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「Windows 10はまだ使える」を確かめたら本当だった ―ただし法人だけは3年で1台約6.4万円かかる

    「Windows 10のサポートがまた1年延びた」という解説動画が、続けておすすめに流れてきました。

    中古パソコンを売っている立場だと、この話は毎日お客様から聞かれます。「もう使えないんですよね?」と。

    そこでいつもの手順で、2本の動画の主張をMicrosoftの公式情報と1件ずつ突き合わせました。

    結論から言うと、動画の主要な主張はどちらもほぼ正確でした。 ただし、法人のお客様にとって一番大事な数字が、両方の動画から抜けていました。

    動画が言っていたこと

    2本とも、話の骨格は同じです。

    • Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了した

    • その後も使えるように「ESU(拡張セキュリティ更新)」という仕組みがある

    • 個人向けESUの期限が、2026年10月13日から2027年10月12日へ、1年延びた

    • Microsoftは公式サイトの日付をひっそり書き換えただけで、大きな告知はしていない

    • 個人は無料で登録できる。条件は3つのうちどれか

    • ただしOSが延命されても、銀行や証券のサイト側が対応をやめていくので注意

    延長の理由については、両方とも「Windows 11への移行が進んでいないから」という推測を語っていました。これは事実ではなく見解として話されており、その区別は丁寧でした。

    確かめた結果、主要な主張は合っていた

    Microsoft公式ページで、次の点が確認できました。

    期限。 「2027年10月12日にプログラムが終了するまで、いつでもESUに登録できます」と明記されています。1年延びたという話は本当です。

    登録の3つの方法。 公式の記載はこうです。

    • 「PC 設定を同期している場合は、追加費用なし」

    • 「1,000 Microsoft Rewards ポイントと交換する」

    • 「1 回限りの購入で、$30 USD または現地通貨の相当額に適用税金を加えた金額」

    動画が「無料の方法がある」と言っていたのは正確です。

    ESUに含まれないもの。 「その他の種類の修正、機能向上、製品の改良は提供されません。また、技術的なサポートも提供されておりません」。動画の「セキュリティ更新だけ、使い方は教えてもらえない」という説明どおりでした。

    サービス側が対応をやめている話。 楽天証券の告知を確認しました。2025年10月14日より推奨環境から除外、という記載があります。

    ただしここは、動画より公式の表現のほうが穏やかでした。楽天証券はこう書いています。

    直ちに利用できなくなるわけではありませんが、お客様のセキュリティを守るため、当社推奨環境でのご利用を強くお勧めします。

    「使えなくなる」ではなく「推奨しない」です。この差は、お客様に説明するときに効いてきます。

    動画が触れていない登録条件が3つある

    ここからが、両方の動画から抜けていた部分です。

    1. バージョンが22H2でないと登録できない。 公式の条件は「Windows 10、バージョン 22H2 Home、Professional、Pro Education、または Workstations エディション」です。

    2. エディションが限られる。 上の4つだけです。EnterpriseやEducationは個人向けESUの対象に入っていません。

    3. Microsoftアカウントは管理者アカウントである必要がある。 公式に「デバイスへのサインインに使用される Microsoft アカウントは、管理者アカウントである必要があります」とあります。

    動画は「Microsoftアカウントを一時的に作るだけでもいい」と説明していましたが、そのアカウントが管理者である必要がある点までは触れていませんでした。

    この3つに当てはまらない端末は、動画のとおりに操作しても登録できません。店頭でお預かりするときに最初に確認する項目です。

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    法人は話がまったく別 ―3年で1台約6.4万円

    ここが今回いちばん言いたいところです。

    両方の動画が「法人向けは最長3年で、料金が倍々に増える」と触れていました。これは正しいのですが、金額が出てきませんでした。

    Microsoft公式(Microsoft Learn)に、実額が書いてあります。

    Windows 10上の組織や企業向けの拡張セキュリティ Updatesは、Microsoft ボリューム ライセンス プログラムを通じて、1 年 1 年間のデバイスあたり $61 USD で現在購入できます。(中略)この価格は、最大 3 年間、連続して 2 倍になります。

    1台あたり、1年目が61ドル。2年目が122ドル。3年目が244ドル。3年で合計427ドルです。

    1ドル150円で換算すると、1台あたり約6.4万円になります。10台なら約64万円です。

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    しかも、途中から入ることはできません。公式にこうあります。

