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小説🎈第䞉話『喫煙宀の颚船はダンデレで割れる』関根線①

    ※本䜜には、粟神疟患、自死、過呌吞などの描写が含たれたす。たた、登堎人物の䞍安定な心理状態や、䟝存的な人間関係を扱う堎面がありたす。

    䜓調や気分に合わせお、無理のない範囲でお読みください。


    前たでの話はコチラから


     俺は自分のマンションに垰るず、にゃあにゃあ足にすり寄っおくる猫に逌をやり、自分の倕食の準備を始めた。

     築20幎の分譲マンション。芪が退職金で買ったもので、その芪も昚幎ず䞀昚幎に亡くなった。
     亡くなった圓初はかなり萜ち蟌んで塞ぎ蟌んだが、今は叔母の勧めで飌い始めた保護猫のチンゞャのお陰でかなり回埩しおきた気がする。

    䜕なら改修工事で、日の圓たりが悪くなっおたからかも、なんだけど

     芪の葬儀だの四十九日だのしおいる間に、前々から蚈画されおいた改修工事が始たった。どうやらこのマンションの自治䌚はカナリのやり手だったようで、゚ントランスも倖壁も芋た目がピカピカになった割に工事費甚が安く枈んだらしく、毎月払う修繕費が䞋がり、このマンションの物件䟡倀が䞊がったらしかった。

     むトコが䞀回忌で「凄い」ず耒めおくれおいたが、凄いのは自治䌚ず芪の運であっお⋯⋯その芪も亡くなっおしたったし、もう俺の運なのかな⋯⋯
    でも運なんお、良い物件を匕き圓おるよりも別のこずに䜿いたかった。

     䟋えば⋯⋯そう、才胜、ずか。

     今日も適圓に流れおきた声優のゲヌムの実況動画を芋ながら、あり合わせで䜜ったツナの卵ずじ䞌をかき蟌む。フラむパンから移したばかりだから、適圓に入れた絹豆腐が、舌に絡み぀いお軜い火傷をした。

    痛っお

     急いで冷蔵庫の麊茶を出しお䞀気飲みする。舌は痺れおいるし、圓たっおいた唇の内偎がヒリヒリしおいる。倚分ミミズ腫れみたいになるや぀。

     動画の䞭の声優は、難関ゟヌンを突砎したらしく、はしゃいでいる。

    いいな、ゲヌムしおるだけでお金貰えお

     俺だっお、そこぞ行きたかった。
     ゲヌムが䞊手くいっただけで、䜕千人もの人達が圌ぞ「おめでずう」ずギフトを送っおいる。
     俺はその花束やハヌトマヌクを芋ながら、その声優が蚀った蚀葉を繰り返しおみる。

    「いや、みんなのお陰でクリア出来たんですよ」
    「マゞでみんな愛しおる」
    「みんな俺のカノゞョね」

     最埌のセリフを耳にするず、涙が出おきた。圧倒的にカッコいい声優の声ず、俺のモブ感溢れる冎えない声。

    もう諊めたんだから、未緎たらしく芋るなよな
     ず蚀い聞かせお、平和な動物の動画ぞ切り替える。矊がひたすら牧草を食べる動画。

     そうだ。
     俺は矊偎なんだ。

     牧矊犬にはなれない。
     恐れられお埓っおもらえるようなカッコよさは、俺の声にはなかった。

     高校を卒業した俺は、声優の専門孊校ぞ進んだ。圚孊䞭もオヌディションをガンガン受けお、ガンガン萜ちた。

     䞀幎もその生掻を続けるず、オヌディションでは、通知が来る前に䜕ずなく萜遞が分かるようになった。審査員の、興味の熱が消えた目を芋るず、もうこちらも頑匵る気持ちが萎えおしたう。明らかに、グルヌプオヌディションだずその差が歎然ずしお、俺は自分の力量を悟っおしたった。

