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【短線小説・番倖線】続々・ワラむバでの、ずある䞀日 ―野䞊翌線―

    前々回のお話はこちら麗華孝倪郎線 
    前回のお話はこちら 庞平麗華線
    単発の続き物ですが、本䜜だけでも楜しめたす玄5000字
    久しぶりに登堎の『あっずほヌむ』組のお話。

    本線

     コヌタロヌさんから聞いたずきには耳を疑い、呌吞いきが止たった。幌少の頃から憧れおきたシンガヌ゜ングラむタヌのレむカが、よりによっお実家のすぐ近くに越しおきたず報告されたら誰だっお困惑するに決たっおる。

    「えっず  。冗談だよな いくら䜕でもそんな郜合のいい話  。俺をぬか喜びさせようずしただけだず蚀っおよ」 

    「それがどうも事実らしい。ここぞ来る途䞭にちゃんずこの目で確認しおきたから間違いない。さすがに玄束も無しに蚪ねるこずはしなかったが、蚌拠写真なら撮っおきたよ。芋せようか」

     自分がレむカず旧友だからっお、二十にじゅっこ以䞊幎䞋の俺も同じ感芚だず思ったら倧間違いだ。䞡手を前に突き出し、数歩䞋がりながら「倧䞈倫  」ず拒吊したが、コヌタロヌさんは銖をかしげる。

    「なぜそんなにも党力で拒む 麗華さんが近所に䜏んでいお、その氣になればい぀でも䌚えるずいうのに ファンなんだろう」

     以前から思っおいたが、どうやら元プロ野球遞手のコヌタロヌさんには䞀般人の感芚が欠萜しおいるらしい。憧れの人だからこそプラむベヌトを芋たくないずいう俺の氣持ちは倚分、理解しおもらえない  。

    「そりゃあファンだけど、䌚うずきはきちんずした堎所がいいな。䟋えばそうだな  。以前のようにワラむバずか」
     ワラむバずいうのは、自宅近くにある小さな喫茶店の名前だ。

    「なるほど。確かにその方が僕も䌚いやすいな」

     コヌタロヌさんは蚀うが早いかスマホを取り出し、䜕やらポチポチず入力し始めた。

    「  っお蚀うか、なんでそんなに䌚わせたいわけ 俺、昔っからのファンっおだけだぜ」
     疑問を口にするず、圌は入力する手を止めお俺を芋、にやりず笑う。

    「決たっおいるだろう。君が、麗華さんのバンド再結成の経緯を䞀緒に聎くのにふさわしい盞手だからさ」


    ◇◇◇

     䌚う日皋を調敎した俺たちは䞉週間埌の日曜の倜、閉店埌の喫茶ワラむバに向かった。

    「あのさヌ、どうしおセンパむはいっ぀も面倒事を持っおうちの店に来るわけ」

     予想しおいたずおり、コヌタロヌさんず芪しい店䞻の倧接さんは俺たちが入店するなり愚痎をこがした。実際のずころ二人はものすごく仲が良いが、倧接さんはこういう物蚀いしか出来ないらしい。

    「面倒事ずは倱瀌だな。ちゃんず金は払っおいるじゃないか」

    「はぁ  。これだから元䞀流のプロ野球遞手は困る  。䜕でも金で解決するず思っおんだから」

    「おや 貧乏喫茶に金を萜ずしお欲しいず蚀ったのは君じゃなかったかな 別に、萜ち合う堎所はどこでも構わないんだが  」

    「はいはい、ありがずうございたす。うちは、喫茶店であり飲み屋であり䌚議宀であり、音楜スタゞオですよ  」

     そんな䌚話をしおいるず店の扉がすっず開き、黒髪の矎しい女性が顔を芗かせた。歌手のレむカ、その人だった。

     初察面ではない。だが、どういうわけかデビュヌ圓時の容姿になっおしたったらしい圌女の顔を芋た瞬間に身䜓が固たった。怅子から立ち䞊がれずにいるず、あずからバンド仲間ず思われる男性二人も入っおきお、そのうちの䞀人が軜いノリでコヌタロヌさんず挚拶を亀わす。

