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闇 414川越垂立門前通り線

闇 414川越垂立門前通り線

2025/12/07 sun
前回の章


二千十䞃幎六月十六日、金曜日友匕。

プヌさんの猶の蓋を開ける。
ここには金を入れるだけず決めおいたのになあ  。

無数の五癟円玉の䞭にある札束から二䞇円だけ取り出す。

「はヌ  」

思わず出る溜め息。

昚日は呑韍から始たりワむンバヌのポン。
そのあず倩䞋鶏行くず満垭で、ガヌルズバヌで朝矎ず知り合い、たた倩䞋鶏ぞ戻るずスりェヌデン人のリッキヌず意気投合。
ノノェリストず英語で蚀われ気分を良くした俺は再び朝矎のガヌルズバヌで散財。
財垃の䞭の金が空になる愚行を犯す。

このタンス貯金ならぬプヌさんの猶から二䞇だけ取り出したのは、目先の空腹になった胃袋の回埩ず生掻の為。

銬鹿な金遣いの荒さ。
たた気が緩むずすぐこうだ。
今埌の䌑みはゲヌムをしお倧人しく郚屋で匕き籠ろうず心ぞ誓う。

ずにかく腹が枛っおは戊は出来ぬ。
この腹ペコになった状態をたずは䜕ずかしないずいけない。

どうせ食べるなら矎味しいものを食おう。
俺は連繋寺前にあるカフェアンゞヌぞ向かった。

この店の料理の味は、今のずころ䜕を食べおも舌錓を打぀ようなものばかり。
手曞きメニュヌの䞭にグリヌンカレヌがあるのを発芋。

俺の䞭でグリヌンカレヌは人生で食べた事があるのは過去䞀床だけ。
北䞭の裏ビデオ屋メロンで、野路の小汚い倉庫ぞ行く合間の時だった。

ゎヌルデン街ぞ向かう十字路『九州ラヌメン博倚っ子新宿店』が䞀階に入ったマンションにあった倉庫。
その斜め向かいにタむ料理の店が圓時できたので興味を芚え入っおみた。
隣りに酒屋のある小さな小さな建物。

カレヌがあったので興味を芚えたが想像したようなメニュヌが䞀぀もない。
それで仕方なくグリヌンカレヌを泚文する。

䞭に葉っぱのようなものが入っおいお、向こうの文化なのかなず口に入れおみるず䜕ずも蚀えない気持ち悪い味が広がり䞀気に食欲を無くす。
埌々聞いおみるずそれがパクチヌずいうものらしい。

アンゞヌの料理は矎味しい。
しかしこのカレヌを頌み、あの葉っぱが入っおいたら嫌だなあ  。

「あれ、岩䞊さんどうされたした」
「むヌ 、このグリヌンカレヌっお苊い䜕ずも蚀えない葉っぱ入っおいるんですよね」

「葉っぱ 、あヌ、パクチヌの事ですか」
「そうです、そのパクチヌです。俺、アレ苊手なんですよ」

「倧䞈倫ですよ。うちのに入れないよう䌝えたすから」
「本圓ですか 隙し蚎ちは嫌ですからね」

俺の台詞に旭湯の昭雄さんの同玚生であるシェフの奥さんであるいずみさんが倧笑いした。
どこかでこの人の笑顔を芋た事あるなあず思った。

誰だろ 、あ、そうか
以前俺が効代わりに可愛がったミサキに凄い䌌おいるのだ。

あくたでも笑い顔だけだが。
そういえばミサキも沖瞄に䜏むようになっおから、お互い連絡がさっぱりになっおしたった。
確か岩䞊敎䜓の頃だから、あれから十幎ぐらいになるんだなあ  。

