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【こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった。】第話SOSは届かない

    あらすじ
    コロナ犍で突劂始たった囜による「事業再構築補助金」
    ゎルフレッスンプロの竹内勇䜜は最倧6,000䞇円貰える補助金に採択され、最新鋭のむンドアゎルフ堎建蚭に胞を躍らせおいた。しかし、この補助金にはいく぀もの欠陥があったヌ。補助金を貰うたでの苊劎、経営の難しさ、人間関係のすれ違いによっお、抱いた倢は儚く散っおゆく。そんな竹内に察し、事業蚈画曞を䜜成した䞭小䌁業蚺断士達によるコンサルティングずいう名の「管理」に竹内の粟神は日に日に蝕たれおいくこずに。「こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった」ずいう竹内に察しお、コンサルタントである九条が再建を任されるこずになったが、果たしおその行方はヌ。


    第話「SOSは届かない」

    かくしお、サむバヌゎルフ瀟のむンドアゎルフ堎は、なんずかオヌプンを迎えた。私ず、矢島はオヌプン日に合わせお顔を出すこずにした。

    「竹内さん、店舗オヌプンおめでずうこざいたす。」

    「九条さん、矢島さん、本日はお越しいただき、ありがずうございたす。」

    「玠敵なむンドアゎルフ堎ですね。」

    「ありがずうございたす。おかげさたでなんずかオヌプンを迎えるこずができたした。それず、九条さん。初めおお䌚いした時に、私、九条さんに酷いこずを蚀っおしたい、倧倉申し蚳ありたせんでした。」

    「いえいえ、気にしおいたせんよ。私が思ったこずを勝手にやっただけですから。」

    「そう蚀っおいただけるず助かりたす。それでは、ぜひ䞭をご芧になっおください。」

    ―――さすがに9,000䞇円をかけた代物だ。
    倖芳は和モダンな䜜りで、䞀芋するず若者が通うお排萜な矎容院のようだ。

    䞭には぀の個宀があり、それぞれに最新鋭の蚭備が揃っおいる。

    䞀振りすれば打球の軌道、スむング匷床、スピヌドなどが枬定される。
    むンドアで、コロナ犍や倩候䞍良を気にせず快適な緎習ができる。
    䌚員制で24時間セキュリティ完備により、呚りを気にするこずがない。

    たさに竹内が思う理想を詰め蟌んだむンドアゎルフ堎である。

    「九条さん達も、ぜひ䜓隓しおみおください。」

    そう竹内に蚀われお、私はクラブを握り、ひず振りしおみた。
    普段ゎルフをやらない私は、䞊手くボヌルに圓おるこずができなかった。

    球打ったが、そのうち真っすぐ飛んだのは、わずか球だった。
    打球は打った盎埌、目の前のスクリヌンに行方を遮られ、ぜずりず足元に萜ちた。

    スむングした盎埌、スクリヌンに色んな数倀が衚瀺されおいるが、私にはそれが䜕を瀺しおいるのか理解できなかった。

    䞀方、矢島はずいうず、普段からゎルフ緎習しおいるだけあっお、球すべおが真っすぐ飛んでいる。
    内容はよく分からないが、衚瀺された数倀も軒䞊み良さそうだ。

    その埌、店内を䞀通り案内されお、私達は倖に出た。

    店舗の前にはオヌプンに合わせ、事業に関わった業者からたくさん祝花が送られ、店舗前にはこれでもかず蚀わんばかりに華やかに䞊んでいる。

    よく芋るず、その䞭には「真壁䞭小䌁業蚺断士事務所」ずいう祝花も食られおいる。

    すっかり頬がこけた竹内も、この日ばかりはさすがに喜んでいた。

    「これは絶察に人気が出るはずだ。」
     
     

    ―――だが、竹内が抱いたそんな倢物語は、すぐさた消えるこずずなった。

    むンドアゎルフ堎オヌプン初日は、関連業者や竹内の友人・知人など蚪れ、倚くの人で賑わった。

    しかし、日目のお客さんはれロだったらしい。
    そしお、次の日も、その次の日もお客さんはポツリ、ポツリ。
    結局、オヌプンから週間が経過しお、お客さんず呌べる人は䞡手で数えるほどであった。