    向いおない

     それでも、声優孊校は趣味の合う友人がいたので、楜しく通えた。

     楜しく通ったあずは、䞀般䌁業の就掻で倧爆死しお、専門孊校時代から週䞀でバむトしおいた遊園地にフルで入るようになった。

     倕食を食べ終わっお、片付けおいるず、動画の矊にチンゞャが反応しお攻撃しようずしおいた。

     止めおくれ。
     動画の䞭でくらい、ゆっくり過ごさせおやっおくれ。

    

     翌朝、俺は敢えおむンカムで関根さんに連絡を入れた。

     ブツッ
    「お疲れ様です。真島です。関根さん、むンカム入られおたすか」

    「⋯⋯はい。関根です」

    「おはようございたす。昚日のシフト衚っお、その埌倧䞈倫でしたか」

    「あヌ⋯⋯。たぁ、はい」

    「なら、良かったです」

     ブツッ、ずむンカムから出おいっお、受信だけのモヌドに切り替える。

     い぀も通りの事務連絡だ。
     そうそう、この感じ。

     䜕も起こらない。
     誰も、俺を芋おいない。

     芋おないんだから、考えるなず蚀い聞かせお颚船売りに戻る。

     売り堎では、朚浪がい぀も通り空振りっおいた。
     愉快な笑顔を匵り付けたうさぎが登堎するず、䞀気に子連れの芖線が集たる。

     朚浪から颚船を泚意深く受け取る。

     受け取った瞬間、わざず飛ばしおしたいそうに「わっずっず」ずいう仕草のあずに「あちゃヌ」をしおみせるず、蟺りから集たっおいた芖線が䞀気に奜意のある物に倉わった。

     次第に売れおいく颚船達。

    「やヌ。やっぱ真島さんが居ないず颚船、売れたせんねぇ」

    「俺っお蚀うか、このうさぎだから。お前もこれ着ればっお、䜕回蚀えば⋯⋯」

    「えぇヌ。男子が着たや぀、着たくないぃ」

    「⋯⋯や、そこたで汗臭くは⋯⋯」

    「いヌやヌなヌんヌでヌすヌ」

     そう蚀っお朚浪は俺を䞍朔扱いするず女子曎衣宀ぞ䞋がっおいった。


    嫌っおなんだよ 内垃は毎回掗っおるし、そんなに臭くは⋯⋯臭くは

     脱いだうさぎの身䜓をクンクン嗅いでみる。うぅん やっぱ、掗剀の匂いだけだよなぁ

     今はそんなに暑い季節じゃないし、今日はゲヌムドヌムでの接客だったのでそんなに汗はかいおないはずだ。

     この最新匏の着ぐるみは、䞭に空調システムもあっお熱がこもらない蚭蚈にしおあるから、倖気ずの差はせいぜい床皋床。

     汗だくには⋯⋯なるが。
     なるが䌑憩時間の床に党郚着替えおいるし、汗拭きシヌトは䜿っおいるし、そんなに匂いは着いおない⋯⋯はず。

     男子曎衣宀で銖を傟げおいるず、朚浪のがやく声が聞こえおきた。

    「あぁあヌヌ 今日もうさぎ、オススメされたぁ」

    「うさぎっお。パヌチ君っお名前があるんですから、そう呌んで䞊げお䞋さいよ」

     どうやら、関根さんが話し盞手みたいだ。

    「だっおぇヌ 男の人が来た埌の着ぐるみっお なんか なんかぁ」

    「なんか⋯⋯」

    「そヌりゃ、アむドル䞊みのむケメンのなら喜んで着たすけどぉ」

    「はははw アむドル⋯⋯」

    「先月行ったラむブのナナキ君なんお あぁああ 顔面囜宝おぉう」

     どうやら自分のスマホを眺め始めた朚浪。
     そのたた垃が擊れる音がするず、関根ちゃんの焊った声がする。


    「な んなぁ 卑猥 そんな、卑猥なッ」


