
075 時代の変化と個人の在り方――「残業美徳」から「二極化の時代」へ
1. はじめに
私が新卒で社会に出た頃、残業はまだ「美徳」
とされていました。
「頑張っている証拠だ」「会社に尽くす姿勢だ」
と言われ、リゲインのCMでは
「24時間戦えますか?」というコピーが堂々と
流れていた時代です。
しかし今では、残業は美徳どころか
「社会問題」として取り上げられるように
なりました。
働きすぎによる健康被害、過労死、
うつ病など、深刻な事例が出たことで、
社会全体の意識が変わったのです。

2. 残業が「悪」になった背景
なぜここまで残業が悪とされるように
なったのでしょうか。
要因として大きいのは次の3つです。
過労死・過労自殺の社会問題化
ワークライフバランスの浸透
国際的な働き方改革の影響
つまり、過去の「残業=会社への忠誠」から、
「残業=不健全で改善すべきもの」へと、
社会全体の評価が大きく反転しました。

3. 残業がなくなった代償
では、残業が減ったことで全てが
よくなったのでしょうか?
決してそうではありません。
かつての残業は「奉仕」であると同時に、
「見返り」もありました。
中小企業でも出世すれば年収が大きく上がり、
退職金は1,000万円規模で支給されることも
珍しくありませんでした。
しかし近年は、退職金制度を廃止、または
縮小する企業が増え、報酬と労働のバランスは
大きく変わっています。
「残業がなくなった代わりに、長期的な
見返りも薄れてきた」と言えるでしょう。

4. 価値観の変化
一昔前、多くの人が夢見たのは「結婚」
「マイホーム」「出世」でした。
けれども今、その価値観は崩れつつあります。
派遣切り、早期退職、リストラ、コロナ禍、
予測不能な出来事が次々と起こり、
会社に依存できない時代になったからです。
「会社に尽くしても守ってもらえない」
そんな思いが広がり、信頼関係は揺らぎ、
この不信感は、労働者の行動に変化を
もたらしました。
退職代行サービスの普及
副業解禁やフリーランス化の加速
プライベートを優先する価値観の広がり
「会社に縛られるより、自分の人生を優先する」
そんな声が当たり前になりつつあります。

5. 群雄割拠の時代
結果として、社会は「群雄割拠」の様相を
呈しています。
企業に頼らず自由に動く人
出世や地位を目指して走る人
生活の安定を第一に選ぶ人
それぞれが異なる価値観を持ち、
同じ会社にいても生き方はバラバラです。
AIを含むさまざまな技術革新が進む中で、
働き方や報酬の格差はさらに拡大しています。
変化に対応し、学び続ける人は高い報酬や自由な働き方を得る
行動しない人は単純労働に押しやられ、報酬も低く抑えられる
この「二極化」は今後ますます進むでしょう。
個人の選択がそのまま、収入や生き方に
直結する時代になっているのです。
6. おわりに
「残業美徳」の時代は終わりました。
けれども、それが単に「働きやすくなった」
という話ではなく、報酬・価値観・働き方が
大きく変化するプロセスの一部だったことを
忘れてはいけません。
会社に依存するのではなく、
個人としてどう生きるのか。
その答えを出すのは、企業でも社会でもなく、
私たち一人ひとりなのだと思います。
あなたは、自分を信じて進む勇気を
持っていますか?
人生観と時代変化の比較。
幸福観との対比。
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