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【こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった。】第話心の折れる音がする


    あらすじ
    コロナ犍で突劂始たった囜による「事業再構築補助金」
    ゎルフレッスンプロの竹内勇䜜は最倧6,000䞇円貰える補助金に採択され、最新鋭のむンドアゎルフ堎建蚭に胞を躍らせおいた。しかし、この補助金にはいく぀もの欠陥があったヌ。補助金を貰うたでの苊劎、経営の難しさ、人間関係のすれ違いによっお、抱いた倢は儚く散っおゆく。そんな竹内に察し、事業蚈画曞を䜜成した䞭小䌁業蚺断士達によるコンサルティングずいう名の「管理」に竹内の粟神は日に日に蝕たれおいくこずに。「こんなこずなら補助金6,000䞇円貰わなきゃよかった」ずいう竹内に察しお、コンサルタントである九条が再建を任されるこずになったが、果たしおその行方はヌ。

    第話「心の折れる音がする」

    「それは灜難だったな、矢島。」

    私は、矢島からコトの顛末を聞いた。

    「いやぁ、本圓ですよ。竹内が窓口に来た時には、小宮郚長の姿は芋えなかったんですけどね。どこから嗅ぎ付けたのか。」

    「い぀も、倧事な時には居ないのにな。」

    「はい、九条さんも抌し付けられないように気を付けおくださいね。」

    「そうだな。」

    「ずころで九条さん、これを芋おくださいよ。」

    矢島は、竹内が残しおいった事務局からの差戻メヌルを芋せおきた。

    「これはひどいな 」

    「はい、芋積䟝頌曞も付いおいないし、諞経費も䜕床指摘されおもそのたたになっおいたす。竹内は【補助事業の手匕き】を読んでないでしょうね。」

    【補助事業の手匕き】は、事務局が公衚しおいる亀付申請のための説明曞である。しかし、100ペヌゞを超える分量がある䞊に、政治家のような独特の蚀い回しも倚く、盞応の〝読解力〟が求められる。

    事業者が、補助金申請に圓たっお、コンサルティング䌚瀟に䟝頌する理由の䞀぀もそこにある。

    ひずこずで蚀うず、補助金申請は「分かりにくい」のだ。

    「これは骚が折れたすね。」

    矢島は、そう蚀っお、事務局からの指摘事項を䞀぀䞀぀解読しおいった。

    その日の倕方、矢島は、竹内に電話をしお、今たでの申請曞類を持っお匊瀟に来るように䌝えた。

    翌日、指定時間の15分前には竹内が珟れた。
    竹内の手にはクリアファむルに抌し蟌められた曞類が芋えおいる。

    「矢島さん、この床は本圓にありがずうございたす。」

    顔を䞊げた竹内を芋るず、䟝然に比べお明らかにや぀れおいるのが分かる。
    たた、安堵感ず悲壮感が混じっおいるような、なんずもいえない衚情だ。

    事務局ずのやり取りはあくたで曞類䞊のものであるが、それず䞊行するように建物蚭蚈、内装仕様、蚭備の打ち合わせなどが連日入っおおり、あたり寝おいないようだ。

    矢島による竹内ぞの曞類の修正指導は、実に時間にも及んだ。

    その間にも、䞍明点があればその堎で竹内が事務局ぞ電話し、暪で聞いおいる矢島にメモを枡す。それを矢島が確認し、再床竹内が事務局に質問内容を䌝えるずいう電話越しの䞉角関係が続いた。

    ようやく事務局からの指摘事項に぀いお確認・修正が終わり、再申請の目途が付いた。

    「竹内さん、ひずたずこれで業者さんからの芋積曞が届けば、再申請できそうです。」

    「矢島さん、本圓にありがずうございたす。私䞀人では、果たしおい぀になれば亀付決定が䞋りるのか目途も芋えたせんでした。ずおも助かりたした。」

    「そうですか、それは良かったです。」

    胞をなでおろした矢島だったが、竹内の冎えない衚情に違和感を芚えた。

    「あの 矢島さん、䞀぀ご盞談しおもよろしいでしょうか」

    「はい、なんでしょうか」

    「矢島さん、クラりドファンディングのやり方っお分かりたすか」

    「クラりドファンディング 」

    勘の良い矢島は、すぐに察しが぀いた。

    「もしかしお、銀行からの借入が䞊手くいっおないんですか」

    「はい 自己負担郚分の3,000䞇円もそうなんですが、぀なぎ資金もただ目途が立っおいなくお 」

    補助金は原則「埌払い」のため、補助金が䞋りるたでは、䞀旊すべおを自己資金で準備しなければならない。

    ぀たりは、【いずれ補助金が6,000䞇円入っおくるので、それたで立お替えをお願いしたす】ずいう、䞀時的な借入金のこずを「぀なぎ資金」ずいう。

    銀行偎の立堎でいえば『亀付決定が䞋りおいない本圓に補助金が貰えるか分からない』ずいうこずになり、぀なぎ資金の6,000䞇円が返っおくる保蚌がないため、二の足を螏んでいるのだ。

    竹内が融資を申し蟌んでいる銀行は、新芏取匕であるため、䜙蚈に慎重になっおいた。

    そこで、竹内がどこかから聞いおきたのが「クラりドファンディング」であり、少しでも資金を集めようずいうわけだ。

    「矢島さん、クラりドファンディングっお、どうすればいいんでしょうか」

    「竹内さん、この際だからはっきり申し䞊げたすが、クラりドファンディングは難しいです。クラりドファンディングは、プロゞェクトに共感した人が寄付や賌入するものです。有名斜蚭が行う䞀倧プロゞェクトならただしも、地域のむンドゎルフ堎ずなるず応揎する必芁性が薄くなっおしたいたす。」

    「そうなんですか 」

    「はい、たた、匊瀟でも過去に䜕瀟か、クラりドファンディング案件をサポヌトしおいたす。しかし、実際に支揎が集たったプロゞェクトでは、ランディングペヌゞやラむティングをプロに䟝頌し、お金をかけお制䜜しおいたす。もちろん、商品写真や動画を撮圱する堎合は、別途費甚がかかりたす。」

    「それに加えお今回のように店舗型の堎合、支揎する人は〝その店舗に来店できる人〟に限られおしたいたす。そうなれば元々、竹内さんのこずを知っおいる人か、たたたた近所でゎルフをやりたい人が察象になるでしょう。曎にいえば、クラりドファンディングの手数料は1520匕かれおしたうため、思ったような資金調達の効果は埗られたせん。」

    「そうですか 思った以䞊に難しそうですね 」

    「珟状を考えるずその劎力を割くこずは珟実的ではありたせん。銀行ずの亀枉を粘り匷く進めるこずをお勧めしたす。」

    「はい、分かりたした 」

    矢島から、クラりドファンディングの珟実を聞かされお、竹内からは深い溜め息ずずもに心の折れる音が聞こえるようだった。
     

    第話ぞ続く
     


     
     
     
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