橋本  」

通行人が俺の顔を驚いお眺めおいる。
思わず考えおいた事を口に出しおいたようだ。

四幎近くの付き合いだった。
始めは根暗で䜕を考えおいるのか分からない感じだった橋本。

頭を絞め぀けるような極床の痛み。
しばらく座ったたた、頭を䞡手で匷く抌さえた。
少ししお痛みが治たり、䜕ずか新宿ぞ向かう。
普段䞉十分前には着くよう早めに家を出る習慣があった為、遅刻しないで枈みそうだ。
電車の䞭でもこめかみ蟺りを匷めに抌し、我慢した。
職堎ぞ行くも、い぀もより激しい痛みが自身を襲う。
もう指で抌さえようが増々酷くなる䞀方。
こんな日に限っお川厎は䌑みだった。
幞い客がいない時だったので、橋本ぞ声を掛ける。
「橋本さん 、すみたせん 。ちょっず頭痛が凄くお 、客が来るたで床ぞ寝転がっおもいいですか」
「  。いや、仕事䞭なんで、怅子に座るのはいいけど、寝転がるのはさすがに駄目ですよ」
「  。分かりたした 、すみたせん  」
責任者ずしおの発蚀。
圓たり前だよな。
気匱な発蚀をした俺が悪い。
時刻は倕方の六時過ぎ。
あず四時間堪えれば垰れる。
俺は䞡手で頭を匷く抌さえた。
䞀䜓どうしおしたったんだろう
こんな酷い頭痛は初めお。
店に垞備しおある痛み止めを飲んでも、たるで効かなかった。
少ししお橋本が近付く。
「赀厎さん 、かなり酷そうだから、今日は早退しおもいいですよ」
「で、でも 、橋本さん䞀人に  」
「たああず四時間もないし、䜕ずかやりたすよ。それで明日は䌑んでいいですから。川厎さんも出勀するし。ゆっくり身䜓を䌑めお䞋さい」
「ありがずうございたす  」
四十五歳にしお身䜓にガタが来たのか
普段なら堪える俺も、この時だけは我慢の限界だった。
頭痛が取れず、人生で初めお仕事を早退。
こんな事今たでなかったのにな  。

ラッキヌハりスぞ入りたおの頃を思い出しおしたう。

あの時珟状で健康な俺は、珍しく頭痛で匱っおいた。
人生で初めおずも蚀っおいいほどだ。
埌にも先にも䜓調䞍良で仕事を早退したのは、あれぐらい。

融通は利かないが、埮匱な人間的な優しさを持っおいる。
それが初期の頃の橋本ぞの感想だった。

特別な仲のいい関係にはなれなかったが、それでも四幎近く共に同じ空間で働いおきたのだ。

橋本の誘いがきっかけで、パチンコや競銬ぞハマる事もあった。
でもそれはあくたでも自分で遞んだ意思のせい。

あい぀が金に詰たり、プレステヌションを買った事もあった。

「じゃあ正盎に蚀いたすよ。ちょっずキャバの女に入れ䞊げおお、プレステ手攟しおでも必芁なんですよ、金が」
「事情は分かりたした。ただ未䜿甚ずいうずころが匕っ掛かるんですよ。コヌラか䜕かこがしおたせんか」
「䜕もこがしおないですっお」
「必死なのが怪しい」
「じゃあこうしたしょうよ ニンテンドヌ、これも぀けるから四䞇円ちょうどでどうです」
「よ、四䞇円  」
さらに胡散臭くなった。
しかしもかヌ  。
「゜フトも぀けたすから」
「むヌ」
いいほうのプレステに、、さらに゜フトも  。
この男、俺からなけなしの金を貪り぀く぀もりか
しかしプラス五千円ならそう悪い条件ではなくなったのも事実。
結局この日、俺は橋本に抌し切られる圢でゲヌム䞀匏を買う事になった。
しかし珟金が財垃に䞉䞇二千円しかなかったので、プヌさんの猶から千円札を数枚出すので明日になったら金を払う事を䌝える。
「じゃあ手付で今日䞉䞇だけ䞋さいよ」
「駄目です 珟物ず亀換です。コヌラこがれた圢跡があるか確認しおから」
「たったく赀厎さんは疑り深いなあヌ」
ふん、䜕ずでもほざけばいいさ。
俺はそんなチョロくねえぜ。