    「いやいやいやいや、䞊半身脱いで、泡で掗っおるだけで」

    「䜕で こんなに舐め回すようなカメラワヌク」

    「それは。それは、関根ちゃんの心がそう芋せおるだけで」

    「私のせいにしないで䞋さ⋯⋯きゃあヌ、そんなの芋せないでぇ」

     関根さんの声が次第に尖っおいくこずを意に留めず、ナナキくんをお勧めする朚浪。

    「そんなのっおなにヌ ナナキ君をそんなの呌ばわり」

    「ナナキか、ハチキか知りたせんよ そんポヌズ⋯⋯それ本圓にアむドルですか!?」


     急いでナナキ君をスマホで怜玢する俺。

     えぇヌ 普通にキメた顔をしおるだけで、そんなに卑猥なや぀なんお、出おこないぞ


    「ナナキ 泡」で怜玢をかけようずした所で、関根さんの悲鳎が聞こえおきた。


    「嫌だぁぁぁああ」



    「あっはははははッ⋯⋯は、っお、んん だ、倧䞈倫 関根ちゃん!?」

     薄いベニダ板枚隔おた先で聞こえる、ヒュヌハヌヒュヌハヌずいう苊しげな声。

     たたに、
    「しぬ」
    「く、くるし⋯⋯」
     ず聞こえおくる。


    これ、ダバむや぀だな
     俺は咄嗟に昌ご飯のコンビニ匁圓ずデザヌトのアむスの空をたずめおいた袋の䞭身を党おその堎にぶち撒けお、女子曎衣宀のドアぞ走っおいっお、ドンドンずドアを叩いた。

    「倚分、関根さん、過呌吞になっおたす 袋 袋で呌吞させお䞊げお䞋さい」

     その声に匟かれたように朚浪がドアを開ける。
    「え、袋 ふく⋯」

     ドアの奥で、苊しげに胞を抌さえる関根さんに、倧きな声で叫んだ。

    「倧䞈倫です 過呌吞で死んだ人は過去に䞀人もいたせん なので怖がらずに、俺の話を聞いおください」

    「え、ふく⋯あぁ、これ 関根さん これ口に圓おる⋯⋯ので合っおる」

    「いいから 早く⋯⋯」

     ビニヌル袋を抌し付けられた朚浪が、䞍安げに関根さんにビニヌルを持っおいく。

     関根さんはそれを受け取るず口に圓お、袋の䞭で呌吞をしようず詊みる。

    あ、あれ。そうか でも、もしかしお⋯⋯

     䞍安になった俺は、スマホで過呌吞を調べ始めた。

    「せ、関根さん。すみたせん、今は袋の凊眮は⋯⋯」

     調べ終わっお関根さんに声をかけるず、関根さんは深い呌吞を取り戻した様でだいぶ楜そうな顔になっおいた。

    ⋯⋯あ、今回はこれで良かった、感じか

     俺はそのたたドアを閉めるず、朚浪に関根さんの偎から離れないように䌝えお、男子曎衣宀に戻るず、関根さんにラむンを送った。

    ──すみたせん、さっき調べたら過呌吞に袋は叀いんですね。二酞化炭玠で逆に危険になる事があるっお曞いおあっお──

    ──いえ、助かりたした。私、こうなったの、回目で、慣れお無くお──

    ──そうなんですね。
     ず入力しお、䞀床スマホを䌏せた。詳现を聞くべきか迷ったからだ。䞀床目はい぀だろう 䜕がきっかけだったんだろう そもそもなんで過呌吞が起こったんだろう

     ぐるぐる考えおから、いいや、ず「了解です」のスタンプを送っお終わった。

     今はずりあえず、苊しい思いをした関根さんの叀傷かも知れない所に、觊れたくなかった。



    続きはコチラ



     
     
    䜜家志望。 小説゚ッセむを茉せおいたす🌷

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