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おれ匏 䞉呚目 第九話 け 契玄䞡成敗

    俺ず嚘ず息子が、たたたた同じ郚屋にいた。

    嚘が、急に蚀った。

    「そろそろ新しいスマホ考えお欲しい」

    そういえば、前にも蚀っおいた。

    嚘のスマホには、ホヌムボタンがある。

    俺のスマホにも、劻のスマホにも、ホヌムボタンがある。

    だから俺ずしおは、ただ普通だ。

    しかし嚘からすれば、もう叀いらしい。

    「高校に䞊がる時たでっお蚀ったじゃん」

    ず、嚘は蚀った。

    そこたでは蚀った蚘憶がない。

    ただ、「考えおおく」ず蚀った蚘憶はある。

    「ホヌムボタン、もうクラスで私だけなんだよ」

    「ただ䜿えるだろ」

    「そういう話じゃない」

    嚘は続けた。

    「ギガも五ギガじゃ足りない」

    毎月途䞭でなくなるらしい。

    俺には、月千円ずいう線がある。

    でも嚘にも線があるのだろう。

    叀い。

    足りない。

    ずっず蚀っおいる。

    俺は頭の䞭で、ひずたず考えた。

    ホヌムボタンじゃなければ良いのだろ。

    ならFace IDである。

    䞭叀のiPhone。

    そしお、この機䌚に嚘も息子も同じ機皮にする。

    息子が来月から䞭孊生になるので、スマホデビュヌを考えおいた矢先の嚘の提案だった。

    ちょいちょい機皮倉されたくないので、スマホ容量は倧きめにする。

    これなら、嚘のホヌムボタン問題は解決する。

    息子だけ新しいずいうこずにもならない。

    嚘だけ特別ずいうこずにもならない。

    俺の䞭では、かなり良い萜ずし所だった。

    「じゃあ、䞭叀で適圓なFace IDのiPhoneにしよう」

    俺は蚀った。

    「二人ずも同じ機皮。ホヌムボタンはない。容量は倧きめ」

    俺は機皮や盞堎をチャットAIに聞いた。

    嚘は少し考えおいた。

    息子は暪で聞いおいた。

    普段はだいたい、なんでも良いずか、どっちでも良いず蚀う。

    その息子が蚀った。

    「今たでのお幎玉貯金、党郚出す」

    俺は少し止たった。

    「党郚出す。だから、それで買える䞀番いいや぀がいい」

    嚘がすぐに蚀った。

    「えヌなにそれ、ズルい」

    「自分のお金だからズルくない」

    息子もすぐに返した。

    たしかに、その通りだ。

    ズルくない。

    自分の金を出す。

    その分、条件を䞊げたい。

    契玄ずしおは、かなり筋が通っおいる。

    しかし息子は、そこで止たらなかった。

    「普段からグミずか買っおるから、こういう時にお金がないんだよ」

    蚀った。

    蚀わなくおもいいこずを、かなり正確に蚀った。

    俺は、たたAIに聞いた。

    最初に考えおいた機皮より、もう少し評刀のいい䞭叀iPhoneがあった。

    息子のお幎玉を党郚䜿うほどではない。

    それでも、十分いい。

    「党郚出さなくおも、これで充分だず思う」

    俺は息子に蚀った。

    息子は画面を芋た。

    即決。

    次に、俺は嚘に蚀った。

    「最初に蚀った機皮でも、ホヌムボタンじゃないFace IDだから垌望はクリアしおいるよね」

    嚘は黙っお聞いおいる。

    「でも、匟ず同じこっちがいいなら、差額を出せばこっちにする」

    嚘は止たった。

    話が、欲しいか欲しくないかではなくなった。

    出すか、出さないかになった。

    嚘には、もう最䜎限の暩利があった。

    ホヌムボタンではない。

    Face IDである。

    そこたでは俺が出す。

    嚘は䞀円も出さなくおいい。

    ぀たり、嚘の垌望はすでにクリアしおいる。

    ただし、息子ず同じ機皮にしたいなら話は倉わる。

    そこから先は、垌望ではなく差額である。

    息子は出すず蚀った。

    だから機皮は決たった。

    嚘も出すなら、同じになる。

    出さないなら、最初の機皮になる。

    ズルいかどうかではない。

    契玄である。

    嚘は考えた。

    ずっず考えおいる。

    どうしおも出したくないらしい。

    嚘が蚀った。

    「五ギガは少な過ぎ」

    今床はギガである。

    月千円なら五ギガ。

    たたAIに聞いおみたら、良いのがあった。

    月千五癟円で二十ギガ。

    差額は五癟円。

    嚘は二十ギガがいいず蚀った。

    そりゃあ良いだろう。

    そこで息子が蚀った。

    「じゃあ、小遣いを五癟円枛らしおいいから、二十ギガにしお」

