
心血
ことばというもの
それはときに刃物といわれます
ことばは刃物であります
ひとのきもちを切れるものです
ひとのこころに刺せるものです
だからわたしは話せぬのです
だからわたしは話さぬのです
あなたのきもちを切らぬように
あなたのこころに刺さぬように
ですがひとは
話さなければ生きてはゆかれません
ですからひとはことばで話します
ひとのこころで切り合います
そのたびにわたしは
切られるような心持ちになります
うすっぺらい胸から
また、びしゃと鮮血が舞います
それはあかくぐぁららん燃え
それはきいろくぴきしゃれり閃き
それはあおくごうだりや渦巻き
それはどすぐろくでろらるる巣食います
こころから鮮血がながれてゆきます
やさしいひとのこころの皮は
かゆくても掻けないほど脆いのです
ことばひとつで、血がそらまで吹き出るほどに
ことばというもの
それはやはり刃物であります