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書き出し祭り:作品推敲の10項目のメモ

    はじめに

    皆さん、こんにちは。智子です。書き出し祭りの原稿を書き上げました。達成感が著しいものです。

    数日経った後にそれらを読み返し、推敲を重ねることが大事であり、メモとして記事を残します。

    作品の作者発表が行われた際には、それらの推敲の過程も別の記事で残していくつもりです。

    推敲の段階となった参加者の皆さんと、この祭りを楽しむための要素としてこの記事を公開しています。

    推敲にあたり、次の書籍を参考にしています。

    書き出しを構成する要素
     書き出しには、つぎにあげる柱となる十個の構成要素があります。
    (1)きっかけとなる出来事
    (2)核心の問題
    (3)最初の表層の問題
    (4)設定
    (5)バックストーリー
    (6)心を捉える最初の一文
    (7)ことばづかい
    (8)登場人物
    (9)舞台背景
    (10)伏線

    「書き出し」で釣りあげろP42-43

    推敲にあたって

    10項目を満たしているかを考えながら、推敲を施していきます。

    過去の記事と一部重複します。

    項目が10個の内、最も重要とされる要素は1から4です。
    残り5から10は「場合によっては排除される」要素として案内があります。よって、1から4は必ず満たしたもので構成するように意識しました。次が10項目についてのメモです。

    最優先するべき4つの要素

    1:あなたの書き出しはきっかけとなる出来事から始まっていますか?

    このきっかけとなる出来事というのは、複数の要素を絡めています。

    主人公が解決するべき「核心の問題」を予感させるものであり、物語上の「最初の表層の問題」につながるものであることを求められます。

    そういった書き出しを描くことで、読者はその作品への「空気とムード及び展開への期待」が担保されるでしょう。

    とりとめのない日常の描写から始まったりしていませんか? そこがどの世界で、どこに居て、どんな危険が伴うのか。それらの説明に終始していませんか? トラブルやシーンから、追いつくように情報が付与されていくようなスピード感を意識したいです。

    2:あなたの書き出しは核心の問題に触れていますか?

     核心の問題については、別の記事でも触れました。引用します。

    「核心の問題」とは「内的な問題」です。
    「最初の表層の問題」(10の構成要素の1つですね)とは「外的な問題」です。
    入れ替えただけではピンとこないでしょうから。もう少し言葉を書き出します。
    「核心の問題」=「内的な問題」=「作品を通して解決されるべき目に見えづらい精神的な問題」
    「最初の表層の問題」=「外的な問題」=「作品を通して解決される目に見える物理的な問題」

    書き出し祭り:作成の手引き

    私やあなたは書き出し祭りのために最適と考えられるトラブルを描写したでしょう。

     魅力的なヒロインやヒーローとの出会い

     探偵事務所に持ち込まれる高額報酬の依頼

     顔を見るのもうんざりな恋人との別れ

     大切な人との死別

    いろんなトラブルを皆さんそれぞれご用意したことでしょう。これらのイベントはすべて「物語の発生」を象徴するトラブルです。

    これらのトラブルが展開した時に「主人公自身が解決するべき精神的な課題」、「核心の問題」を予感させていますか?

    それは明らかなものでなくてもいいです。どうして、そのトラブルが発生したのか。そのトラブルの解決に向けた時、主人公にはどのような成長が予感できるのでしょうか。それは今後のストーリーへの期待になるでしょう。

     魅力的なヒロインやヒーローとの出会いについて

    主人公は恋や愛、報われないものや、献身、凝り固まったモラルや性規範との葛藤。相手を魅力に感じた理由や、その先にある期待や周囲の抑圧など「恋」ということにまつわる多くの物事は様々な試練を与えます。

    その先にあるであろう「見返りなき献身」という姿勢を主人公は獲得できるのか。それこそが「愛の一つの形」であると主人公は気づくでしょうか。アクセサリーの様に伴侶を連れ回す心は何かの弱みとなるのかもしれません。人はなぜを恋をするのか。それに真摯に切り込むことができるでしょう。

     探偵事務所に持ち込まれる高額報酬について

     意図的に示された高額報酬は主人公を危険なトラブルへ誘引する一つの要素でしょうか。どうして「俺、私、あたし、僕」なのか。と言った形で巻き込まれる「金を理由」としたトラブルへの介入は主人公が「金に困っている」というバックボーンを示すでしょう。誰でも良かったなのか。「あなただから」という理由で引っ張られているかもしれません。

    それらの事件に取り組むことで、彼ないし彼女の過去に精算しなかった課題との向き合いが求められることは物語の常道とも言えるでしょう。

     顔を見るのもうんざりな恋人との別れについて

    関係性の破局というシーンから始まることは、新たな再生をイメージする物語です。しかしそれは「破局」したという部分だけでなく、破壊されたものは再生される。といった期待があります。

