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Photo by14mu_sekirei

「ネギ怪人をやっつけろ!」(絵本テキスト)

    「ネギ怪人をやっつけろ」
    (作:はるの こうきち)

    1
    ネギ農家のみなさん、ごめんなさい

    ぼくはネギがにくいのだ

    2
    かむとじゅるっとずれるところ
    へんなあじのしるが
    ぶじゅっとでてくるところ
    おくばでちゃりっとなるところ

    とにかくとにかくいやなのだ

    3
    ひょっとするとくろまくにネギ怪人というのがいて
    ひとびとにいやがらせをしているのではないだろうか

    4
    このあいだ、
    おとうさんに「ぼくはネギがにがてだ」ってしょうじきにいったら
    「そんなことがあるか!こんなにうまいのに」ってネギをやまもりにされた
    うそ~っ!?

    ゆうしょくがおなべだった日
    ぼくのとりざらにおとうさんがネギをばんばんいれてきた
    ぎょえーっ!

    5
    まえからしってたけど
    おとうさんはネギがすきなのだ

    「こんなにうまいんだからたくさんたべさせてやろう」って
    おとうさんはほとけさまのようなそんなきもちなのかもしれない

    6
    ・・・とおもっていたら、
    「にがてなものはひとの3倍たべさせる
    そうすればすききらいはなおるんだ」って

    おとうさんがじごくのオニにみえたのだ

    7
    ネギ怪人のてさきになってしまったおとうさんがにくい
    おとうさんをにくくおもわせるげんいんのネギがにくい

    ネギ怪人め!

    よし!ぼくはネギ怪人としょうぶすることにした

    ネギなんかやっつけてやる!

    ぼくはいかりにふるえてネギ畑にむかった
    まっていろネギ!ネギ怪人!

    8
    ・・・これでもかとネギがはえていた
    さきっぽにしろいへんなのがついている

    かぐやひめみたいに
    あそこにネギ怪人のあかんぼうがはいっていたりして

    ぜんぶに?

    きもちわるくなって
    しょうぶするのをあきらめた

    そのとき、だれかがぼくによびかけた

    9
    「しょうねんよ、しんぱいにはおよばない。
    そのなかにネギ怪人のあかんぼうははいっていない」

    あなたは?!

    「わたしはハクサイ戦士!きみはハクサイはすきかい?」

    はい、おなべのハクサイも
    おかあさんがつくってくれるコンソメスープのハクサイも
    おつけもののハクサイもだいすきです

    「それはすばらしい!ハクサイかんげき!
    はくしゅかっさいだ!
    きみをたすけるためにわたしにきょうりょくさせてくれ!」

    10
    「残念ながらネギ怪人のいどころはわからない
    だからきみのおとうさんを説教する!」

    え~!?いいですよ!ちょっとまってください!

    「あなたがこのしょうねんのちちか?
    しょうねんはハクサイはきちんとたべられているらしいじゃないか!
    それでじゅうぶん、はくしゅかっさいだろう!
    むりやりたいりょうのネギをたべさせるとはなにごとだ!!」

    「なんだおまえは?!」

    「わたしはハクサイ戦士!!

    しょうねんのちちよ、
    あなたはこどものころにどうしてもたべられなかったもの、
    にがてなのにおとなにむりやりたべさせられて
    いやだったものはないのか!!」

    11
    「そういわれれば・・・・・

    おれにもどうしてもたべられないものはあった。
    それをおやじにむりやりたべさせられてとてもつらかった
    いまでもそのたべものをみるとかなしくなる。
    おとなになってからはそれをいちどもたべていない・・・・・」

    「そうだろう
    あなたはむすこにおなじことをしているのだ

    そんなことですききらいはなおらない
    かりにそれでたべられるようになったとしても、『いやいや』だ
    たべられるやさいだって、
    そんな『いやいや』たべられてもうれしくはない

    いまはハクサイでじゅうぶんだとおもおうじゃないか、
    なあ、しょうねんのちちよ」

    12
    「そうだな、きゅうしょくのときにおまえがこまらないようにとおもってのことだったが、おれはまちがっていたのかもしれない
    すまなかったな、むすこよ・・・」

    「わかってくれればそれでいい
    あなたはいいちちだ。

    しょうねんよ、ハクサイをすきでいてくれてありがとう!

    きみがいまよりもおおきくなったらネギもたべてみるといい
    きみはネギすきのおとうさんのこだ
    きみにも、ネギをおいしいとおもえる日がくるかもしれない

    ではさらばだ!」

    ああっ、ハクサイ戦士! 
    まだおれいもきちんといえていないのに!



    13
    「よお、かつやくはこっそりみさせてもらっていたぜ」

    「む?おまえはピーマン忍者!」

    「しかし、おまえはえらいな
    おれなんか『ピーマンがにがてだ』なんてことをいうこどもがいたら、
    『こんなにうまいのになにいってやがる!!』って
    文句のひとつもいいたくなるんだがな

    おまえ、ハクサイ戦士になりすましてるけど、ほんとうは・・・」



    14
    「おまえ、ほんとうはネギ怪人だろう!」

    「ふははははは!さすがだなピーマン忍者!

    いかにも、わたしはネギ怪人
    ハクサイ戦士のへんそう、よくぞみやぶった

    『ネギがどうしてもにがてだというこどもに 
    おとながむりやりネギをたべさせる』

    わたしにはそれがただしいことだとはおもえないのだ

    いまはネギがきらいでも
    そんなこがおおきくなって  いつの日か
    ネギをおいしいとおもえる日がきたら
    そのときはぞんぶんにネギをあじわってほしい

    わたしのねがいはそれだけだ」



    15
    ハクサイ戦士さま

    お元気ですか
    きょうもどこかでネギきらいのこをすくっているのでしょうか

    きょうのばんごはんはおなべでした

    ハクサイ、とてもおいしかったです
    おとうさんはぼくのとりざらにネギをいれてきませんでした

    ぼくがもうすこし大きくなってネギをおいしいとおもえる日がきたら
    そのときは、ネギもたべてみようとおもいます

    それでいいんだよね、ハクサイ戦士

    ハクサイ戦士、ありがとう



    (おしまい)



    #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門











    絵本出版関係者の皆様、
    もし「プロが絵を担当すれば結構おもしろいことになるかもしれない…..」というような匂いがするようでしたら、noteさんを通してのご連絡、是非是非お待ちしております!


    私、5月10日の投稿を区切りに8月になるまで投稿はお休みしようと思っています。8月になったら必ず戻ってきます。

    私はみなさんの投稿を読むのは好きなので、投稿お休み中もnoteは読み続けます。読み専(?)になります。

    催促ではありませんが、もし私の過去投稿にスキいただけた時は、あなた様のnoteにお邪魔して投稿を読ませていただくと思います(多分。ほぼ100%)

    スキに気づけず見落としがあって未訪問になるようなことがあったらごめんなさい。




     
    毎晩抱きまくら抱きしめて眠る50代。妻子と一緒にいること/家飲み/読む書く絵を描く/が好き。このnoteには感じたこと考えたこと体験したことを書き置いています。スキにためらいがある方の「読むだけフォロー」、私は大歓迎です。

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