「  」

䞀緒に飲み歩くような仲ではない。
だが、䞀緒に時間を過ごしたのになあ  。

先ほどの山䞋の電話の内容が、頭の䞭で反芻する。

俺が蟞めおから抜きが酷くなったか  。

䞀䜓どこで、ボタンの掛け違いしおしたったんだよ。
そんなに金が倧事なのか

生きおいく為には確かに必需品ではある。
しかし眪なき人間を蹎萜ずしおたで、必芁以䞊に手に入れるほどのものかよ。

いや、完党に金の魔力に取り憑かれたからこそ、あのような暎挙ぞ出たのだ。
金は人間を狂わせる。
その揺れ幅が人によっお違うずいうだけの話。

俺も偉そうに人の事など蚀えない。
ワヌルドワン時代、番頭の䜐々朚さんず組み、倚額の金を埗おいたのだから。

月に䜕癟もの金を手にした俺は、図に乗っお遊び歩いた。
橋本ず決定的に違う点は、金額の倧小。
そしお俺は誰かを蹎萜ずそうずはしなかっただけ。

憂鬱な気分のたた、充事務所ぞ到着。

「岩ちゃん、筆蚘甚具は甚意しおる」
「いえ、䜕も持っおないですよ」

「䜕だよ。じゃあさ、コンビニでもどこでもいいから、ノヌトにペンを買っずいでよ」
「分かりたした」

必芁なものなら、電話で予め蚀っおくれればいいのに  。

だが儲け話、たたはパ゜コンの仕事ぞ盎結する内容だず思うず、文句は蚀えず筆蚘具を買いに向かう。

「ほんずラッキヌハりスは岩ちゃんが蟞めお、ク゜みたいな店になったよ」

戻るず充の口から出るのはゲヌム屋の愚痎ばかり。
黙っお話に盞槌を打ちながら聞く。

橋本の偉そうな態床が気に食わない。
自分は客だ。
同じような内容を䜕床も繰り返す。

俺は䜕の為に文房具を買いに行ったのか
これじゃただの愚痎聞きだ。

チラリず時蚈を確認する。
針はちょうど十二時を指そうずしおいた。


二千二十幎十䞀月䞀日、日曜日赀口。

「䜐藀さん、あのヌ 、ラッキヌハりスの話はそろそろもうやめお、別の本題に入りたせんか」

倕方の六時過ぎに着き、六時間以䞊も話を聞いたのだ。
そろそろ儲け話を教えおもらわないず困る。

「それよりさヌ、岩ちゃんが来るの遅いから高知競銬、今日できなかったじゃん」
「いや 、䜐藀さん 。俺、無職なんですよ。競銬ずかやっおいる堎合じゃなくお、儲け話があるからず蚀うから来たんですよ」

「だからその為にノヌトずか甚意させたんじゃん」
「じゃあたず俺は䜕をしたらいいです」

「もう今日は遅いから、明日にしよう。明日 、あ、ごめん 明日は予定入っおいるから、来週にしよう。来週の土曜日。倕方頃に適圓に来およ」
「え、ちょっず埅っお䞋さい。俺は無職だっお蚀っおんじゃないですか。䞀週間埅぀ようなんですか」

「倧䞈倫だっお。ずにかく今日はお開きにしお、来週土曜ね」

「  」

川越にいるのをわざわざ新宿たで呌び出しお、本題には觊れずに愚痎話。
それで次は来週
本圓に倧䞈倫なのか、この人  。

元埓業員ず客の関係性。
金が欲しい偎ず、情報をくれる偎。
衚立っお文句も蚀えない状況が、思考を停止させる。

取り返し぀かなくなる前に、自分でずっずず仕事を探した方がいいんじゃないのか

ラッキヌホステルぞ着くず、颚呂も入らず寝おしたう。
䜕もしおいないのに疲れが溜たっおいたようだ。

昌に錐から連絡があり、明日時間が䜜れるずいうのでデヌトの玄束をする。
今のずころ圌女が唯䞀の癒しだ。

「䜕か食べたいものあるかい」
「岩䞊さん、お魚駄目。だから肉のほうがいいず思いたす」

「優しいなあ、錐は。肉系だず䜕がいい 焌肉 しゃぶしゃぶ」
「焌肉がいいです」

「じゃあいい店、この蟺で調べおおくよ」

電話を切っおパ゜コンの電源を぀ける。
もう十䞀月か  。

仕事を蟞めおからあっずいう間に翌月。
本圓に䜕かしらそろそろ考えたほうがいいな。

今日は倩皇賞秋。
斉藀匘䞀が亡くなった日に行われたレヌス。

競銬なら圌も力を貞しおくれるかもしれない。

番アヌモンドアむ、番 ダノンプレミアム、番キセキ。
抑えで番クロノゞェネシス。
これぐらいでおそらく決たるだろう。

結果、番フェむヌルマンが埌方から差しおきお、二着。
たたしおも惜敗。
ク゜銬が、頑匵り過ぎなんだよ、バヌカ  。

本圓にギャンブルやっおいる堎合じゃないよな。
俺はこの日どこにも出掛けず、倧人しく郚屋で過ごした。


二千二十幎十䞀月二日、月曜日先勝。

錐ずのデヌトがやっおくる。
い぀ものように倧久保駅で埅ち合わせ、近くにある焌肉垂堎ぞ向かう。

コヌス料理を頌んでいたが、錐に栌奜を぀け奜きな食べたい肉も頌みなず勧めた。
メニュヌを芋お驚いたのが、単品だずそこそこいい倀段だった事。
たあ蚀っおしたったものは仕方ない。

2020/11/02 倧久保 焌肉垂堎

事前に予玄しおあるのに出おくるの遅い肉。

2020/11/02 倧久保 焌肉垂堎

圌女の手前、平静を装っおはいたが、明らかな店の怠慢ぶり。

2020/11/02 倧久保 焌肉垂堎

さすがにこの焌肉屋は、次は無いだろう。

2020/11/02 倧久保 焌肉垂堎 錐

焌肉の写真をにアップする圌女を眺め、こうしお明るい堎所で真正面から芋るず、二十半ばずは本圓に幌い顔立ちなんだず感じた。
こんな二十以䞊も幎が離れたおっさんず䞀緒に食事をしお、錐は䜕が楜しいのだろう。

「岩䞊さん、明日も私時間空いおたす。良かったら川越の写真芋お行きたくなりたした」
「明日か 、うん、問題ないよ。日本の色々なずころを芋たいんでしょ もちろん案内するよ」

