「敏感肌」は病名ではありませんでした。1970年代に生まれた言葉です
ずっと自分を敏感肌だと思っていました。
化粧品がしみる。赤くなる。だから優しいものを選ぶ。
でも調べてみたら、そもそも「敏感肌」という診断名は存在しませんでした。
言葉の始まりを知ったとき、順番が見えた気がしました。
■ 化粧品への反応から生まれた言葉
1970年代、ある日焼け止め成分に対して刺すような痛みを感じたという報告がありました。
そこから生まれたのが「敏感肌」という呼び方です。
1987年には「化粧品不耐症」と呼ばれたこともある、と書かれていました。
病気の名前ではなく、製品を使ったときの体験を指す言葉として始まっています。
■ 国際的な定義
2017年、国際的な研究フォーラムが声明を出しています。
通常なら何も起きない刺激に対して、不快な感覚、刺すような痛み、熱感、かゆみが起きている状態。そして皮膚は正常に見えるか、赤みを伴う。
「皮膚は正常に見える」。
見た目に異常がなくても、感じ方が変わっている。それが定義でした。
■ 背景にあるもの
日本の化粧品技術者の団体がまとめた用語集に、こう書かれています。
敏感肌では角層のバリア機能が低下している場合が多い。物質が吸収されやすく、炎症が誘導されやすい状態で、刺激に対する感受性が高まっている、と。
そして背景として挙げられているのが、ターンオーバーの加速、細胞間脂質の減少、角層細胞の微細構造の変化です。
■ これ、角栓と同じでした
前に角栓の記事で書いた流れを思い出してください。
https://note.com/huge_tiger6103/n/n280bf1f090a4
乾燥する → ターンオーバーが速くなる → 未熟な角質ができる → 剥がれられない → 詰まる。
敏感肌の背景も、ターンオーバーの加速と細胞間脂質の減少。
入口が同じです。
■ では、スクラブはどうなのか
ここからが本題です。
ある皮膚科医の解説にこうありました。スクラブは摩擦という物理的な刺激で汚れを取るもの。表面に出た角栓は落とせるが、摩擦で肌に負担がかかり、角質が肥厚してさらなる毛穴詰まりを促す、と。
角質が、厚くなる。
■ 削ると、厚くなる
これは知りませんでした。
削られた肌は、守ろうとして角質を厚くする。厚くなった角質が、また毛穴を塞ぐ。
角栓の記事では「剥がすと乾く」というループを書きました。
これとは別の経路で、もう一つのループがありました。

■ レンガとモルタル
大学の皮膚科の教授による説明が分かりやすかったです。
角質層はレンガとモルタルにたとえられる構造をしている。でもスクラブで過度に削り取ると、バリア機能が損なわれ、乾燥や刺激の影響を受けやすくなる、と。
レンガが角質細胞で、モルタルが細胞間脂質です。
削っているのは、モルタルのほうでした。
■ もう一つの皮肉
スクラブのデメリットとして、洗い残しによる毛穴詰まりのリスクが挙げられています。
粒子が毛穴に残る。
詰まりを取るために使ったもので、詰まりを作る。
粒子が大きすぎたり角が尖っていたりすると、肌を傷つけるリスクもあると書かれていました。
■ 順番が、見えました
私の固定投稿に、こう書いています。
敏感肌だからこすれるんじゃなくて、こすったから敏感になった。
今回調べた内容は、その機序でした。
削る → バリアが損なわれる → 刺激の影響を受けやすくなる → 「敏感肌」と呼ばれる状態になる。
順番は、こちらだったのかもしれません。
■ ただし、書いておきます
同じ用語集に、こうも書かれていました。
機器で測ってバリア機能の低下が認められない場合でも、症状が出ることがある、と。
つまり「測れば分かる」わけでもない。
自分の感じ方を、数値で否定されるものでもありません。そこは押さえておきたいところです。
■ 今日からできること
スクラブをやめる。それだけです。
代わりに何かを買う必要はありません。やめると、角質を厚くする理由が1つ減ります。
ザラつきが気になるなら、入浴中など角層が水分を含んでいるときに、こすらず落とす。
敏感肌・乾燥肌の人にスクラブは向いていない、と複数の解説に書かれていました。
まとめ
・「敏感肌」は医学的な診断名ではない
・1970年代、化粧品への反応から生まれた言葉
・見た目は正常でも、感じ方が変わっている状態
・背景はターンオーバーの加速と細胞間脂質の減少
・スクラブは角質を厚くするという指摘がある
・削っているのは、レンガではなくモルタル
私は専門家ではありません。ここに書いたのは調べて分かったことです。症状が続く場合は皮膚科で相談してください。
引く、触る、貯める、逆算する。今日も「引く」の話でした。
肌を壊さない触り方と温度については、こちらにまとめています。
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専門家じゃないから、全部調べて書いています。いただいたチップは、次の論文を読む時間に使わせてもらいます🫧