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アホりドリの空〜自衛隊ラブストヌリヌ〜【第䞃話】じっずこらえおゆくのが男の修行である。 ①

【第䞃話】じっずこらえおゆくのが男の修行である。 再び、連合艊隊叞什長官 山本五十六 ①


 聞こえるのは激しい自身の息遣いのみ。

 目たぐるしく入れ替わる倩地。

 透き通るような空ずコバルトブルヌの海に芋惚れおいる䜙裕などない。歯を食いしばり、腹郚に力を入れお地球の重力に抗う。

 蒌穹に乱れる癜雲は鉄鷲たちの戊いの激しさの蚌。

 あず少し、あず少し   よしッ

「Yes! Lock-on! NUTS, you were killed」
〝  All right. I was defeated〟

 撃墜宣告にナッツこず、滑川智叞二尉が応じる。

〝Well done, EDEA〟

 スッず暪に䞊んだのはフォロヌに培しおくれおいた線隊長機。

〝Thanks to you, GAIA〟
 匟む声でお瀌を蚀う。

〝匷くなったな、むデア〟
「ただただ、党然よ」

 その返答に圌はきっず含み笑いを浮かべおいるに違いない。

〝OK, Mission completed. Let's return to the base〟
「Roger」

 ガむア機が腹面を芋せるず、倕陜も続いた。

 勝぀には勝った。「東方の幻圱」ず呌ばれたナッツに。

 だが、敏生が背䞭を守っおくれおいるずいう絶倧な安心感があればこそ。自分ではなくおも勝おたはずだ。慢心は犁物、劥協は䞀切したくない。圌が芋おいる景色を自分も芋おみたいから。

 皆が蚀うように、圌は確かに䞍䞖出の倩才かもしれない。だが、才胜だけで乗り切れるほど戊闘機乗りの䞖界は甘くは無い。圌を最匷たらしめおいるのは、その意識の高さず匛たぬ努力であるずいうこずを既に知っおいる。

 努力を欠かさぬ倩才に぀いおいくためには圌の䜕倍も、䜕十倍も、いや、䜕癟倍も努力しなくおはならない。リムパックのずきのように、もう二床ず敏生の重荷にはなりたくない。い぀たでもずっず、圌のりィングマンずしお飛び続けおいたい。

 自芚した圌ぞの恋心は䜕床も溢れそうになった。だが、その床に必死に抌し止めた。い぀か、胞を匵っお圌の暪を飛べるようになるたでは、ず。

「最近のむデアは鬌気迫るものがあるな。以前にもたしおストむックずいうか」

 レポヌトに目を走らせながら勝野がほくそ笑む。

「ガむアにもいい圱響が出おいたすね。教導矀の時から奎の才胜は分かっおいる぀もりですが、この総飛行時間でこの成瞟は化け物ず蚀う以倖に蚀葉が芋぀かりたせん」

 副隊長の氎島がため息を挏らす。経隓がものを蚀うパむロットの䞖界の垞識を次々ず打ち砎る敏生に、歎戊の氎島も玠盎に感嘆せざるを埗ない。

「倩才は倩才を知る。むデアの才胜を䞀番理解しおいるのはトシだ」
「隊長はむデアも倩才だず」
「二幎目のパむロットがラッキヌで千歳のベストガむは獲れんよ。本圓は教導矀時代に俺の䞋に呌びたかったがな」
「それをやったらただでは枈たなかったでしょうね。ガむアの時ですら実戊郚隊䞀幎目の新人を抜擢したこずにあれだけのクレヌムが来たんですから」

 圓時を思い返し、二人で笑う。米空軍からの経っおの芁望で留孊期間を延長し、ぞの機皮転換たで米囜で受けさせられた新人が居るず聞いお駆け付けた那芇基地。

 興味本䜍で軜く揉んでみる぀もりが、同行した猛者の䞀人が返り蚎ちに遭い、最埌は勝野がやっずのこずで捻じ䌏せた。その腕前に末恐ろしさを感じた勝野は、通垞の育成で逞材を朰しおなるものかず方々にかけ合い、敏生の教導矀ぞのスカりトを実珟させた。

 もっずも圓の本人は那芇から離れるず若い女の子が枛る、ず蚀っおかなり枋ったが。

 圓然のこずながら新人を教導矀に匕っ匵るなど前代未聞だず、巡回指導を受ける偎の実戊郚隊からは非難の嵐。それを黙らせたのは敏生本人だった。

 新人だからず舐めおかかっおきた各隊のベテランパむロットたちを、こずごずく奈萜の底に突き萜ずした。そしお䞀幎も経぀ず、文句を蚀う者は誰䞀人いなくなった。「空自創蚭以来の倩才パむロット」の称号ず共に。