突然の連日に枡るデヌトの決定に少々戞惑うも、奜意が無ければ向こうからこんな事を蚀わないだろうず玍埗させる。

前回同様スナックゆうこぞ出勀するたで、圌女を抱き締め䜕床も口づけを亀わす。

こんな毎日を送り぀぀、じわりじわり目枛りしおいく金。
来週たで回された充の刀断を恚み぀぀、どう動けば分からない俺。

どちらにせよ、明日は昌間から錐を連れお地元川越たで。
ならばせめお぀かの間の逢瀬を楜しむしかない。

倜になるず池袋のちかからい぀もの。
他愛ない内容の返信をしおいるず、たた山䞋からの着信。

内容は、橋本がたた抜きをしたずいうどうでもいいものだった。
蟞めた俺にそんな事を蚀ったずころで䜕になるずだけ答え、電話を切る。

気分のいいずころを邪魔するなよ。
明日は錐ずのデヌトなんだから。
シンプルにその事だけを考えるようにしお深い眠りに぀いた。


二千二十幎十䞀月䞉日、火曜日友匕、文化の日。

西歊新宿線小江戞号。
たさか䞭囜人女性を連れお、この特急に乗るずは倢にも思わなかった。
人生䜕があるか分からないものだ。

本川越駅ぞ到着するず、たずは䞭倮通りを歩き、熊野神瀟に収玍されおいる連雀町の山車を芋せる。
そしお斜め向かいの連繋寺ぞ連れお行く。

先茩の始さんの和菓子䌊勢屋ぞ錐ず顔を出す。
奥さんの匘惠さんは「あ、智䞀郎君が圌女連れおるヌ」ず倧喜びしながら、焌き団子をご銳走しおくれた。

「ねえねえ、二人の写真撮らせおよヌ」

錐を気遣い぀぀、昔からの知り合いの店を回る。

そしお蔵造りの街䞊み、時の鐘、菓子屋暪䞁ず、普段地元にいたら絶察に行かない堎所も案内した。

「川越はね、鰻が有名なんだ。錐には䞀番矎味しい知り合いの店、連れお行くからね」
「それは楜しみです。私、本圓に楜しく思いたす」

日本語での感情衚珟のボキャブラリヌが乏しい圌女。
その䌚話に物足りなさを感じ぀぀も、逆立堎だったら俺など『ニヌハオ』ぐらいしか蚀えないもんなず反省する。

加賀屋のおばさんのずころぞ連れおいくず、錐を芋お優しく接しおくれた。
ダスのカガダカフェでコヌヒヌを飲みながら、目の前の鰻屋『小川菊』ぞ行くず、結構な列ができおいる。

2020/11/03 川越 小川菊

「おばさんが修ちゃんに蚀っおきおやろうか」
「いやいや、それじゃ申し蚳ないですっお。時間朰しに錐を連れお、喜倚院ずか成田山ぞ行っおきたすよ」

実家から真っ盎ぐ行った堎所にある成田山川越別院。
䜏職の平井さんや高校時代山口油材で共にアルバむトした生臭坊䞻有原照韍は元気だろうか

境内ぞ入るず、顔芋知りの坊䞻はいたものの、行った時間が遅かったので、二人はもう垰っおしたったらしい。
久しぶりに顔を合わせられなかったのは残念。
それでも亀がたくさんいる池などを案内し、喜ぶ錐。

2020/11/03 成田山川越別院 錐

そのたた近くの喜倚院ぞ連れお行く。
五癟矅挢や䞻な堎所を説明しながら、ひず気のいない堎所を探し、優しく圌女を抱き締めた。

2020/11/03 喜倚院 錐

いい時間になったので小川菊ぞ向かい、うな重をご銳走する。

2020/11/03 小川菊 うな重

やはり鰻はここが䞀番旚い。

「どうだい、錐」
「ずおも矎味しいです」

「新宿垰る前に、俺の同玚生がいるずころ䞀軒だけ寄っおいこうか」
「はい、楜しみです」

小孊時代からの同玚生篠厎が働く倧持䞞ぞ顔を出すず、女性連れで行くのは初めおなので驚いおいた。
銬刺しや圌女の食べたいものを泚文し、楜しいひず時を過ごす。

2020/11/03 川越 倧持䞞

垰りの小江戞号では目がトロンずなった錐が眠っおしたい、ずっず俺の肩に頭を預けおいた。

結構な距離を歩いたもんな。
せめお新宿ぞ到着するたで、ゆっくり䌑たせおあげよう。

倧久保駅で圌女ず別れラッキヌホステルぞ戻るず、深谷さんから電話が入り明日飲みに誘われる。
もちろん了承し、予定を埋める。
前回ご銳走になったから、明日こそ俺が返さないず。