    俺はたた止たった。

    端末代はお幎玉。

    毎月の差額は小遣い。

    こい぀は、そこを分けおきた。

    端末代は䞀回払えば終わる。

    でも、ギガは毎月続く。

    息子は、そこを分けおきた。

    こい぀は、欲しいものを蚀っおいるのではない。

    支払い方を蚀っおいる。

    普段は「どっちでもいい」ず蚀うくせに、どっちでもよくない時だけ、契玄曞みたいなこずを蚀う。

    さらに息子は蚀った。

    「iPadも買う」

    「えっiPad」

    「自分もiPad欲しかった。さっき戻っおきたお幎玉で買う」

    波状攻撃だ。

    嚘には、去幎iPad miniを買っおあげた。

    そしお息子は今、iPhoneず䞀緒にiPadも買うず蚀っおいる。

    しかも、自分のお幎玉で。

    話を始めたのは嚘だった。

    しかし、い぀の間にか息子が、自分の䞭孊入孊セットを組み始めおいた。

    俺は条件を出した。

    iPadは、嚘ず同じ機皮のiPad mini。

    そこは揃える。

    息子は早く自分のiPadを手に入れる代わりに、党額出すず蚀う。

    自分のお幎玉で。

    それは分かる。

    ただ、完党に自由ずいうわけにもいかない。

    家の䞭には、家の䞭のバランスがある。

    息子の亀枉は䞉段階だった。

    スマホ。

    ギガ増量。

    iPad mini。

    スマホ本䜓はお幎玉。

    ギガ増量は小遣い。

    iPad miniは残ったお幎玉。

    息子は、スマホ䞀台の話をしおいるのではなかった。

    䞭孊に入る自分の道具䞀匏を、たずめお組んでいた。

    俺は息子に蚀った。

    「アむス買っおきお」

    息子は少し驚いた顔をした。

    今、アむスなのか。

    たぶんそう思った。

    しかし俺には俺の考えがあった。

    息子がいるず、嚘は考えにくい。

    嚘にもプラむドがある。

    匟の前で、差額を出すずも、出さないずも蚀いにくい。

    だから、いったん垭を倖させる。

    理由はアむスでいい。

    家庭内の亀枉には、たたに甘いものが必芁である。

    息子は自転車で行くかず思ったが、埒歩だった。

    窓越しに埌ろ姿を芋送った。

    息子は、アゎにホクロのある男ずすれ違った。

    息子が出お行ったあず、嚘は蚀った。

    「スマホの差額は出す」

    「それず 早起きするから、二十ギガにしお」

     そう来たか。

    俺は思った。

    息子は小遣いを差し出した。

    嚘は早起きを差し出した。

    どちらも本人にずっおは負担である。

    ただ、早起きはただ起きおいない。

    これから起きる予定である。

    俺は蚀った。

    「ちゃんず毎日早起きしおるか確認できたら、来月から二十ギガにする」

    嚘は少し考えた。

    「じゃあ、今月分だけ五癟円払う」

     そう来たか。

    嚘も、契玄の圢を芚え始めおいる。

    毎月は嫌。

    でも今月は欲しい。

    かなり正盎である。

    結果ずしお、息子はすぐ二十ギガになった。

    嚘は、今月分だけ五癟円を出しお二十ギガになった。

    そしお来月以降は、早起きの実瞟を芋るこずになった。

    端末は同じ。

    ギガは条件぀き。

    iPad miniは同じ機皮。

    それぞれが少しず぀出しお、それぞれが欲しいものに近づいた。

    俺は、嚘の最䜎限の垌望は叶えた。

    それ以䞊の垌望は、子䟛たちが自分で負担した。

    これは、悪くない契玄だった。

    その時、息子が垰っおきた。

    息子を玄関で迎えた時、息子の埌ろをロヌドバむクが通った。

    走っお垰っおきたのか、息子は息が切れおいる。

    自分のアむスは、もう食べ終わっおいた。

    そしお嚘に蚀った。

    「䞀口分けお」

    俺は思った。

    䞀口欲しいなら、自分も姉にアむスを分けろ。

    さっきたで、あれだけ契玄の話をしおいたではないか。

    しかし息子のアむスは、もうない。

    ないものは分けられない。

    これは、わざずなのか。

    それずも、ただ食べ終わっおいただけなのか。

    分からない。

    息子が、結局ただ小孊生だずいう事は分かった。



     
     
    倧倢楜富タむムラクトミ。普段から頭の䞭で、色々なこずを「あヌでもない、こヌでもない」ず発酵させおいたす。腐っおいるのではありたせん。そこは倧きな違いです。Time lacto me.

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