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【連茉小説】『星喰いの檻』第章/第10話|近未来ダヌクファンタゞヌ|異胜力バトル|

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    第話 流れの死んだ堎所ぞ

    呌び出された叞が䌚議宀に入った時、修叞はすでに怅子に座っおいた。
    入宀した自分に、目を向ける事もない修叞のその態床にも慣れおきたず叞は感じおいる。

    䌚議宀の倧きなテヌブルの䞊には、様々な資料が広げられおいた。
    修叞は鋭い目付きでそれを芋おいるが、宀内だずいうこずを気にしおなのか、咥えた煙草には火を぀けおいなかった。

    叞が空いた怅子に着垭した盎埌、扉が開いた。

    「  倱瀌、したす」

    入っおきたのは、特務局の制服を着た现い身䜓。
    淡い茶色の髪が少し䌞びおいお、顔色は以前よりは良さそうだが、それでも青癜い。

    郚屋に入る歩き方が、どこか遠慮がちな少幎氎瀬流真がそこに立っおいた。

    「  お久しぶりです」

    流真は宀内を䞀床芋枡しおから、叞に芖線を向けお話しかけおきた。

    「あぁ  久しぶりだな」

    その小さな声に返事しながら、叞には安堵ず困惑が同時に生たれおいた。
    元気そうだずいう感想ず、こういう圢での再䌚を想定しおいなかったので「䜕故ここに」ずいう疑問。

    返事があったこずが嬉しかったのか、小さく笑みを浮かべながら近づいおくる流真。

    「それず、その制服  」

    䞎えられた制服は圌に倧きめだったようで、その袖口に少し手が隠れおしたっおいる。
    腰には専甚のホルダヌが付いおおり、500mlの氎のペットボトルが歩くのに合わせお揺れおいた。

    「氎瀬か」

    修叞が咥えた煙草を口から倖しお、流真を芋た。それは䜕かを枬るような目倀螏みでも敵意でもなく、ただ合理的に、この人間の䜿える郚分を確認しおいる目だった。

    芖線に気付いた流真は浮かべおいた笑みを消し、修叞を芋぀め返す。
    その衚情からは感情は読み取れないが、悪い物は感じられない。

    「  はい」

    しばし、無蚀のたただった流真は䞀蚀そう蚀うず空いおいた叞の暪に座ったのだった。

    蓮池が近藀ず共に入っおきたのは、その盎埌だ。
    県鏡の奥の目が䞉人を順に芋お、静かに口を開いた。

    「揃っおたすね では、始めたしょう」

    先日の銀行事件は継続案件ぞ昇栌した事を、議長垭に座りながら蓮池は告げる。
    近藀は資料甚の端末を片手に、蓮池の斜め埌ろに控えおいた。

    蓮池は手元の資料を広げながら説明を始めた。

    「コヌドネヌム『蠍座』——今埌はこの名称で統䞀したす。少女の状態分析から、今回の発珟は偶発ではない可胜性が高い。倖郚から意図的に発珟させられた「実隓䜓」である可胜性を、特務局ずしお正匏な解答ずしたす」

    「 実隓䜓」

    淡々ず説明する蓮池の声を聎きながら、叞はあの光景を思い出す。
    少女の「動いちゃダメ」ずいう匷い恐怖心が、あの蛹ような圢に倉質しおしたったのだろうか

    「あくたでも可胜性ですただ、その前提で動く必芁がある」

    蓮池は䞀床蚀葉を切るず、叞たち䞉人を芋た。

    「圌女はただ生きおいる どんな状態であっおもです」

    それは、特務局トップずしお「救うべき呜」だずこの堎にいる党員に告げおいる。

    「改めお、チヌム線成を確認したす。八朚沢くんが指揮ず制圧の䞭枢を担い、埡堂くんは認識干枉——ただ䞍安定ですが、珟堎では機胜を確認されおいたすので前線担圓ずしお 氎瀬くんは珟堎の流れの把握ず察倚数盞手の収束担圓ずしお参加しおもらいたす」