錐ずのデヌトの様子をフェむスブックぞアップするず、九州のひろみからたた倚数のメッセヌゞが届く。
俺はすべお無芖しお、そのたた寝た。


二千二十幎十䞀月四日、氎曜日先負。

最近ハマっおいる䞭華料理の寿楜。

今たで回鍋肉だったけど、今日は茄子ず牛肉のオむスタヌ゜ヌス炒め定食に半味噌ラヌメン。

2020/11/04 倧久保 寿楜

時間たでゆっくり郚屋で過ごし、新倧久保駅ぞ向かう。
深谷さんず合流するず、駅を枡った先の䞀本道沿いにある䞉重県䌊勢束阪ずり焌き『束阪食堂』ぞ行った。

2020/11/04 倧久保 束坂屋

䞉重県なんお看板に曞いおあるが、堎所は新倧久保駅近くなのだから、店名だけにすればいいのにず玠朎に感じる。

若い店䞻も深谷さんぞ愛想良く頭を䞋げる姿を芋お、この人は本圓にどこでも面倒芋がいいんだなず実感した。

2020/11/04 倧久保 束坂屋

「ワシはもう二幎前になるが、䞀床心筋梗塞で心臓が止たった事があっおな」
「それは倧倉でしたね。䞀時ラッキヌハりスぞ来おいなかった時期ですか 党然気づかずすみたせんでした」

「ただその頃岩䞊君をよく知らなかった時期だしな。気にせんでいいよ」
「あ、深谷さん。ここの䌚蚈ぐらい自分に出させお䞋さい」

「そんなの気持ちだけでいいよ」
「自分も無職ずはいえ、もう四十九歳なんです。せめおここぐらいはお願いしたす」

「分かったよ。じゃあ今回はご銳走になるよ、ありがずう」

二軒ほど梯子をしおから別れるず、䌊達から電話が入る。
倧久保たで来るから䞀緒に飲みたせんかずの誘い。

無䞋にする理由もないので、い぀ものスナックゆうこぞ連れおいき、同じビルのむタリアン赀レンガぞ連絡しおステヌキの出前も頌む。
自分のテリトリヌなので党郚の飲み代を支払うが、正盎手痛い出費だ。

いい感じで酔いながら二人でラッキヌホステルぞ戻り、䌊達は二段ベッドの䞊で泊たらせた。


二千二十幎十䞀月五日、朚曜日仏滅。

目を芚たすずただ朝の六時。
昚日は少し飲み過ぎた。
それでも食事を芁求する胃袋。

䌊達を叩き起こし、淀橋垂堎にある䌊勢屋食堂ぞ向かう。

2020/11/05 淀橋垂堎 䌊勢屋食堂

圌はたさかこんな近くに垂堎があり定食屋たであるずは思わなかったようで、かなり驚いおいた。

2020/11/05 淀橋垂堎 䌊勢屋食堂

「岩䞊さん、本圓に色々な店知っおたすよねヌ」

感心したように店内を芋枡す䌊達。
俺はむカフラむ定食ずしらすおろし。

2020/11/05 淀橋垂堎 䌊勢屋食堂

䌊達はトンカツ定食を泚文。

2020/11/05 淀橋垂堎 䌊勢屋食堂

「昚日飲み代出しおもらったんで、ここぐらい払わせお䞋さい」

䌊達がここはご銳走しおくれ、そのたた店を出るず北新宿公園ぞ向かった。

2020/11/05 倧久保 北新宿公園

「岩䞊さん、これからどうするんですか」
「うヌん、ただ䜕も決めおいないんですよね、正盎。ただ前の店の客の䞀人が今週土曜に呌ばれおいるから、仕事の話だず思うんですけどね」

「いい仕事ならいいんですけどね」
「あずおじいちゃんの客から、䞀千䞇出すからゲヌム屋をやれっお話もあったんだけど、さすがに酒井さん捕たっおいるのに、そんな䞍矩理はできないじゃないですか」

「岩䞊さんは少し気を䜿い過ぎなんですよ。䞀千䞇ですよ やっちゃえばいいじゃないですか」
「そういう蚳にもいきたせんっお」

公園を出お、䌊達がタクシヌを拟っお垰るず、俺はそのたた䞭華料理『寿楜』ぞ寄る。
今回は麻婆豆腐を泚文。

2020/11/05 倧久保 寿楜

そろそろ本圓に、節玄しながら次を考えないずいけないよな。
たあずりあえず土曜の充の話次第か、すべおは  。


二千二十幎十䞀月六日、金曜日倧安。

暇な時間をどうやっお朰すか。
ネオゞオも飜きた。

俺は携垯電話のアプリ『TOON BLAST』のパズルゲヌムを始める。
ようやく無課金で四千六癟五十䞀面クリア。
珟圚䞖界䞀タむ。

2020/11/06 携垯パズルゲヌム TOON BLAST

「  」

本圓にこんな事やっおいる堎合じゃないだろうが。
ただ金曜日なのか。
明日の充の金儲け話、本圓に倧䞈倫なんだろうな
先の事を考えるず、どうしおも゜ワ゜ワしおしたう。

人間どんなに䞍安があっおも腹は枛っおくる。
喫茶店『ラ・ムヌ』でハンバヌグラむスを泚文。

2020/11/06 倧久保 説喫茶店ラ・ムヌ

寝お起きおゎロゎロしお、ゲヌムをするだけの退屈な時間。
郚屋に籠りっきりも良くない。
再び倖出するも、俺の行き先など特にないのだ。

結局呚蟺をフラフラ歩き、本日二床目の喫茶店『ラ・ムヌ』。

2020/11/06 倧久保 説喫茶店ラ・ムヌ

こうしおミックスサンド食べながらコヌヒヌ飲んでいるず、二十代前半の金が無かった頃も䌌たような事をやっおいたのを思い出す。
俺が過去䞀番倚く行った店『ゞミヌドヌナツ』。

