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【創䜜倧賞】応募䜜品『゚リック 優雅なる生掻』第䞀話 『チョコレヌト工堎にお』第章

    【あらすじ】
    本䜜品は「
    ゚レナ婊人の教え」に続く物語である。
    入瀟幎目歳になる䞻人公ヒロは䌁業ぞ出向。埅ち受けおいたのはこれたでにない詊緎。新しい䞊叞の栌奜の逌食ずなり毎日眵倒され぀ぶれそうになる。

    人生を諊めかけたずき「゚レナ婊人」ず出逢い、あらたな道を暡玢しはじめる。しかし日に日に状況は厳しくなり、遂にはリストラ。心機䞀転オヌストリアに䜏む゚レナ婊人の息子゚リックさんのチョコレヌト工堎で経営を孊ぶこずを決める。

    旅立぀盎前、自らペットを操り船旅に出たヒロは屋久島に立ち寄り、持垫源䞉ず再䌚。か月に枡り持を孊ぶ。続線の本䜜はオヌストリアぞの旅立ちを前に無人島で過ごすずころからはじたる。

    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ
    ※泚前䜜「゚レナ婊人の教え」は人生の道しるべ。続く本䜜「゚リック 優雅なる生掻」はやりたいこずを芋぀け圢にする物語。前䜜をただお読みになっおいない方は「゚レナ婊人の教え」からご芧ください。
    《目次》※第䞀第五話 たであり、章は通し番号
    ・第䞀話『チョコレヌト工堎にお』あらすじ含む第章
    ・第章第章
    ・第章第章
    ・第二話『ビアホヌル・マむンツ』第章第13ç« 
    ・第14章第20ç« 
    ・第䞉話『情熱の鐘』第21章第23ç« 
    ・第四話『浜蟺にお』第24章第27ç« 
    ・第五話『再䌚』第28章第31ç« 

    第章 旅立

    源䞉ず別れ、週間が過ぎた。䜓を匵っおくぐり抜けた、あの日々が懐かしい。ふず海の向こうに目をやるず、朮颚は肌に優しく、圌方には雲ひず぀ない青空が暪たわっおいた。
     
    県前には静かな海がどこたでも広がっおいる。日ざしはこずのほか匷く、ペットの垆が甲板に小さく圱を䜜っおいた。そこで匷烈な日差しを避けるべくその圱に身を隠すかたちで「く」の字になっお寝た。
     
    どれくらい経っただろう  そんなこずをがんやりず考えおいるずい぀しか眠りこけおいた。寝返りを打ち薄目を開けるず、遠くに無人島らしきものが芳えた。ダシの実・果物がたわわになっおいる。ふだん芳るこずのないその光景にしばし芋ずれ、島に立ち寄っおみるこずにした。
     
    波打ち際の砂浜に乗り䞊げるように船を停め、島の䞭心ぞず䞊がっお行った。次第に日は暮れ、肌寒くなった。そこで朚切れや枯葉を集め、たき火で暖を取るこずにした。たき火の灯りで気づかなかったが、日は沈み、あたり䞀面暗くなっおいた。
     
    草朚は少し湿っおいるのか思うように火が぀かない。そこで也いた葉っぱを芋぀けおは混ぜ合わせた。䜕床かチャレンゞするうちようやく火が぀いた。朚々に着いた火はパチパチず音を立おお燃え、炎は揺れた。
     
    たき火のそばに座り、ひず仕事終えた安堵感に浞っおいるず、源䞉から枡されおいた手玙のこずを思い出した。薄暗がりのなか、ポケットから手玙を取り出し、炎の灯かりだけを頌りに読みはじめた。字を曞き慣れない源䞉らしく、それは手玙ずいうより走り曞きのメモだった。

    ヒロさんよ。ひず぀忠告しおおこう、海を枡る心埗をな。
     
    嵐が来る前は䜕かず䞍安になる。だがいざ来おみるず案倖萜ち着いおいられるモンだ。危ないずきほど自分を芋倱わねぇ。ほかが芋えねぇからな。
     
    だが嵐の過ぎ去ったころが䞀番危ねぇ。気が緩んで油断すっからな。
     
    蚀っおみりゃあ男ず女の色恋沙汰だ。呚りが反察すればするほど本人たちはムキになる。カヌッず熱くなるんだ。
     
    ずころがどっこい。いざ䞀緒に䜏みはじめたら、呚りは急に静かになり本人たちは冷めちたう。そんなずきだ、ほかの女に手を出すのは。それず䞀緒さ。
                                   源䞉

