いい歳こいたおっさんがエースコンバットの思い出を語る話 7編
今回はカウントについて語ります
最近(注:2026年1月にこの記事を書いています)、エースコンバット関連プラモデルの素晴らしい作例を連続で拝見する機会があり(いやー、眼福眼福!)、ここ20年ほど自分がプレイしてきたエースコンバットシリーズを思い出し、PS2三部作(AC04/5/ZERO)、Xbox360(AC6)、PS4(AC7)を久しぶりにプレイしました。実に懐かしい。古いゲームの再プレイは単に遊んで楽しいだけでなく、最初にプレイした当時の記憶や思い出が蘇って来て、感慨に耽りながらプレイしました。
いろいろ思い出はあるのですが、エースコンバットシリーズを通して好きなキャラクターが2人いるので、そのキャラクターについて思う事を思いつくままつらつらと書いていこうと思います。
今回はその2人目、カウントについて書いていきます。
なお、一人目の記事は以下のリンク先を参照下さい。
エースコンバット7の紹介
エースコンバットは3次元空間中で戦闘機を操縦して、敵機と空中戦をしたり地上目標を爆撃する、フライトシューティングというジャンルのシューティングゲームです。
そして、シリーズの一つに「エースコンバット7」があります。
エースコンバット7のサブタイトルは「スカイズ・アンノウン(未知なる空)」といい、架空のエースコンバット世界(ストレンジリアル世界と言います)で起きた「灯台戦争」(第二次大陸戦争とも)で活躍した主人公(TACネーム:トリガー)の物語です。
プレイヤーは物語の主人公・トリガーとなって戦闘機を操り、灯台戦争で英雄となります。
発売は2019年、対応機種はPS4、XBOX X/S、そしてゲーミングパソコンのプラットフォームであるSteamです。

プレイヤーはメビウス1として
ミッション12にて
ストーンヘンジを攻略します。
ストーンヘンジは8基ありますが、
1基は最初から擱座していたため
メビウス1は残り7基を破壊しました。
画面右上に見切れている、
最初から擱座している1基が
AC7で復活します。

筆者のプレイ画面を撮影。
PS2でもこのくらいの美麗さはありました。

AC04で破壊されることなく残った1基を
アーセナルバード狙撃に使用するため、復活させます。
そうはさせじとストーンヘンジ破壊に迫りくるエルジア軍。
プレイヤーはトリガーとして
ストーンヘンジを防衛します。
ミッションナンバーは奇しくも12。
胸熱ですね。