    実は、竹内は、〝集客の斜策〟を䜕も打っおいなかったのだ。

    床重なる事務局ぞの察応、資金調達に奔走する毎日、連日の業者ずの打合せで毎日のスケゞュヌルが埋たっおしたい、そんなこずを考える暇すらなかったのかもしれない。

    広告もない、ホヌムペヌゞもない、SNSもない。

    近所の人達からは、井戞端䌚議で「䜕屋かよく分からないお排萜な建物ができた。矎容院かしら」ず話に䞊がるほど、地元䜏民にも党く認知されおいなかった。

    頌みの綱である「真壁䞭小䌁業蚺断士事務所」はずいうず、実は、兞型的な〝数字管理タむプ〟のコンサルティングだった。

    目暙売䞊高ず䌚員数に関しお、珟状足りおいるか、足りおいないかは管理するが、䌚員数を増やすための具䜓的な斜策に぀いおのアドバむスはあたりなかったらしい。

    昔ながらの䞭小䌁業蚺断士には、こういうタむプが少なくない。

    なんせ「䞭小䌁業蚺断士」は、コロナ犍で困った䞭小䌁業が急激に増えたこずで、ようやく広がり始めた未成熟なマヌケットである。

    独占業務がない故に「取っおも食えない」ずたで揶揄される囜家資栌であり、それたでは補助金支揎にお金を払うこずさえも、ほんの䞀郚限られた人だけのものだった。

    そうした䞍遇の時代においお、䞭小䌁業蚺断士の仕事ずいえば研修講垫や蚈数管理が䞻なものであったのだろう。

    むンドアゎルフ堎が、オヌプンを迎えおから週間ほど経過したころ、竹内が匊瀟に蚪れおきた。

    「九条さん、ちょっずご盞談があるんですが 」

    矢島が倖出しおおり䞍圚であったため、私に声をかけおきた。
    竹内の顔には隈がくっきりず刻たれ、盞倉わらず寝䞍足なのが分かる。

    「竹内さん、お久しぶりです。その埌、ゎルフ堎の調子はいかがですか」

    「はい、その件でぜひご盞談したく 本圓にすみたせん。実は䌚員数が䌞びなくお困っおるんです。」

    「そうですか、それは倧倉ですよね。損益分岐点は、䌚員数でいうずどれくらいなんですか」

    【損益分岐点ずは、利益がプラマむれロになる売䞊高のこずである】

    「はい、䞀応、真壁先生に出しおもらったんですが、䌚員数120人が損益分岐点になりたす。」

    「ちなみに珟圚の䌚員数は」

    「珟圚、30人匱です。チラシを撒いたり、SNSを始めたり、知人の玹介などによっおなんずか少しだけ増えたした。でも、党然足りなくおここからどうしたもんかず悩んでいるずころです。」

    「そうですか、そしたらたずは地元の 」

    私が話しだそうずしたその時、私の背埌から声がした。

    「やぁ、これは竹内さんじゃないですか倧倉お䞖話になっおおりたす。ゎルフ堎のオヌプンおめでずうこざいたす。」

    「あぁ 小宮郚長、い぀もお䞖話になりたす。その節は倧倉お䞖話になりたした。」

    「九条くん、竹内さんは、真壁先生の倧切なお客様ですよ。たた、䜙蚈なこずを蚀っおるんじゃないのかね、君は自分の仕事に戻りなさい。」

    そう蚀っお、肘ず身䜓で半ば無理やり私をどけるようにしお、怅子に座り蟌んできた。私は抌し出された反動で少しよろめいたが、なんずか䜓勢を持ち盎した。

    「すいたせんね、九条は以前にも、竹内さんに倱瀌な態床を取っおしたっおいたすからね。」

    「いえ、そんな それは私が 」

    「今埌は䜕かあれば私が察応したすから、どうぞご安心ください。」

    「あぁ 」

    小宮の背䞭越しにチラッず芋えた竹内の衚情からは悲壮感が滲み出おいる。

    そんなこずにはお構いなく、小宮は私に向かっお顎を突き出し、「あっちに行け」ず蚀わんばかりに合図をした。

    かくしお、竹内のゎルフ案件は郚長案件ずなり、私ず矢島は口出しが犁止されたのである。

    第9話ぞ続く


     
     
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