    「䌚わせたい子っおのは圌のこずかな ぞぇ、すごく玔朎そうだね」

    「ええ、翌クンは僕の呜の恩人です」

    「ちょっ   いきなりそれ蚀っちゃうわけ」
     緊匵をほぐそうなどずいう発想が䞀切ない玹介に冷や汗が出る。しかし盞手方はその䞀蚀で䜕かを悟ったかのように「ああ  」ず蚀っお頷いた。

    「その蟺の話はレむちゃんから聞いおるよ。ギタヌが匟けるっおこずもね。僕らにも䞀曲聎かせおもらいたいものだ」

    「ず、ずんでもない   今日はコヌタロヌさんの付き添いでお話を聞きに来ただけなので勘匁しおください  」

    「遠慮するなよ  っお、こい぀が蚀っおるけど」
     しゃべれないのか、こい぀ず指さされた茶髪ちゃぱ぀の男性は手話を䜿い、緑髪みどりがみの男性が通蚳をした。

    「遠慮なんおしおないです  。ず、ずりあえず座りたしょうか。時間も限られおいたすし  」

     どうやらここは俺が取り仕切った方が良さそうだ。たぶん、ミュヌゞシャンも店䞻もコヌタロヌさんも時蚈を芋お行動するタむプじゃない。
     
    「ほらほら、コヌタロヌさん。今日は聞きたい話、あるんでしょ それをたずは話しおもらおうよ」

     本来の目的を思い出しおもらうべく話題を提䟛する。
    「それじゃあ皆さん、垭に぀いおもらいたしょうか。お䞀人ず぀、飲み物をお䌺いしたす」
     店䞻の声かけでようやく䞀同が着垭し、䌚合が始たった。


    

     レむカがか぀おのメンバヌずアコギバンド『サザンクロス』を再結成するず宣蚀した日のラむブむベントは生なたで芳みたが、なぜ急にそうするに至ったのか、確かに氣にはなっおいた。

     圌女の話によるず、メンバヌの拓海さんが病氣で䜙呜幟ばくかの状態だったこず、歌で奇跡を起こし死は免れたものの代償ずしお声を倱ったこず、そしおその圌の手助けをする意味も含め珟圚は䞉人で暮らしおいる、ずのこずだった。

    「ほら、あなたが蚀っおいたでしょう 家族ず呌ぶのに血の繋がりはいらないっお。圌らず䞀緒に過ごすようになっお本圓にそのずおりだなず実感しおいるの。ちょうど、あのずきのお瀌が蚀えたら  ず思っおいたずころだったから䌚えお本圓に嬉しい。ありがずうね。おかげさたで、今は『ただの麗華』ずしお自由な氣持ちで日々過ごしおいるわ」

    「そんな、お瀌を蚀われるようなこずは䜕も  」

    「もぅ そんなに固くならないで。そうだ、昔の歌を歌っおあげる。そうしたら少しはリラックスできるんじゃない どれがお奜き   あぁ、もちろんお代はいらないわ」

     プロの歌手が俺のリク゚ストで歌っおくれるなんお、そんな倢みたいなこずがあるだろうか  。

    「本圓に、いいのかな  」
     恐れ倚くお目を合わせられず、思わずコヌタロヌさんに尋ねる。

    「臆するこずはないよ。それに、圌女はもう君の知る『レむカ』ではない。歌を聎けば分かるはずだよ。こうやっお目を閉じお聎いおみたたえ」

     その蚀葉からはレむカさんぞの絶倧なる信頌を感じた。そこたで蚀うならず、コヌタロヌさんに倣いたぶたを閉じる。

    「えぇず  。それじゃあ、せっかくだからサザンクロスになっおからの曲を䞀぀  。どれでも構いたせん」

    「どれでも、かぁ  。どうする」
     俺の曖昧なリク゚ストを受けおレむカさんは仲間ず盞談しおいるようだ。少し経っおからようやくギタヌを準備する音が聞こえた。空気が匵り詰めたように感じたずき、レむカさんから合図があり、盎埌に挔奏ず歌が始たる。

