
#29親が結婚の壁になる、障がい者雇用のわたし | 17歳のあなたへ
※この作品は事実をベースにしていますが、プライバシー保護のため、一部の事実を変更・省略しています。
※この作品には、自傷・希死念慮・摂食障害など精神的に辛い内容が含まれています。読み進める際はご自身の状態に合わせてペースを調整してください。
仕事が少しずつ安定してきた。
同じことを続けられるようになって、自分への信頼が戻ってきた。
そのことが、次のことを考える余裕をくれた。
一緒に住み始めて2年以上経ったわたしと彼は、結婚を考え始めた。
でも、何も進まなかった。
裏では「わたしたち」の話ではなく、「親」の話になっていた。彼のご両親は「親同士は本人がいて、必ず顔合わせをするべき」という考え方を持っていた。そのため、彼は間にはさまれる形となり苦しんでいた。
わたしの視点から見れば、状況は最悪だった。「親」から全力で逃げたのに、自分の人生を歩むために「親」が壁になっている状態。
なぜ、会わなければならないのか。なぜ、誰もこの苦しみがわかってくれないのか。
日に日に彼との喧嘩も増えていった。でも、わたしたちのコントロール外の話でどんなに話しても解決できない状態だった。
例年、年末は彼の実家にお世話になっていた。そして年始には近くの神社へ初詣に行き、干支にちなんだ説法を聞く。
その年は巳年だった。住職さんがこう言った。
「巳年は、脱皮の年です。脱皮して成長していきます。」
なぜか心に響いた。家に帰ってから、「明日、実家に一度帰ってみても良いかもしれない」と彼に伝えた。とんでもなくびっくりしていた。当たり前だった。
わたしが折れたと言えばそうかもしれない。「なんでこんなにわたしだけ頑張らなければいけないんだ」と苦しくなる。でも、長期的に合理的に考えると自分が動いた方が最適だった。
年始の実家は人が多く、子どもが騒いでいるため真正面に向かい合う必要がない場面が多い。兄姉にサポートを求めることもできる。合理的に考えたら、年始を逃すとサポートが少ない状況になるため、いくならその時だった。
そして、次の日実家へ向かった。
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