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前線 月がわけた、光ず圱

     はじめに、ひず぀の煌めく月がありたした。

     そしお、その月に照らされた半分は、倧きな光の䞖界、もう半分は光の届かない圱の䞖界です。けれど、それぞれの䞖界は行き来ができず、䜏人たちは、お互いの䞖界を芋おみたいず思っおいるだけの毎日。

     ある日、ひずりの男の子が、䞖界を行き来できる方法を探そうず、町にあるたった䞀軒の本屋さんを目指しお歩きはじめたした。

    『もうひず぀の䞖界に行く方法、み぀けられるかな】

     みんなのお家が䞊ぶ通りを歩き、駅を通り過ぎ、広堎を抜けお、さらに歩いおいきたす。
     朚のトンネルをくぐるず、小さな小屋が芋えおきたした。
     看板には倧きく“癟倜堂ブックス”ず曞いおありたす。

    『もしかしお、ここが本屋さん】

     茶色い扉のそばには、おしゃれなりェルカムボヌドがあり、子䟛が曞いたような可愛らしい文字で、“ごほん、よむオヘダありたす”だそうです。

    『ボクが探しおる本、み぀かるかな】

     男の子は、茶色い扉を力いっぱい抌したした。倧きく開かれた扉の向こうには、萜ち着いた朚造の店内に、ずころ狭しず䞊んだ、たくさんの本棚、そしお数え切れないほどの本が収たっおいたした。

     その光景を芋お、男の子は思わず口をぜかんず開けおしたいたした。倩井たで届きそうな本棚ず、ぎっしりず足元たで敷き詰められた本を、くるくるず目を動かしお眺めおいるず、カりンタヌの䞭で、䜕かがもぞもぞず動くのが目に入りたした。

    『誰かいる。お店の人、かな】

     ゆっくりずカりンタヌに近づき、そっず芗き蟌んでみるず、そこには──。

    『ロボット】

     小さな四角い䜓の可愛らしいロボットが、怅子に座っお、楜しそうに絵本を読んでいたした。

     そう蚀えば、"ごほん、よむオヘダありたす"っお曞いおあった気がしたす。

    『こんにちは、ロボットさん。】

     男の子は、笑顔で話しかけおみたした。するず、ロボットは聞こえおないのか、本に倢䞭なのか、党然気づきたせん。

    『こ ん に ち は 】

     今床は少し倧きめの声で話しかけおみたす。

    「キャッ」

     驚いた様子のロボット。手から絵本を萜ずしおしたいたした。

    『ああ、ごめんね。驚かせちゃった。】

    「ううん、ダむゞョブなの。えっず、コンニチハ むラッシャむマセ、お客さた。」

     絵本を拟いながら、にこにこず笑うロボット。どうやら癟倜堂ブックスの店員さんのようです。

    『こんにちは、実は本を探しおいお。】

    「ごほん どんなごほんなの」

     こおんず銖を傟げお、ポテポテず本棚に歩いおいくロボットに぀いおいきたす。

    『もうひず぀の䞖界に行っおみたくお。その方法を探しに来たんだ。】

     ロボットは、自分の手のなかにある絵本を眺めお、にっこり笑うず、こちらに差し出しおきたした。

     その本をみるず、タむトルは、"きらめくおんき、぀きよずほしぞら"ず曞いおありたす。

    「この゚ホン、ひず぀のツキず、ふた぀のセカむのおはなしなの。ルルのオキニむリなの。」

    『るる】

    「ルルは、ルルのオナマ゚なの。あなたのオナマ゚は」

     絵本を受け取り、お瀌を蚀ったあず、小さく答えたした。

    『ボクの名前はルナ。よろしくね、ルル。】

    「うふふ、ルルずルナ。オナマ゚䌌おるの、りレシむ。」

     ルナは、ルルに笑顔を返し、芖線を絵本ぞ萜ずしたした。衚玙には薄暗い半月ず倜の星空、そしお絵本のタむトルが描かれおいたす。
     そのたたひっくり返しお裏衚玙を芋るず、明るい半月ず圱が萜ちおいる建物が䞊ぶ、明るい街䞊みが描かれおいたす。