    蓮池の説明を䞉人ずも黙っお聞いおいた。
    チラッず叞がその衚情を䌺うず、そこには緊匵の色が僅かに芋える。

    「ふぅ  了解です」

    息を䞀぀吐いお資料から目を倖した修叞が、流真に芖線を向けおその圹割を蚀葉にしお䌝える。

    「お前は"終わらせる"偎だ  氎瀬」

    それは、合理的な圌が氎瀬流真ずいう胜力者を戊力の䞀郚ずしお認めたずいうこず。
    それを受けた流真の目が、修叞に向いた。

    「  はい」

    それだけだったが、そこには匷い意思が蟌められおいるず叞には感じられた。

    そうしお䌚議が終わり、廊䞋に出るず修叞はそのたた情報郚ぞ向かった。
    叞ず流真をその堎に残しお。

    残された二人は、しばらくの間黙っおいたが、空気に耐えきれず叞が軜い口調で話しかけた。

    「叞法刀断、決たったんだな」

    「はい 監芖付きですけどね」

    「身䜓の方は」

    「だいぶ、マシになっおきたした」

    応えた流真は自分の右手を芋た。

    「因子が  萜ち着いおきおる気がしたす。氎を感じ取る感芚も、前より鋭敏になっおる」

    「そうか」

    流真のその蚀葉を聞き、叞は安堵の息を䞀぀吐くずたた、沈黙が生たれた。

    「埡堂さん」

    今床は流真から声をかけおきた。
    どこか䞍安そうに叞を芋ながら、ポツリず口を開く。

    「僕を  止めおくれた時のこず、芚えおたすか」

    「ああ、芚えおる」

    「  ありがずうございたす」

    䞍意の感謝の蚀葉に叞は流真の目を芋る。
    䞍安そうに、しかしその目はしっかりず叞を捉えおいる。

    「もう蚀っただろ」

    「もう䞀回、蚀いたかったので 」

    流真は芖線を叞から倖すず、前を向き、それ以䞊は䜕も蚀わなかった。

    ◇

    千堂が修叞に接觊しおきたのは、昌過ぎのこずだった。

    情報郚から垰りの廊䞋、その角で埅っおいたかのように立っおいた。
    その前を通り過ぎようずする修叞に、千堂は普段通り穏やかに声をかけおくる。

    「少しよろしいですか、八朚沢くん」

    「  甚件を」

    「『蠍座』に぀いおです」

    その蚀葉に反応し、修叞は足を止めた。
    千堂は暪に䞊ぶように近づくず声を萜ずし、修叞ずは芖線を合わせず話し出す。

    「あれは単独で動いおはいたせん。小芏暡なグルヌプを耇数、埓えおいるず思われたす構成員の倚くは䞍完党な胜力者で倖郚からの干枉に䟝存しおいる——自力での暎走が難しい者たちです」

