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【短線小説・番倖線】続・ワラむバでの、ずある䞀日 ―庞平麗華線―

    前回のお話はこちらですが、本䜜だけでも楜しめたす玄4500字
    クスッず笑えお心が和む姉匟きょうだいのお話。

    庞平ようぞい

     埌茩の倧接おお぀から聞いたずきには、嘘を぀くな ず取り合わなかった。しかし、珟実は聞いたずおりだった。

    「人を嘘぀き呌ばわりしお  。謝っおもらいたいですね」

     倧接はふくれ面をしたが、正盎それどころではなかった。䞭幎である俺より四぀も䞊の姉貎がなぜ二十代に芋えるのか  。自分の目をこすったり頬を぀ねったりしおみたが、目の前の姉貎の容姿に倉化は芋られない。

    「孝倪郎、おたえが䜕かしたのか   䟋えば  おずぎ話の王子が姫にするようなこずずか  」

    「静かにしおくれ。間もなく歌が始たる」

     晩酌を楜しんでいた俺を衚に匕っ匵り出した同居人の孝倪郎は、その件に関しおは無関係だず蚀わんばかりの顔で姉貎を芋おいる。

    絶察、䜕かあっただろ  。この二人  。
     远及したかったが、その前に歌が始たる。

     歌手をしおいる姉貎の歌声は䞀幎ほど前に聎いたずきよりもずっず綺麗で、芋た目同様、声たでも若返ったようだった。それだけじゃない。䞡脇にいる男たちもたた昔芋たずきのたたの容姿に芋える。か぀おの仲間ずバンドを再結成した、ずいう話はうっすら聞いたが、これじゃあたるで時が巻き戻ったみたいだ。いったい䜕がどうなっおいるのか分からない。

    「はぁ  。やっぱり玠敵だなぁ、麗華れいかさん。拓海たくみさんも智節ずもあ぀さんもかっこいいし、ホント、惚れ惚れしちゃうなぁ」

     ずなりにいる、こちらも埌茩の春山詩乃はるやたしの今の姓は本郷ほんごうだが、俺は旧姓で呌ぶがうっずりした様子で蚀った。

    「なんでギタリストの名前知っおんだよ」

    「なんでっお  。実は私、高校生の時からのファンなんですよ。名前はその時聞いたんです。あぁ、昔ず倉わらない容姿でかっこいい   智節さんの声もすっごく玠敵で  。あ、歌うみたいですよ」

     春山は、隣に倫がいるにもかかわらず堂々ず蚀った。
    「おい、本郷。劻が浮氣しおるぞ  」

    「  しゃヌないっす。おれは歌えないし。でもね、先茩。ひずたびおれがマりンドに立っおバッタヌを䞉球䞉振に打ち取れば詩乃はむチコロですから。䜕も心配はしおないですよ」

    「  あ、そう」
     さすがは元プロ野球投手。蚀うこずが違う。

     ボヌカルが倉わり、今床は緑髪みどりがみの男が歌う。呚りで芋おいた女たちが急にざわめきだし、手拍子を打っお盛り䞊がり始める。春山もノリノリだ。

    た、いっか  。姉貎のや぀、楜しそうだし  。

     半幎前に䌚ったずきは、仕事の忙しさからか随分や぀れお芋え心配もしたが、この様子なら倧䞈倫そうだ。

     䞀通り歌い終わったのか、䌑憩に入った䞉人。ず、急に姉貎が俺の方を芋た。慌おお目を逞らすが間に合わなかった。「庞平ようぞいぃヌ」ず名前を呌ばれ、手招きたでされたらもう逃げられない。

    「  お前が俺を呌び出したんだからな。責任取れ」
     少ない人数ずはいえ、女の茪が出来おいるずころぞ䞀人で飛び蟌むのは勇氣がいる。おれは孝倪郎を道連れにするこずでなんずか姉貎の前に足を向けるこずが出来た。

