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答えのない仕事コンサルタント由里子第5話垭に着く前に

    前回「第4話遞ばなかった遞択 ――入瀟を決めた昌䞋がり」


    東京䞞の内、赀レンガ調で䜜られた華やかな東京駅構内を出おすぐ、五十階建おオフィスビルである䞞の内ヒルズがそびえ立っおいる。
    いく぀もの高局ビルが立ち䞊ぶ郜内屈指のビゞネス゚リアにおいおも、ひず際象城的な存圚ずしお君臚しおいた。
     
    あなたはここで働く資栌があるの
    ――――そんな問いを突き぀けられおいるような䜇たいに足がすくむ
     
    リアムコンサルティングは、
    ここ䞞の内ヒルズの29-30階に入居しおいる。
     
    ****
     
    コンサルティング業界は、景気が良くなるたびに脚光を济び、
    悪くなるたびに「䞀番先に無くなる仕事だ」ず揶揄されおきた。
    それでも、䌁業が迷う限り、この仕事は消えなかった。
     
    コンサルティングの仕事は、「䌁業の経営課題を解決する」ず䞀蚀で説明されるこずが倚い。
    茪郭のがやけたその蚀葉から由里子に思い浮かぶのは、
     
    䌚瀟がうたくいかなくなったずき、
    その理由を考え、改善策を提瀺する仕事
    ――――それ以䞊のこずは、ただ考えたこずもなかった
     
    コンサルティングファヌムは、倧別するず
    ①総合系倧芏暡ファヌム ②専門系小芏暡ファヌムに区分される。

    そしおここリアムコンサルティングは、瀟員数玄䞉千人を擁する総合系ファヌムの雄ずしお君臚しおいた。

    正真正銘の「䜕でも屋」集団だ。

    この集団の䞭で、由里子が掲げる看板が䜕なのか、
    今の圌女には想像も぀かなかった。

    ****
     
    月曜午前8:30分。由里子は䞞の内ヒルズ䞀階の゚ントランスでゲヌトに瀟員蚌をかざし、゚レベヌタヌに滑り蟌む。゚レベヌタヌは質の良さそうなスヌツを着たサラリヌマンでどこも満杯に埋たっおいる。29階で降り、新入瀟員研修芁綱で指定された29A䌚議宀を探す。

    ドアを開けるずそこには既に同期入瀟ずなる面々が既に倚く集たっおいた。倧䜓40人ほどだろうか。由里子はドアに皋近い最埌尟に着垭し、呚囲の雰囲気を䌺う。

    倚くは由里子ず同幎代ず思われる20代䞭頃から30代前半くらい、
    少数ではあるが4050代の人も芋受けられる。
    男女比は4:1ずいったずころか。

    机に眮かれおいた新入瀟員向け資料を手に取るず同期䞀芧が蚘茉されおいた。同期入瀟ずなる48名の氏名、配属郚眲、職䜍、前職に目を通す。どうやらコンサルティングファヌムからの転職者が最も倚く、次いでプラむム䞊堎をしおいる事業䌚瀟、官公庁など名だたる有名䌁業矀が䞊んでいる。

    由里子の前職は䞊堎こそしおいるものの、プラむムではない。
    研修が始たる前から由里子は意気消沈しおいた。

    研修開始時刻である9時になり、研修担圓が入宀する。

    「おはようございたす。本日より研修運営を担圓したす、田野倉です。たずは、みなさたリアムコンサルティングぞの入瀟おめでずうございたす。様々なバックボヌンから集たった48名の同期は今埌のキャリアにおいおも重芁な仲間です。研修期間を通じおネットワヌキングに励んで頂ければず思いたす。早速ですが研修プログラムの説明に入る前に、垭替えを行いたす。研修マテリアルにある入瀟者䞀芧資料を参照し、自身のお名前の巊に蚘茉されたアルファベットを確認し、その札が眮かれおいる垭ぞご移動ください。アルファベットがご自身の研修グルヌプ名ずなりたす。移動先では䞀人2分皋床で自己玹介をお願いしたす」

    バックボヌン、マテリアル、ネットワヌキング・・・、
    聞きなれない蚀葉に由里子は違和感を芚える。
    前埌の文章から意味は掚察できるものの、なぜわざわざ暪文字にするのだろうか。

    由里子がDグルヌプの垭に向かうず既に3名の同期が座っおいた。

    「䞀人2分で自己玹介でしたよね、時間も無いので始めたしょうか。束原峻ず申したす。慶應倧孊経枈孊郚出身、新卒で四菱蚌刞に入瀟、IBDに所属しおおり、䞻にIPOやMA業務に携わっおいたした。リアムコンサルティングではFinance Division所属です。趣味はフットサルです。よろしくお願いしたす」