    それも破局の理由如何でしょうが……

    この破局をとおして、主人公が内面を見つめるシーンから始めるというのは至極ありがちですが。効果的です。振られたないし袖にする等の「アクション」自体がトラブルとして魅力的ですね。

     大切な人との死別について

    2022年現在、人々はまだ個々人の死を克服していません。それを克服する方法としては「命をつなぐ」といった非常に原始的な方法でしか、乗り越えられていません。

    しかしながら、私達、人間というのはオスメスの番だけで生きてるわけではなくて、友情や地域コミュニティとのつながりなど、セックス以外の関わりの方が当たり前のようにありふれています。

    たくさんの人とつながればつながるほど、慶事も弔事も舞い込みます。慶事の方が多くなるように人々は幸せを求めていきます。

    私達に約束されていることが「必ず死ぬ」ことです。

    この約束が覆される技術的な革新が起きるまでこのテーマは普遍です。

    そのテーマに斬りかかる上でとても大事なトラブルと言えるでしょう。物語でショッキングな死や唐突な暴力などで、読者を引き付けることも効果的でしょう。しかし、そのシーン自体が「核心の問題」に触れていくような「有機的な関連性」を期待したいですね。

    上記は例として考えました。皆さんご自身の「書き出し」を読み返しながら、主人公が今後どのようなトラブルを解決し、どのような成長をし、どのような気付きを得ていくのか。それらを予感させるような「思わせぶり」な描写をご用意できましたか?

    それは「私達にしかわからない」塩梅になってしまっていませんか?

    3:あなたの書き出しは「最初の表層の問題」に触れていますか?


    目に見えて分かるようなトラブルや、喫緊のスリル等です。

    それは物質的なトラブルです。

    突如現れる襲撃者、村を焼き始める盗賊、恋人によりつく不届きな輩、奴隷として売り飛ばされた主人公、元のコミュニティを追い出された孤独な旅人、危険な異世界で生き延びる等です。

    現代の地球を舞台にするならば、仕事の転職や、進学等も変化を予感させるものです。今まで安定していた生活や、世界を破壊するような問題は最適でしょう。

    物語の表面上の目的といったような課題をぶら下げているならばそれは成功です。

    私達の作品の「次のページをめくる動機」となるような問題や課題を示していますか。それは一般的には引きと呼ばれるものです。そして、その最初の表層の課題は遠因的に「核心の問題」にタッチしていることが望ましい(と私は考えています)です。

    4:あなたの書き出しは「次の場面を読みたくなるための設定」を描写していますか?

    これらは「設定を開示する」というだけではなく、それらの設定に期待される物語の形式(テンプレート)の力を活用することも十分な方法です。

    最初の表層の問題を読み解く上でわかりやすい感じ方は「ジャンル」としての指定のイメージです。探偵が登場したならば、それは「ミステリー」を期待するでしょう。冒頭に死体が転がっていればそれは「事件を解決してくれるのだろう」と私達は予想します。

    無情にもトラックで跳ね飛ばされ、異世界に転生するといった「様式美」的な要素から開始したなら「異世界転生」としての期待感や、物語のジャンルへの探りが始まるでしょう。

    この時に大事なことは「設定を詳細に描く必要はない」ということです。その設定に期待されるであろう感情や、物語のテーマ等の情報量を高めることはざっくり諦めましょう。私は諦めました。

    多分その方法は「物語を楽しめるかどうか」という読者の判断材料にはさして重要ではないからです。

    重要な設定やバックボーンは「おいおい出せばよいし、それは物語の中で飛び出す」ものです。

    書き出しにおいて、優先すべき設定は「シンプル」かつ「次のシーンにつながるための設定」でしょうか。

    作品の魅力を伝えようと「設定の開示」に躍起になっていないでしょうか。この点は推敲を重ねる中で非常に苦しい選択でした。

    特別な設定を挿入するにしても、それは一つか二つにとどめることが大事です(いや、それが難しいんですよね)。

    二次的な構成要素


    「最優先するほど」ではないと案内がされている要素です。実際書き出し祭りは4000文字という縛りがある中でのコンテストであるため、以下の要素をすべて盛り込もうとするとオーバーになります。

    それらの要素が必要かどうかは自作の「期待する読後感やムード」等との兼ね合いがあるものと考えます。

    5:限られた文字数の中でバックストーリーの描写に偏っていませんか?

