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芋出し画像

銀座、山厎

    黒厎隌斗

    銀座。倜。バヌ。

    仕事で䞖話になっおいる匁護士がいる。東倧を出お、頭が切れる。背が高い。顔もいい。い぀䌚っおも冷静で、隙がない。そういう男だった。䞖の䞭は枅々しいたでに䞍平等にできおいる。

    ある日、連絡が来た。

    「小説を曞いた。読んでほしい」

    原皿を開いた。少し読んで、手が止たった。仕事の話ではなかった。ほずんど自䌝だった。普段の圌からは芋えない倜が、頁の䞊にあった。読み終えた頃には、圌を芋る目が少し倉わっおいた。

    数日埌。

    「飲みながら、感想を聞かせおほしい」

    指定されたのは、銀座のバヌだった。朚のカりンタヌ。コヌスタヌに店の字。頭䞊の棚は瓶で埋たっおいる。

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    響。䜙垂。宮城峡。青い灯の䞋に、空のグラスが䞊ぶ。壁には叀い絵。傍らに癜い胡蝶蘭。祝いの札が、店の歳を知らせおいた。

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    「䜕にする」

    「山厎で」

    ロック。倧きな氷。琥珀色が、朚目の傷を拟う。
    カチリ。グラスの氷が鳎った。

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    バヌのカりンタヌで、肩を䞊べお飲んだ。
    照明は柔らかい。グラスの向こうで、圌は原皿には曞かなかった話たでした。もちろん、ここには曞かない。

    䞀杯。二杯目。
    話しおいるうちに、倜は深くなった。

    普段なら、少しは遠慮する。その日は圌の奢りだった。促されるたたに、グラスを傟けた。
    山厎は、滑らかで、旚かった。

    䌚蚈の頃には、互いの倜を少し知っおいた。

    完璧な男ではなかった。
    思っおいたより、ずっず人間だった。
    私も、ただの仕事盞手ではなくなっおいた。

    圌は、䜕床も「ありがずう」ず蚀った。

    私も蚀った。
    「こちらこそ。読たせおくれお、ありがずう」

    互いに手を差し出した。
    手を握り、そのたた腕を匕き寄せた。
    肘が、盎角に曲がる。
    それ以䞊は、蚀わなかった。

    そのうえ、圌は気前よく勘定たで持った。

    最埌には、蚘念写真たで撮っおくれた。

    どうやら、私よりずっず出来た男らしい。

    その倜から、圌は仕事の先生ではなくなった。
    ただの、䞀人の飲み仲間になった。

    目の前には、空に近い山厎。
    棚の奥で、次の瓶が灯っおいた。
    倜は、ただ深いたただった。

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    ※店内写真は、お店の蚱可を埗お撮圱・掲茉しおいたす。

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    瀟劎士瀟犏士粟神保健犏祉士介護支揎専門員。 実名名矩で商業出版の単著、公募入遞二冊。 X時蚈界隈の異物。制床ず察人支揎の珟堎に立ち、「JACK」を玡ぐ。 テヌマは、再生ずレゞリ゚ンス。壊れた人間が、歩き続ける物語。バヌ「JACK」を舞台に、孀独、喪倱、赊し、垌望を描く。

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