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あんたなんか倧っ嫌い最終話 倜明け間近のレクむ゚ム

    kzy文庫

    今日もkzy文庫を蚪れお䞋さり有難うございたす
    「誰かが気軜に蚪れおくれる“昭和時代の瞁偎”を䜜りたい」
    kzyカゞ―です

    今回は私が曞き溜めおきた「あんたなんか倧っ嫌い」シリヌズ最終話です。文字近いので、お時間に䜙裕がある時にどうぞ
    ちなみにこのシリヌズはすべおフィクションですが、いじめや虐埅に関する話題が出おきたすので苊手な方はご遠慮ください

    プロロヌグ
    昭和の時代、音楜を聎くのはレコヌドでした
    面は誰もが知っおいるヒット曲、そしお面には誰もただ知らない隠れた名曲が刻たれおいたした
    今日は、そんな面の物語です


    私の名前は九条幞子
    今ずなっおは自分の名前すら正確には思い出せないけれど、幞子っお名前だけは忘れずに芚えおいる
    「幞子ちゃんの幞は䞍幞の幞ね。みんな仲良くするのよ」
    キツネのような顔をした幌皚園の担任がみんなの前で私の名前を銬鹿にした
    心底、意地の悪い担任だったが、圌女のお陰で私は䞀生、自分の名前を忘れずに生きるこずができた
    沢山の源氏名を䜿っお、どれが自分の本圓の名前かを忘れかけた時、かならず担任のこのフレヌズを思い出した
    おかげで自分が幞子っお名前なんだずいうこずを忘れずに生きおこられた
    女狐先生、ありがずう

    私はもう、ずいぶんず長い間、生きおきた
    その呜ももうすぐ終わりを告げようずしおいる

    振り返れば、ずいぶんず荒れた暗い倜道ばかりを歩く人生だった


    私は、物心぀いた頃からずっず父芪に虐埅されおきた
    「お前が生たれたせいで、ずっず家が貧しい」
    「俺の小遣いが無いのはお前のせい」
    「俺の仕事がうたく行かないのもお前のせい」
    「俺の機嫌が悪いのもお前のせい」
    「俺の人生はお前が生たれた時に終わった」

    党郚、おめぇのせいだろうが。くそ芪父
    なんども、なんども心の䞭で叫び続けたこの蚀葉
    䞀床も声に出せなかったこの蚀葉
    声に出しおしたえば、その薄汚い蚀葉が自分の心に染み぀きそうで

    それでも吐き出さなければ、頭がおかしくなりそうなこの蚀葉

    父芪の眵声が怖くお、暎力が怖くお、母芪の䞍機嫌が怖くお、この䞖のすべおが怖かった
    倧人達の笑顔の裏に隠された呪いのような感情がひどく怖かった

    そんな私も幌皚園に通う事が決たった時、ようやく倖の䞖界ぞの䞀筋の光が芋えおきた
    楜しみにしおいた登園初日、担任がみんなの前でこう蚀った

    「幞子の幞は䞍幞の幞」ず
    女狐のような鋭い県をした倧嫌いな担任。誰も頌んでいないのに勝手に担任になった人
    倧嫌いな倧人がもう䞀人珟れた


    母芪は私が小孊校幎の時に離婚し、幎生に䞊がる頃に再婚した
    再婚埌は曎なる貧乏暮らし
    母芪は新しい男に倢䞭になった
    その男は私に察しおも  

    家にはい぀もお金がなかった
    掋服もい぀も同じ服。そしお䞋着は枚だけ
    せめお䞋着だけでも買っお欲しいず母に蚀うず「誰もお前の䞋着なんお芋やしないよ。いっそ履かなくおもいいくらいだ」
    私は心底、哀しくなった

    毎日、垰宅埌に䞋着を掗いながらい぀かこの家を出たいず願っおいた

    同じクラスに悪ガキ男子人組がいた
    ある日、その男子にスカヌトをめくられた
    私の人生はそこで終わった

    「うわっ、汚ねぇ。貧乏、貧乏、やヌい貧乏」

    たるで凶噚の雚のように私の心に突き刺さる蚀葉の刃
    矞恥ず恥蟱ず䟮蟱ず屈蟱
    ありずあらゆる䟮蔑の蚀葉が私の頭䞊に降り泚ぐ

    それからは毎日、いじめられた

    圓時私は癜斑病を患っおおり、それも栌奜の逌食ずなった
    汚くお、病気の子䟛
    近づけば病気がう぀る
    私のそばを通る時には誰もが口を手で抌さえお走り去った
    う぀るはずなどない病気でも、芋た目だけでれっきずした䌝染病になるらしい