     ずおもしっずりずした、それでいお恚みがたしい内容の歌詞は、たしかにか぀おの「レむカ」にはないものだった。想像するに、これは圌らの長幎の関係ず思いが詰たった愛憎の歌  。

     若い頃に聎いおいたら理解できなかったかもしれない。だけど劻子がいる今の俺には歌い手の心情が分かる。

    そっか  。「レむカ」は愛する家族ずずもに、より䞀局、進化するためにバンド掻動に専念するんだな  。

     曲が終わり、目を開けた俺らは静かに拍手を送った。

    「いたのはLOVE LETTERラブレタヌずいう歌。仲間があたしにくれた手玙から䜜ったのよ。どうだったかな あたしらしくなくお驚いた」

    「いえ、情感がこもっおいたし、色々ず考えさせられたした。先に過去の話を聞いおいたからもしかしお、ず思ったけどやはりそうなんですね」

    「あなたならきっず分かっおくれるず思った」
     レむカさんは嬉しそうに埮笑んだ。
    「もう䞀曲、歌いたしょうか」

     尋ねられお銖を暪に振る。
    「いえ、それより  。バンドを再結成したレむカさんたちが目指す音楜に぀いお教えおいただけたせんか」

     隣にいたコヌタロヌさんもこくんず頷く。レむカさんは䞀瞬倩井を仰ぎ「あヌ  。それだったら智ずもくんから説明しおもらったほうが  」ず仲間に芖線を送った。

    「教える いや、圌の堎合、僕らの歌を聎けばきっず理解しおくれるだろう。LOVE LETTERラブレタヌの感想を聞いおそう盎感したよ」

     緑髪の男性、智節ずもあ぀さんは唐突に匟き語り始めた。おっきりレむカのバック挔奏者だず思っおいたが、突き抜けるような声量ず柄みきった声に圧倒される。

     嫌なこずは嫌だず、本圓のこずは本圓なんだず、ちゃんず蚀え。呚りの目を氣にしたり垞識に囚われたりするなよずいうストレヌトな歌詞。それでいおどこか爜やかさも感じる曲調は俺の耳にい぀たでも残った。

    「今のは『矅針盀コンパス』。僕らの最新曲だ。いい歌だろう」

    「ええ  。分かりたした、サザンクロスさんたちが歌でどんな奇跡を起こそうずしおいるかが。俺はずっず、シンガヌ゜ングラむタヌのレむカのファンだったけど、サザンクロスも奜きになりそうです。っお蚀うか、智節さんの歌声に惚れちゃいたした」

    「うん。思った通り、君はいい耳をしおいる。ええず  翌だっけ 近くに䜏んでるならたた䌚おう。今床は君の自慢の家族にも䌚わせおくれよ」

     俺は小さく頷いた。氣付いおいないだけで、圌らの自宅の目ず錻の先に䜏んでいる䞡芪ずは顔を合わせおいるかもしれないな、ず思ったが黙っおおくこずにした。䞡芪は、俺がレむカの真䌌がしたくおギタヌを始めたこずを知っおいるので、数十メヌトル先に䜏んでいるこずが分かれば黙っおいおも必ず連絡をよこしおくるはず。玹介するのはそのあずでも遅くはあるたい。


    

     互いのこずが分かったずころで今日はお開きずなった。歩いお垰る途䞭、ずっずニダニダしおいるコヌタロヌさんが氣持ち悪くお思わず突っ蟌む。

    「なヌに考えおんのさ 俺が隣を歩いおなかったらメッチャ䞍審者なんだけど」

    「いや  。こんなにも早く打ち解けられるず分かっおいたら、野䞊のがみクンも連れおくれば良かったかなず思っおね」

    「やめおよヌ。未だに苊手なの、知っおるだろ 俺ずコヌタロヌさんず父さんの䞉人ずか、マゞ勘匁   っおいうかコヌタロヌさん、最近は随分冗談を蚀うようになったな」
     俺ず出䌚った頃の圌は冗談どころか、にこりずもしない人だった。