    書き手である私は多くの心配をします。

    主人公やその周囲の人物の描写や、その行動の理由を読者は理解してくれるだろうか。

    理解できるように文章を用意できているか。もっと説明を割くべきではないか。

    そのバックストーリーは物語の全体を表現する上で重要な要素であることは間違いありません。

    しかし、そのバックストーリーの開示は「書き出し」という4000文字の中で効果的に発揮できるかをチェックするべきです。

    私やあなたが多くの説明をしなくとも、読者はそれを汲み取り、感じ取った上で補完しながら読み始めていくはずです。

    文章量が多く、苦労しているならばこの「バックストーリー」に係る部分を精査するべきでしょう。

    6:心を捉える最初の一文について

    個人的にはここの部分は最も重要な要素だと考えています。

    その一文は難しい言葉を使わずともよいのです。

    この一文目は「全体のムード」を示す事ができる最初の文章です。その文章が三人称であるのか、一人称であるのか。主観的なのか俯瞰的なのか。

    それは「トラブル」を感じさせるシーンを描けているでしょうか。

    それは「誰が主人公であり、誰のための物語なのか」を印象付けるものであるべきだ。と私は考えました。

    そして、作品全体の約束とも言えるような一文にしたいです。

    会話文から始めることは推奨しない。と明言されてもいます。それは次の文章を読み込む時に、前後関係を読み直す必要があるからです。

    読者の視線が行ったり来たりするような、不自然な一文は控えるべきかもしれません。

    私は苦悩しました……推敲に苦労する要素です。

    7:「ことばづかい」について

    形容詞や副詞のような文言の多様は避け、動詞による言い切りを勧められています。

    しかしながら、こればかりは人それぞれ描きたい文章や文体に差があり、動詞による言い切りという単調な文章を好まない人もいると考えます。あくまでも「誰が発言しているのか」といったようなシンプルな情報が分かるように描写を重ねることが大事であると捉えました。

    これらについては、表現したい作品や想定する読者ターゲットを意識して、文章を見直す程度でしょうか。

    ここで、私が自身の小説のターゲットを明言することはコンテストの公平性を欠くため控えます。

    8:書き出しにおいて、登場人物は描写されていますか?


    多くの小説には「登場人物」(もちろんこれは動物の場合もあります)がいます。その人物を巡る成長であったり、苦悩であったりが描写されていくものです。

    その作品の「主人公は誰か」といった部分や「どのように作品を楽しんでいくべきか」といったように読者はある程度類推しながら、物語の楽しみ方を探っていきます。

    その探りながら読んでいる読者のために「誰が主人公であるのか」「誰が敵対者であるのか」「どのような危険が設置されているのか」といったような一見シンプルな対立を表現できているか。チェックしましょう。

    そして、その表現は「説明的になっていないか」もあわせてチェックしましょう。

    9:舞台背景は簡潔に表現できていますか?


    私やあなたが描く小説の世界観や舞台の背景というのは、今後の展開(主人公の苦悩や葛藤、試練を乗り越えるような物語)を行う上で非常に重要であることは理解していますし、その詳細を省くことは大きな勇気がいります。

    しかしながら、その舞台背景の描写は4000文字の中にすべて収めることは現実的ではありません。

    あくまでもそれらの説明に割くことはなく、冒頭のトラブルを補完する程度の情報量に収めることを意識しました。

    今後それらを連載するや公簿に出すための本文において、披露するべきものです。

    私やあなたの本を読むかどうか決めるための「プレゼン」としての書き出しからは排除することが好ましいでしょう。

    10:伏線を設置している場合、それは効果的ですか?


    この構成要素を考える時に4000文字の中で伏線まで張り込むのは現実的ではないかと考えます。無理に入れようとしたらそれはそれで文字数がかさみます。さらには浮いてしまうように考えています。そして、その伏線自体が効果を発揮するのも4000文字を超えた先の話になります。

    おそらくですが、多くの人がこの要素を排除することになるとは思います。しかし、それをどうにかして挿入することは「スリルを予感させる」等のように「読者の引き」につながる要素であろうかと思います。

    そして、書き出しの中で見るにそれらの「露骨なまで」の伏線を準備することは、物語への期待とも言える要素です。

    この露骨なまでの伏線というのは、ストーリーを予測させ、感情をイメージさせる効果があると考えています。

    終わりに


    現状、私は上記の点を意識しながら本文についての推敲を重ねています。

    10の項目を補完する形であらすじやタイトルの作成等を考えています。しかし、まだそこまで手が回っていないところです。

    余裕があれば、タイトルやあらすじの作成に関しての手引まで検討してみます。

    これらは参考書籍を持たない中でのことになるので、さぐりさぐりとなります。

    皆さん、書き出し祭りの原稿は準備しましたか?

    私と一緒に推敲で苦しみましょう!

     
     
     

    智子

     
     
    小説家になろうと色々としています。 読んだ本のことを忘れぬように色々な本に関する記事を書きます。

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