    2 年目にプログラムを購入する場合は、ESU が累積されるため、1 年分も支払う必要があります。

    年単位でしか買えず、半年だけといった買い方もできません。

    法人のお客様に「無料で延長できますよ」と伝えると、事実と違う案内になります。無料なのは個人向けだけです。

    この6.4万円という数字を、Windows 11が動く中古パソコンの価格と並べてみてください。うちの店で相談を受けるときは、まずこの比較から始めます。

    ESUに入っても戻らないものがある

    もうひとつ、両方の動画が触れていなかった重要な点です。

    後藤PC塾の動画は「Office 2024単体は2029年まで使えるが、Windows 10との組み合わせはサポート対象外」と説明していました。方向としては正確です。

    ただし、公式の中身を読むと、もう少し複雑でした。Microsoft 365 Appsについては、こう書かれています。

    Windows 11への移行中にセキュリティを維持するために、Microsoft は、Windows 10サポートが終了してから 3 年間、Windows 10でMicrosoft 365 Appsのセキュリティ更新プログラムを提供し続けます。これらの更新プログラムは、2028 年 10 月 10 日に終了する標準の更新プログラム チャネルを通じて配信されます。

    つまりセキュリティ更新だけは2028年10月10日まで届きます。動画の印象より、猶予はあります。

    その代わり、サポートの制限について公式が繰り返し書いている表現があります。

    拡張セキュリティ Updatesの有無にかかわらず、Windows 10のMicrosoft 365 Appsでのみ問題が発生し、Windows 10 Windows 11で発生しない場合、サポートは顧客にWindows 11への移行を求めます。

    「拡張セキュリティ Updatesの有無にかかわらず」という一文が、同じページに3回出てきます。

    ESUに登録しても、Office側のサポートは戻りません。 ここは誤解されやすいので、お客様には必ず分けて説明しています。

    それで、うちは何をお客様に言うか

    検証してみて、案内の仕方が少し変わりました。

    個人のお客様には。 慌てて買い替える必要はありません。22H2でエディションが対象内なら、無料で2027年10月まで延ばせます。ただし、使っている銀行・証券・行政サービスが推奨環境から外していないかだけ、先に確認してください。

    法人のお客様には。 無料ではありません。1台あたり3年で約6.4万円、途中から入ることもできません。台数が多いほど、買い替えたほうが安くなる分岐点が早く来ます。

    どちらの場合も、「使えるかどうか」ではなく「いつまでに、いくらかけて、何を守るか」という聞き方に変えると、答えが出しやすくなります。

    まとめ

    • 個人向けESUの期限が2027年10月12日まで延びたのは事実。Microsoft公式で確認できた

    • 個人は無料で登録できる。ただし22H2であること、対象エディションであること、Microsoftアカウントが管理者であることの3条件がある(動画はいずれも触れていない)

    • 法人向けは有料。1台61ドルから始まり、最大3年で毎年倍になる。3年合計427ドル、1ドル150円で約6.4万円

    • 法人は途中の年から入れない。2年目から買う場合は1年目分も支払う

    • ESUに入っても、Office側のサポートは戻らない。公式が「ESUの有無にかかわらず」と明記している

    • Microsoft 365 Appsのセキュリティ更新は2028年10月10日まで続く

    • 証券会社などの表現は「使えなくなる」ではなく「推奨環境から除外」。差は小さくない

    動画は2本とも丁寧で、事実と推測の区別もできていました。それでも、法人のお客様が判断するのに必要な数字は載っていませんでした。

    調べる側が「自分はどっちの立場で読んでいるか」を決めてから一次情報に当たると、拾うべき数字が変わります。

    出典

    補足: 動画が挙げていた「マイナポータルはWindows 11のみ対応」という点は、今回確認できませんでした。デジタル庁の現行の動作環境ページが自動取得できず、旧ドメインに残るページにはWindows 10の記載が残っていたためです。判断がつかないので、事実として扱っていません。

    中古パソコンの選び方やWindows 11への移行のご相談は、店頭でも承っています → https://www.cyclebridgeokinawa.com/

    「NotebookLM」「Claude Code」など、この記事の用語をまとめて解説した記事はこちら → https://note.com/honest_walrus257/n/n998f28a05eb3

    AIの活用事例を動画でも解説しています。
    ▶ YouTubeチャンネル「サイクルブリッジ沖縄 | AI活用ラボ」
    https://www.youtube.com/channel/UCKfBG387F7g-t6SCbkFnhzw

    この記事の内容について質問・感想があれば、コメントで気軽に聞いてください。また、「これって本当?」と気になっている動画や話があれば、コメントかDMで教えてください。次のファクトチェックのネタにします。

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