    「  なんだよぉ。孝倪郎に甚があったんじゃねえの」

    「あたしはそうだったんだけど、仲間がね  。庞平に歌を聎かせたいっお蚀うもんだから」

    「  昔の、仲間だよな 随分若く芋えるけど」

    「色々あっおね、党員若返っちゃった。ちなみにあたしたち、䞉人で暮らしおるの。家はこの近く。やっぱいいよね、K垂は。土地は安いし、郜内ぞのアクセスもいいし」

    「  は 今、K垂で䞉人暮らししおる、っお蚀った どの蟺だよ」
     姉貎が蚀った町名を聞いた孝倪郎が腕を組む。

    「そこなら野䞊クンの家に近いな  」

    「げげっ   あの蟺か よりによっお埌茩の家の近くっお  」

    「ちょうど手頃な広さの物件があったんだもの」

    「で、そこで仲間ず暮らしおる、ず  」

    「そ。あんたずコりちゃんも近くに䜏んでるんでしょう い぀でも遊びに来おいいよ」

    「  いや。近かったずしおも遠慮しずくわヌ」
     口が裂けおも、目の前にそびえるマンションの最䞊階に䜏んでいるずは蚀えなかった。


    麗華

    「  たぁ、元気そうで安心したわ。新しいこず始めたっお、芪にも報告しおおくんだな。結局、幎末幎始は顔を芋せおないんだろ」

    「あヌ  」
     あたしは口ごもった。コりちゃんには「バンド䞀本に絞る」ず婉曲えんきょくに䌝えたが、事務所を蟞めたこずはただ庞平に話しおいない。たしおやずっず応揎しおくれた䞡芪にはどう話せば良いか、たたい぀話すのが良いかも決めおいない。その時コりちゃんが助け船を出しおくれる。

    「庞平、自分のこずを棚に䞊げおよくそんなこずが蚀えるな  。君は十幎以䞊も日本を離れ、その間かん連絡を絶っおいたのを忘れたのか」

    「あヌ  」
     今床は庞平が蚀葉を倱った。

    ありがずう、コりちゃん  。
     目を合わせ、心の䞭でお瀌を蚀うず圌は小さく頷いた。

     ――いい友だちを持ったな  。
     病で声をなくしおいる拓海が手話で蚀った。
     ――麗華がずっず氣に掛けおきた理由が、ようやっず分かったよ。

    「ホントにたっすぐで賢くおいい子なのよ、コりちゃんは。それに比べお匟の庞平ずきたら  」

    「  なんだよ」

     頭の出来の違いを指摘しおやろうかず思ったが拓海に止められる。その圌が「通蚳しお」ず蚀うので手の動きを読み取る。

    「  庞平くん、これから俺のこずは拓海兄さんず呌んでくれ。今、俺ず麗華は家族同然の付き合いをしおるから、庞平くんずも家族みたいなものだ  。っお蚀っおるんだけど」

    「  はい」
     庞平は、蚳が分からないず蚀いたげな目であたしず拓海を亀互に芋た。
    「兄さんっおいうけど、どう芋たっお今は俺の方が幎䞊  」

    「芋た目はそうかもしれねえが、実幎霢は麗華ず䞀緒だから  。だっおさ」

    「いやいや  。そんなこず蚀われおも脳みそが混乱するんですけどヌ」
     庞平が頭を抱える脇で智ずもくんずコりちゃんは笑っおいる。

    コりちゃん、前に䌚ったずきよりも曎に穏やかに笑うようになったなぁ  。それもこれも家族の  庞平のおかげなのかな  。

     ちょっずおバカな、いや、いく぀になっおも野球のこずしか頭にない匟だけど、庞平がいなければコりちゃんはずっくにこの䞖を去っおいたはず。コりちゃんが成功者ぞの道を歩み出した頃はしばらく距離を眮いおいたようだが、今になっお再䌚しお䞀緒にいるあたり、きっず芋えない糞で繋がっおいるのだろう。それはあたしず拓海、智くんも同じ。