    「そりゃあ、君たち家族ず䞀緒にいれば僕だっお冗談の䞀぀くらい芚えるさ。䜕しろ垞に笑いが絶えない家だからね。仏頂面でいる方が難しいずいうものだよ」

    「  改めお思うけど、倉わるんだな。人っお」
     そこでふず、氣が぀く。
    「  ああ、圌らはそれを信じおいるのか。だからあんなふうに歌っおる  」

    「だろうね。麗華さんも圌らず再䌚しおから随分倉わったよ。すごく掻き掻きしおいる。そう、人はいい圱響を受ければいい方に、悪い圱響を受ければ悪い方に倉わる。それも、割ずあっさりず」

    「そうかもしれない  」

    「もちろん、䜕が良くお䜕が悪いかを決めるのは難しいが、少なくずも圌らは匱者の味方になろうずしおいるように僕は感じた」

     盞づちを打぀ず、話は急に壮倧になる。

    「いた、人々は救䞖䞻の登堎を埅ちわびおいる。そしお圌らはおそらくその、救䞖䞻になろうずしおいる。無論、䞀筋瞄ではいかないだろうが、今埌の圌らの動向には泚目しようず思う。僕が野球を通しお芋る人に倢を䞎えおきたように、歌を通しお倢や垌望や勇氣を届ける人も必芁だからね」

    「じゃあ、そんな圌らを応揎する」

    「ああ。だけどそうするより前に、僕たちは僕たちに出来るこずをたずはやるべきだろう」

    「俺たちに出来るこずっお」

    「䞀日䞀日を、今日ずいう日を悔いなく生きるこず。  こうしお君ず倜のひずずきを過ごしたり、郚屋で同居人ずく぀ろいだりする時間があっお初めお、他人ひずの圹に立おるずいうものだよ」

    「うん、そうだね。  ふわぁぁっ。ねむヌっ」
     話がい぀もの堎所に萜ち着いたこず、そしお家が芋えたこずで途端に眠氣に襲われた。
    「俺、明日からたた仕事ヌ。だけど  今日はちょっぎり倜曎かしした甲斐かいがあったよ。匷匕にでも誘っおくれおありがずう」

    「瀌を蚀うのは僕の方だ。おかげで緊匵せずに圌らず䌚うこずが出来た。  さお、君の家に到着だ。今日はもう遅いからこのたた垰るが、たた近いうちにお邪魔させおもらうずしよう」

    「い぀でもどうぞ。それじゃ、おやすみなさい」

    「おやすみ」
     別れの挚拶を亀わすず、ただただ元氣そうなコヌタロヌさんは自宅マンションのある方ぞ颯爜ず走っおいった。


    ※い぀も読んでくださっおいる皆様ぞ

    今回の番倖線は、短線シリヌズ内の「サザンクロスの䞉人が野䞊家のすぐ近くぞ越しおきた」ず蚀う゚ピ゜ヌドで䞀぀、話を曞いおみたくなったわたくしのキャラ愛から生たれたショヌトストヌリヌです。たた他の既出キャラを登堎させるかも 䜜者の趣味に走りたした、スミマセン💊💊
    匕き続き、本線「愛の歌を君に」もよろしくお願い臎したす✚


    珟圚、メむンで連茉䞭「愛の歌を君に」の第䞀話はこちら

    ✅完結の「愛の歌を君に」䞀氣読みはこちら


    ✅今回登堎の野䞊翌くん含むキャラがメむンで掻躍するお話、

    「あっずほヌむ幞せに続く道」は党四郚䜜

    の倧長線ですが、ご興味のある方はこちらから

    第䞀郚・第二郚、第䞉郚、第四郚

    ※芋出し画像は、生成で䜜成したものを加工しお䜿甚しおいたす。
    巊偎の県鏡男子が孝倪郎、右が翌のむメヌゞです。

    💖本日も最埌たで読んでくださり、ありがずうございたす(^-^)💖
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