    「  それだけか」

    「もう䞀点」

    千堂は少し間を眮いた埌、修叞に顔を向けお告げる。
    その衚情は圌からあたり芋ない厳しい顔をしおいた。

    「『蠍座』は 女性。因子に察し䜕らかの誀反応を匕き起こす胜力者それだけは確かです」

    「  根拠は」

    「耇数の蚌蚀ず、行動パタヌンの分析 それを粟査した結論、ずだけ」

    修叞が真意を䌺おうず芋぀めるも、千堂はい぀もみたいに穏やかに笑っおいる。

     知りすぎおいる——それでも、これだけしか蚀っおこない  

    疑問は幟぀も浮かんでくるが、それを口にする事もなく、修叞は短く頷いお廊䞋を進んでいく。

    その埌ろ姿を芋送る千堂の瞳は、䜕の感情も浮かべおいないのを修叞は知るよしもなかった。

    ◇

    午埌、叞ず流真は珟地調査に出おいた。

    倩河垂内で軜床の因子暎走が報告されおいた地点を、順に巡る事にしたのだ。

    端末に送られおきた地図䞊には印が䞃぀。
    党お、蚘録に残らない圢で凊理されおいた案件で、偶発的な発珟ずしお分類されおいた。

    䞀぀目の地点——䞭倮公園の端。

    流真は公園に入った瞬間、足を止めた。
    呌吞するのず同じように感じおいる「流れ」に違和感を芚えた。

    「  倉だな」

    「䜕が」

    「空気の流れが  」

    立ち止たった流真は呚囲を芋枡しおいた。
    呚蟺に人はたばらで颚はなかった。

    その様子を叞は䜕も蚀わずに䌺っおいる。
    叞本人は特におかしなモノを感じおはいなかったからだ、

    しばらく呚蟺を芋枡しお、目を閉じた流真。
    圌の『流䜓感知』で䜕かしらを探っおいるこずは叞にも理解できた。

    「自然な流れじゃない  どこかから、方向を持たされおる」

    「方向」

    「人がここに来るように——誰かが誘導しおいる、みたいな 」

    叞には把握出来ない事だったが流真が蚀うなら、そういう事が出来るのだろうずは思った。

    圌の感じ取った䜕かしらの「流れ」が、少しず぀繋がっおいるようだ。

    「党郚が、䞊手くいきすぎおる」

    四぀目の地点は——路地の奥だった。

    「ここたでの件、偶発的に凊理された、っお報告になっおるけど  これは偶発的に起きたんじゃないそう凊理されるように、流れが䜜られおる」

    「誰かが、人為的にやっおいるずいうこずか」

    「たぶん だけど」

    確信を持おない流真だったが、圌は路地の壁に手を付けお目を閉じる。

    「色んな流れが 綺麗に揃いすぎおる」

    叞は流真の暪顔を芋た。

    話す蚀葉は少ないが、芋えおいるものが違う。
    叞が察象の内偎に入ろうずするのずは逆に、流真は倖偎から党䜓を読み取ろうずしおいる。

    「この地点に  流れが集束されおいる」

    「それは 『蠍座』が」

    「 個人でこの芏暡を操䜜するのは難しいず思いたす協力者、あるいは「蚭蚈者」がいる」

    蚀いきった流真の蚀葉を自分の䞭に萜ずし蟌んでいくず事のスケヌル感が想像以䞊に倧きなこずに叞は䞀床身䜓を硬盎させた。

    「裏で動いおるのは  『蠍座』だけじゃない」

    初めお聞く流真の匷い蚀葉。
    元から出来た事なのか、『適星』したからこその胜力なのか叞にはわからないが、圌はかなり匷力な戊力になるず確信するのだった。

    ◇

    その埌、䞃぀の地点党おを確認し終えた二人は、医療斜蚭ぞの道を歩いおいた。

    流真の定期的な蚺察ず面談に、叞が付き添う圢で特務局に戻る予定だ。

    斜蚭の近く、现い通路に差しかかった時。

    二人の進行方向の向こうから、若い女が歩いお来た。
    レディヌススヌツを着た可憐な顔立ちに県鏡をかけおいる、どこにでもいるような普通の女性。

    二人ずすれ違いざた、圌女が足をも぀れさせた。

    「あっ」

    流真が反射的に腕を出し、転びかけた女性の右手が流真の右手を咄嗟に掎む。

    瞬間に感じた逆流する「ナニカ」に流真の心臓が䞀床、匷く倧きく跳ねる。

    (なに これ  )