    「こんな冗談を蚀い合えるパヌトナヌがいるなら毎日が楜しいでしょうね」
     蟌み䞊げる笑いを堪こらえるようにコりちゃんが蚀った。

    「あら、コりちゃんのそばにだっおおバカな庞平がいるじゃない。笑いじわが増えたずころを芋れば、どんな暮らしをしおるか想像に難くないわ」

    「お互い、いい人に巡り䌚えたしたね。おかげで本来の自分でいられる」

    「ええ  」
     
     幎末に久々の再䌚を果たしたずきは、瀟亀蟞什で「たた䌚いたい」ず告げた。けれど、今ならきっず心を蟌めお蚀える  。

    「コりちゃんさえ良ければたた䌚いたいな。家族同䌎でも良いし、もちろん個人的に䌚うのでも構わないわ」

    「そうですね。でしたら今床はゆっくり家族ず䞀緒に䌚いたいものです。そのずきにはぜひバンド結成の経緯を聞かせお䞋さい」

    「あ、それは俺も聞きたい だっお姉貎が音楜事務所に匕き抜かれたのが原因で解散したっお聞いおたのに、たた同じ顔ぶれで再結成っお意味わかんねえもん」

     再び䌚話に加わった庞平の前で「ちっちっ」ず人差し指を振っおみせる。
    「倧人の事情っおものがあるのよ  。倚分、庞平には䞀生分からないだろうなぁ」

    「あのなぁ。い぀も姉貎は俺のこず子ども扱いするけど、䞀䜓いく぀になったず  」

    「んヌ あたしが孊生時代の容姿だから、そろそろ高校卒業する頃」

    「確かに庞平の頭の䞭はあの頃から倉わっおいない氣がするな  」
     コりちゃんが冗談を蚀ったので圌の仲間がみな笑った。笑われた庞平だけが「  もういい」ず拗すねおいる。

    「たぁ、そういじけるな。僕ず麗華さんが䌚う時間を䜜っおくれたお瀌に、このあずうたい酒をご銳走しおやるから。開けずにずっおあるりィスキヌがあるんだ。特別な日に  ず思っおいたけど、考えおみたら君ずの暮らしは毎日が特別。だから、もったいぶらずに開けおしたおう」

     恥ずかしげもなく蚀っおのけるコりちゃんに、あたしを含め、今床はその堎にいた党員が唖然あぜんずした。
    「  あ、愛されおるんだねぇ、庞平。やっぱりあんたたちっおそういう、、、、関係  」

    「  孝倪郎は今みたいに俺を揶揄からかうのが生きがいらしい。もう慣れたっちゃあ慣れたけど、姉貎にだけはそういう目で芋られたくないなぁ  」

    「なぜ もう良いじゃないか、認めおしたっおも。君は僕のこずが奜す  」

    「ストップ、ストップヌ ずにかく 姉貎の前では、ぜっおぇヌに宣蚀しねえからなっ」
     コりちゃんが䞊手に庞平を手のひらで転がせるようになっおいるずころがたた面癜くお笑う。

    「うヌむ  。あたしもこのくらいの掛け合いが出来るようになりたいものだわ  。ラブラブな姿を芋せおくれおありがずう。ごちそうさたでした」

    「だから違うっ぀ヌの  」
     赀面する様子を芋る限りずおも揶揄からかわれ慣れおいるずは思えなかったが、昔から庞平には人を笑わせる才胜本人は笑われ圹のこずが倚い  があるず思っおいた。少なくずもこの堎にいる人は党員笑っおいる。それっおすごいこずだず思う。

    「コりちゃん。こんな匟だけど、これからも仲良くしおやっおね。よろしくお願いしたす」

    「いえ  。庞平に限らず、僕はい぀でも圌らに助けられっぱなしです。もちろん麗華さんにも。よろしく、ずいうのは僕の方です」

     お互いに頭を䞋げ、顔を芋合っおほほえむ。こんな颚に笑い合いたくお䞉十幎、歌手をやっおきたあたしは、今たさに自分のしおきたこずが報われた心地だった。

    「  それでは、さようなら、麗華さん。今日はこの蟺で倱瀌したす。たた折を芋お連絡したす」
     コりちゃんはそう蚀っお再び頭を䞋げた。

    「あたしたちも垰ろうかな。もう日付、倉わりそうだし。  いいよね」
     確認するず、仲間はこくんず頷いた。先に去りゆく圌らの背䞭を芋送っおいるず拓海がニコニコしながら手を動かす。

     ――麗華の匟、党然面倒くさくないじゃん。むしろ、からかい甲斐があっおかわいいくらいだ。氣に入ったよ。今床、個人的に飯でも誘おうかな。

    「え、匟くんは手話、分からないだろう 僕かレむちゃんを道連れにしようっお蚀うのか」

    「あたしはむダヌ」

     ――じゃあ智節で。

    「そうなるず思ったよ  。た、䞀回だけなら付き合っおもいいけど。  さお。僕らも急ごう」
     智くんの芖線のずっず向こうに譊察官の姿が芋えた。今日は道路䜿甚蚱可を受けおいないので提出を求められるずマズい。さっずギタヌを片付けたあたしたちは、急いで垰宅の途に぀いた。


    ※芋出し画像は、生成で䜜成したものを加工しお䜿甚しおいたす。

    ※※こちらの話に登堎する人物はすべお、過去䜜品既出です。ご興味がありたしたら、そちらも合わせお読んでいただけるず嬉しいです

    ✚珟圚連茉䞭の小説「愛の歌を君に」第䞀話、第二話最新はこちら

    「愛の歌を君に」第䞀郚・完結はこちら。


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