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鹿島建設(1812)、経常増益なのになぜ年初来安値?

    ✅ 鹿島建設が経常利益+14.4%の好決算を出しながら年初来安値4,868円をつけた理由
    ✅ 政府が閣議決定した20兆円強「国土強靱化」計画とゼネコン株の逆行安がなぜ両立するのか
    ✅ 大林組・大成建設・清水建設・太平洋セメントもそろって逆行安となった業界共通の背景
    ✅ RSI26.77という売られすぎ水準から見える短期反発と中長期予算執行のせめぎ合い

    鹿島建設は好決算でも売られました。国策の追い風とコスト圧力のねじれを整理します。

    好決算でも4営業日で6.7%下落

    鹿島建設(1812)は2026年8月10日、年初来安値となる4,868円をつけました。8月5日の決算発表で経常利益が前年比+14.4%と好調な内容を示したにもかかわらず、そこから4営業日でおよそ6.7%下落したことになります。

    この日の日経平均株価は前日比+2.08%と大幅高で推移しており、市場全体が買われる中での逆行安という点が目を引きます。同業の大林組(1802)、大成建設(1801)、清水建設(1803)、そしてセメント大手の太平洋セメント(5233)も、そろって好決算を発表しながら本日は軒並み逆行安となりました。ゼネコン・建材セクター全体に共通する売り圧力があったとみられます。

    20兆円強の「国土強靱化」計画という追い風

    背景には政府の大型インフラ投資計画があります。政府は2025年6月6日、事業規模20兆円強の「第1次国土強靱化実施中期計画」を閣議決定しました。2026年度から2030年度までの5年間、過去最大規模のインフラ投資が始動しています。

    内訳を見ると、ライフライン強靱化に約10.6兆円、防災インフラの整備・管理に約5.8兆円が充てられる計画です。2026年度単年度の公共事業関係費も、補正予算と合わせて約8.6兆円規模にのぼります。ゼネコン各社にとって中長期の受注環境は明確な追い風のはずなんですよね。

    コスト圧力との綱引き

    それでも株価が売られる理由は、資材高というもう一つの現実にあります。建設コストは2021年1月比で25%から29%上昇しており、国策による需要拡大が、そのままゼネコン各社の利益に直結するとは限らない構造になっています。予算がついても、資材費と人件費の上昇分を吸収しきれなければ利益率は伸び悩みます。この点は特に警戒が必要だと感じています。

    なお、この日は米国の7月雇用統計が市場予想を大幅に下回り、FRBの早期利上げ観測が後退したことを受けて半導体・AI関連株が主導する形で日経平均が大幅反発した一日でもありました。マクロ環境の追い風が及ばなかった点も、ゼネコン株の逆行安を際立たせた一因といえそうです。

    テクニカル面では、鹿島建設のRSI(相対力指数)は26.77と売られすぎ水準まで低下しています。短期的な自律反発の可能性がある一方、中長期では20兆円規模の予算執行スピードとコスト圧力のバランスが焦点になりそうです。


    私の気づき・注目ポイント

    今回の動きで私が特に注目しているのは、「国策の追い風」と「株価の反応」が必ずしも一致しない点です。20兆円強の国土強靱化計画は建設セクターにとって間違いなくポジティブな材料ですが、市場はすでにその期待をある程度織り込んだ上で、資材高という現在進行形のコスト圧力をより強く意識しているように見えます。

    投資家目線で見ると、今後注目すべきは受注額そのものよりも、各社が資材高分をどこまで価格転嫁できているかという利益率の推移だと考えています。RSIが売られすぎ水準にある今、短期反発と中長期の構造要因を分けて見極める必要がありそうです。


    ※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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