
ep002:やらないことと、やること。そのための采配。
開店後、ようやく日々のルーチンが考えずにこなせるようになってきた。
ここが本当のスタート地点かもしれない。
そんな風に考えながら開店準備を進めていると、遠くの方で夏の終わりを告げる蜩の声が優しく聞こえてきた。
会塚 元
ふー、今日は少し早めに終われたなぁ
少し食べて、あのバーに行ってみようかな。
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会塚 元
えっと、確かここの路地を曲がって・・・、あったあった!
カランコロン♪
会塚 元
こんばんは、マスター。
マスターM
これは会塚さま、いらっしゃいませ。
お好きな席へどうぞ。
会塚 元
名前、覚えてくれたんだね。
マスターM
はい。
名前を教えていただくお客さまは少ないので、必ずメモをしておくことにしています。
会塚 元
なるほどー
部下のみんなにも教えたいよ(笑)
マスターM
ご注文が決まりましたら、お声がけくださいませ。
会塚 元
実はあまり詳しくはないんだよね。
さっき夜飯食べてきたとこなんだけど、食後にいいカクテルあるかな?
マスターM
もし強いお酒が問題ないのであれば、ゴッドファーザーはいかがでしょうか。ウィスキーをベースに甘く、濃いめのカクテルになります。
会塚 元
ゴッドファーザーか・・・
映画のタイトルと同じお酒なんだ。
挑戦してみようかな!
マスターM
会塚さまのおっしゃる映画の中で出てきた飲み方にインスピレーションを受けて作られたカクテルになります。
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マスターM
どうぞ、お召し上がりくださいませ。
会塚 元
それでは・・・
んー、濃いね!
マスターM
はい、ウィスキーの香りに、さらにアマレットの芳醇な甘さの香りが加わった、デザートとしても楽しめる、食後にゆっくり楽しむカクテルになっております。
どうぞお水も一緒にお飲みください。
会塚 元
ありがとう。
僕もゴッドファーザーのように強い上司に憧れるよ。
また少し聞いてくれるかな?
マスターM
もちろんでございます。
会塚 元
前にマスターに言われたとおり、僕の営業の楽しさ、顧客の喜びを味わって欲しくて、一緒に営業に行くようにしたんだけどさ、なにぶん4人の部下の打合せの全部には同行できないし、全てを把握しきれないんだよね・・・
上司からは成績が少し良くなりそうだから、「俺の席、次は会塚かな!」ってパワハラ気味なこと言われてさぁ
全部把握できてなくて、僕は管理職になれるのかなぁって思ったんだよね。
マスターM
部下の皆様と関係は良好のようですね。
良かったです。
会塚 元
うん、それは問題ない。
もともと年下には好かれるタイプだしね。
ただそれもあってか、些細なことでも僕に相談してきたり、次の訪問も一緒ですよね?って言われたり、頼られるのは良いんだけど、全部は見きれないし、管理は仕切れなくなる・・・
マスターM
会塚さまはお優しいのですね。
だから、優しいお兄さんのように感じてしまっているかもしれません。
時には少しハードルの高い課題を与えるのはいかがでしょうか。
それで皆様の得手不得手がわかるかもしれません。
そうなると、会塚さまの業務も楽になるかもしれませんよ。
会塚 元
どういうこと?
マスターM
ひとりひとり考え方の癖や仕事のアプローチ方法は違うものです。
皆様がなにが得意なのか不得意なのか、それがわかれば会塚さまが皆様のどの点をフォローする必要があるのかが、わかってくると思います。
会塚 元
なるほど・・・
例えば、顧客との関係を作るのは上手いし契約まで持って行けるのに、契約書作るのが苦手な場合は、契約書の部分を注意してフォローする。
初回の顔合わせで緊張する場合は、ロールプレイングを重ねて、緊張してもどうアプローチすればいいのか練習させたり、そこだけ僕も同行したり、、、ということか。
マスターM
左様でございます。
ロールプレイングも会塚さまだけではなく、部下の方同士で行うのも良いかもしれませんね。
会塚 元
なるほど!
ついつい営業全体を見てしまってたけど、ひとりひとり仕事のやり方もあるわけだから、そいつ自身のことも見なくちゃいけないんだ・・・
ロールプレイングもフィードバックが得意なやつがいるしな・・・
マスターM
はい、それに適材適所は会塚さまにも当てはまることです。
会塚 元
どういうこと??
マスターM
先ほど上司の方に言われた言葉でございます。
言い方に違いはあれど、会塚さまが人を見ることができる方だと理解されているのではないでしょうか。
私との会話でも、非常に理解が早く、答えにたどり着いております。
会塚 元
そうか・・・
僕自身も得手不得手あるし、リーダーだからって全て自分でやろうとしなくていいんだね。
僕がプレイングマネージャーとして動きつつ、4番打者みたいに契約を積極的に取りに行くタイプとか、キャッチャーみたいな女房役みたいな存在もいていいんだね。
その中で、僕がどう彼らを采配するかなんだ。
マスターM
会塚さまは野球がお好きなのですね。
その例えのとおりだと思います。
会塚 元
その笑顔で面と言われると恥ずかしいけど・・・、でもそうなのかもしれないな。
あの部長、滅多に人を褒めることはないし・・・
マスターM
はい、何気ない言葉の中に、その人の本心が現れるものでございます。
会塚 元
そうだね。
僕も与えられた場所で、今を楽しみながら仕事をしないとな。
少し背筋が伸びる思いだよ。
今日も、ここでおいしいお酒を飲んで、いろいろヒントが見つかったよ!!