筆者のプレイ画面を撮影。
かつて自分が破壊したストーンヘンジを、
劇中の時間で15年後に、
リアルの時間で17年後に
防衛することになろうとは。
BGMもAC04の「ストーンヘンジ攻撃」のアレンジです。
このゲームにおいて、F-15S/MTDはとても使い勝手の良い機種で、私のお気に入りです。格闘戦に長けており、FAEBという大型爆弾で地上攻撃もお手の物。対空/対地どちらでも使えるので重宝しています。キットが手に入れば作ってみたいですね。昔、ハセガワから改造用のレジンキャスト部品を同梱した限定品が出ていたらしいですが、今は入手不可能。
さて、プラモデルの既製品を改造してそれっぽいモノを作ってみるか……(←次回作への伏線(笑))
カウントという男
懲罰部隊のカウント
このカウント(伯爵)をTACネームにする男、なかなか胡散臭いです。なんでもオーシア軍内で詐欺を働いたとかで、懲罰部隊に送られています。
主人公・トリガーはストーリーの序盤ではハーリング元大統領を殺害した容疑で懲罰部隊・第444空軍基地(通称「ザップランド」)に移送されるわけですが、ここでトリガーはカウント達囚人兵とともに懲罰部隊「スペア隊」に所属し、普通の部隊ではやらないような危険な任務に従事させられます。
スペア隊でのカウントは、腕は良いもののトリガーによる撃墜を自分のスコアとして噓の報告をしたり、トリガーが命令に従って嵐の中に突っ込むのをバカにしたりと、何かにつけてトリガーと張り合います。
このように、ここでのカウントはトリガーを敵視するひねくれ者として描かれています。
ただ、腕が良いのは確かだという事で、第444空軍基地が解隊され部隊丸ごと引っ越しする際は他のメンバーと違い、トリガーと2人でマッキンゼイ基地司令の護衛任務に就くことになります。
エース部隊のカウント
引っ越しの道中のゴタゴタで、トリガーとカウントは長距離戦略打撃群(軍ではなく、群です)、通称「ロングレンジ部隊」と呼ばれる特殊任務部隊に転属となります。ロングレンジ部隊は2つの小隊「サイクロプス隊」と「ストライダー隊」からなる小さな部隊で、通常の作戦部隊とは異なる、小規模隠密行動専門の部隊です。
そこでカウントは「パイロットは消耗品」と言われていたスペア隊と真逆で「全員生きて帰れ」という扱いを受けます。
最初こそスペア隊時代の斜に構えた態度で一匹狼を気取っていたカウントですが、元々腕が確かだったことからワイズマンの指揮するサイクロプス隊の2番機となります。そこでも相変わらず、ストライダー隊の隊長となったトリガーに「お前がは隊長で俺は2番機かよ」と毒づくのですが、ワイズマンの後見のおかげで次第にチームワークの重要さに目覚め始め、やがてチームメンバーとの間に絆が芽生えます。
このように、ゲーム中盤以降ではカウントが環境を変えることで徐々に人間的に成長していく様子が描かれます。
ゲーム終盤、エルジアの首都・ファーバンティ攻略時にワイズマンが撃墜されたときは、チームメイトからサイクロプス隊の(そしてロングレンジ部隊全体の)指揮をワイズマンから引き継ぐように言われ、つい「俺には出来ねぇ!トリガーにやらせりゃ良いだろ!」と吐き捨てます。それまでずっとトリガーと張り合い、自分の方が上だと嘯いてきたカウントが、己の能力の限界を認めた瞬間でした。
成長するカウント
しかし僚機の再三の要請に、カウントは迷いを吹っ切るように雄叫び声をあげると、矢継ぎ早にチームに指示を出し、トリガーが敵エースと戦える状況をたちどころに準備します。まず自分よりトリガーのほうが腕が上であることを認め、次にそのトリガーにワイズマンのかたき討ちを託し、自分はワイズマンから指揮権を引き継いでトリガーのためにかたき討ちの場を用意する……カウントはそこまで成長していました。
そして最終ミッション。
軌道エレベーターに通じる海底トンネルに侵入した無人機を追えと皆がトリガーをたきつける中、カウントだけは「みんなトリガーに頼り過ぎなんだよ!」とトリガーとともにトンネルに飛び込みます。そして皆が「カウント、無茶だ」と言えばカウントは「その無茶をトリガーに押し付けてるんだろ!」と反論します。エースだけに厄介ごとを任せはしない、責任を分かち合い、共に進むのだという覚悟がカウントの心に芽生えているのが判ります。
そうしてトンネルを進むトリガーの背後に無人機の攻撃が迫った時、身代わりに銃弾を引き受けてくれたのがカウントなら、無人機を操っている人工知能の操作で出口が塞がれ、海底トンネルから脱出できなくなったとき、脱出法を思いついたのもカウントです。こうして、遂にカウントはトリガーを「エースとして活躍させる」相棒のポジションにまで成長しました。
トリガーには軌道エレベーターを使った脱出を勧め、自らは不時着を試みるカウント。
軌道エレベーターから脱出したトリガーの機影に皆が沸き立つ中、ストライダー隊のフーシェン(狐仙、HuXian、中国語で狐の妖怪)が「まだだ、ストライダー2(カウントの事)の無事が確認できていない」と諫めるのもまたチームの絆の現れです。
その声に呼応するかのようにカウントの無線が復活します。
「あいつ(トリガー)はいつも俺の上を飛んでいるのさ」
その声色は達観と自信に溢れ、かつての詐欺師と呼ばれ、斜に構えたひねくれ者のトーンはありませんでした。
結論
7はカウントの成長物語である
エースコンバット7は、表面的には主人公トリガーがエースっぷりを発揮する物語ですが、上述のように最初は精神的に未熟で人間的に弱かったカウントが、ロングレンジ部隊に迎え入れられたことで仲間を得て、トリガーの任務を全うしていく姿(ロールモデル)を鑑として成長していく物語(ビルドゥングスロマン)として読むことも可能です。
特にフーシェンとの関係性の変化が素晴らしい。カウントがロングレンジ部隊に配属されたばかりの頃はフーシェンからは辛辣な言葉を投げかけられ、ことある毎にぶっ飛ばすぞと脅されていたのに、チームメイトとしての責任を果たして行くうちに、ついにはフーシェンからその身を案じられ、仲間として受け入れられる存在に成長するのです。
ラストのカウントとフーシェンの爽やかな掛け合いに、胸のすく想いをしたプレイヤーも多いと思います。
この清々しさ、爽やかさ。単に「エースが活躍して巨悪をやっつけました」で終わらない幸福な読後感。これだからエースコンバットはやめられません。
シナリオ、というかストーリー設計は、映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督が担当しているとのこと。「魅せる物語」ですねぇ……