マスタヌが亡くなっお店は無くなっおしたっお。
もう䞀床食べたかったなあ、あのミヌト゜ヌス  。

幎を取る、時間が経぀っお、取り返しがきかない貎重な䜕かを倱い぀぀も螏ん匵っお生きおいく事なんだろうな。


二千二十幎十䞀月䞃日、土曜日赀口、立冬。

あれからようやく儲け話の時間が来た。
倕方になるず鞄に筆蚘甚具を入れお、充マンションぞ向かう。

「䜐藀さん、ラッキヌハりス蟞めおから、収入䞀切無いんですよ。前に蚀っおいた儲け話っお䜕なんですか」
「分かっおないなあ」

「どういう事です」
「だから土曜日にわざわざ呌んだんじゃん」

「話が芋えないんですが」
「高知だよ、高知」

「え、四囜で仕事っお事ですか」
「違うっお 土日は高知競銬なんだよ」

「  」

䞀瞬目の前が真っ暗になった。
この男、地方競銬が儲け話だず本気で蚀っおいるのか

「俺のこれたでのラッキヌハりスでの金の遣い方芋たろ 月にだいたいいくらぐらい負けおいるず思っおんだよ」
「四、五十ぐらいですか」

「たあもうちょっず負けおいるんだけどさ、実際。でもさ、䜕で俺が䜕幎も掛けお、そんな銬鹿げた事できおいるず思っおんだよ。普通なら砎産しおるっお」
「仕事でそれだけ皌ぎがあるからですよね」

「違うんだっお 高知なんだよ。毎週高知競銬で勝った金があるからこそ、ああやっおやれば負けるず分かっおいるゲヌム屋ぞ懲りずに行けおんじゃん。俺のこの䌚瀟、結構いいオフィスでしょ 維持費だっお掛かっおいるの分かるよね そういった事も諞々含め、地方で勝っおいるからこそ、できおいるんだよ」

「  。だっお競銬でそこたで確実に勝おるなら、䜕でラッキヌハりスなんかぞ行くんです」
「分かっおないなあヌ、岩ちゃんは 。俺はポヌカヌが奜きなの。いわば䞭毒者なんだよ。蚀葉良くないか。趣味みたいなもん。だからこそ高知で皌ぎ、浮いおいる金を䜿えるんじゃんかよ」

正盎眉唟物だ。
無職の俺が䜕の知識も無い地方競銬で、どうやっお勝぀ず蚀うのだ

「  。䜐藀さん 、申し蚳ないですけど、俺本圓に仕事が今しおいないんですよ 競銬なんおやっおいる堎合じゃないんですから」
「ほら、そうやっお最埌たで人の話を聞かずに、すぐ決断する。だから岩ちゃんは駄目なんだよ。せっかく来たんだから、芋おなっお。目の前で勝぀ずころ芋せるから。それ芋お嫌ならやらなきゃいいじゃん」

本圓にそこたで自信満々に蚀うのなら、圓おるずころをこの目で芋おやろうじゃないか  。

「せっかくだから岩ちゃんは、遊び皋床で数千円だけ入れおやっおみなよ。別に賭けなくおもいいけどさ。いい 䞭倮競銬は正盎圓おるのが本圓に難しい。高知は特に簡単だから」

話ながら充は本圓に䞀レヌス、二レヌスず圓おおいく。

「䜕で圓たるんですか」
「たあ今日は俺のを芋ながら、賭けたくなったら賭ければいいじゃん」

「  」

気付けば俺も充の予想に乗り、高知競銬を最埌たでやりきり、十二レヌスの蚘者遞抜ファむナルで䜕ずか圓おお、ちょっずだけ勝぀。
地方競銬 、特に高知競銬を実際にやっおみお感じた事。
いかに䞭倮競銬圓おるのが難しいか。

ただ半信半疑ではあるが、金になるのなら  。

「明日も高知あるから、同じ時間においでよ」

競銬で勝っお生掻の基盀にする
本圓にそれでいいのか

垰り道もいたいち信じられない気分でラッキヌホステルぞ垰った。


二千二十幎十䞀月八日、日曜日先勝。

高知競銬四レヌスたで終了。
䞉連単を䞉点買いで、䜕ず二䞇銬刞ゲット

高知五レヌス。
単勝、銬単、䞉連単
すべおゲット

「䜐藀さん、次のレヌスは」
「駄目だよ、岩ちゃん。買っおんだから少しは出走衚芋お、自分で考えなきゃ。芋方をちゃんず教えたでしょ その為に筆蚘甚具甚意させたんだからさ」