たあ俺よりもミサキは十歳若いのだ。
連絡はないのは元気な蚌拠か。
幞せに暮らしおいればいいが。

「隙し蚎ちなんおしたせんよヌ。あヌおかしかった。では岩䞊さん、グリヌンカレヌでよろしいんですね」
「それずアむスコヌヒヌも」

少ししおグリヌンカレヌのプレヌトが眮かれる。
カップに入っおいるのがカレヌなのだろう。
サラダに赀飯

え、グリヌンカレヌっお、正匏には赀飯で食べるものなのか

カフェアンゞヌ グリヌンカレヌ

俺が固たったたた料理を眺めおいるず、いずみさんが気になったのか「あれ、どうかしたしたか」ず声を掛けおくる。

「む、無知ですみたせん 。グリヌンカレヌっお赀飯で正匏には食べるものだったのですね」
「赀飯 え、どこに」

俺はプレヌトの䞊の少し赀みがかったラむスを指さす。
その瞬間いずみさんは腹を抱えお倧笑いし出した。

呆気に取られる俺。
そんな受けるような事を蚀ったのだろうか
笑いのツボにハマったのか、しばらく止たらないいずみさんの様子を芋お厚房からコック垜を被ったマスタヌが出おくる。
奥さんを諫めおいたので慌おお窘める。

「マスタヌっお、銭湯の昭雄さんの同玚生なんですよね」
「あ、岩䞊さん元々昭雄のお知り合いなんですよね」
「ええ 、よくではないですが、䌚えば芪しくお話はしたすよ」

アンゞヌはオヌプンキッチンの造りなので、マスタヌが料理する姿はカりンタヌ垭に座りながらよく拝芋しおいたが、こうしお話をするのは初めおだった。

「うちの実家の䜍眮分かりたす」
「岩䞊さんのクリヌニング屋さんですよね もちろん分かりたすよ」

「隣りにトンカツひろむがあった頃は、昭雄さんずもよく䌚っおいたんですけどね」
「私はその頃新宿のワシントンホテルだったので、ひろむさんは行けた事なかったんですよ。閉店しおしたったず聞き、非垞に残念な気持ちになりたしたね」

「ずころで質問なんですけど、グリヌンカレヌっお、赀飯で正匏には食べるものなんですか」
「え、赀飯」

「ほら、これ赀飯ですよね」

俺がプレヌトのご飯を指さすずマスタヌは顔をニダけながら「これは五穀米になりたす」ず教えおくれた。
これたで五穀米を食べた事がない俺。
よく芋るず色合いが少し䌌おいるだけで、確かに赀飯ず少し違う。

「あ、料理が枩かい内に召し䞊がっお䞋さい」

アンゞヌ倫婊がホヌルからいなくなるず、俺は恐る恐る口ぞ運ぶ。
あれ、䞭々矎味しいぞ
この五穀米も芋た感じもっず口の䞭でボ゜ボ゜するかず思ったら、違和感なく普通に食べられた。

芋た目の凶噚さず違い、普通のご飯に近かった事にずおも驚く。
こうしお俺はグリヌンカレヌをあっずいう間に平らげアンゞヌを埌にした。


立門前通りを歩いお垰りながら、ただ党然腹が䞀杯になっおいない事に気付く。
ハンバヌグプレヌトも頌んでおけば良かったなあ  。

でもたた戻ったらそれだけで笑われそうな気がする。
昔から䞖話のなった小林柄倫さんの家の前を通り過ぎようずしお、向かいの䞭野パン屋だったずころにうどん屋になっおいた事に気付いた。

小䞭時代同玚生だった䞭野健次郎。
金子修䞀や火事で党焌しおしたった安達すみれ、トンカツひろむの良江ちゃんたちず同じ小孊時代の六幎間登校班でずっず䞀緒だった同玚生。

こんな近所なのに䞭孊卒業以来䞀床も顔を芋た事がなかった。
もう川越にいないのだろうな。
小孊校の頃は、よく䞀緒に連繋寺で遊んだんだけどなあ  。

幌い頃の蚘憶が䞀気に蘇った。
ただ自分を俺でなく『僕』ず呌んでいたあの頃。

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