    やがお、誰も私に近づかなくなった
    男子も女子も私を避ける
    しかし、私にずっおはむしろ奜郜合だった
    私の䞖界には皮類の人間しかいない
    私を傷぀ける悪人ず、私に䞀切興味がなくそしお私からも芋えない透明人間
    できるこずならこの䞖のすべおが透明人間であっお欲しかった


    い぀も教宀で独り
    授業䞭も䌑憩時間も、そしお絊食の時間も
    私はい぀も独りで過ごしたが、それが苊ずはたったく思わなかった

    たった䞀぀、私にずっお蟛い時間があった
    それは䜓育のフォヌクダンスの時間
    男女が䞊んで茪になっお、それぞれに手を぀ないで螊る

    フォヌクダンスでは誰も私に觊れない
    手を觊る事すら「汚ねぇ」ず蚀われ、誰も指先ひず぀觊れようずもしない

    「うわぁ、次は幞子じゃん、汚ねぇなぁ」
    「はやく曲倉わんねぇかな」

    誰もが私ず手を぀なぐ前に曲が終わり、反察呚りになる事を声に出しお願っおいた
    い぀も私は䞀人でフォヌクダンスを螊らされた

    私は誰かず手を繋ぐずいうこずを、教えおもらえなかった

    家でも孊校でも毎日いじめられる
    孊校で私は意地になっおわざず嫌われる事をやり、嫌がられる事を蚀った
    私を汚いず眵る銬鹿な男子達に思い぀く限りの悪態を返した
    あの頃の私にはそれが粟䞀杯の匷がりだった

    自分自身の心を守るために、私が出来た粟䞀杯の戊い
    自分以倖はすべおが敵だった
    それでも誰も私を守っおはくれなかった

    私に察するいじめず虐埅は䞭孊入孊埌、さらに゚スカレヌトしおいった
    私は心底、自分が女子である事を呪った
    男子であれば暎力で戊う事ができただろうに
    身䜓も心も蹂躙され続ける自分の匱さが憎かった

    䞭孊幎間を必死に生き延びお、高校は隣町の孊校を遞んだ
    母芪がなんずかお金を工面しおくれた
    今思えば、私が家にいない時間の方が倧事だったのかも知れない


    高校の入孊匏
    教宀に入っお自分の垭に着く
    もちろん私は友人など望んではいない
    クラス党員が透明人間であったならそれでいい

    ふず、芋るず隣の垭の男子が筆蚘甚具を忘れおきたようだ
    なんども鞄の䞭を探っおいる
    圌も透明人間であっお欲しい

    䜕枚かのプリントが配られ、各自、蚘入させられた
    うっかり私が消しゎムを萜ずしおしたい、それが圌の足元に転がった
    「ほらよ」
    圌は圓たり前のように消しゎムを拟っお、その手を私の方に差し出した
    「ほら」
    おそるおそる手を出すず、圌は巊手で私の手を぀かんで、開いた私の手のひらにそっず消しゎムを眮いおくれた
    初めお、男子に觊れられた私の手

    消しゎムを枡すず圌はもう䜕事もなかったように埌ろの垭の男子に
    「わりぃ、シャヌペン忘れちゃった。䞀本貞しおくれない」

    その埌、圌ず話をする機䌚はなく、しばらくするず垭替えがあっおそれっきりになった
    私もそれきり教宀内のすべおの同玚生を透明人間ずしお過ごした


    高校幎ぞ進孊
    高校幎のクラス、偶然にも圌が再び私の隣の垭に䞊んだ
    圌は私の事など芚えおいないだろう
    私もなるべく意識しないように自分を閉ざしお授業をやりすごしおいた

    そんな、ある日突然に圌が私の鉛筆を取り䞊げ、窓の倖に攟り投げた

    「あんたねぇ」

    思わず、声が出おしたった
    私の筆蚘甚具は鉛筆䞀本しかなかった
    それも小孊校からずっず䜿っおいたため、もう削れないほど短く小さくなった鉛筆
    それでも私にずっおは倧切な倧切な鉛筆だった

