
夜風と薄荷と腐っていた大根|2026/07/01
昨日会社を欠勤した。
頭痛がするくらい不貞寝して、シャワーを浴びて、一念発起。
「そうだ、大根ステーキをつくろう」
そう思って、買ったままのビニール袋に入れてあった大根を取り出し。
半分くらい腐っていた。
衝撃映像である。
あやしい汁が滴る大根が入ったビニール袋を持ちながら、唖然とする。
勘弁してほしい。
否、勘弁して欲しかったのは、きっとこの大根であろう。この一本の大根は、私の手に渡ってしまったことで、ここまで大きく育ち、抜かれ、売り場に出されながらその生に意味を見出せずに朽ちていったのだ。
申し訳ない。
今となっては、野菜であったものだ。
どうすればいいのか。
決まっている。片付けるしかないのだ。
深呼吸をして落ち着こうとして、鼻腔をつくなかなかな臭いに我にかえる。
換気扇を回して、ついでに全部の窓も開けた。
心の中で叫びながら、キッチンペーパーを使って滴った汁を拭く。
床にも落ちたので、それも拭く。
せっかくシャワー浴びたのに。
というか汗がすごい。もういや。
何で私はこうなのか。
全部きらい。
何度も乾拭きをして、アルコール除菌もして、ゴミ袋も厳重に縛った。
ーーーそれでも、まだ漂っている気配がする。
思い出したのは、昨年暑さ対策に買った薄荷油。
ぜんぜん使っていないのに、なぜか定位置が決まっていた。
取り出して、シンクにワンプッシュ。
濡れ布巾にも。
再度拭く。
清涼感を詰め込んだ青い香り。
いつもは強すぎる香りが頼もしい。
かなりスッキリした。
ひと通りの処分が終わったキッチンを眺めて、汗を拭いて、ソファに身を埋める。
開けた窓からカーテンを煽って夜風が入る。
気持ちがいい。
クーラーのりも湿度を含んでいるからか、風が柔らかい。
防犯とか考えなければ、このまま空けて慣れるのになと少し悔しくなる。
深呼吸をした。