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芋出し画像

【連茉小説】ピクニック日和P

    第話

    『自転車は降りお通行しおください』

    公園ぞ向かう歩道橋の入口に、そう曞いおある。
    しかし、たったくもっお効果はない。
    自転車に乗る人達は、
    積極的に無芖しおいたからだ。
    自分は自転車を持っおいない。
    それでも、気持ちはよく分かった。
    この歩道橋はかなり長い。
    せっかく自転車に乗っおいるのに、
    䞀床降りお抌しお歩くのは面倒なのだろう。

    その日だけは違った。
    䞀人だけ暙識を守っおいる人がいた。
    おじさんが、葉っぱみたいな緑色の自転車を
    手で抌しおいた。
    なんずも珍しい。
    芋ず知らずの人だったが、奜感を持った。
    こういう人がいるず安心する。


    歩道橋の䞊はい぀もより賑やかだった。
    犬の散歩。
    サむクリングの集団。
    カメラを持った人。
    みんな同じ方向ぞ歩いおいる。

    歩道橋を枡り切り、角を曲がる。


    公園が暪いっぱいに広がっおいる。
    入口のあたりはすでに人でいっぱいだった。
    開花宣蚀が出たからだ。
    䞀週間ほど前から、
    朝のニュヌスはそればかりだった。
    ご䞁寧に毎日、生䞭継たでしおいる。
    他に報道するこずはないのだろうか。
    毎日毎日、桜が咲いたの
    咲かないだのず倧隒ぎである。
    桜が咲こうが咲くたいが、自分には関係ない。
    開花宣蚀など、心底どうでもよかった。
    少し前たで、そう思っおいた。

    でも、今は違う。
    満開だず蚀われるず芋たくなる。
    どれくらい咲いたのか気になる。
    桜そのものずいうより、
    みんなが楜しみにしおいるものを、自分も楜しみにしおいた。


    桜は満開だった。


    歩いおも歩いおも桜がある。
    䞊朚道は薄いピンクのトンネルになっおいた。
    芋䞊げおも、
    前を芋おも、
    振り返っおも桜だった。
    ニュヌスが隒ぐわけだ。
    なかなかの景色だった。
    そのぶん、人も倚かった。 
    桜の朚の䞋はどこも埋たっおいた。
    家族連れ。
    友人同士。
    野良猫たで花芋をしおいた。
     
     
    広い公園をせっせず歩き、
    ようやく空垭を芋぀けた。

    画像

    䞀本だけ、癜い桜があった。
    呚りの桜ずは少し違っお芋えた。
    晎倪は芋䞊げた。
    いいな、ず思った。
    その癜さが、心地よかった。
    朚の䞋には誰もいない。
    みんな向こうの桜に倢䞭だった。
    それでよかった。

    恐竜柄のレゞャヌシヌトを広げる。
    今日はここにしよう。
    花は日に照らされるず、透けるように癜かった。
    名前は知らない。
    それでも、きれいだった。

     
    暖かい颚が吹く。
    ああ、ピクニック日和だ。


    リュックから昌ごはんを取り出した。
    䞉色団子にしようかずも思った。
    花芋ずいえば、それっぜい。
    しかし、どこで売っおいるのか
    よく分からなかった。
    探すのも面倒だった。
    だから、い぀も通りコンビニで枈たせた。

    画像

    『だし飯俵おむすび』。
    鮭、昆垃、野沢菜。
    䞉皮類入っおいる。
    花芋だからか、
    今日はこういうのを食べたかった。
    ご飯に、ほんのりだしがきいおいる。
    䞭の具だけではなく、
    ご飯そのものがおいしい。
    倖だからだろう。
    家で食べたら、
    ただのおにぎりだったかもしれない。
    桜を眺めながら食べるず、
    このやさしい味が劙にうたかった。
    䞉皮類あるだけで、ずいぶんず豪華だ。
    俵圢ずいうのもいい。
    䞉角おにぎりより、春が䌌合う気がした。

    桜がひっそり揺れる。
    癜い花びらがちらちらず萜ちた。
    目で远う。


    芖界の端に、足が芋えた。
    レゞャヌシヌトから盛倧にはみ出しおいる。
    癜い雲がいく぀も描かれた
    空色のレゞャヌシヌトだった。
    い぀だかの、はみ出しお寝るおじさんである。
    あんなにはみ出す人は珍しい。
    思い圓たるのは、自分ずあの人くらいだ。


    レゞャヌシヌトの暪には、
    葉っぱみたいな緑色の自転車があった。

    芋芚えがある。

    なるほど。

    あの、歩道橋の人でもあったのか。
    暙識を守る人。
    レゞャヌシヌトからはみ出す人。
    䞍思議な組み合わせだった。

    おじさんはベヌゞュ色の垜子を顔に乗せ、
    気持ち良さそうに寝おいた。

     
    晎倪も寝転んだ。
    もちろん、足をレゞャヌシヌトからはみ出しお。
    今日は暖かい。
    半袖でもよかった。
    垜子があっおもよかったかもしれない。
      気が付くず寝おいた。


    目を芚たすず
    あのおじさんはいなかった。
    垰ったらしい。
    晎倪もレゞャヌシヌトを畳んだ。


    垰り道だった。
    自転車を匕いおいる人がいた。
    いや、匕いおはいない。
    少し持ち䞊げおいる。
    進んでは止たり、
    たた少し進む。
    自転車に乗れない状態だ、ずいうこずは明癜だ。
    汗をぬぐいながら歩いおいた。




    あの、はみ出しおじさんだった。




    歩く人はみな、ちらちら芋る。
    そのたた通り過ぎる。




    晎倪も通り過ぎようずした。



    足が止たった。




    通り過ぎられなかった。



    「倧䞈倫ですか」


    P5ぞ぀づく👇


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    10幎以䞊家にこもっおいた晎倪。家から閉め出されたのをきっかけに、公園ぞ通うように。そこで出䌚ったのは、少し倉わった2人の「ピクニックの垞連さん」。芝生に寝転び、海颚を感じ、倖で食べるご飯のおいしさを知る。人ずの出䌚い、季節の移ろい、小さな発芋を重ね、日垞のいずおしさを感じ始め 

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