    先生が私の声に驚いお駆け぀けおきた
    おそらく私の声を初めお聞いた瞬間だったであろう
    先生が事情を聞き、圌に泚意ず叱責を䞎えるず圌は自分のシャヌプペンを差し出した
    「匁償する。代わりにこれ䜿え。これもやる」
    圌が䜿い叀したシャヌペンず新品の芯ケヌスを差し出した
    私は初めおシャヌペンで文字を曞いた

    別の日に、今床は圌が私のノヌトを砎いた
    正確にはノヌトの裏衚玙
    私の冊だけのノヌト、すべおの授業をこのノヌト䞀冊に曞き取った

    「あんたねぇ」

    今床は先生が来る前に圌が謝った
    「匁償する。これ䜿えよ」
    真新しいピンク色のノヌトが冊

    それから、圌ずは「あんたねぇ」が合蚀葉のようになった
    圌ず亀わすこの蚀葉が唯䞀私の声ずなった
    無邪気に子䟛のような悪口を必死になっお蚀い返す、そんな圌が愛おしかった


    季節は月に入る頃
    色鉛筆は色、小孊校から䜿っおいる私のちびた色鉛筆
    党郚が小指ほどの長さしか残っおいない
    その䞭でも倧奜きなオレンゞ色は、もうほずんど削れない
    「ふん、これやるよ」
    乱暎に差し出された圌の手にはオレンゞ色の色鉛筆

    「あんたねぇ。。」
    私の声が、か现く震える

    私は今たで「ありがずう」ず蚀った事など䞀床も無かった
    人生で䞀床も぀ぶやいた事がないその蚀葉
    たった文字の「ありがずう」。それをどうしおも、うたく蚀えなかった

    その蚀葉を口にしたら、私の心が壊れおしたいそうだった
    他人を認める事は、自分自身の心を殺す事だず信じおいたから

    「ありがずう」は呪いの蚀葉
    他人の善意を受け入れる事。それが私にはひどく恐かった
    私は心底、ひねくれおしたっおいた


    本の䞇匕き
    ひねくれた私の心がどうしおも圌を忘れたくないず願っおいた
    䞀生、消えない眪悪感を自分の心にタトゥヌのように刻みたかった
    眪悪感の痛みず䞀緒に、圌ぞの思いを心に深く刻み蟌みたかったのかも知れない

    圓時の私には唯䞀、倧奜きな堎所があった
    それは隣町にある小さな叀本屋
    幎老いた店䞻は、ずっず居眠りをしおいる
    本が売れるずころを芋たこずも無い
    叀い本ばかり䞊んでいる小さな店内で私はい぀も立ち読みをしおいた
    本が読みたいのではなく、この店にいる間は安心できたから

    そんな倧切な店で、ある日私は冊の本を䞇匕きした
    本を盗んで走り出した途端、運悪く駐車違反を取り締たっおいた譊官に出くわした
    血盞倉えお、カバヌも無い本を抱きかかえお䞍自然に店から飛び出した姿は䞀目瞭然
    譊官に取り抌さえられ店ぞず連れ戻される

    譊官が状況を聞くず店䞻はこう蚀った
    私が盗んだ本を「あげた」のだず
    「その本は私がこの子にあげた本。持っお垰っおゆっくり読みなさい」

    譊官がしぶしぶ私を攟免した


    どんなに心がひねくれおしたっおも、どんなに自分自身の身䜓を傷぀けようずも、この頃の私はすでに圌を奜きになっおしたっおいた
    自分の心の䞭に別のもう䞀人が入り蟌んでしたっお、どれが自分なのかたったく区別が぀かなくなっおしたっおいた
    圌を思う時にちくりず心が痛む
    この胞の奥にだけ、ほんずうの自分の居堎所があるず思えお嬉しかった
    生たれおから初めお出䌚う自分
    初めお心の居堎所を感じ取り、穏やかな枩もりがそこにはあった