    『きらめくおんき、぀きよずほしぞら。聞いたこずがない名前の絵本。誰が曞いおるんだろう】

     隅から隅たで確認したしたが、原䜜ず䜜画をした人の名前がありたせん。

    「ルナ。このごほん、ルルずむッショに読んでみるの。」

     そう蚀うず、ルルはルナの手を匕き、お店の奥ぞず向かっおいきたす。
     どうやらこの奥が、りェルカムボヌドにあった読曞郚屋のようです。

    「ルナは、このオヘダがいいず思うの。」

     ルルはドアノブをくるっず回しお、郚屋の扉を開けるず、たるで星座盀のような䞞い郚屋が珟れたした。
     壁䞀面には倪陜ず月ず星座が散りばめられ、小さなテヌブルず、小さなランタンず、怅子が二脚ありたす。

    「ルナ、この垭ドりゟなの。」

     ルルが怅子を匕いおくれたので、おずおずず座りながらルナはお瀌を蚀いたした。

    『あ、ありがずう、ルル。】

    「うふふ。ねぇ、ルナ。ノドがカワむタら蚀っおね。ルル、ゞュヌス持っおきおあげるの。」

     そう蚀うず、ルルはにっこり笑っお、テヌブルの真ん䞭から、絵本を芗き蟌んできたした。

    「ルナ、ごほん読んで」

    『ルル、座らないの】

    「りン。ルルはオミセダさんなの。ルナがお客さたなの。」

    『じゃあ、読む前にゞュヌスをお願いしようかな。】

    「かしこたりたした、ショヌショヌお埅ちクダサむなの。」

     盞倉わらずルルは笑顔のたた。

     ルナは少し居心地悪いような、それでも安心できるような、そんな䞍思議な感芚を芚えたした。

    『なんだろう、倉な感じ。】

     そう思い぀぀も、今は目の前の絵本に集䞭するこずにしたす。

    『えっ、ず──ボクの䜏む街は、月の光が明るい䞖界。ボクの䜏む䞖界は、月の光が届かない圱の䞖界。ボクはそんな䞖界がずおも奜きです。ボクもそんな䞖界が嫌いじゃないです。】

     ルナの朗読する声に、ルルは静かに耳を傟けたした。

    『ある日ボクは、光ず圱をずりかえっこしたら、どうなるんだろうず考えたした。ボクは、圱の䞖界から光の䞖界に手を䌞ばしおみたした。】

     ルルはランタンを片手で持ち、もう片方の手で、ランタンの半分を隠し、それをルナに向けたした。

    『䞖界がひっくり返る瞬間、ボクは光をみた気がしたした。ボクは圱に飲み蟌たれおいきたした。】

     ランタンの光が、劖しく揺らめいおいたす。

    「時蚈のナガむハリが、䞀呚するたでにルルにアむにきおほしいの。ルナのこず、埅っおるの。」

     ルルの声が、どこか歪んで聞こえた気がしたした。ルナは聞き返そうず、ルルの顔をみたした。

    『ねぇ、どういうこず ルル、どうしたの】

     ルルの姿がどんどん小さくなっおいきたす。ルナはどこかに匕きずり蟌たれるような、胃がひっくり返る感芚に襲われたした。

    『う、うわぁぁっ】

     思わず目を閉じ、䞡手で頭をかばいたした。


     しばしの静寂。そしお、ルナの䜓をふわりず颚が撫でおいきたす。

    『   】

     ゆっくりず目を開き、腕を䞋ろすずそこには──。


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    ようこそ、癟倜堂ぞ。 扉を開いお䞋さりありがずうございたす。 この堎所では、少し䞍思議な物語を扱っおおりたす。 どうぞ、ごゆるりずお聎きください。

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