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Photo byms_kohn

適応障害で休職。人生が終わったと思ったけれど、そうでもなかった話。

    休職が決まった日、人事の前で泣き崩れたのを今でも昨日のことのように覚えている。

    言葉にならず、嗚咽が止まらなかった。

    「もう終わりだ」と思った。

    キャリアも。
    これまで積み上げてきたものも。
    お金も。

    全部失うと思った。

    でも、人事の方は優しく淡々と言った。

    「大丈夫。まず、安心して休んでもらえるための手当があります。」

    「今は信じられないと思うけど、ちゃんと休んだら皆さん復職されてるよ。」

    「どんなに落ち込んでいた方も、後から振り返ると『あの時は本当に先が見えなかったですね』って笑って話されてるよ。」と。

    会社のデスクに座っただけで涙が溢れる程壊れた私にとって、復職なんて想像もできない話だった。

    でも休職して1ヶ月が過ぎた今、あの言葉は本当だったなと思う。

    人生は終わらなかった。

    むしろ、休職したからこそ見えたものがあった。

    復職する人も、転職する人も、働かない人もいる。
    きっと皆さん、それぞれの形で人生を取り戻していくのだと思う。


    私が壊れた理由

    私は仕事が嫌いだったわけじゃない。
    むしろ好きだったんじゃないかと思う。

    満を持して配属された、ずっと希望していた部署。

    海外との仕事も増えた。
    もっと成果を出したかった。
    もっと挑戦したかった。

    でも育児中の私には、時間の制約があった。

    海外との時差の関係で重要な会議に出られない。
    海外出張にも行けない。

    本当はできるはずなのに。
    本当はもっと成果を出せるのに。


    その悔しさがずっとあった。

    一方で、家庭では2歳と4歳。

    たくさん一緒に時間を過ごしたい、
    子どもたちにとっても、私にとっても、すごく大切な時期だった。

    新年度。
    長男は幼稚園のクラスが変わった。

    毎朝、「幼稚園行きたくない。ママといる。」と泣きじゃくる長男。

    それでも園に連れていき、先生に無理やり引き剥がされながら連れて行かれる長男。

    本当はもっと寄り添いたかった。

    朝は早く送り、夕方は暗くなってからお迎え。
    通勤時間もあり、時短勤務を使っても延長保育は避けられなかった。

    仕事では「もっとできるのに」。
    育児では「もっと寄り添いたいのに」。

    どっちも大切なのに、
    どっちも大切にできていない。


    心はどんどん削られていった。

    気づけば、
    何もないのに涙が出る。
    通勤電車で泣く。
    何も考えられない。

    そんな日が1年近く続いた。

    今日明日仕事に行くことができない状態になって、すがる思いで病院を受診した。
    「適応障害」と診断された。


    休職して失ったもの

    一番大きかったのはお金だ。

    でも、実際に家計を見直してみると、
    思っていたほど状況は悪くなかった。

    これまで積み立ててきた投資信託や預金があった。

    最悪、仕事を辞めても生活は回る。

    「働かなければならない」という強迫観念から少し解放された。

    がむしゃらに働いて資産を積み上げてきた過去の自分と、家計を支えてくれる夫には感謝しかない。

    ただ、お金とともにすごく怖かったのは、
    「働いていない自分に価値はあるのか」だった。

    それなりにキャリアを積んできた。
    仕事は私のアイデンティティでもあった。

    だから仕事を失ったら、自分の価値までなくなる気がしていた。


    休職して取り戻したもの

    休職してから、子どもたちの送迎で急かすことがなくなった。

    親の余裕が子どもにも伝わったのか、
    そこまで早くお迎えに行ってない日も、
    「ママ、今日はもっと遅くてもよかったのに」
    「まだ遊びたかった」

    と言われて拍子抜けした。

    子どもは、安心できれば前を向いて自立していくんだなと改めて感じたことだった。

    降園後は毎日公園に行った。
    毎日網に登る長男をひたすら眺めた。
    すごく幸せだった。

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    ダンゴムシを観察する子どもたちと、
    帰りに図書館でダンゴムシの本を借りに行った。学びが楽しかった。

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    幼稚園の習い事も見に行けるようになった。
    かけっこが得意なこと。
    縄跳びは上手くできなくても何度も挑戦すること。
    鉄棒はやりたいけど、怖くて挑戦できないこと。

    前は見えていなった子どもの世界が、解像度高く見えるようになった。

    そうしているうちに、自分自身の心に少し余白が戻った。


    休職して気づいたこと

    私はずっとキャリアを止めてはいけないと思ってた。

    仕事も育児も両立できるかっこいいワーママでいなければと思っていた。

    一度立ち止まったら終わり。
    キャリアには戻れない。
    そう信じて疑わなかった。

    でも、心が壊れたら意味がない。

    思考停止して前に進み続ける方が、むしろ危険だ。
    休職は逃げでも、絶望でもなく、人生を再構築するタイミングがきただけ。


    さいごに

    正直、まだ先のことは分からない。

    復職するかもしれないし、
    違う働き方を選ぶかもしれない。

    休職したからこそ、将来の不安が増した部分もあるかもしれない。

    でも、あのまま無理を続けていたら、大切なものを失っていたと思う。

    立ち止まることができてよかったと思う。

    適応障害になってよかったとは思わないけれど、立ち止まれてよかったと思う。

    人生には走る時期もある。
    休む時期もある。
    遠回りする時期もある。

    どんな時も、自分を壊してまで頑張らなくていい。

    自分の価値は、成果や肩書きで決まらない。

    働いてるかどうかでも決まらない。

    もし今、仕事と育児の間で苦しんでいる人がいたら。
    もし今、休職を考える程追い詰められている人がいたら。

    大丈夫とは簡単に言えないけれど、
    少なくとも私は、休職しても人生は終わらなかったことを伝えたい。

    これからも、
    働き方や休職中のこと、子育てのことnoteにまとめていきます。


     
     
    海外駐在、ベンチャー、JTC勤務を経て休職中。 「子どもの幸せ」と「社会で必要な力」は、どこで重なるだろう。 そんなことを考えながら、 子育てと働き方の日常を綴っています。

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