
副業:街の小さな駐車場(第6話) 変わらない日々の中で、見えてきた違和感
🌆 あの頃を振り返って
経営ってなんだ?
こんなものは、およそ経営と言えるのか?
いま思えば、
この土地の経営に深く関わるようになる前から、
私はどこかで「このままではもったいない」と感じていたのである。
駐車場の景色は、いつも同じだった。
朝に車が出ていき、夜には戻ってくる。
周囲では建物が建て替えられ、道路が広くなっていっても、
ここだけは時間が止まっているように見えた。
🧾 父のやり方を見ていた日々
当時の経営は、
父が不動産業者にほとんど任せきりの状態だった。
入金確認も契約の更新も、
送られてくる報告書を眺めるだけ。
現場を見ることも、
数字の裏を読むこともなかった。
帳簿上は黒字。
けれど、そこには工夫も意志もなく、
ただ“回っているだけ”の仕組みが続いていたのです。
何もしなくてもお金が振り込まれてくる。
それで満足していたのです。
💡 無駄の中に見えてきたもの
私はその報告書を眺めながら、
「これ、本当に必要なのだろうか」と思うことが増えていきました。
雑費、管理手数料、整備費用。
最低限の維持費。
一つひとつの金額は小さくても、
積み重なれば決して軽くはない。
そしてもう一つ、現場を見て感じたことがありました。
万一のときのためにと、
常に1〜2台分のスペースを“空き”として確保している。
それが、昔からのやり方でした。
確かに安全策ではある。
けれど、空き区画があるということは、
その分だけ毎月の収益が減っているということでもある。
また、車がどんどん大型化していくなかで、
奥まった区画は「停めにくい」という理由で放置されていた。
そのままでは、時代についていけず、いずれ誰も使わなくなる。
「前者は無駄、後者は工夫でなんとかならないか?」
そう思うようになったのです。
不動産業者も、
「特に何もしなくても。」とだけ言うばかりで、何の提案もない。
その無関心さに、
この土地の未来を預けてはいけないと感じ始めていました。
🌿 「守る」と「放っておく」は違う
父のやり方を否定したいわけではありませんでした。
ただ、守るつもりで放っておくと、
土地は少しずつ古びていく。
“現状維持は後退を意味する”という言葉があります。
この時にそれを実感しました。
気づかぬうちに、
「安定」が「停滞」に変わっていく瞬間がある。
当時の私はまだ見ているだけでしたが、
その光景が、
やがて自分が手を動かすきっかけになっていきました。
🌇 いまにつながる気づき
あの頃の違和感は、
いま思えば最初の“経営の感覚”だったのかもしれません。
大きな投資をしなくても、
やり方を少し変えれば良くなるところはたくさんある。
そう気づいた瞬間から、
私は“見ている人間”ではなく、
“動かす人間”になる準備をしていたのだと思います。
このあたりの改善策を、
次回から少しずつ書いていきます。
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