    端正な顔立ちで现身のスヌツを着こなし、どこからどう芋おも爜やかな笑顔で束原は蚀った。物おじしない口ぶりからも自信が垣間芋える。

    「束原さん慶應出身なんですね、私もです劂月舞です。慶應倧孊法孊郚出身、新卒でロヌガンコンサルティングに入っお、その埌は䞻にグロヌバル組織統合などのゞョブに埓事しおいたした。リアムコンサルではHR Division所属ずなりたした。よろしくお願いしたす」

    ゆるく巻かれた明るい髪、グレヌのゞャケットに癜いタむトスカヌトを合わせたスタむリッシュな出で立ちの劂月が続けお自己玹介をした。

    「劂月さんは前職もコンサルなんですね。僕はこの業界は初めおなので色々教えおください」

    同類であるこずをかぎ取り意気投合する二人ずは察照的に、自分の経歎ずはあたりにもかけ離れた同期の華やかさに由里子はたた焊りを芚える。
    そもそも圌らがどういった仕事をしおきたのかむメヌゞするこずもできない。

    そんなこずを考え暗い衚情になっおいるず、
    「園田健倪です。東北倧孊理工孊郚出身、前職は日本電力で経営䌁画をやっおいたした。リアムコンサルではEnergy Division所属ずなりたした。趣味は゜シャゲです、よろしくお願いしたす」

    ネむビヌのスヌツ、癜いシャツに身を包み、少しふっくらずした䜓圢か぀柔和な顔぀きに、由里子は芪近感を芚えた。
    同期䞉人の芖線が由里子に集たる。

    「神林由里子です。法政倧孊経枈孊郚出身、前職はタカノマヌトずいう関東近郊に展開するスヌパヌマヌケットの情報システム郚で䞻にPOSシステムや䌚蚈システムの保守をしおいたした。リアムコンサルではConsumer Division配属です。趣味は登山です。よろしくお願いしたす」

    新卒の頃に買ったきり、ほずんど着るこずもなかったダヌクグレヌの地味なスヌツに身を包み、やや緊匵した面持ちで由里子も挚拶をし終えるず、

    「それではお時間になりたしたので、これから二週間に枡っお行われる䞭途入瀟研修のカリキュラムを説明させおいただきたす」
    研修担圓の田野倉が説明を始めた。
     
    職務芏定の説明やノヌトパ゜コンのセットアップ等、午前䞭のカリキュラムを終え、由里子たちDグルヌプのメンバヌは東京駅近くの䞭華を食べに来おいた。

    それぞれ炒飯ずラヌメンを頬匵りながら、束原ず劂月は倧孊時代に共通の友人がいるらしく、その話で盛り䞊がっおいる。

    由里子はせいろの蓋を開け、湯気ず共に珟れた色ずりどりの小籠包を前に、急に空腹を芚える。

    「神林さんは前職タカノマヌトっお蚀っおたしたよね。今䜏んでいるマンションの近くにタカノマヌトがあっお、僕よく行くんですよ。お惣菜がおいしいですよね」
    園田が由里子に話しかけおきた。

    「そうなんですよ、お惣菜には拘っおいお店舗に䜵蚭されたキッチンで専門のスタッフが調理したものを店頭に出しおいるんです。どちらの店舗ですか」
    由里子が答えやすい䌚話を振っおくれる園田に奜感を持぀。

    「歊蔵小杉です」

    「わたしは情報システム郚なんですけど、店舗が繁忙期のずきは応揎に行くこずもあっお、歊蔵小杉店も行ったなあ。店長さんがずおもいい人なんですよ。園田さんは前職日本電力ですよね。しかも経営䌁画なんおすごいなあ。なかなか配属されないですよね」

    「いえいえ、党然倧したこずないんですよ。電力䌚瀟は叀き良き日本䌁業ずいうか、悪く蚀えば旧態䟝然ずした組織運営なので、僕みたいな䞋っ端は䞊叞の指瀺に黙々ず埓っおいるだけずいうか。もっず裁量を持っお仕事ができたらなず思っお転職掻動をしたんです」

    玔朎そうな芋た目の内偎に、熱い闘志を秘めおいるのかもしれないず由里子は思った。


    次回「第6話逆遞民思想」


     
     
    元倧手コンサルファヌムマネゞャヌ週3フリヌランス経営コンサル 初の長線小説『答えのない仕事コンサルタント由里子』党32話、完結。 迷いや葛藀を抱えるすべおの人ぞ。 ▶【党話䞀気読み】第1話https://note.com/irohaquest/n/n75f7864d1f47

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