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䞀メヌトルの凪①

    あらすじ

    深倜䞀時を過ぎたコむンランドリヌに、女性が駆け蟌んできた。
    息が䞊がっおいた。膝の䞊のスマヌトフォンが、立お続けに震えおいた。圌女はそれに觊れなかった。

    名前も知らない。事情も蚊かない。ただ、朚曜ず日曜の深倜に、同じ堎所で掗濯機が回るのを埅っおいる。䞉台分あった距離が五台分に広がり、たた瞮たり、やがお䞀台分もなくなる。

    八月の終わりから翌幎の四月たで。䌚話は最小限。起きる出来事は、ほずんどない。それでも䜕かが、確実に倉わっおいく——掗濯機のリズムが、吐く息の深さが、隣に座る肩の角床が。

    䜕もしないこずが、誰かを救うこずがある。
    深倜のコむンランドリヌを舞台にした、ずおも静かな再生の物語。


     深倜䞀時を過ぎたコむンランドリヌには、自分のほかに誰もいなかった。蛍光灯の癜い光が、䞊んだ掗濯機のステンレスに反射しおいる。也燥機が䜎く唞っおいる。それ以倖に音はない。

     ドアが開いたのは、也燥機があず十二分を瀺しおいたずきだった。

     女性が䞀人、駆け蟌むようにしお入っおきた。倧きなランドリヌバッグを肩にかけお、息が䞊がっおいた。幎霢は自分ず同じくらいか、少し若いか。髪をひず぀に束ねおいお、Tシャツの襟元が汗で湿っおいる。八月の深倜にそこたで汗をかくのは、急いでいたか、どこかから逃げおきたか、そのどちらかだった。

     圌女は自分のほうをちらりず芋お、軜く䌚釈した。それから奥の掗濯機のひず぀にバッグの䞭身を入れ始めた。慣れた手぀きだった。掗剀を投入口に泚ぎ、硬貚を入れ、ボタンを抌す。䞀連の動䜜に迷いがない。

     掗濯機が回り始めるず、圌女はそのたた隣のベンチに座った。自分ずは䞉台分の距離がある。

     圌女はスマヌトフォンを取り出したが、画面を芋぀めるでもなく、膝の䞊に眮いたたた、がんやりず掗濯機の窓を芋おいた。衣類が氎の䞭でゆっくり回っおいる。蛍光灯の光が、圌女の暪顔を均䞀に照らしおいた。

     目を逞らした。也燥機の残り時間を確認する。十分。

     それだけだった。

     也燥機が止たっお、衣類を取り出し、畳んで袋に入れた。圌女はただ同じ姿勢で座っおいた。掗濯機の回転音が、さっきたでの也燥機の音に取っお代わっおいる。

     店を出るずき、自動ドアの手前で少しだけ振り返った。理由はわからない。圌女は自分のほうを芋おいなかった。膝の䞊のスマヌトフォンが、立お続けに震えおいた。圌女はそれに觊れなかった。

     倖は八月の倜気がただ重く、アスファルトに昌間の熱が残っおいた。自転車の鍵を倖しながら、コむンランドリヌの窓越しに、蛍光灯に照らされた店内を芋た。

     圌女の肩が、少しだけ䞞たっおいるのが芋えた。

     それ以䞊芋なかった。自転車を挕ぎ出しお、倜の道をたっすぐ垰った。

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    小説を曞いおいたす。普段の生掻の䞭で感じたこずを、静かな文章で衚珟したいなず思っおいたす。1䜜目「線」、2䜜目「䞀メヌトルの凪」、今は3䜜目「アスカ」ずいう䜜品を曞いおいたす。

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