マスターM
そうおっしゃっていただき、大変光栄でございます。
会塚 元
そのマスターの笑顔にも癒やされるんだよね(笑)
マスターM
ありがとうございます。
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ウィスキーとアマレットで作るゴッドファーザー
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会塚 元
んー、ゴッドファーザー、癖になるかも。
強いけど、甘くて、名前の通り、器の大きな父親なのかもしれないね。
映画のゴッドファーザーのようではなく、飴も鞭も使える上司にならないとね(笑)
今日も美味しかった。
今度は何も悩みのないときに、純粋にお酒を楽しみに来るよ。
マスターM
ありがとうございます。
ここは羽を休められる場所でございます。
どんなお気分の時でもお越しくださいませ。
会塚 元
そうだったね。
バーは止まり木だったね。
マスターM
はい。
会塚 元
じゃ、また飲みにくるからね。
マスターM
会塚さま、またのご来店、楽しみにしております。
カランコロン♪
今日の会塚さま、本当に背筋が正しく伸びてドアを開いていかれました。
私自身もこれからバー心の羅針盤、背筋を伸ばして楽しんでいこう。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます!
裏方です。
会塚 元くん、リーダーとしての自覚が出てきたようですね♪
私も書いていて、成長していく姿を見れるのは、とても嬉しいです^-^
自分で書いているんですけどね(笑)
そんな元くんの登場回、初めて部下を持ったときのお話しはこちら。
さて、今回はリーダーとして業務をするうえでのポイントを2つほど挙げてみました。
全てをやろうとしない
適材適所を考える
全てをやろうとしない
私自身もそうだったのですが、ついつい自分でできることは自分でやるし、頼まれたこともついついやっちゃうんですよね。
でもそれをすると、部下・メンバーの成長にはつながらないんです。
「じゃぁ、どうすればできるようになると思う?」
「その質問、自分のなかでどこの段階まで考えた?」
「他にどんな選択肢が考えられるかな?」
「どの仕事から優先すれば、効率が良い?」
内容にもよりますが、相談や頼まれたときに、どこまで考えることができたのか、その考えのなにがだめなのか判断したのか、他の選択肢がないか考えたのか、問いかけることで相手の思考がわかってきます。
これを繰り返していくことで、相談する前にしっかり考えることができるので、思考や判断の放棄した質問になるのか、思考や判断をした結果の判断をして欲しくて相談に来たのか、質がグンと変わってきます。
そして、自分にもその質問をするのです。
自分の業務の中で、部下・メンバーに任せられるものはないのか、そうすることで、部下・メンバーの成長はもちろん、自分の時間の確保にもつながり、業務の幅も広がっていきます。
適材適所を考える
上記の流れで、半分答えが出ていますね(笑)
部下・メンバーに質問して、その答えを聞いていくことで、マスターMの言っている、思考の癖、仕事のアプローチ方法がわかってくるんです。
元くんの仕事のやり方が違う、という点も同じくです。
部下・メンバーの得意なことがわかれば、それを頼んでいく。
部下・メンバーの不得意なことがわかれば、その点をフォローする、もしくは他のメンバーと絡めてみる。
など、適材適所な采配ができるようになっていきます。
ただし、ここには注意があります。
得意だからといって、好きな業務とは限らない。
不得意だからといって、嫌いな業務とは限らない。
ということです。
前回の記事でもお伝えしていた、部下・メンバーとのコミュニケーションの中で、ヒアリングして頼める業務なのか、判断していく必要があります。
得意なことでも、
得意だからこそ、そのスペシャリストになりたい
得意だから、他の業務にも挑戦したい
という場合があります。
不得意でも、
不得意だから、他の業務で成績を上げたい
不得意だからこそ、そこを頑張って乗り越えたい
という場合もあります。
得意・不得意で考えるのではなく、本人の意思、その意思も今後のチームビルディングのために必要なものとして取り入れていきます。
自分の考え方を押しつけるだけではなく、部下・メンバーの考え方や意思も聞きつつ、チームや会社の考え方と合わせて、どの方向性が最適なのかを考える必要があるのです。
初めてリーダーになったとき、私も自分のやり方や考え方を伝えることが多かったのですが、それだけでは上手く回りませんでした。
私は自分ではわからないので、上司に相談したり、直接部下に「今後、どんなチームにしたい?」と聞いちゃいました(笑)
だって、私の頭の小さな箱の中ではわからなかったから。
他人のことはその人に聞かないとわからないんですよね。
そんなことを繰り返したり、いろいろな本や人と話していく中で、こういう道・方法もあるんだな、と紹介いたしました。
ただ、これが正解!というものでもありません。
そのチームのメンバーや会社によって、やり方はいろいろとあります。
その中で上手く進めていける方法のヒントになれば、本当に嬉しいです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます☆
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