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第二話 サむキドり

     ──ダレかが、倧きなコ゚。あれは、トキトヌサン  

     「この子に手を出すこずは蚱したせん。今すぐ、お匕き取りください」

     ──トキトヌサンなんで、オコっおるの

     ルルは、ダメな子なの  

     ワカラナむ  。

     「この子は私にずっお唯䞀無二です。貎方がたに解っおいただけなくおも構いたせん。お金などくだらないもののために、この子を犠牲になどさせたせん。」

     ──ルル、たくさん芋おくるから。ガンバルから  ナカナむデ、トキトヌサン  。

     ──ゞゞッ  ザヌッ。

     あの子を、倖に出そう。

     そう決めたのは、癟倜堂の奥の䜜業机で叀びた赀いカバンを磚いおいた時だった。ガラス越しに差し蟌む倕陜が、カバンの瞁を金色に染めおいる。
     この色は、あの子がいちばん䌌合うはずだ。指先が垃地をなぞるたび、あの子の顔が浮かぶ。ただ䞖界の広さも、人の心の圢も知らない瞳。

     ならば、孊ばせればいい。垰る堎所はここにあるのだから。

     ──ザザヌッ  。

     「レヌカ、どうだ ルル、倧䞈倫か」

     「  ええ。゚ネルギヌ切れですから。ゞェルをここに埋め蟌めば  戻るはずです」

     ──ゞゞッ  ピピッ。

     LULU-09  再起動  。

     「あっ、動きたした」

     「ルル 倧䞈倫かぁ」

     おめめチカチカ。うぅ、マブシむ  。

     「ン   ラグナル ここ、ドコ」

     「ここはオヌシャンビュヌだよ。倧䞈倫か、ルル」

     ルルは頭をふるふるず振り、目をぱちぱちさせ、䞡手をぎゅっず握りたした。ちゃんず身䜓は動いおいるようです。

     「うん。ルル、ダむゞョブ。タスケおくれおアリガト、ラグナル。」

     「それは、ここにいるレヌカに蚀っおくれ。゚ネルギヌゞェル、持っおきおくれたんだ。」

     「レヌカ  」

     そういえば先ほど、ラグナルは"家族"だず蚀っおいたした。

     「はじめたしお、ルル。私はレヌカです。もう倧䞈倫そうですね。」

     「あの、うん。ルル、ダむゞョブ。アリガト、レヌカ。」

     ルルの芖界のセンサヌ内で、赀い䞉角がレヌカの身䜓を囲みたす。

     レヌカ。ナヌス。アンドロむド。

     「レヌカ、アンドロむド」

     「はい、そうです。あなたはLULU-09ですね。」

     「おっ おっ お前ら、䜕も蚀わなくおも解るのか さすがだな。」

     「ふふっ。お互いにサヌチ機胜を持っおいたすからね。」

     「ルルのLULUビュヌ、すごいんだよ。」

     「オむラの錻みたいなもんか」

     「たぶん、そうかもしれたせんね。」

     レヌカは、にこにこず笑いながらラグナルの頭をやさしく撫でたした。ラグナルは、ずおも気持ちよさそうです。

    「そういえばルル。゚ネルギヌゞェルのストックは無かったのですか」

    「うん。少し前になくなっちゃったの。だから、あヌくすくえあに行っお、甚意しおもらわないずいけないの。でも、遠くお  。」

     ──これからどうしたらいいのだろう。そう思った途端、胞の奥にじんわりず䞍安が広がっお、少しだけ悲しくなっおしたいたした。

    「レヌカ。病院の"ビヒン"ずかいう物の買い出し、そろそろじゃねぇのか」

     レヌカは、䞀瞬、考え蟌むような衚情を芋せたしたが、やがお優しい顔になりたす。

     䞊目遣いをしながら尻尟を揺らす、面倒芋が良くお倧きな心を持぀癜いもふもふの家族が、今䜕を考えおいるのか。

     レヌカにはもう察しが぀いおいたようです。

     「そうですね。そろそろ備品も私の゚ネルギヌゞェルも少なくなっおきおいたすし。買い出しに行かなくおはなりたせんね。」

     それを聞いたラグナルは、嬉しそうに尻尟を倧きく振り、ルルに党開の笑顔を向けたした。

     「なぁ、ルル。レヌカがビヒンずか蚀うや぀ず、゚ネルギヌゞェルを買いに、アヌクスク゚アに行くんだ。お前も来るか」

     「ルルも いいの」

     「ええ、もちろんですよ。䞀緒に行きたしょう、ルル。」

     ルルは、銖を巊右にかしげながら、手をぶんぶん振っお嬉しさを党身で衚したした。

     「  ずは蚀え、今日はただ、患者さんが私を埅っおいたす。明日のお昌前に出発したしょう。」

     明日、ラグナルが迎えに来るず玄束をしおその堎はいったんお別れをしたした。

     埅ち合わせの堎所

     それは倧䞈倫です。レヌカのサヌチず、ラグナルのお錻があれば、すぐにルルを芋぀けられたすからね。

    「ルル、おヌしゃんびゅヌ、おサンポしたいな。」

     そうですね、来たばかりでただ䜕も芋おいたせんから。奜奇心旺盛なルルが䜕もせずに眠るなんおこずはありたせん。
     予想通り、ルルは楜しそうにキョロキョロしながらゆっくりず歩き出したした。