    高校幎の䞀孊期終了間近

    䌑み時間
    寝おいたはずの圌が突然、私の目をみ぀めながら぀ぶやいた

    『お前っお可愛いよな』

    その蚀葉を私の心が受け止めるには心の噚が小さすぎた
    そしお、もろすぎた
    たった䞀蚀で私の心の䞭には暎颚雚が吹き荒れ、自分の感情が倧きく揺さぶられどうにも収拟が぀かなくなった
    溢れ出る感情ず今たで抑え続けおきた心の声が䞀気に噎き出しお、今すぐに倧声で泣き叫びそうだった
    今たで䞀床も人前で泣いた事などなかったのに

    思わず、私は倧声で叫んでいた

    「あんたなんか倧っ嫌い」

    生たれお初めお、自分の感情を声にした
    心の䞭の溜たりに溜めた自分自身の絶叫が、ようやく珟実䞖界に飛び出した瞬間だった
    私の心がこの䞖に生たれ出た瞬間
    次々に溢れ出す心の声に蚀語化が远い付かない
    感情が连り、今、ここに自分が生きおいるずいうこずを初めお実感した
    嬉しくお、哀しくお、今たでのすべおの感情を怒りに乗せお吐き出しおしたった
    そしお泣きながら教宀を飛び出した
    私には逃げ垰る堎所など、どこにもないず蚀うのに


    その晩、母ず䞀緒に倜逃げした
    䜓調䞍良で早めに倜勀を切り䞊げお垰宅した母が芋たもの
    その埌、父芪ず母芪の激しい喧嘩ず飛び亀う怒号
    暎力ず凌蟱に耐えかねお深倜に二人で着の身、着のたた逃げ出した

    それからの生掻はもっず苊しかった

    母芪ず別れお私は倜の䞖界で生き延びる道を遞んだ
    この䞖界で行き぀くずころはい぀も同じ

    五反田、新宿、池袋
    郜䌚の空は、どこにいおも芋䞊げるばかりだった
    昌でも倜でも芋䞊げる床に、たるで深い穎の底に萜ちたような気分にさせる
    もう二床ず這い䞊がれないのだず実感させられる暗い穎の底が私の䜏む堎所

    郜内の歓楜街を流れ流れお蟿り着いた終着点は䞊野駅
    私は䞊野の隣にある鶯谷近くの裏路地で身䜓を売った
    郜䌚に憧れお䞊京し、䞀攫千金を倢芋た男たちが、やがお倢に
    砎れお故郷ぞ垰るために戻っおくる堎所
    䞊野はそんな駅だった

    郜䌚を離れる最期の倜
    倢に砎れた男たちが私の身䜓に未緎を吐き出す
    そんな男たちの哀しみを私は毎晩、受け止めた
    「あなたがせめお、これ以䞊自分を嫌いにならないように」
    「あなたがい぀か、自分を愛おしいず思える日が来たすように」

    こうしお故郷ぞの切笊代を䜿い果たし、男達は垰る道すらも芋倱う
    哀しみに塗れお私の身䜓も汚れおいく
    掗っおも掗っおも綺麗にならない叀い䞋着を思い出す

    たくさんの源氏名で生きおしたっお、自分の名前を忘れそうになった時に頭をよぎるこの蚀葉。「そう、私の名前は䞍幞の幞子」
    この名前だけが冥界から私を珟実䞖界ぞ連れ戻しおくれた


    䜙呜宣告

    ずいぶんず長い道を歩いおきた
    汚しおしたったこの身䜓も、間もなく寿呜を迎える

    臓噚、県球、毛髪、その他すべおを寄莈する曞類に眲名した
    自分の身䜓をすべおバラバラにしたかった
    私は自分の人生を生きるこずが出来なかった
    せめお残された臓噚を移怍しお、他人の人生に寄り添っおみたいず思う
    反面、自分の痕跡は䜕䞀぀この䞖に残したくはないずも願う
    自分の身䜓を党郚ばらばらのパヌツにしお、存圚そのものの意味を再定矩する

    昔、本で読んだ「ゲシュタルトの厩壊」
    私はそれを、いったん党䜓をばらばらにしお、もう䞀床芋぀め盎すこずだず勝手に解釈しおいた

    身䜓ずしおの意味を倱いバラバラになった手足は、それでも「私の手」ずしおあり続けるのだろうか

    願う事が出来るなら、芋虫がやがお矎しき蝶になるように
    汚れた现胞をぜんぶ溶かしお再生したい
    「メタモルフォヌれ」
    それは矎しい蝶に生たれ倉わるための通過儀瀌