六レヌスから自分の予想で、こずごずく倖す。
十レヌス目に来お、ようやく圓たり。
残りあず䞀レヌス

高知ファむナルの十二レヌス。
勝ち分党郚賭けおみる。

結果䞉連耇で二癟円しか圓たらず。
この日は八千円勝ちで終わる。

「岩ちゃんも賭け金枋っおいたから、その金額だけどさ、今日の五倍入れた金額で考えおみなよ 四䞇だよ 䞀日で四䞇皌げる仕事なんおないだろ たあたた来週の土曜だね」

勝぀には勝った。
しかしどうも腑に萜ちない自分がいる。

たた平日の間、ただブラブラしお過ごせず蚀うのだろうか
ずりあえず地味に質玠に暮らし、来週を埅぀しかない。


二千二十幎十䞀月九日、月曜日友匕。

起きおから寿楜で、焌売定食を泚文。

2020/11/09 倧久保 寿楜

久しぶりに矎味しい焌売を食べたような気がする。

本圓にそろそろ自分自身で仕事を探さないず、マズいんじゃないのか
郚屋で䞀人考えおいおも、䜕をすればいいのかたわる思い浮かばない。

結局のずころ、矜持だ䜕だず栌奜぀けお仕事を蟞めたずころで、自分䞀人になるず俺は䜕もできない駄目男。
䞀䜓い぀たでのんびりず浮䞖絵離れした生掻を送る぀もりなのだ

携垯電話が鳎る。
ラッキヌハりスの銙川からの着信。

今さら䜕の甚だず思ったが、プヌル分の残りの絊料を枡したいずの事。
毎月十日前埌に絊料だった事すら忘れおいた。

ただ手持ちの金が尜きた蚳ではないが、このタむミングで絊料は有難い。
倧久保たで銙川が届けに来るずいうので、倧久保駅南口の焌き豚『吟䜜』で埅ち合わせをする。

山䞋から電話が入り、たたしおも橋本が抜いたずの愚痎。
䞀䜓コむツは俺を䜕だず思っおいるのだろうか

「岩䞊さんが店を蟞めちゃったから、あい぀やりたい攟題すよ」
「知らねえよ、そんな事。おたえは䜕もしなかっただけだろうが くだらない事、俺にいちいち蚀っおくんじゃねえよ」

神経がささくれ立っおいた。
充の蚀う儲け話が高知競銬で勝぀ずいう先行き䜕の保蚌もないもの。
店を蟞めおも未だし぀こく責任远及のように連絡をしおくる山䞋。
俺を蟞めるように仕向け、いなくなれば金を抜きたくる橋本にもむラむラしおいた。

スナックゆうこで酒を飲み、時間になるず吟䜜ぞ向かう。
銙川ず合流しお絊料を受け取る。

「赀厎さん、今は䜕か仕事をしおいるんですか」
「ただ䜕もしおたせんよ」

「䜕もしないずいうのも、生掻倧䞈倫なんですか」

「  」

自分で人をあのように濡れ衣で远い蟌んでおきながら、䜕お蚀い草だ。

「赀厎さんは、朚䞋のようにすぐ店を蟞めた蚳でなく、ちゃんずキチンず筋を通しお蟞めたので、芋盎しおはいるんです」

ひょっずしお俺をたた店ぞ戻そうずでも蚀いたいのか
だずすれば、山䞋が再䞉蚀っおきたように、橋本の存圚は邪魔でしかない。
俺が勘繰っおいただけで、抜いおいるのは橋本だけなのか
思考を巡らせながら、セブンスタヌに火を぀ける。

俺は綺麗にラッキヌハりスを蟞めた。
この堎で橋本の抜きを銙川ぞ䌝えおも、いいんじゃないのか
四幎ほどの付き合いを考慮し、結局䜕も真意を蚀わずに去った。
蟞める際、グレンリベット十八幎のボトルを枡しおきた橋本。

だが、俺に恚みを拡散する為の甚意だずしたら

「銙川さん  」
「䜕でしょう」

「俺は䞀切店の金なんお、抜いおいたせん。本圓に抜いおいるのは、店長の橋本ですよ 山䞋もそれは知っおいたす。あい぀ずのやり取りだっお、携垯にショヌトメヌルで圓時のやり取りもちゃんずありたす」

密告するようで自分を少し恥じる。
だが、これはやられたからの意趣返しに過ぎない。

銙川は俺の蚀葉にしばらく䞋を向いたたた、䜕か思い詰めおいるようだった。

「うヌん 、抜いおいたのは、やはり橋本でしたか  」

ショックず萜胆 、二぀の感情が衚情から䌺える。

「嘘を蚀った぀もりはありたせん。ただ、同じ店で働く同僚を正盎倉に庇っおいた感情もありたす」

「分かりたした 、少し考えたす  」

今埌どうなるのか分からない。
ひょっずしたら、たた俺に戻っお来おくれず、声が掛かるかもしれない。

その時俺は  。

どちらにせよ、今日の告発で橋本はクビになるだろう。
スナックゆうこぞ戻り、グレンリベットを飲む。
䜕だか今日の酒は酷く䞍味く感じた。


二千二十幎十䞀月十日、火曜日先負。

起きおからい぀もの寿楜ぞ行き、ランチを泚文。

2020/11/10 倧久保 寿楜

昚日別れおから銙川からの連絡はなかった。
色々思い悩んでいるのだろう。

俺を疑い、店を蟞めるたでに至った。
しかしそのあずで信じおいたはずの店長が抜きをしおいたずいう事実を知ったのだから。

山䞋ぞ連絡をしお、銙川ぞ橋本の抜きを䌝えたず報告だけしおおく。
詳しく状況を聞こうずしおきたが、面倒なのでそれだけ蚀うず電話を切る。

以前宙ぶらりんなたただが、流れがこれで倉わるのだろうか

運詊しだ。
地方競銬をやっおみる。

「  」

結果すべお倖れ。
競銬のセンスがないのを改めお認識する。
今埌䞀人でやるのは蟞めおおいたほうが賢明だ。


二千二十幎十䞀月十䞀日、氎曜日仏滅。

未だ銙川からの連絡はない。
山䞋ぞ店の状況を聞くず、昚日も今日も橋本は普通に出勀しおきおいるず蚀う。

䞀䜓銙川の奎、どういう぀もりだ
長幎働いた橋本に察し、情でも出たのか
それはさすがにないだろう。
では䜕故橋本はこれたで通り普通に出勀しおいる

最初に立おた仮説。
やはり二人は繋がっおいるからか

頭がおかしくなりそうだ。
ベッドぞ寝転がりながら、携垯電話でフェむスブックを眺める。

過去の思い出で、元ゞミヌドヌナツ跡地にできた『Sicurezza』ぞ行ったのが、䞀幎前の今日だった。
もう二床ず食べる事のできないゞミヌドヌナツのミヌト゜ヌス
こんな状況で郚屋で籠もっおいおも、仕方ない。
川越ぞちょっず顔出しおみるかな。
よし、これから準備しおちょっずだけ川越ぞ行こう。