    ――䜕のこずだろう。
     
    しわくちゃになった玙に、汚くよれた字――それはたさしく源䞉そのものだった。圌ず過ごした嵐のような日々、それもいたは無い。源䞉さんは僕にどうしろず蚀うんだ――。

    どこたでも続く氎平線を境に、赀茶けた空ず青黒い海が目に飛び蟌んできた。波の静けさだけが劙に目に付く。その光景を肌で感じおいるずだんだん小腹がすいおきた。
     
    そこでさっき網で぀かたえた魚を、䞀匹ず぀䞲刺しにしお焌いた。芯たで焌けたのを芋はからい、そのたたかじり぀いた。海の塩加枛がほどよくうたい。
     
    い぀しか倕陜は氎平線の向こうにスッポリ隠れ、䞀局あたりは暗くなった。空には星が出はじめ、そのなかでひず際茝く星を芋぀めおいる、次第に気持ちも萜ち着いた。

    ――䜕をしに、僕はこんなずころたで来たのだろう  。
     
    そんなこずをボンダリず考えおいるず、寄せおは返す波の音が耳に響いおくる。その波打ち際に座り、波がかかるか、かからないかのずころで星たちを眺めおいるず、旅立぀日の別れ際に蚀ったカレンの蚀葉が浮かんできた。

    「ヒロ、離れおいおも遠くから芋おいるわ。本圓はもっず䞀緒にいたかったし匕き留めおおきたかった。でもできなかった。あなたには圹目がある。ただ芋ぬ人たちがあなたを埅っおいるわ、きっず。

    怖くおも突き進んで行く――そんなあなたを芳お倚くの人が勇気をもらうはず。自分にもできるんじゃないかず想っおね。だからあきらめないで。あなたのやっおいるこずがい぀か理解される時がくるわ。そのずきたでわたし、応揎しおいるから。今床逢うずきは旅の話でもゆっくり聎かせおね」
     
    カレンのこずばが耳にこだたする。埮笑みながら蚀った圌女の顔が目に浮かぶ――そのずき、忘れおいた旅の目的を思い出した。
     
    僕は、゚レナさんの息子であり、チョコレヌト䌚瀟を営む゚リックさんに逢いにオヌストリアぞず旅立぀――それは盎接、圌の口から話を聎くためだ。お菓子工堎でチョコレヌトを補造し、ペヌロッパ党土ぞ茞出する圌に、ビゞネスのしくみから埓業員やお客さんずの関わり、お金ずの䞊手な付き合いかたを孊ぶためだ。自分のやりたいこずを芋぀け、どうやっお圢にしおいくのか、じかに肌で孊ぶのだ。
     
    船旅にかたけおあやうく倧事なこずを忘れるずころだった。゚リックさんに逢いに行く――そもそもの目的を思い出すず、䞍思議ず力が湧いおきた。オヌストリアにはこれたで䞀床も足を螏み入れたこずがない。行く先々にはどんなこずが埅ち受けおいるのだろう。オヌストリアがどんなずころか、゚リックさんがどんな人か、それすらほずんど聎かずにここたで来おしたったのだ。

    䞞二日その無人島で過ごし、沖瞄に立ち寄り、民宿に泊たる。䞀週間をかけ長旅の準備をするためだ。

    か぀お゚レナ婊人もこんな旅をしたのだろうか。幎も前、どんな想いで海を枡ったのだろう  。圓時は亀通の䟿も悪かったしむンタヌネットもなかった。いたずは比べものにならないほど䞍䟿だったし䞍安も倧きかっただろう。時代は違えど圌女ず同じ道をたどっおいる。これも䜕かの運呜か。

    沖瞄から成田たで飛び、銙枯で䞀泊――。翌日、スむスはゞュネヌブぞず飛んだ。勝手がわからずカタコトの英語しか話せない。身ぶり手ぶり亀えお話すずやっずの想いで通じた。ゞュネヌブからは高原鉄道を䜿っおオヌストリア入りした。
     
    スむスからオヌストリアたでの車窓から眺めるパノラマビュヌは壮芳。これたでの日垞ずはあたりにかけ離れおいる。たるで別䞖界に来た気分だ。
     
    レヌルの継ぎ目を拟う“ゎトンゎトン”ずいう音が劙に心地良い。その音を代わりに窓からの景色は、ほかのなにものにも代えがたかった。
     
    オヌストリアに着くず、地元では有名な老舗ホテルで䞀泊――。翌朝、゚リックさんに指定された堎所ぞず向かった。

    第章 ラむン川のほずりにお に぀づく
     
     

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