    矎しく生たれ倉わりたいず、どんなに願っおも、
    それでもきっずこの身䜓の穢れは萜ずせない

    せめお死んでからは誰かの圹に立぀
    私の願いは祈りに倉わる


    昔、䞇匕きした本の題名は「咎ず莖眪」
    私の人生を咎ず呪いながら、足掻き苊しんだ最埌の垌望、”莖眪”
    どうすれば莖眪が叶うのか
    呪うべきは背負わされた運呜であり、救われるべきは私の魂
    身䜓は過ちを犯しお裁かれおも、魂だけは赊される
    その唯䞀の方法を探し求めお人は生きる
    そうやっお生きた蚌を“人生”ず呌ぶ

    誰かに勝手に背負わされた咎を、その人生においお莖眪を果たした時、人は倩囜ぞ行けるずいう

    あなたに蚗した冊の本
    そこに曞かれた䞀筋の光

    倩囜ぞ行けば、もう䞀床あなたに逢える


    君ぞ
    なんだか、ずおも懐かしいですね
    私は最埌に遺曞ずいうラブレタヌを曞いおいたす
    盎接あなたに枡す事も読んでもらえる願いも叶わないので、ここにそっず蚘しおおきたす

    「あなた」

    ねぇ、君、あなたは知っおいる
    私達女子は、倧奜きな男性にすべおの愛情ず敬意を蟌めおこう呌ぶ事を

    あの頃、男子は女子を䞋の名前で呌び捚おにする、そんなくだらない事に憧れお、それを頑なに守っおいたしたよね

    私も同じでした

    心から愛した盞手を“あなた”ず呌べる日
    そんな日がい぀か来るのをずっず埅ち続けお、ずっずそう呌びたいず願い続けおた
    い぀か、この願いが叶うこずを信じおた

    その日が来るたで、あなたはずっず君のたた

    君のたたでも私が倧奜きな人に代わりはないけれど
    それでも、い぀か心を蟌めお蚀いたかった

    願いは、もう叶わないけれど、せめお祈りにしお捧げたす
    すべおの女性が、愛した人を“あなた”ず呌べる日が蚪れたすように、ず。

    もしも誰かがこの手玙に気が付いたなら、そっず圌に䌝えおください
    あなたの知らない堎所で、あなたに救っおもらった䞀人の女がいたこずを
    あなたのお陰で幞せずいう気持ちを知るこずが出来たこずを

    私の人生のわずかな幞を手のひらに集めお、あなたぞの愛情ず感謝を捧げたす

    そしお、もしも私の我儘が蚱されるのならば䞀床だけ、手を繋いで螊っおくれたすか

    あなたに莈る最期の蚀葉

    「ありがずう、たたね」


    ゚ピロヌグ
    そのアカりント名を僕は偶然に芋぀けた
    「幞子の幞は䞍幞の幞」

    僕はすぐさた、そのペヌゞぞ飛んだ
    そこにはたった䞀぀だけ、蚘事が掲茉されおいた
    スキもれロ、フォロヌもれロ、もちろんコメントもれロ
    誰にも読たれず、誰の目にも止たらなかったたった䞀通の手玙

    僕はその蚘事をなんども、なんども読み返しおいた
    涙が溢れお止たらなかった

    君、君にはこの蚘事のこずは䌝えずにおこうず思うよ
    倩囜で再䌚した時に幞子から盎接、答えを受け取っお欲しいから

    君がなぜ、生涯、独身だったのかをようやく理解したのは日が昇る頃だった

    すべおの“幞”が、しあわせの“幞”でありたすように  

    聎き終わったレコヌドが、ぜ぀り、ぜ぀りず同じ間隔をあけお音を奏でる
    誰かが手を䌞ばしおくれるたで、ずっず、ずっず
    ぜ぀り、ぜ぀りず

    あんたなんか倧っ嫌い 完


     
     
     
    定幎退職するたで残り2幎。その間に人生の区切り方を決める。珈琲ず本は必須。時には文章を曞いおみようず思いnoteに出䌚う。森の景色の䞭で本ず珈琲ずnote。人生の終焉で芋぀ける新しい可胜性。こんな思いを読者の皆さんず共有出来たら嬉しく思いたす。さお、たずはい぀䌚瀟を蟞めようか

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