䜕ずなく新宿にはいたくない心境だった。
かずいっお川越ぞ戻ったずころで䜕の目的もない。
䞀䜓俺は䜕をやっおいるんだろう。

呆れながらパチンコをやるず、こんな事に限っおシンフォギアの調子がいい。

結果、䞀回目最終決戊勝぀も、単発圓たり終了。
二回目も最終決戊勝ち、二回マックス圓たり継続で䞀䞇四千円になる。
プラス䜙り玉で、ゞョア䞉぀ずダクルト䞀本。

新宿ぞ垰りながら、俺はたたあのラッキヌハりスぞ戻りたいのかどうかすら分からない気持ちだった。


二千二十幎十䞀月十二日、朚曜日倧安。

銙川ず䌚っおから数日。
未だ連絡は無し。
山䞋からの報告によるず、橋本も倉わらず出おきおいるず蚀う。

あい぀ら完党にグルかよ  。

俺は敵にあえお情報を挏らしただけずいう事か。
あたりにも䞍甲斐ない自身の行動が、嫌になっおくる。
䜕で俺ばかりこんな苊しみ、思い悩たないずいけないのだ。

錐からが入る。
今日スナックゆうこぞ出勀するから、来おほしいずいう内容だった。

「俺は無職なんだよ」

垃団ぞ乱暎に携垯電話を攟り投げる。
結局あい぀も、ただの営業目的なのか

粟神的な䜙裕の無さが、怒りを増幅させおいた。
俺は無芖したたた返事をせず、萜ち着かないこの感情を䜕ずかしないずず焊る。

おもむろにアむパッドを取り出し、挫画の続きを描き始めた。
䜕かに集䞭したかったのだ。

2020/11/12 題名の無い挫画 2頁目

二頁目をようやく完成。
アむパッドを買っおから、最初だけでほずんど描いおいなかった挫画。
ラッキヌハりスで描き出した䞃月二䞃日以来になる。

この日、ひたすら集䞭しお挫画を九頁たで仕䞊げた。

2020/11/12 題名の無い挫画 9頁目

小説ず違い、挫画は描くのが本圓に倧倉で時間が掛かる。
腹が枛ったので、倖ぞ出お喫茶店『ラ・ムヌ』ぞ食事に行く。

再び錐から店ぞ来ないのかの連絡が入るが、俺は無芖したたたを貫いた。
電話が鳎ったので、し぀こいなず苛立った声で出る。

しかし着信の䞻は錐ではなく、ラッキヌハりスの䞊客ルルだった。
圌女は䜕故俺が店を蟞めたのか理由をずにかく聞いおくる。

たたには圌女の顔でも芋に行こうかな  。

俺は倜になるず、区圹所通りにあるルルの店ぞ顔を出す。
蟞めるたでの事情を正盎に説明するず、圌女は「今床あのお店行っお、岩䞊さんいないのか聞く。それで蟞めたず蚀ったら、じゃあ今日は垰るわっおやるんだ」ず息巻いおいる。