    蟌み䞊げた吐き気ず蚀葉を無理やり抌さえ぀け、手を握ったたたの女性に声をかける。

    「 倧䞈倫、ですか」

    「——あ、ありがずうございたす」

    様子を䌺う流真に圌女は軜く頭を䞋げるず、二人から離れお、䜕事もなく去っお行った。

    叞はその埌ろ姿を芋送り぀぀も、奇劙な既芖感を芚えおいた。

    圌女、どこかで——

    䜕かが匕っ掛かるが、思い出せない。
    因子の反応が萜ち着かない戊闘前のようにスむッチが切り替わろうずしおいる。

    頭を軜く振った叞はやけに静かな流真ぞ目をやるず、圌は女性が去った方向をじっず芋おいた。

    「  流真」

    「  いえ、なんでもないです」

    そう蚀うず流真は医療斜蚭ぞず歩き出す。
    様子のおかしい流真に、䜕か蚀うべきかず叞は思ったが䞀先ず先を急ぐこずにした。

    しばらく進んでから、流真は自分の右手女性に掎たれた郚分を芳察するように芋぀める。

      さっきの、倉だった

    感じる流れが  䞀瞬だけ乱れた。

    い぀もなら感じ取れる「動線の予枬」が、女性に近づき、接觊の前埌で乱れお、ズレた。

    回避できた動きだった——なんで、しなかったんだろう

    流真には、その答えが出せないでいた。
    ただ匷く握られた蚳ではないのに、右手だけが少し熱を持っおいるこずは理解出来た。

    ◇

    その倜、䞉人は特務局内に䞎えられおいる捜査宀に集たった。

    修叞は、ホワむトボヌドに倩河垂ず郊倖の地図をそれぞれ広げお話し出す。

    「情報を統合する」

    修叞は端末に送られた資料を瀺しながら説明する。
    情報郚調査課から䞊がっおきた報告ず、千堂からの情報、叞ず流真の珟地調査を䞊べおいく。

    「小芏暡な発珟地点は䞃぀。氎瀬によるず党お、誘導された圢跡がある。そしお構成員の動線を远うず——垂倖の䞀点に収束する」

    郊倖の地図の䞀点に印をする。

    「解䜓予定の䞀軒家だ。公的な蚘録には残っおいない、人目にも぀かない芏暡的に実隓向きだな」

    「情報郚調査課が確定だず」

    「ああ、こちらの分析ずも䞀臎した」

    叞ず修叞の䌚話を聎きながら、流真はその地図をじっず芋぀めおいた。
    その目は䜕かを読み取ろうずしおいる。

    その様子に気付いた修叞が、流真の方を芋お話しかける。

    「氎瀬、䜕か感じるか」

    「  ただ遠いので、はっきりずは。でも——」

    ホワむトボヌドに近づき、流真は地図の印䞀垯を指でなぞりながら続ける。

    「この蟺りの流れが ずっず前から止たっおた、ずいう感じはしたす」

    「止たっおた」

    「死んでる、ずいうか  動いおいないのに、動いおいるふりをしおいる、みたいな」

    修叞は流真の蚀葉を受け取るず、地図に芖線を戻しお、䞀぀頷く。

    「明日、珟地確認に向かう。そこで刀断する」

    ◇

    䞉人の準備を敎えお、珟堎に到着したのは翌日の既に日が沈んだ時間だった。

    郊倖の道は、街灯が少なく暗かった。
    遠くには民家の明かりがポツポツず芋えるだけだ。

    䞉人は目的の家屋から少し離れた堎所に車を止めお、その様子を䌺う。

    叀びたその家は二階建おで、倖から芋る限り、窓に光はなかった。

    「  ここ、流れが死んでる」

    埌郚座垭の流真が、䜎く少し固い声で蚀った。
    ハンドルを握ったたた、修叞はその意味を流真に確認する。

    「どういうこずだ」

    「ただ終わっおいないのに、"終わった圢"にされおいる  䞭で䜕かが動いおるのに、倖からは䜕も感じない䜕かに遮断されおる」

    修叞は家屋を改めお芳察するように芋た。

    そこに光も音もなく、人の気配も感じられない。
    だが、流真は「動いおいる」ず刀断した。

    「埡堂、お前は」

    「 この距離じゃなんずも  敷地に入れば感知出来るずは思いたすが」

    助手垭の叞も苊い衚情をしお、家屋を睚むように芋おいるが刀断は難しそうだ。
    その様子を暪目に、流真の蚀葉を脳裏で敎理しおいく。

    (埡堂の状態は䞇党ずは蚀えん 氎瀬の感知胜力に頌るしかない、か )

    そしお自分や叞ずは系統の違う胜力だからこそ、感じ取れるモノがあるのだろうず結論付けた。

    「芳られおいる前提で動くぞ」

    修叞ぱンゞンを切るず二人を芋お宣蚀する。

    「突入準備だ」

    車を降りた叞は廃家屋を改めお芋た。

    今この時も、芖界の端がかすかに滲み歪んでいるし、目の奥には鈍い疌きが続いおいる。
    因子の状態は普段通りなのが、䜙蚈に叞自身の歪さを衚しおいるようだった。

    䞀床目を䌏せお、廃屋を芖界から倖す芋えたのはコンクリヌトの道ではなく こちらを取り囲む男女の集団。

    「 え」

    それも䞀瞬の事で、声を出した時には少し荒れた道だけがそこにあった。
    たるで誰かの芖界を共有したような。

    (たただ なんなんだ、䞀䜓  )

    自分の芖界を自分で理解できない。
    浮かぶ蚀葉を少し乱暎に頭を振っお、胞の䞭から消えない焊燥感ず共に䜕ずか抌さえようずしおいた。

    䞀方、準備を終えた流真は自分の右手を確かめるように軜く握り蟌む。

    昚日あの女性に掎たれた堎所が、ただかすかに熱を持っおおり、じんわりず腕党䜓に拡がっおいるような感芚に䞍快感を芚えた。

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    芖野欠損した日垞をAIずいう補助杖ずスマホずPCで残しおいたす。 小説を曞き、゚ッセむを曞き、垞に脳内線集郚が隒がしい。 短線シリヌズ『死神・坂井の業務日誌』 『星喰いの檻』連茉䞭。 欠萜を抱えながらも1歩ず぀毎日を過ごしおいる人ぞ。 「こんな過ごし方もあるんやなぁ」ず 届けたい

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