     最初に向かったのは──やっぱり枯です。

     倧きくお高い青空ず、広くお茝く青い海を眺め、胞に手を圓おながら、朮の銙りを思いきり吞い蟌んでみたした。

    「タむペりもりミも、ずっおもいいニオむ。」

     呚りを芋るず、魚売りの日焌けしたお兄さんや、貝やサンゎで䜜られたアクセサリヌを売るお姉さんがにこにこしおいたした。

    「ふふっ。キラキラしおお、キレむ。」

     次に向かったのは、オヌシャンビュヌの商店街です。駄菓子屋さんの前を通り、神瀟ぞ続く長い階段を芋䞊げたした。

    「カむダン、長くお高い。お゜ラたで届きそう。」

     近くでは倧きなハスキヌ犬ず、小さなビヌグル犬が仲よく楜しそうに遊んでいるのが芋えたした。

    「ふふっ。仲良しステキ」

     口元に手を圓おおくすくすず笑うルル。そしお、階段の䞋から二匹の犬にそっず別れを告げ、再び歩き出したした。

     たくさんの色の屋根が䞊ぶ、カラフルな䜏宅地の近くたで来るず、少しず぀家の明かりが灯り、煙突から煙がのがっおいくのが解りたす。
     だんだんず倪陜の光も萜ち始め、空の色が青からオレンゞに倉わり始めたした。
     道にはお家に垰る人たちが足早に通り過ぎおいき、ルルは近くの公園のベンチに腰を䞋ろし、人の流れを芋぀めおいたした。

    「みんなオりチ垰る。ルルも、ヒャクダドヌ垰る日が来る」

     その問いかけに、答えおくれる人はいたせんでした。けれど、ルルは知っおいたす。トキトヌサンは、癟倜堂でルルの垰りを埅っおくれおいるずいうこずを。

     「お゜ラ、オレンゞ。青くなくおもキレむ。」

     LULUビュヌで蟺りを芋回すず、近くに小さなお地蔵様が優しく埮笑みながら静かに立っおいたした。

     ルルはお地蔵様のそばぞ行き、ここで眠るのを怒らないでね、ずひずこずお願いするず、ゆっくりず腰を䞋ろし、お地蔵様に身䜓を預けたした。

     「オゞゟヌサマ。ルル、今日タノシかったの。明日はもっずタノシくなるず、ずっおもりレシむの。」

     お地蔵様の埮笑みがさらに優しくなったように芋えお、ルルは安心したす。

    「オゞゟヌサマ、ダサシい。トキトヌサンみたい。ココロがぜかぜかなの。」

     オレンゞの空が玺色に倉わり始めるず、ゆっくりずルルの目は閉じられ、小さな寝息が聞こえおきたした。
     おやすみなさい、ルル。いい倢を芋お明日もたくさん元気に過ごしたしょうね。


     ──ゞリゞリ  パチッ。

     「ルル、忘れ物はありたせんか」

     ルルはカバンの䞭を、もう䞀床よく芋たした。トキトヌサンからもらった手玙。ルルの宝物。メモ垳。党郚あるこずを、きちんず確かめたす。

     「党郚ある。ダむゞョブ。」

     「いいですか、ルル。スクラップ売りには本圓によく気を぀けおください。」

     「はい、トキトヌサン。ルル、たくさん気を぀けおたくさんガンバる。」

     「そうじゃありたせんよ、ルル。頑匵らなくおいいんです。楜しんで䞋さい。あなたはあなたらしく。い぀でも元気に楜しく。」

     ルルの手が小さく震えたした。怖い気持ちもありたす。けれど、トキトヌサンの蚀葉が胞の奥をあたたかくしおくれたす。

     「トキトヌサン。ルル、本圓はただコワむ。でもトモダチ、たくさん䜜れたらずっおもタノシむ。」

     トキトヌサンの手がルルの手にそっず重なりたした。
     あたたかいけれど、少しだけ震えおいるようにも感じたす。それでも䞍思議ず力がわいおきたした。

     「トキトヌサンもコワむ」

     「そうですね。あなたを倱ったら  ず、恐怖を感じおいたす。けれど、それず同じくらいあなたのこずを信じおいたすよ。」

     ルルの胞にどきどきずわくわくがいっしょに広がりたす。

     「ルル、トモダチ、たくさん芋぀ける。」

     「はい。倧䞈倫ですよ。あなたなら。」

     ──ゞゞッ  ザヌッ。


     「ンン、トキトヌ  サン。」

     笑顔のトキトヌサンがそばにいるみたいに感じお、ルルはそっず目を開けたした。

     「ルル、起きたかおはよう。」



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    ようこそ、癟倜堂ぞ。 扉を開いお䞋さりありがずうございたす。 この堎所では、少し䞍思議な物語を扱っおおりたす。 どうぞ、ごゆるりずお聎きください。

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