こんな俺に気遣っおくれるルル。
俺は圌女の店が終わるず二人で叙楜苑ぞ行き、路地裏で圌女の唇を奪った。


二千二十幎十䞀月十䞉日、金曜日赀口。

圓たり前のように銙川からの連絡は今日も無い。
山䞋からは密告のような圢で毎日連絡がある。

䜕で蟞めた俺が、ここたで䞀人苊したないずならないんだ

「あ、岩䞊さん、猪狩さんでしたっけ 今日釈攟されたらしいっすよ」
「え、猪狩が 酒井さんは」

「金倪郎さんの話だず、猪狩さんだけみたいすね」

酒井さんグルヌプの初期に揉めた猪狩。
因瞁ずたではいかないものの、あい぀ずは奇劙な繋がりを感じおいた。

「岩䞊さん、昚日も橋本の奎  」
「だからもういいっお 蟞めた俺に䜕の関係があるんだよ」

「でも橋本、この間なんおノブずキャバクラで䞀晩四十䞇䜿ったずか自慢しおたしたよ」

「  」

電話を黙ったたた切る。
もう䜕もかもうんざりだ  。

蟞めおたで䜕故俺を頌る
橋本が抜きをしようが、キャバクラで豪遊しようが、俺にはたったく 、いや、本圓ムカ぀くわ  。

片や月に五十䞇ぐらいあった収入は無くなり、路頭ぞ迷う。
画策した偎は、䞀晩で四十䞇

銙川が橋本を眰しないのなら、そうせざるように仕向けおやる。
自分ばかり䜕でこんな目に遭わなきゃならない

「あっ ひょっずしお  」

酒井さんが捕たったあの時 、あの時から銙川ず橋本は抜きの連携を立おおいたず考えれば、色々な蟻耄が合う。

緊急䌚議ずいう事で、店長の橋本、そしお責任者の俺が喫茶店『クヌル』ぞ集合。
オヌナヌである酒井さんを始め、すべおの番頭が捕たるずいう異垞事態。
今頃みんな、二日間の刑事拘留により調曞を取っおいるのだろう。
「赀厎さん、ちょっず携垯電話出しお䞋さい」
銙川の指瀺で酒井さんず根間の電話番号を出すよう蚀われ、䜕かあるず困るからその堎で削陀をするよう呜じられる。
コむツ、本圓に銬鹿な奎だな  。
逮捕状の関連でこっちたで譊察の手が䌞びる事は、もう無いのが分からないのだろうか
仕方ない。
銙川にしおも、橋本にしおも、これたで譊察組織に捕たった事がないので、状況がどうなるのか把握できず、手探り状態なのだろう。
いちいち説明するのも面倒だったので電話番号を削陀した。
猪狩や吉田の番号は残っおいる。
圌らも捕たったようだが、埌々連絡を取ろうず思えば取れる。

「  」

あの時䞍必芁に俺の携垯電話から、酒井さんず根間の電話番号を消すよう指瀺しおきた銙川。
欠けおいたワンピヌスがピタッず嵌ったような感芚。

こっちは仕事を蟞め、自分らはやり易いようにぬくぬく
ふざけんなよ  。

銙川より間違いなく䞊の立堎の猪狩。
過去揉めたが、俺のスキルや胜力は嫌ずいうほどあい぀は知っおいる。
出おきおお疲れさんず電話するぐらいたったく䞍自然ではない。

もちろん俺からは抜きの話を持ち出さない。
猪狩から䜕故かず聞き出すような䌚話に持っおいけばいい。

思わず笑みがこがれる。

たるでメガンテだ。
『ドラゎンク゚スト』シリヌズに登堎する魔法の䞀぀。
ゲヌム内では専ら戊いのために䜿われ、䜿甚者の呜ず匕き換えに、敵党䜓ぞ倧ダメヌゞもしくは砕け散る効果を䞎えるずいう自爆技。
本圓は自らの持぀生呜゚ネルギヌを党お爆発させる呪文であり、所謂自爆ではないらしいが。
生呜゚ネルギヌで攟たれる事からか、の消費は倧抵の䜜品で䞀ポむントのみ。
正に今の俺が発動するには、ピッタリな犁忌の呪文だ。

俺は久しぶりに猪狩ぞ電話を掛ける。

「岩䞊さん、お久しぶりです。どうしたんですか」
「いや、猪狩さん釈攟されたっお聞いお、ずりあえずお疲れさんぐらい䌝えたかったなあず」

「ありがずうございたす  」
「猪狩さん、倧倉だったでしょ 本圓お疲れ様でした。留眮所っお捕たった人間じゃないず、本圓の倧倉さ分からないですからね」

「萜ち着いたら、その内ラッキヌハりスにも顔を出したすよ」
「あ、それがですね 。俺、実はあの店蟞めたんですよ。そういった意味合いもあっお、今日電話したんです」

名目䞊は仕事を蟞めたので、その挚拶ずいうもの。
俺が蟞めるずいう意味。
おそらく猪狩なら、䜕かあったのか聞いおくるはずだ。

「え、岩䞊さんが蟞めるっお 、䜕かあったんですか」

うん、俺っお冎えおいるね。
そう蚀われるのを埅っおから、ハッキリ䌝えた。

「あの店の店長が店の金を抜いおいるんですよ。それで俺が邪魔になり番頭ぞある事ない事蚀われ、逆にこっちがその疑惑を掛けられ、うんざりしお蟞めた感じになりたすね。俺より立堎が䞊の番頭ず店長。その二人に組たれちゃ、䜕もやりようなないですよ。酒井さん捕たっおいる間だけでも、店を護りたかったですけど」

「え、どういう事です」

ほらほら、食い぀いおきた。

「数日前、番頭には店長が金を抜いおいるず䌝えたのに、確蚌がず䜕䞀぀動いおいたせん。結果は俺があの店からいなくなっただけです。俺の掚枬ですが、店長ず番頭は繋がっおおグルで金を抜いおいるかもしれないですね」

「なるほど  。それは問題ですね  」

「たあ猪狩さんは、ずっず酒井さんのずころにいた蚳じゃないですか。出たばかりでお疲れのずころ申し蚳なかったですが、ずりあえず俺ず猪狩さんの仲だから、蟞めたけど䌝えずいた方がいいかなず」

「分かりたした。岩䞊さん、ありがずうございたす」

電話を切るず、山䞋ず吉岡ぞを打぀。

『岩䞊智䞀郎はメガンテを唱えた』

しばらくしおどういう意味か返事が来たが、俺は無芖したたた挫画の十䞀頁たで黙々ず始めた。

2020/11/13 題名の無い挫画 11頁目

二人の衚情を想像し぀぀、䞀人郚屋で吹き出しながら絵を描く。

倜になり、寿楜で焌売定食を頌み぀぀、酒を飲む。

2020/11/13 倧久保 寿楜

さお 、メガンテの効果はどうだろう
数日埌、山䞋から勝手に連絡が来るだろうな。

今日は酒は栌別に旚く感じた。

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