
アカリウム深層 新種発見|ワスレナイーデ
赤髪のあかりさんの企画
「アカリウム深層 新種発見」に参加します✨
アカリウム深層で、新種発見。
未知の深海の生き物を1体見つけました。
その名は
ワスレナイーデ
発見場所:アカリウム深層・水深約5,400m
体長:本体約35cm。ひらひらと伸びる尾状のヒレまで含めると約80cm
体色:オレンジ、コーラルピンク、淡い桜色
特徴:ハートのような体と、光をまとった薄いヒレ。体表には細かな発光器官が無数にある。
主な食べ物:マリンスノーと微小な発光プランクトン
性質:おとなしく、ほかの生物を攻撃することはほとんどない。
生息環境:海底火山から少し離れた、わずかに水温の高い岩礁帯。群れは作らず、1〜2体で行動することが多い。
寿命:不明。成長の速度が非常に遅く、長寿の可能性がある。

最初に見えたのは、生き物の姿ではなかった。
真っ暗な海の奥で、オレンジ色の光がひとつ、ゆっくり揺れていた。
近づいてみると、その光は静かに形を変えながら泳いでいた。体の中心は透明感のある暖かなオレンジ色。そこから外へ広がるヒレは薄いシルクのようで、先へいくほど桃色に変わっていく。
泳ぐたびに細かな光がこぼれ、通ったあとに一瞬だけ星屑のような光の筋が残る。
そして何より目を引いたのが、正面から見るとハートに見える形だった。
ワスレナイーデには、少し変わった習性がある。
同じ種類の個体と出会うと、互いの発光の間隔を少しずつ合わせていく。最初はばらばらだった光が、長く一緒にいるほど同じ速さで明滅するようになるらしい。
さらに不思議なのは、その相手と離れたあと。
一度覚えた光のリズムは、すぐには消えない。
長い個体では何年ものあいだ、相手と同じ明滅を体の奥に残したまま泳ぎ続けるという。
危険を感じたときには、オレンジ色だった体を一瞬だけ濃いピンク色に変える。けれど逃げる速度はそれほど速くない。
大きなヒレを閉じ、光を弱めて周囲の暗闇に溶け込むことで身を守るようだ。
単独で泳ぐ個体を観察していると、さらに妙なことに気づいた。
まっすぐ泳げるはずなのに、ときどき少しだけ体を横へ寄せる。
そして、何もいない隣に、ちょうどもう一体が泳げるほどの空間を残す。
偶然なのか。
昔そこにいた相手を、覚えているのか。
調査記録には、こんな一文だけを残した。
「この生物は、相手そのものではなく、相手と一緒にいたときの光を記憶している可能性がある」
だから、この名前をつけた。
ワスレナイーデ。
「忘れない」のか。
それとも、
「忘れないで」なのか。
名前をつけた私にも、まだわからない。
ただ今日もアカリウム深層の暗闇で、オレンジからピンクへと変わる小さなハートが、誰かの光を抱いたまま静かに泳いでいる。
以上!!調査隊からの報告でした。
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