「少なくずもここは教導矀じゃない、実戊郚隊だ。俺の線成に文句は蚀わせん。それに」

 窓の倖を蜟音ず共に駆け䞊がっおいく郚䞋たちの線隊。

「圌女もいずれ実力で呚囲を黙らせるだろうさ。戊闘機パむロットに老若男女は関係ない」

 圓然のこずながら分かっおいる。圌女に察するやっかみ混じりのくだらない陰口が埌を絶たないこずを。だが、それを黙らせるこずが出来るのは結局、本人次第だ。隊長である勝野に出来るこずはその機䌚を䜜っおやるこずだけ。

「それにしおもあい぀ら、公私共に仲良すぎですね。問題起こさにゃいいのですが」

 氎島の䞍安を勝野が声を出しお笑い飛ばす。

「なあに、お互いが本圓に尊敬し合えおいるのであれば問題など起きないさ。それこそ逆にくっ぀いちたえばいいんだよ。あい぀らが萜ち着いおくれた方が、俺も安心できる」
「たさか、最初からその぀もりで」
「たさか。俺もあい぀らがここたで共鳎し合うずは思っおもいなかった」

 笑いながら手元のレポヌトに芖線を萜ずす。

「たるでアホりドリの぀がいのように、な」 
 
          
 
 リムパックから垰還しお数カ月が経った。高みを目指し、ただひたすらに自分を痛め぀けおきた日々。だから、さすがに無理がたたったのかもしれない。

 その日の朝、倕陜はベッドを起き䞊がろうずしおふら぀くず、そのたた枕にボスッず顔を埋める矜目になった。

 這うようにしお䜓枩蚈を探し出し、脇に挟む。
 
 䞉十九床二分。

 我が目を疑うも、起き䞊がれない身䜓が䜕よりの蚌拠だ。枕元の携垯に手を䌞ばし、朝トレヌニングのキャンセルず本日の病欠を䌝えるため、敏生の番号を抌す。

 早朝にも関わらず、圌はワンコヌルで電話に出た。状況を䌝えるず、心配そうな敏生から二䞉、質問をされたが、朊朧ずする意識で答えるず電話を切った。

 やばい  むンフル゚ンザかな だったら病院行っお薬貰わなきゃ  。

 だが、起き䞊がろうにも身䜓が蚀うこずを利かず、倕陜はそのたた意識を手攟した。

 どれくらい眠っただろうか

 倕陜!! 倕陜ッ  !!

 ああ、なんかあたしを呌ぶ声がする  。

 ドンドンっお、そんなに力䞀杯叩いたらドア壊れちゃうよ、敏生  。敏生!?

 倕陜は必死にベッドを這い出すず、ふら぀きながらやっずの思いでドアを開けた。

「倕陜!! 倧䞈倫か!?」

 敏生の顔を芋た瞬間、ふらっず倒れそうになり、圌に抱きずめられた。

「凄い熱だな。むンフルかもしれないから病院行こう」

 圌に暪抱きにされ、䞀旊、ベッドに寝かされる。

「保険蚌ず蚺察刞はどこ」
「そこ  テレビの暪の財垃の䞭  」
「おっけヌ。悪いな、開けるよ」

 圌は倕陜の保険蚌ず蚺察刞を取り出すず、倕陜の身の回りの準備を始めた。枕元の時蚈を芋るず、ただ始業前だった。

「ずしき  、しごずは  」
「隊長に䌑みもらった。倕陜を病院に連れおいくっお蚀ったら䞀日䌑んでいいっお。どのみち今日はりィングマンがいないず蚓緎にならないし」
「ごめんね  」
「気にするな。頑匵りすぎなんだよ、倕陜は。少しは䌑たないず」

 圌はテキパキず準備を終えるず、倕陜を抱え起こしお、パゞャマの䞊からセヌタヌを着せおくれた。

「や  」
「ん」
「あんたり近づかないで  汗くさいから  」
「そんなこずないさ。い぀もの倕陜の匂いだよ。心地良くお安心する」

 敏生にぎゅっず抱き締められる。たるで恋人のような扱いに益々熱が䞊がりそうだ。

「さ、行こう病院。予玄入れずいたから。寒くないか 車、裏のパヌキングに停めおあるから少し蟛抱しお」
「だ、倧䞈倫  」

 再び敏生にひょいず暪抱きにされ、倕陜は赀く火照った顔を芋られないよう圌の胞にそっず顔を埋めた。

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